2018年12月24日。
決戦の日が来た。
現代最強の術師、五条悟。
千年前の呪いの王、両面宿儺。
二人の戦いが、いま始まろうとしていた。
*
渋谷。
高層ビルの屋上に、五条悟は立っていた。
その傍らには、庵歌姫、楽巌寺嘉伸、伊地知潔高の姿がある。五条の視線の先にいるのは、遠く離れた新宿で待ち受ける宿儺。
開戦の一撃で、可能な限り大きな損害を与える。そのための準備は、すべて整えられていた。
「それじゃ、お願いします」
五条が歌姫に声をかける。
歌姫は頷き、術式を発動した。
術式『
歌と舞によって、対象の呪力総量と出力を引き上げる。さらに楽巌寺が奏でる音が重なり、術式の効果が高まっていく。
五条自身も、普段なら省略する呪詞や掌印を省かず、出力を最大限に引き上げた。
そして、伊地知が結界を展開する。
五条の攻撃を隠蔽し、宿儺に威力を正確に把握させないための結界だ。
五条は右手を掲げた。
「九綱、偏光、烏と声明、表裏の間」
呪詞が紡がれる。
蒼と赫、二つの力が重なり、虚式へと至る。
「虚式『茈』」
放たれた一撃が、渋谷から新宿へと走った。
*
新宿。
宿儺は高層ビルの上で、傍らの裏梅とともに五条を待ち受けていた。
五条の気配は感じ取っていたものの、伊地知の結界によって攻撃の威力を正確に読み取れない。
気づいたときには、すでに遅かった。
「――!」
虚式「茈」が迫る。
宿儺は咄嗟に防御の構えを取った。
轟音。
進路上の建物が次々と破壊され、衝撃が新宿の街並みを揺るがす。宿儺が防御に使った両腕も、一撃によって大きく損傷した。
粉塵が舞い上がり、裏梅の姿も衝撃の中へと消える。それでも、宿儺は倒れていなかった。
破壊された両腕を修復するため、反転術式を発動する。
その最中、目の前に五条悟が姿を現した。
*
「やあ」
五条は、いつもの調子で声をかけた。宿儺は修復途中の腕を見ながら、五条へ視線を向ける。
「ちょっと勘違いしてるみたいだから教えてあげるよ」
五条は笑みを浮かべ、一歩前へ出た。
「そっちが挑戦者だ」
宿儺の表情から、笑みが消えた。
「……クソガキが」
宿儺の腕が修復される。
次の瞬間、二人は同時に動いた。
*
五条の拳が宿儺を捉える。
宿儺は領域展延を用いて無下限呪術への対抗手段を作り、反撃した。
五条は蒼の引力で周囲の空間を操り、宿儺の位置を崩す。宿儺も斬撃を織り交ぜ、五条の隙を狙った。
建物の壁が砕け、足場が崩れる。
互いの術式を理解し、その運用と反応の速さで相手を上回ろうとする攻防。わずかな判断の差が、次の一手を左右していた。
それでも、どちらも決定的な一撃を受けるには至らない。
戦場から離れた観戦拠点。
雀ヶ原雀は、画面を見つめていた。
「……初手から二百パーかよ」
雀はスマートフォンに戦況を記録していく。
初撃で宿儺の両腕を損傷させた五条。しかし、宿儺は反転術式で修復し、すでに近接戦へ移行している。
攻撃を当てるだけでは足りない。相手が立て直す前に、どこまで損害を重ねられるか。
雀は画面の向こうの攻防を追った。
「……まあ、最初から分かるわけねえか」
今は、見えたものを記録するしかない。五条が勝てば、それでいい。
だが、もし勝てなかった場合。そのとき自分たちが何をすべきか、考える材料は少しでも多いほうがいい。
*
やがて、五条と宿儺が距離を取った。
互いに手を合わせる。その動作を見た瞬間、観戦拠点の空気が変わった。
領域展開。
五条が印を結ぶ。
「領域展開――『無量空処』」
宿儺もまた、領域を開く。
「領域展開――『伏魔御廚子』」
二つの領域が、ほぼ同時に展開された。無量空処と伏魔御廚子の必中効果が拮抗する。
だが、両者の領域には決定的な違いがあった。
五条の無量空処は、結界で閉じた領域。その一方、宿儺の伏魔御廚子は、閉じた結界を持たない特殊な領域だった。
そのため、領域内部で必中効果が拮抗していても、宿儺の斬撃は結界の外側から無量空処を攻撃できる。
結界に亀裂が走った。
やがて、無量空処が崩壊する。
*
「……外から壊すのかよ」
雀は画面を見つめ、すぐにスマートフォンへ記録した。
――伏魔御廚子は閉じた結界を持たない。領域の外側から結界を破壊できる。
後続の術師に伝えるべき情報だった。
ただし、仕組みが分かったからといって、対策まで見つかったわけではない。
*
無量空処が崩壊した後も、五条は倒れなかった。伏魔御廚子の斬撃を受けながら、反転術式で傷を修復する。そして、宿儺の動きを見極めて反撃に転じた。
五条の攻撃が宿儺の身体を捉える。
宿儺がわずかに体勢を崩した。
五条は、その隙を逃さなかった。
領域を破られても、戦いは終わらない。
*
「……さて。次は、どう打つ?」
雀は画面の向こうの二人を見つめた。
領域の外側から結界を破壊する手段は確認できた。だが、その後も五条は戦闘を継続し、宿儺へ反撃を加えている。
まだ、勝敗を決める条件は見えていない。
雀はスマートフォンを横に置いた。
そして、ヨレヨレのジャージの上着を脱ぎ、腰に巻いた。
この戦いの先に、何が待っているのか。
今はまだ、誰にも分からなかった。
原作基準で行きますか?
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はい。原作基準でオリ敵、オリ展開無し。
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いいえ。原作基準ではなくオリ敵オリ展開で