抜け出せない沼を持つ男と実力主義の教室。雛鳥は何を見るか。   作:末路雛鳥

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マックスコーヒーってどんな味するんですかね。私、気になります!

みんな大好きいろはすと魔王の登場です。まあ、魔王の姿はないですが(矛盾が早すぎる)
金髪リア充? 知らないです。

では本編をどうぞ。



さよなら千葉。こんにちは絶望。

四月一日。春は別れの季節、だが自分が千葉から出るとは思わなかった。場所は比企谷家の洗面所。

俺は無事に高度育成高等学校に合格を果たした。

鏡の前に立ち、真新しい制服に袖を通す。

 

真っ赤なブレザーに緑色のズボン。これを作った人にセンスはどうなってんだと声を大にして言いたい。クリスマスカラーすぎる。

 

この色合いが絶望的に似合わないし俺が着ても微妙だ。具体的に言えばこの腐った目のせいだが。制服の鮮やかさを容赦なく相殺し、プラマイゼロ……いや、軽くマイナスへと叩き落としている。

鏡の中の自分四月一日と数秒ほど見つめ、静かにブレザーを脱ぎ捨てた。

白いポロシャツ姿になり、首元のネクタイを少しだけ緩める。うん、これならまあ、いいんじゃなかろうか。ブレザーを肩にかけてニヤニヤしていると後ろから可愛らしい声が聞こえた。

 

「……お兄ちゃん、キモい」

 

違った。振り返らなくてもわかる。汚物を見るような視線と共にまるで生ゴミに話しかけるような辛辣極まる声が飛んできた。 愛すべき我が妹、小町の声だ。

 

「こ、小町ちゃん? 出発の朝っぱらからお兄ちゃん、ちょっと辛いかな。お兄ちゃんのライフはもう0よ!」

 

そうツッコミながら振り向いた俺は驚く。 キモいと言い放った小町の顔は、ちっとも笑っていなかったのだ。

 

それどころか、その大きな瞳には今にも零れ落ちそうなほど涙が溜まり、唇をきゅっと噛み締めている。あきらかに泣くのを我慢している顔じゃないか。

そんな表情を見せられたら、行きたくなくなってしまう。

 

思えば、俺が全寮制の高校へ行くという進路を知らせたあの日から、小町はあからさまに様子が変わった。

 

「お兄ちゃんがいなくなるとか、マジありえない、小町ポイントマイナスだよ」と静かに怒ったかと思えば、次の日からべったりと張り付いて甘えに甘えくくってきた。

 

リビングでテレビを見ている時も、やたらと距離が近い。膝に乗ってきて頭を撫でてと甘えてくる。夕飯の時も隣に座ってくる。挙句の果てには「今日からお兄ちゃんと一緒に寝てあげる!」と布団に潜り込んできたほどだ。

 

さすがにトイレや風呂の同行は丁重に遠慮させてもらった。着替えを持って着いてこようとしたからな。この数ヶ月の小町の甘えっぷりは、俺の人生を振り返っても類を見ないほどだった。俺が鬱陶しいと思ってしまうほどだと言えば異常だと分かるだろう。

 

まあ、外界から完全に遮断された閉鎖空間に放り込まれるということは、つまり、この愛おしい妹と3年間会えなくなるということだ。

耐えられるのか、俺。いや、無理か(確信)

 

「……じゃあ、そろそろ行かないと」

 

名残惜しい気持ちを押し殺して言葉を捻り出す。もう、悲しい、悲しくて泣きそうだ。

 

足元に置いていた鞄を手に取る。 肩にかけて、やはり新しい学校に入学するのだな、と改めて実感してしまう、着替えと教材、ラノベしか入っていないが、不思議と重く感じてしまう。携帯は学校で回収されるらしいので、しばらくお別れだ。バイバイ俺の携帯、三年後に迎えに行くよ。

 

玄関まで見送りに来た小町は、俺のシャツの裾をギュッと掴んだまま、俯いて黙り込んでいる。 その名残惜しそうな姿が、ひたすらに胸を締め付けてくる。いくら鬱陶しいと思ってしまっても俺は小町を愛しているんだ。

 

ああ、もう。本当に心が痛すぎる。やっぱり入学しないでいいかな。よし、そうと決まれば自主退ー

 

「なーんて。小町の演技上手かったでしょ?」

 

こいつは実は小町の皮を被った悪魔じゃないのか。妹が知らぬ間に小悪魔になっていたなんて、八幡信じたくない。……小悪魔小町か。

 

「お兄ちゃん、ざーこ❤︎」 

 

……なんかいいな、癖になりそう。だが今の小町は強がりと丸わかりだ。

 

苦笑いしながら、ぽん、と。 小町の頭に手を乗せ、グシャグシャと少しだけ乱暴に髪を撫でてやる。小町も困ったように笑いながらも嬉しそうだ。

 

「行ってきます」

 

それだけを言い残し、俺はドアノブに手をかけた。 これ以上あいつの顔を見ていたら、本気で決心が鈍って、玄関に座り込んでしまいそうだったから。

チラッと見えた小町は泣いていて、それでも笑顔で送り出してくれた。立派な妹だ。新しい学校生活に少しワクワクしながらも、バス停に向かう。

 

 

 

さっきまでの感動とワクワクを返してほしい。バス停にいる4人は周りの注目を集めている。

メンバーは、総武高校のものと思われる制服姿の雪ノ下と由比ヶ浜。そして……。

 

「げぇ、葉山」

 

思わず口から素の嫌悪感が漏れ出てしまった。なんでお前がここにいるんだ。

 

……葉山隼人。コイツとは別に友達でもなんでもない、ただ平塚先生の「仲良くする必要はない、上手くやれ」の言葉をお互いに理解し合う腐れ縁だ。

 

葉山は「君の近くは楽でいいね」 なんていちいち伝えてきて話しかけてくるのだ。そのたびに海老名さんの鼻血が飛び出てひっそり葉山と涙したものだ。

 

俺のあからさまな嫌顔に気づいたのか、葉山は苦笑いを浮かべながら、それでも持ち前の爽やかさを崩さずに近づいてきた。

 

「そんな顔しないでくれよ。……俺も、寂しいと思っているんだ。雪乃ちゃんや結衣と同じでね」

 

「気安く下の名前で呼ばないでくれるかしら」

 

雪ノ下の拒否の言葉二葉山が苦笑いをしていた。それまでは良かった、いや良くないが。次の瞬間ーー

 

「キマシタワーーーッ!!」

 

どこからともなく甲高い奇声が響き渡った。

 

俺と葉山の顔が、一瞬にして青ざめる。

 

「おい葉山、海老名さんがいるのか?」

 

「そんなわけない海老名はBL店に行くと言っていたからいるはずがないいてはならない」

 

コイツがこんな早口で焦っているの初めて見たかもな。

 

ちなみに海老名さんは簡単に言えば腐女子だ。まあ、おかん(三浦)が海老名さんについているから、大丈夫だろう。

 

葉山との気まずい空気をやり過ごすべく視線をずらすと、雪ノ下の背後からヒョッコリと顔を出す小柄な女子。肩にかかるぐらいの栗色のミディアムボブの美少女がニヤニヤしながら駆け寄ってきた。

 

「先輩!」

 

一色いろは。生徒会選挙やらクリスマスやら何やらで色々と手助けさせられた、一つ下の小賢しくて生意気な後輩だ。

彼女の登場に、葉山がスッと一歩後ろへ下がる。焦っていてもその気遣い、尊敬はしない。

一色は俺の顔を上目遣いで見上げるなり、息継ぎすら忘れたような早口でまくしたててきた。

 

「一色、お前も見送ー」

「私は悲しいのに先輩は平気そうですね。はっ!? なんですかその期待に満ちた目線は、告白はいつでも大歓迎ですけどもっとロマンチックに夜景の見えるレストランとかでしてくださいごめんなさい」

 

「……お前は相変わらずだな、一色。」

 

なんだその長ったらしい言葉。相変わらずあざとい。しかも俺、振られてるし。

 

「戸塚先輩や川崎先輩の代わりに私がお見送りに来ました! 2人とも予定が外せないって言ってて、それはもう残念そうにしていました。あと、材木座先輩も、お見送りにk「そいつはいいや」 あっ、はい。」

 

いいんだ戸塚、俺はその気持ちだけでもう3年間頑張れる。川なんとかさんもありがとう。

 

材木座? 知らない人ですね。

 

「安心してくださいね先輩。来年、私も高度育成高等学校に先輩を追いかけますから!」

 

一色はビシッと指を突きつけ、ドヤ顔で言い放った。

まあ、こいつはこれでも一応生徒会長様だ。成績だってそこまで悪くない……はずだ(たぶん普通くらいだが)

 

持ち前の外面の良さと面接でのアピール力なら完璧だろうし、十分入学できるだろう。

なんて、呑気に考えていたら。

 

ふと、猛烈な寒気が背筋を駆け上がった。 視線を向けると、雪ノ下が極上の笑顔を浮かべてこちらを見ている。

 

……なんだろう、すごく怖いな。絶対零度の微笑みって、この世に実在したんだな。

雪ノ下は無言のまま、静かにゆっくりと手を振っている。その隣で、由比ヶ浜も「じゃあね、ヒッキー!」と元気に手を振っている。

 

……うん。由比ヶ浜の笑顔も、どことなく目が笑ってない気がしてめちゃくちゃ怖い。目が笑ってないの、器用だな。俺もやってみたい。

 

「ちょっと一色さん、こっちへいらっしゃい」

「えっ、ちょ、雪乃先輩!? 結衣先輩まで、引っ張らないでくださいー!」

「この泥棒猫……っ! あれは私の所有物よ!」

「抜け駆けはずるいよ、いろはちゃん!」

 

二人は一色の両腕をがっちりホールドし、そのままズルズルと連行していく。泥棒猫ってなんだよ。所有物て、俺は誰の物でもないぞ。ていうか、見送りはどうした見送りは。俺の門出、めちゃくちゃじゃないか。周りも美少女3人の百合百合? を凝視している。

 

騒がしい女子三人の背中を見送りながら、残された俺と葉山はお互いに何とも言えない雰囲気になった。

 

「それじゃあな」

「ああ。比企谷も、気をつけて」

 

何気に1番マシな言葉を背中で受け止めながら、俺は目の前に到着した大型バスに乗車する。 車内を見渡し、思わずガッツポーズをした。

 

誰もいない。完全なる貸し切り状態。 マジか、ラッキーじゃないか。

誰の視線も気にすることなく、好きな席を陣取れる。最後列の窓際に腰を下ろしてすぐに鞄から読みかけのライトノベルを取り出し読み始める。

 

外の景色がゆっくりと動き出した。雪ノ下や由比ヶ浜、葉山と一色(一色は青い顔)が手を振っている。青春ラブコメのような場面に感動しながら窓を見ていたら携帯が振動した。

 

携帯を見て、思わず口元が引き攣る。

 

「なんで私に何も言わずにそんな高校に行っちゃうかな?」  6時10分

 

「覚悟はできてるのかな? 比企谷くん。お姉さん怒っちゃうよー?」  6時10分

 

「・・・卒業したら、楽しみだね」 6時10分

 

            「雪ノ下さん許し

6時15分       てくださいお願いします。」

 

 

 

……返事がない。この人の名前は雪ノ下陽乃。雪ノ下の実の姉、強化外骨格を顔面に纏う魔王だ。気に入った人をおもちゃのように扱う人だ。

 

そんな魔王の絶対不変の死刑宣告。

 

学校が一気に楽しみじゃなくなってしまった。

べー、まじべーわー。   

戸部のモノマネをやらないと心がもたない。

 

どれだけ携帯を見ても目を擦っても文字は変わらず、いったい卒業後ナニされちゃうんですかね、八幡気になる。

 

「あぁ。」

 

 

もうダメぽ。




あぁ、手が止まんねぇ、眠れねぇ(五時) あっ、どうも末路です。如何でしたか? では、今までのまとめとして八幡への好感度を見ていきましょう。キャラ崩壊があるかもしれませんがご了承ください。

雪ノ下雪乃→比企谷八幡 いつも助けてくれた、いつも守ってくれた、文句を言いつつも動いて、それが誰かのために必ずなる。別の学校という事実は悔しいけれど変わらない、この三年間、私は自分を成長させて、こんどこそ、対等な関係になりたい。

作者の言葉、雪ノ下さんは好意全幅ですね。あと少しの依存もありますと一言だけ。

由比ヶ浜結衣→比企谷八幡 半分諦めているの。けれど欲張りだからゆきのんがしっかり持っていないと奪うよ。比企谷八幡以上の男の子はいないと思っているから生涯独身も覚悟しているとか、いないとか。 

作者の言葉、素晴らしい。重たい愛は地球を救う。恋愛に重さとか関係ない、結ばれた人が正義なのです。ちなみに作者は重たい愛は大歓迎です、愛や好意の感情に遠慮はいりません。もちろん限度がありますが。

いろはす、じゃなくて、一色いろは→比企谷八幡 優しい先輩、葉山先輩に振られたのも理由の一つだが生徒会選挙のときに助けてくれて、仕事も手伝ってくれた、優しくて、どこか不思議な魅力を放つ男性、もう脳はこんがりと焦げて取れないほど焼けてしまった、責任、取ってもらわないと。 

作者の言葉、一色さんは追いかけてきます。うん、二年生編描けたらね。

雪ノ下陽乃→比企谷八幡 秘密❤︎

作者の言葉、意外と依存していない、ただ八幡が魅力的だから取られることを怖がっているだけ、そりゃあ今まで見抜いてこられなかった仮面を見破ってくれた唯一の男子に特別な感情を抱いてもいいでしょう。
まあ卒業したときに八幡に彼女がいたら奪いに来ますもちろん八幡を、問答無用で。

次は明日に投稿すると思います、ここまで呼んでくれてありがとうございました。
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