ヴァルハルトの甥 ダグザへ征く   作:風神弓雷神刀

5 / 9
いよいよダグザです。第1ダグザ人はいったい誰でしょう。


第3章 ダグシオンへ
第5話 ダグシオンへ


ダグザ暦1449年1月 パンドラの港町

 

青白い光に包まれて、光が晴れる。そこは、知らない場所だった……。

「着いた……のかしら……?」

 

「そう……見たいだね。」

 

「選ばれし希望の剣士ウードの新たな冒険譚が今ここに始まる‼︎」

 

「今、そういうのいいから。」

 

ウードはセレナに軽くあしらわれる。ウードはシュンとなった。

 

「そんなことよりも、セレナ荷物多すぎない?何持って来たんだ。」

 

「そうですよ、セレナ……。これでは移動も保管も大変じゃないですか……。」

 

セレナの大きなカバンは2つもあって、片方はアズールに持たせている。傘などは飛び出ている始末だ……。無駄買いが多いというか何というか……。ウードが遠くで、そんなことだと、とさらに寂しくなっているところをクロードに励まされている。

 

「全部必要なものよ。小物とか色々と。あんたこそ、何よそのカバン?人1人分入るような大きさなんだけど。それに、イングリットもマリアンヌも逆に荷物が少な過ぎるのよ。」

 

セレナは僕が手に持つカバンに目をつける。イングリットもマリアンヌもセレナとは違ってお洒落に興味はあまりない。

 

「これか?まぁ、武器だよ、武器。」

 

雑貨ばかりのセレナとは違い、一応の対策のための武器を用意している。雑貨ばかりで実際に使う機会ないだろとか、服は現地調達でいいだろとかなんて、セレナ相手に口が裂けても言えない……。僕のカバンの中には、ここには1つしか入ってないけど……。ちなみに、肩にも荷物を提げているが、そっちも武具だ。

 

「腰に2振り引っ提げている以外にも必要なのかしら?」

 

ファルシオンと太陽に目線を上げて、問いただす。

 

「使うタイミングはあると思うよ、きっとね。ファルシオンは刃こぼれなんてしないけど、使い過ぎて、関係ないところに目を付けられる方が困る。だからこれが必要なわけだよ。」

 

カバンを持ち上げて、必要なんだと力説する。太陽やもう一つのカバンの武器でも良いけど、リーチを考えると使いたくなる場面もある。

 

「その長さだと槍ですか……?剣ならば、太陽だけでも充分だと思うので……。カバンが薄いので、矢筒が必要になる弓や籠手も考えにくいです……。」

 

「良い目の付け所だね、マリアンヌ。まぁ、これを使う時になってからのお楽しみってことで。」

 

「肩にかけている方の荷物も大きいですね、リゲル。中身が武器だとしてもあなたもあまりセレナに言える立場ではないです。」

 

「色々な武器を使いたくなるんだって、イングリット……。それに、みんなに渡すつもりのもあるからさ。」

 

「取り敢えず、ここの人にどこなのか聞くか?」

 

クロードとウードが戻ってきて、今するべきことを提案した。僕はクロードの言う通り、人を探したところ、傭兵の様相だと思われる人物を見つけた。全身に傷痕が残っており、死地を何度も潜り抜けて来た強者に見える。そう言った人物はきっとダグザの地について詳しいはずだ。

 

「あの、すみません。旅で異なる大陸から来たんです。お聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?着いたばかりで右も左も分からないもので……。」

 

傭兵と思われる男性は僕たちの容姿を見ている。ダグザでは、それに未来から来ている以上物珍しい格好かもしれない……。

 

「このグザランに声をかけるとは運がいいぜ、お前たち‼︎それで何が聞きたいんだ、お前たち。」

 

「ありがとうございます、グザランさん。ここは何という大陸で、何という町なんですか?」

 

正直言えば、過去に飛んでダグザ大陸ではなかった場合は移動が面倒になるから、ダグザ大陸であって欲しい。

 

「ここはダグザ大陸のパンドラの港町だ。」

 

良かったぁ。安堵の息が出る。

 

「ありがとうございます……‼︎」

 

「何かこの先で、大きな催しみたいなことってありますか?」

 

バロールの復活は、傭兵には知り得ないことだろう。だからこそ、復活のきっかけになる得るイベントがあるかもしれない…….。

 

「そうだなぁ。2ヶ月後に帝都でダグシオン大剣闘祭ってのが開催されるぜ。優勝すれば神威法王からなんでも願いを1つ叶えてくれるというな。」

 

「大剣闘祭!?」

 

「願いをなんでも1つ……」

 

「ほぅ……。興味深いな。」

 

多分これだろうな。その優勝者の願いがバロール復活のきっかけとなったのか、はたまた別の理由があるのか。確かめるしかないと思う。

 

「俺はこれから、依頼を終わらせて、ダグシオンに行くつもりなんだが、お前たちも来るか?」

 

「え⁉︎良いんですか、グザランさん⁉︎」

 

「ま、依頼は手伝ってもらうがな。違う大陸から来たってことは、無一文なんだろ?」

 

「あ……。そう言えばそうね……、あたしたち。」

 

フォトナに連れられて来たは良いものの、ダグザで使えるお金なんて持って来てなかった。

 

「では、お言葉に甘えてそうさせていただきます。」

 

依頼を手伝いつつ分かったことだが、グザランさんはとても良い人だった。死なずのグザランなんて呼ばれているらしく、その二つ名も納得の実力であった。おそらく多くの逸話はホラな気もするが……。その点はウードと気が合って、互いに伝説を語り合っている。一緒に依頼を完了した報酬をいくらか分けてもらったり、アズールが興行で踊り稼いだりして、何とかダグシオンに行くことができるぐらいのお金は工面できた。いよいよ出発だ。

 

ダグザ暦1449年2/1

 

「ダグシオンはフィーナの漁村を通って、南下するだが、どうして逆方向の東に向かうんだ、リゲル?」

 

グザランさんが聞いてきた。

 

「こっちに近道があるんです。」

 

ダグザの地図を見て気付いたことがある。それは元いた時代から形がそんなに変わっていないことだ。クロードが気付いたみたいで、合っているか確認を取ってくる。

 

「アガルタの転移装置がそっちにあるのか?」

 

「あぁ、シャンバラで見つけたダグザにある偉大なる石標の場所が示された地図によれば、この先にハイパティアと呼ばれるものがあるはずなんだ。」

 

「アガルタのアクセスキーをシャンバラで手に入れていて良かったな。まさか、こんなところで使うことになるなんて思ってもいなかったよ。」

 

転移装置の起動、アルテミスの矢と呼ばれるシャンバラでの戦いで落ちて来た巨大な矢の制御権を、ネメシスとの戦いの後、クロードと2人でシャンバラを調査したことで入手した。アルテミスの矢は危険過ぎるため使うつもりは毛頭ないが、転移装置はバンバン使わせてもらうつもりだ。

 

「はぁ⁉︎何……これ⁉︎」

 

「こんな文明がかつて存在していたってこと……?」

 

「シャンバラの時も思いましたが……、いつ見てもすごい技術ですね……。」

 

「何か襲ってきませんよね?」

 

「グザラン伝説に1つ追加だな。異邦の旅人と旧時代文明に触れる、ってな。」

 

「未知の文明か……。魂が震えるぜ……。」

 

「これが転移装置だな。」

 

「ここに集まってもらえれば、転移できる。」

 

僕はパネルの操作を始める。行き先はダグシオンに1番近いところがいいからカタリナだな。

 

パネルの実行ボタンを押す。

 

「よし‼︎カタリナに着いた。」

 

カタリナのある洞窟を出た。

 

「もうここか‼︎早いな。ワープなんて初めてだ。目の前にあるあの大きな湖がバアル湖で、その中心にあるのがダグシオンだ。」

 

目の前には果てしなく長い橋、アルシネウス大橋が陸地とダグシオンとを架かっている。

 

「あの橋、とても長いです……」

 

「壮観だね。」

 

「下手すりゃ、ミルディン大橋よりも長いか」

 

「陸路でダグシオンに入る手立ては橋だけか……。」

 

「攻略は厄介だな」

 

「ダグシオンを落とすことになるとか考えてるの、あんたたち」

 

「可能性は捨てきれないだろ、セレナ。倒さなければならない相手がダグシオンを占拠するなんてことも考えられる……。」

 

「そういうことにならなければ良いのですが。」

 

そんなこんなで、橋を渡り、ダグシオンの中へと至る。

 

「これ、闘技場かな?だとしたらフェリア闘技場よりも大きいよね。」

 

「ここから眺めると湖と街で綺麗な景色です……」

 

「早く市場に行って買い物しなきゃ……。」

 

「どんな食べ物があるのかしら……。」

 

「これが……ダグシオン……。我が相棒になりし、武具はあるのだろうか……。」

 

「そうさ、ここがダグシオンだ。目の前にあるのが、大剣闘祭の会場だよ。で、高く聳え立つ神殿がダグザ神殿だ。この街には100万人も暮らしているんだぜ。」

 

「またまたぁ、冗談でしょ?」

 

ウードはホラだろと冗談めかしていうが、いそうな雰囲気だ。

 

「この規模感だと100万人いるのも納得だね」

 

この時代に1つの街に100万も住んでいたということが驚きだ。今でも、ヴァルムの帝都やアドラステアの帝都アンヴァルが届くか届かないかぐらいであるというのに……。

 

「ダグザ神殿ね……。ここから見るとガルグ=マクみたいだよな」

 

「はい……。全てを見下ろして見守っている様子が……。」

 

ダグシオンに入るまでも大変そうだが、頂上まではもっと大変だな。ガルグ=マク同様に難攻不落の様相だ。

 

「じゃあ、お前たちとはここでお別れだな。」

 

「えっ⁉︎どうして?」

 

「お前ら、大剣闘祭に出るつもりだろう?俺が手を貸さずとも充分やれるだろうと思ってるんだ。俺はダグシオンでお前たちみたいな面白い連中を探すとするよ。じゃあな」

 

手を振りながらグザランさんは去って行った。

 

「どうしましょうか、大剣闘祭?」

 

「見ているだけでも良いとは思うけどね。注目されるの、は、恥ずかしいし。」

 

「この俺の勇姿を皆に魅せなくてはならない。俺は参加する。」

 

「あんたの勇姿は別に良いけど、優勝すれば何でも願いを叶えてもらえるんでしょ?」

 

「バロールの手がかりも手に入るでしょうか……?」

 

「なんせ1年かけるような大きな催しだからな。何かあるんじゃないかな。」

 

「ま、出場者も他の試合観戦できるだろうからな。参加者しか知ることができないことなんてのも、あるだろうさ。」

 

辺りを見回すと、闘技場の前で佇む赤毛のお姉さんを見つけた。何かしら参加方法が分かるかもしれないと、みんなで行こうとするために振り返るがアズールがいなかった。

 

「あれ?アズールは?」

 

「そこのお姉さん。良かったら僕とこれからお茶しない?」

 

さっきの赤毛のお姉さんにナンパしていた……。話が拗れるから止めに行かないと……。

 

「え!?私ですか?仕事がありますから……」

 

やんわり断られている始末だが、アズールには諦める様子はない。

 

「仕事が終わってからもいいから……うがっ‼︎な、何するんだ⁉︎僕はこれからお姉さんとお茶するところなんだけど!?」

 

アズールの腕を掴んで中断させる。アズールの話は聞き流すとして、お姉さんに謝罪をしなくては。

 

「僕の仲間が申し訳ないです。僕たち、大剣闘祭に参加するためにダグシオンを訪れたんです。どこに行けば参加の受付ができるのかお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか。」

 

「それでしたら、こちらで受付をしていましたが、もう定員に達して、受付は終了しています。」

 

もう受付できないのか⁉︎

 

「何か他に参加する方法はないのか?神殿のコネか?」

 

「できることならコネなんて使わずに、堂々とやりたいです‼︎」

 

「その方法があったとして……、あまり表立って言われることはないんじゃないでしょうか……」

 

「ま、そりゃそうだろうな」

 

「一応、月末に追加募集を行う予定で、試験で認められれば、大剣闘祭の参加資格を得ることができますよ。」

 

「本当⁉︎月末の何時から行う予定かしら?」

 

「正午からですよ。集合はこの場所です。」

 

「ふっ。首の皮一枚繋がったな。俺たちの伝説はまだ終わらない……。」

 

「ありがとうございます。では、月末にまた来ます……。」

 

お辞儀をして闘技場前から立ち去る。

 

「お姉さん。また今度お茶しようねっ!?ちょっとセレナ、イングリット!?首根っこ掴んで引っ張らないでよー⁉︎」

 

「忙しない人たちだったわね……。」

 

ウルタンドは誰にも聞こえないぐらいの声で呟いた。




というわけで、グザランとウルタンドでした。
ちなみに、リゲルのクラスはヴァルハルトやアルム同様にオーバーロードです。2人と異なり、色々な武器種を扱います。

リゲルコレクション1
太陽 回復効果のある剣、同じ銘の槍もありますが、そちらはヴァルムに置いています。ファルシオンにも回復効果があるので、相手から見れば自力でめちゃくちゃ回復してくる面倒な相手です。

万紫千紅の人物との見たい組み合わせがあればお願いします。アンケートにしていますが、回答は例です。感想の方からもお願いします。

  • リゲル×カストール
  • クロード×ティアラ
  • ウード×ダンテ
  • イングリット×ソフィア
  • セレナ×リリアン
  • マリアンヌ×ゲイツ
  • アズール×ダイトウ
  • セテス
  • 他に見たい組み合わせは感想まで‼︎
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。