『みんな〜今日は来てくれてありがと〜! 今日は楽しんで欲しいからみんな〜着いてきて〜!』
『わ〜! アイ〜!! 』
私の名前は星野アイ……完璧で究極のアイドルとして生まれた
◆◆◆
あの日私は自分の姿を姿を見て絶句した。その姿を私は識ってる。星野アイ……あの世界に生まれた完璧で究極のアイドル……だがこの世界は残酷だった。
「この姿に転生したならアイドルとしてトップを目指すのは義務であり目標だ。だけど……だけど聞いてない! この世界がシンフォギアの世界だなんて聞いてないよぉぉ!!! 」
TVで報道された人類を殺す無慈悲な怪物……ノイズが存在していた。そしてその化け物が人間を炭化させる。そんな世界は1つしか心当たりがない。そう……この世界の名は……
「戦姫絶唱……シンフォギア……」
モブに厳しく命の価値が軽い世界であり、事実を識った私の行動は早かった。【
「だから私は行動するんだ!」
最初に調べたのは風鳴翼の足取り……シンフォギア装者ではなく歌女としての彼女の情報は表にも存在している。だから私はその場所を探し……事務所に突撃した。
「私をアイドルにしてください!」
私の存在を売り込んだ。普通なら門前払いになるのは覚悟の上だ。だがアイの容姿なら話が変わり事務所のスタッフが困惑していた。私の容姿と佇まいに簡単には追い返せないナニかを感じたのだろう。そして私も世界に殺されるのは御免だ。だから抗う……その為の力を手に入れる!
「覚えておきなさい風鳴翼……私は完璧で究極のアイドルになるわ! ライバルであるさえ貴女もいずれはも虜に……貴女の推しの子にしてあげる!」
「宣戦布告……承りました。ですが私は簡単には負けません」
「よろしくね」
私達は互いを見つめて笑みを浮かべる。私が彼女達に接触した理由はいくつかあるがまずは打算……シンフォギアはモブに厳しい。ネームドキャラでなければ簡単に殺される。だから私は関係者になる事を目指した。幸いこの身体と魂にはあの記憶が刻まれている。そしてこの身体にはなんと
「どれだけの要素がこの身体に……」
アイドルとしてはとても嬉しいことだ。星野アイとしての容姿や力に加えて、あの30万人規模の都市を丸ごと洗脳する程の強力な力だ。だがその2つの事実から気付いた明白な事実が問題だ。それは……
「これ私に宿ってる能力って私のアイドルとしての成長ありきじゃない〜!」
こうして私は二課に所属した完璧で究極のアイドルを目指す者になった。そして今……私はツヴァイウィングと共にライブステージに立っている。
◆◆◆
私はツヴァイウィングが開催するライブの共同参加者としてブレイクした。アイの宿した才能を正しく伸ばそうとしてくれる二課の存在の支えもあり私はみるみる頭角を現した。ぶっちゃけアイの補正が無かったらこんなにも凄いステージには来れなかっただろう。
「司令……私達はこのライブを成功させて見せます!」
「アイ……そんなに気負わなくても良いぜ? アタシ達が主役になるんだからさ!」
「奏……そうね。アイ……私達は負けないわ。今日の主役は私達よ?」
「言ってくれるじゃん2人共!」
そしていよいよ始まる運命のライブ……奏が絶唱で命を落として立花響がガングニールを心臓に受ける地獄のライブが始まった。
『みんな〜今日はアイと私達の全力の対決……ぜひ見届けて!』
『それじゃあ最初はアタシ達のフリューゲルから行くぜ!』
2人のフリューゲルが会場のボルテージを上げて行く。そしてマイクは私へと渡り私も1曲歌うターンになった。
『それじゃあ行くよ私の……ッ!』
気配が変わった。焦げ付くような鼻を刺すような嫌な匂いが会場に充満した。私は……私達はこの匂いを識っている。そしてそれが悪夢になると私達は識っている。
「ノイズが……来る!」
呟きの直後会場の上空からノイズが飛来した。そしてノイズは近くにいた観客に照準を定め……その身体が炭化する。
「ノイズだあぁぁ!!」
「嫌だ……嫌だあぁ!」
「死にたくない……死にたくない!」
熱狂していたライブ会場は一瞬で混乱と狂騒の地獄と化した。我先にと非常口へと駆け出す。しかし非常口に対して過剰に雪崩込む観客に起こる悲劇を私は識っている。
「奏……翼……2人に聞いて良い?」
「アイ……今はそんな事を言ってる場合! 非戦闘員の貴女に何が出来るって言うの! 早く叔父様達のところに避難しなさいよ!」
「翼の言う通りだ! 早く逃げろアイ!」
「うん。今じゃないと駄目なの。もし2人が誰かを救える力があるとして
「何を言ってるのアイ!」
「アタシ達が戦えば良いんだ! お前に何かを背負わせる気はないんだよ!」
私は呼吸を整えて2人に向き直り笑顔を作り告げる。
「嘘はね? とびっきりの愛なんだよ?」
私は装者じゃない。戦姫でもない。恵まれた力と容姿を持って転生しただけの一般人。この世界があまりにも過酷だからこそ私は足掻いた。知名度を上げて排除される運命に抗った。その結果私は今の立場を勝ち取った。
【ツヴァイウィングと並ぶ日本最高のソロアーティスト】
その肩書きだけでも充分身に余る功績だ。もう充分だろう?下手に介入すれば歴史は変わるだろう。私の識らない歴史だって始まるだろう。今まではニ課に身を置きながら非戦闘員としての立場ニ甘んじていた。
「だけど……」
さよなら……勇気を持てず臆病な心に支配されていた私。そしてよろしく……
「すぐにギアを展開して。じゃないと飲まれるから。行くよ
ステージにパイプオルガンを彷彿とする光景が展開される。コレが
「
私の声がマイクを通じて会場へと響き渡る。すると観客達の興奮が次第に収まり……その瞳を虚ろへと誘っていく
「アイ!お前……何を!」
『皆様……どうか慌てず避難をしてください。混乱をしてはなりません。確実に避難するのです』
言葉に呼応して1人……また1人と観客が避難をしていく。
「翼……今なら混乱は収まってる! ギアを纏ってノイズを狩るぞ!」
「わかった……行こう奏!」
「Croitzal ronzell gungnir zizzl〜」
「Imyuteus amenohabakiri tron〜」
2人はシンフォギアを纏いノイズとの戦闘態勢を整える。
「この戦いが終わったら詳しく聞かせて貰うからな!」
「貴女の姿も……その力も!」
2人はノイズへと駆け出した。ここからが私の戦い……
『慌てず避難してください! 落ち着いて行動すれば危険は減ります!』
彼女達の全盛期程の実力も無ければそもそも私は初陣……そして数万人を同時に操る壮絶な負荷が私を襲う。頭が痛く、身体は徐々に倦怠感に襲われる。でも私が歌を止めれば観客達は再び混乱に包まれる。だから私は歌い続ける……2人がノイズを掃討出来るまで。
『それが私の戦いだから!』
私にはシンフォギアのように直接的に戦う能力は少ない。それでも私にしかできない事があるのなら私はそれを全力で遂行する!
「アイ……後方からノイズが3体!」
『私へ来るなら……
声量による衝撃波……まだ指向性を持たせる事も飛ばす事も私にはできない。今の私に出来るのは自身の前に壁を展開して障害物を作る事……そして
「霊力を纏わせた拳で殴る事だけ!」
霊装は持ち主を守る城塞と言っていた筈……ならば信じて私は戦う。それこそが今の私に出来る唯一の……
「あれ……私……どうして……」
「逃げ遅れた観客!?あれば……響ちゃん!」
見つけた……
「そこの君……危ない!」
私が叫んだ直後……こちらに何かが飛来した。
「クソっ! ガングニールの適合係数が落ちて来やがった!」
「奏! 適合係数が落ちてる! 下がって!」
「まだ避難が終わってないのに……」
2人の戦闘の裏で凡そ8割の観客は避難出来た。後もう少しなのに……!
「奏あの娘……っ!」
奏も響ちゃんの存在を、そして現状を理解した。心臓へと刺さるガングニールの破片と夥しい出血に奏も動揺を隠せない。
「おいお前死ぬな! 生きるのを諦めるな!」
「奏達は……私が守る!」
【輪舞曲】の障壁である程度は防げてもいつまで保つか……
「なぁ翼……アタシさ……いつか思いっきり歌いたかったんだ。アイもさ……今日は聞いてくれよ。アタシの詠を!」
「いけない奏……詠っては駄目!」
「Gatrandis babel ziggurat edenal」
奏が詠うのは命を燃やす詠。
「Emustolronzen fine el baral zizzl」
己の限界を超える程の出力で歌い続け
「Gatrandis babel ziggurat edenal」
強引に出力を引き上げ続ける。
「Emustolronzen fine el zizzl」
そしてその代償が彼女達を蝕む。眼の前で……まさに今大切な仲間の命が失われていく。このまま奏を見殺しにするのが私にとっての正解……なのだろうか?
「奏……私の手を握って!」
「アイ……?」
気がつけば私は奏達の命懸けの戦いの力になりたくて奏の手を取る。今更
「そのフォニックゲインを私が調律する! だから私を信じて!」
「……っ! 信じるぞ!」
握った手から奏のフォニックゲインが流れて来る。焼ける程に高密度なエネルギーが私の身体を蝕む。でも所詮は歌に纒わる力……ならば出来る筈だ。私にも出来る筈だ!
「このフォニックゲインを……集約・拡散する時に指向性を持たせる事ぐらいは……出来る筈!」
私はそのフォニックゲインで会場を満たし……光が包んだ。
「死者300人負傷者1300人か。アイ君……君のあの力は何だ?」
奏の絶唱の波動を受け取った私は会場をフォニックゲインで満たした。結果としてノイズは掃討したが、絶唱を発動させた身体も代償を伴っていた。ガングニールとの適合係数の完全消滅……それが彼女に残された代償だった。
「私に宿ってる力は……天使の力です。歌で心を魅了して音を操る力……でも明確な欠点があったんです」
「欠点? あんなすげぇ力が?」
「
「なるほどな。だから隠していた……と。それほどの活躍をしたのに……か」
「だがそれを明かした……ならば」
「はい……改めてよろしくお願いします皆さん」
私の戦姫絶唱シンフォギアの戦いはここから始まった
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