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「ッスーーーーーーはぁ〜っ……!!」
「どうしたベル?そんなデカい溜息ついてよ?」
ヘスティア・ファミリア
「あ〜〜〜〜……もうヤダ」
「いやマジでどうしたお前?疲れてんのか?」
「うんマジで疲れてる……精神的に」
「お、おう…なんか……ドンマイだな…」
口を手で多い、上を向くベル。目の下に隈でも見えてきそうな顔に、ヴェルフは軽く同情した。
「……で、マジでどうした?お前がそんなデカい溜息つくなんてよっぽどだろ?」
「いやね?不肖ベル・クラネル、前々から思ってたんですよ」
「何をだ?勿体ぶらずに教えろよ」
「本人に言わないでよ?言ったら鼻の穴からシルさんの料理流すからね?」
「サラッと恐ろしい脅しすんなよお前!?」
ヘスティア・ファミリアとフレイヤ・ファミリアの中では既にシルの料理の恐ろしさは周知の事実である。
「わ、分かった。言わないから、教えてくれ」
「……よし、心の準備できた。言うよ?」
「お、おう…」
そんなに深刻な事なのか、とヴェルフは湯を揺らして身構える。
ヴェルフは叫んだ。当然である。
「声デカいって!?」
「あ、すまん……じゃねぇ!警戒した俺がバカだったわ!……いや其処でもねぇ!お前そういう事言うキャラだったか!?!?」
「いや俺も花の1……あれ、何歳だっけ?」
「14だぞ!?自分の歳忘れんな!?」
ヴェルフは風呂なのに冷や汗をかいた。コレはマズい。真面目に疲れている。と言うか、もう手遅れかもしれないと。
「いや、そんな事どうでも良い!何でリリ助なんだ!?ほら、もっと…居るだろお前!お前の周りには!ボンキュッボンな女性が!!」
「あ〜〜〜確かにまあ、神さまは一目見た時から「うわえっろ……」って思ってたよ?」
「待てお前最初っからって言ったか!?オラリオに来てから!?」
「うん。だって、アレだよ?」
「自分の主神をアレ呼ばわりしたぞコイツ!?」
だが、気持ちは分からない訳では無い。ヘスティア様は。あの
「で、何でリリ助なんだよ!?その、「うわえっろ……」って思った主神じゃなくて、何でリリ助なんだよ!?」
「ッス〜〜〜〜」
再び上を向くベル。ヴェルフは分からなかった。何故あの主神を差し置いてリリ助……リリルカ・アーデなのか。確かに彼女は、少なくとも
「いや、確かにリリ助も良い女だぜ!?でも、でもだ!もっと他に居るだろ!?何でリリ助なんだ!?」
「……………」
ヘスティア・ファミリアの兄貴分は焦りに焦っていた。目の前の存在が知っているかどうかは分からないが、基本的に
(女の
そう、それは
「……あの、ラキア王国が進軍してきた時あったじゃん?」
「あ、ああ…」
ああ、あの時か。言葉に出た焦りとは裏腹に、ヴェルフは冷えた頭をゆっくり回すことができた。
「その時にさ、リリと喧嘩しちゃって、色々あったんだけど何とか仲直りできたんだよね。それで、俺がうっかりリリの事、妹みたいに思ってるって言ったらね?」
「早く言ってくれ…」
風呂に癒されに来たのに既に疲れ気味のヴェルフは急かした。
「「私は貴方より年上ですよ、ベル?」ってくっっっっっそエロい声で耳元で囁いてきたんだよね」
そんな事で!?と。ヴェルフは本日2度目の絶叫をかました。いや、自分達の団長が初心だと言う事は今までの色々で把握していた。だが、だがまさかそんな事で堕ちているとは思わなかった。
「え?え!?おま、お前そんな事で惚れたのか!?」
「普通のヒューマンだったら、まあ大丈夫だったと思うよ。でもさ、俺耳死ぬ程弱いんだよね」
「クソっ肝心な所で
ヴェルフは頭をかかえた。自分達の団長は…普段は幸運であるくせに、肝心な所でヤバい目に遭うのがお決まりの奴だ。そして、その妙な
「囁かれた時、マジでヤバかったね。気を抜いてたから膝から崩れ落ちそうになった」
「そんなにか!?マジで弱いんだなお前…」
「それと同時に歪んだね。性癖が」
弱すぎる。幾ら何でも、雑魚すぎる。プリンよりも柔らかいその性癖に、ヴェルフは驚愕した。
「うん、エロいよアレは。マジでエロい。リリが普段から外套着ててくれて助かった」
「メタメタにやられてんな!?」
「その後暫くはリリで抜いたもん」
「待て待て待て待てぃ!?」
この男、オ〇ズまで公開し始めた。もうヘスティア・ファミリアは終わりかもしれない…と、ヴェルフは唐突に不安になった。
「おまっ、お前さぁ………」
「歳上の栗毛の豊満(
「は〜〜〜〜〜っ…!!!」(クソデカ溜息)
デカい溜息をヴェルフは堪えられなかった。いや、それよりも風呂でぶち撒けてくれたのが不幸中の幸いだった。本人に聞かれていたら間違いなくベッドインする羽目になっていただろう。
「お前、コレ誰にも言ってないよな?」
「言ってるわけないじゃん…」
ホッ。と、ヴェルフは安心する。少なくとも大惨事オラリオ大戦は避けられたようだ。
「………ヴェルフ、俺、決めたよ」
「………何だ?」
絞り出したかのような声でヴェルフは再び地獄の釜の蓋を開けた。
ヴェルフは再び絶叫した。グッジョブヴェルフ。君のお陰でオラリオの平和は護られた。そしてファッ〇ューベル君。反省しろ。
ベル・クラネル(偽)
中身一般転生者なベル君。前世は死ぬ程つまらない14年間を過ごし、そして転生。よく読んでいたラノベの世界に恐らく主人公枠で転生し興奮したのも束の間、何故か生存していた義母に切らなければ良かった啖呵を切ってしまい、生と死の境界を見極めて限界をあと500回を超えてからオラリオに降り立った。耳が弱点。
ヴェルフ・クロッゾ
唐突に始まった団長の乱心に振り回されたかわいそうな鍛冶師。Lvは3。この会話が外部に漏れてない事を祈り、風呂を上がる。彼のお陰で世界平和は護られた。正義の鍛冶師。オラリオ栄誉賞受賞。