ヴァルハルトの甥 ダグザへ征く   作:風神弓雷神刀

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フォトナは何故リゲルを待っていたのか……。


第2章 ミラの大樹
第3話 因果の海


「吾は神祖より天刻の力を受け継ぎし運命を司る神である。故に、ある程度の未来を知る力を持っておる。」

 

フォトナは自身が何者であるか、何のためにここに来たのかを語り始めた。

 

「吾はあるとき、ダグザの地の未来に恐ろしい因果の乱れがあることを感じ取ったのじゃ。それは、放置すれば世界すら滅ぼすほどの、恐ろしいもののように思われた。」

 

「おい、今ダグザって言ったか。」

 

「……ダグザ大陸はフォドラの南に位置していましたよね……?」

 

「えぇ。ブリギット諸島のさらに先でしたね。」

 

ダグザはシャミアさんの出身地だったはずだ。それぐらいしか知らないから、僕にとっては未知の大陸だ……。

 

「故にそれ以来、吾は彼の地、彼の時に集まり得る、強力な力を持った戦士を探していたのじゃ。そして因果の海の中遠い世界で、時を超え邪竜を倒す戦士たちの姿を視た。」

 

「それが、僕……。」

 

「……今のダグザではなく、過去のダグザから来たということでしょうか……。」

 

「つまり、あんたの頼みは過去に行って、恐ろしいものを倒してほしいってことか?」

 

「おおよそ、そういうことじゃ。じゃが、少し待ってほしい。もう少しで来るはずじゃ。おぬしらと同じように強力な力を持つものたちが。」

 

「来る?」

 

「俺たちの気配しかないぜ?何処から現れるんだ?」

 

イングリットとクロードがそう口にした瞬間、目の前が光り出す。

 

光の中から3人の影が出て来た。

 

「異なる時間軸より来たる、選ばれし希望の戦士ウード!!ただいま帰還した‼︎」

 

「は?」

 

マリアンヌもフォトナもその口上に唖然としている。クロードは苦笑いだ。イングリットは引いている。

 

「ウード‼︎気持ち悪いからやめなさい。帰って早々、あんたの口上を聞きたくないわよ‼︎」

 

「まぁまぁ、セレナ落ち着いて。ほら、僕とお茶しながらさ。」

 

「うっさい、アズール。あんたなんかと行くわけないでしょ‼︎」

 

「誰かと思えば、ウードたちか……。5年前にヴァルムに来て以降行方が分からなくなったってジェロームから聞いて心配していたんだけど、今まで何処に行っていたんだい?」

 

「なっ‼︎その声は黎明覇リゲルではないか⁉︎」

 

さっきフォトナから聞いた二つ名の由来ウードからだったのかよ⁉︎

 

「僕たちは人助けしていただけだよ。」

 

「そうだ。蒼穹のアズールが言うように、俺たちは世界を守るために見えざる敵と戦っていたのだっ‼︎」

 

「ウードの言っていることは脚色なしのことなのかセレナ?」

 

ウードは話を脚色しがちだ。特にウード自身の活躍が……。本当なのか分かりにくい。

 

「ええそうよ。残念ながらウードの言う通りよ。それよりも、リゲルも見ない間に成長したじゃないの。」

 

「まぁ、こっちも色々あったからね。」

 

「そういえば君たちは、良かったら今から僕とお茶しないかい?」

 

アズールはマリアンヌとイングリット、フォトナの方を向いた。

 

「おいおい、俺のことは無視か?蒼穹のアズールさんよ?」

 

「その名前で呼ばれると……、は、恥ずかしいよ……。」

 

アズールは赤面した。分かるよ、アズール……。さっき言われた時恥ずかしかった。

 

「もうよいか、おぬしら。」

 

呆れたようにフォトナが声を出した。フォトナは僕たちと同じ説明をした。3人は即答した。

 

「分かった。力を貸してやろう。この選ばれし希望の戦士ウードが異国の地に光をもたらしてやろう。」

 

「行くよ。」

 

「行ってあげてもいいわよ。」

 

「お前ら即決か。」

 

3人の目は曇りない。クロードも驚く。

 

「そうじゃ、よいのか?まだ詳しいことは言っておらぬぞ。」

 

「……わかったからだよ。本当に困っている、ってことが。」

 

珍しくウードが真面目に真剣に話している。

 

「あ…あのね、あたしたち、こう見えて人生経験豊富なのよ。だから…めんどくさいことに、ホントに困ってる人はわかっちゃうのよね。」

 

「うん…そういう人がいたら、力になりたいって思うんだ。僕たちで何かできるなら、手を貸したい。…たとえ騙されてもね。信じてみようって思うんだよ。」

 

「…………ありがとう…」

 

「お前たちは行くのか?」

 

ウードがこちらに目を向ける。

 

「僕は行くつもりだよ。流石にダグザで何が起こるか聞いてから言うつもりだったんだけどね。3人はどうする?元々、過去に戻って戦ったものたちってことだから僕とウード、アズール、セレナに話があって来たはずだから、完全に巻き込む形になってしまっている。」

 

「……私も行きます……。私にも何か手伝えることがあるはず……。」

 

「騎士として、困っている人がいるなら放っておけません‼︎」

 

「ま、俺も行くよ。最初はヴァルムに行くだけで良かったのに、まさか時を渡るなんて経験することになるとはな。野望を叶えるためにも何か役立つかも知れないしな。それにフォドラの秘密もダグザなら何か分かるかも知れない。」

 

「あれだけのことを知ってまだ知りたいことあるのか?」

 

大体はレアさんから聞いただろ。

 

「ネメシス倒した後に、2人でシャンバラ漁っただろ。アガルタの存在、あの技術、まだ解き明かしたいみたいことはあるんでね。」

 

カレドニス台地での戦いの1週間後ぐらいにクロードと2人でシャンバラに行った。そこで機能を作動させるために必要なアクセスキーとダグザの各地にもシャンバラと同じような場所があるという情報を手に入れたぐらいだ。あの宙から降って来た巨大な矢を制御させる機能と転移機能だし、かなり強い力となり得る。ついでにシャンバラで落ちていたサラマンダーと呼ばれる携帯型火器も拝借した。今も懐に入れてある。

 

「確かにそうかもな。それで、フォトナ。倒したい恐ろしい存在とは何だ?」

 

「それは冥界の王バロールの討伐じゃ‼︎」

 

「バロール……。」

 

「バロールってこいつのことじゃないよね?」

 

バロールの名について聞き覚えがあった。

 

「メサイア。バロール」

 

メサイアで、ビグルの上位体、バロールを呼び出した。

 

「気持ち悪っ‼︎」

 

「何ですかこれ……。」

 

「気持ち悪いって、そりゃないよ。見てみろよ。目玉だけだけど、愛想笑いも出来るんだぜ‼︎」

 

僕の指示に従い、バロールはにっこりする。

 

「魔物を使役するなんて、かっけーな。俺も召喚したいなぁ。血が騒ぐぜ。」

 

「リゲルにはつくづく驚かされるよ……召喚魔法、それもワープやレスキューで人を呼び寄せずに魔物とは……」

 

「バロールは、ジロジロと吾を見てくるそやつではない。バロールは君主の1柱じゃ。」

 

まぁ、そうだよな。

 

「ダグザではバロールの手によって、亡者たちが生者たちの村や集落を破壊してまわっておる。そして、死んだものたちもバロールの贄となり、軍門に下る。斃しても斃してもバロールがおる限り何度でもやってくる。おぬしらには因果を越えて止めてほしいのだ。」

 

「ギムレーやフォルネウスのように亡くなった者たちを踏み躙るなど許されることではない……」

 

「いつだって無辜の民の死は辛いもんだ。加えて、斃しても斃しても、復活して戦わされ続けるっていうのか……」

 

「戦い続ける苦しみから助けないと……。主よ……。お見守りください……。」

 

「ダグザの人々の未来……、守ってみせます‼︎」

 

「思えば、僕たちっていつも、亡くなった人たちと戦って来たよね。屍兵とも……、見えざる国の兵士たちとも……」

 

「どんな困難も俺たちは切り抜けて来た……。」

 

「今回だってやりきってみせるわ‼︎」

 

「感謝するぞ……。おぬしたち……。では、これからダグザへ向かうとするかのう。」

 

フォトナは早速向かおうとするが、僕は待ったをかける。

 

「フォトナ、少し待ってほしい……。麓の様子が変だ」

 

「リゲル……、お前の聖なる力が禍々しい冥界の気でも感じ取ったのか……。」

 

僕たちは神殿から大樹の下を見下ろす。

 

「なっ⁉︎冥界の門が受肉した……。吾を追って来ていたのか……。此方の世界にまで、迷惑をかけるつもりはなかったのじゃが。警戒せよ。あの門から亡者たちが押し寄せる。疾くせんと、ヴァルムの者たちに襲いかかる。」

 

「フォトナ‼︎あの門はどうやったら壊せる?あれを壊せば、取り敢えず押し寄せることはないんだろう。」

 

「あれの周りには結界が張られておる。まずは、吾がそれを破壊する。そして、冥界はバロールめの体内……、つまり門もバロールの身体でできておる。それを破壊する必要がある。」

 

「もしかして、僕たちには壊す術がないってこと⁉︎ファルシオンを使うとしてもイーリスに行ってルキナを呼ばないといけないよ。そのときには手遅れになってしまう⁉︎」

 

「いや、今ここに英雄の遺産がある。クロードのフェイルノートと、マリアンヌのブルトガング、イングリットのルーンが……。それに……」

 

「英雄の遺産だと⁉︎何だそのかっこいい武器の名は……‼︎」

 

「いちいち反応している場合じゃないわよ!!ウード‼︎」

 

「弓のフェイルノートでは壊せそうにないな。俺が射たところから、イングリットやマリアンヌに斬ってもらうしか……」

 

「……私、ですか……。頑張ってみますが……、その……私の力では……とても……」

 

「挑戦してみます……。」

 

マリアンヌの力ではあの高さから剣を振り下ろすのは難しいように思う。イングリットならファルコンに乗っているし届くが……。

 

「どちらにせよ、いま話してる暇はない‼︎…とにかく戦うぞ‼︎別の世界の兵士だろうが何だろうが、この地を荒らさせはしない」

 

「一度引き受けた以上、あたしも戦ってあ

げるわ。」

 

僕の予想が正しいのならば、このミラの大樹には……。一か八かかけてみるか。

 




ハイドラとの戦いを終えたウード、アズール、セレナも来ます。戦い終わってまた戦わせてごめんなさい。万紫千紅、相手クランの方が人数多いし、7人居るぐらいが丁度良いかなと思いました。本戦の出撃人数が9人でしたし。
バロールは Echoesに出て来るビグルの上位種のことではないです。君主の方です。

万紫千紅の人物との見たい組み合わせがあればお願いします。アンケートにしていますが、回答は例です。感想の方からもお願いします。

  • リゲル×カストール
  • クロード×ティアラ
  • ウード×ダンテ
  • イングリット×ソフィア
  • セレナ×リリアン
  • マリアンヌ×ゲイツ
  • アズール×ダイトウ
  • セテス
  • 他に見たい組み合わせは感想まで‼︎
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