インフィニット・ストラトス 天使と無限の成層圏の輪舞   作:ぬっく~

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痛み止めを飲んで大分回復したので投稿。

まだ、痛いけど……



事件

平穏の日々が続くIS学園に小さな事件が起こった。

セシリアとクラス代表を決める試合があった数日後に起こったのだ。

織斑一夏が全く授業を聞かず、空を眺めている。

その度に織斑千冬の宝具である主席簿が振り下りる。

一回受ければ、普通の生徒は次はしないと思うのだが、一夏は違った。

昼休みまでに受けた回数が3ケタはいっただろう。

しかし、それでも一夏は空を眺める。

 

「……………………」

 

クラスの女子は未だに空を眺める一夏から目が離せなくなっていた。

あれだけの攻撃を受けてなお、悲鳴の一言も放っていない。

むしろ、生きているのかが疑問に思えてくる。

勿論生きている。瞬きはしているからだ。生きているは生きているが、まるで、

 

「まるで、空っぽですわね」

 

「一夏! しっかりしろ!!」

 

幼馴染の篠ノ之箒やクラス代表を決める時に戦ったセシリア・オルコットはそんな織斑一夏を心配していた。

 

「……………………」

 

いくら言っても、織斑一夏は上の空。

完全にセミの抜け殻と全く同じだった。

 

「一体何があったのでしょう……」

 

「これは異常事態だ!」

 

最終的には精神科まで連行されることになった。

検査結果は特に異常はなかった。

 

「これは、どう言うことだ!?」

 

この検査結果に納得のいかない箒は再度検査を申請するも、結果は同じだった。

 

「……もしかして、昨晩何かがあったのでしょうか?」

 

「どう言うことだ?」

 

「昨日までは、いつも通りの一夏さんでしたわ、しかし今日になってこれは可笑しいですわ」

 

「成程……では」

 

「ええ、調査するしかありませんわ」

 

クラスの女子全員で織斑一夏がああなってしまったのかを調査することになった。

一方、職員室では……

 

「今日の織斑君、変でしたね」

 

「ああ、まるで魂を抜かれたよな感じだったな」

 

担任の織斑千冬と副担任の山田真耶は今の織斑一夏の異常性に疑問を持ち始めていた。

 

(昨日までは何ともなかった……だとすると…………)

 

千冬も昨日の放課後に何かがあったと考えていた。

 

「山田先生、昨日の放課後から門限までの監視映像を用意してくれるか?」

 

「え? はぁ―――。わかりました」

 

そう言って真耶は職員室を出て、すぐさまにIS学園に設置されている全ての監視映像のデータを集めに行った。

そこに織斑一夏がああなってしまった理由があると千冬は考えたのだ。

 

「さて、なにが出てくるのだか……」

 

その瞳に映っているのは、教師としての眼ではなく姉としての眼だった。

 

 

 

 

「箒さん、そちらは?」

 

「ダメだ。何もない」

 

人海戦術で捜索するも、成果は挙げられなかった。

それどころか、放課後に織斑一夏を見た者がいないのだ。

 

「一旦、教室に戻りましょう」

 

「くっ! 仕方ないか」

 

昼休みももう終わりを告げ始め、全員撤収せざるをえなかった。

箒は慌てて走る山田先生を目撃する。

手には何かのデータが入った物を大量に持っていた。

 

「山田先生? とうしたのですか、そんなに慌てて」

 

「あっ! 篠ノ之さん。ちょうどよかったです」

 

箒に声をかけられた真耶はこれを職員室まで運んでほしいと頼む。

 

「急遽、授業は自習になりました」

 

「自習ですか?」

 

「はい。織斑くんは異常と言っても可笑しい位、異常なので調査することになったのです」

 

教師陣も今回の一夏の異常性に疑問を持ち、調査が行われていた。

真耶が持っていたのはIS学園に設置されている200を超える監視映像が入ったデータだった。

 

「わかりました」

 

箒とセシリアは真耶の持っていたデータの山を持ち、職員室を目指す。

そして、職員室では織斑先生がデータ確認の準備に入っていた。

 

「お前たちも来たのか」

 

「異常事態でしたので」

 

織斑一夏に恋を寄せる二人がこの事態に首を突っ込まないはずがない。

大方、千冬も予想していた通りだった。

 

「まあいい。山田先生」

 

「は、はい」

 

真耶は放課後から門限の4時間の映像を取り出し、正門から一年棟、各アリーナ、屋上の監視映像を流す。

そして、再生作業から2時間経った時だった。

 

「いました!!」

 

「どこだ!?」

 

真耶が一年棟の屋上で一夏がいる所の映像を見つけたのだ。

そして、もう一人そこに誰かがいたのだ。

 

「こいつは……」

 

千冬はその人物を知っていた。

まさか、そいつが一夏と出会っていたのは思いにも思っていなかったのだ。

 

「アンジュリーゼか…………そう言うことか」

 

「どう言うことです?」

 

セシリアは織斑先生の言葉に疑問を持った。

この女が今回の事件に関係あるのはわかったのだが、箒とセシリアはなぜこの女が犯人だと言うことが理解が出来なかった。

 

「アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ。二年一組の生徒でな、彼女の歌は人の心を虜にする程の声を持っているのだ」

 

「な!?」

 

「では、一夏さんは……」

 

「ああ、彼女の歌を聞いてしまったのだろう」

 

セシリアと箒はようやく理解する。

千冬は入学当初から彼女に決して人前では歌うなと言ってあるのだが、不幸にも一夏は聞いてしまったのだ。

至急にアンジュリーゼをこの職員室に呼ぶ。

 

「山田先生、至急に」

 

「はい」

 

「お前たちは戻れ」

 

「わかりましたわ」

 

「ぐっ…………わかりました」

 

箒は一夏がこうなってしまったことをガツンと言いたかったのだが、織斑先生に戻るようにと言われてしまった為、静かに引き下がる。

そして、校内放送が流れた。

 

「二年一組のアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギさん。至急、職員室に来てください。もう一度言います。二年一組…………」

 

数分後、アンジュリーゼは職員室に現れた。

ショートカットで金色の髪の彼女は、10人全員が美人と言える程の美しさを持っていた。

 

「それで、何の用なんですか?」

 

「こいつを知っているよな?」

 

千冬は織斑一夏の写真をアンジュリーゼに見せる。

それを見て、あることに気づく。

 

「ええ、知っているわよ」

 

「お前の歌を聞いてしまったようだ」

 

「それは大変ね」

 

まるで、他人事のように聞き流すアンジュリーゼ。

入学当初よりはまともになった彼女でも、変わらないところはあった。

 

「そういう訳だ。直しておけよ」

 

「……………………」

 

「言っとくが、拒否権はないぞ」

 

「わかりました」

 

「よろしい」

 

諦めたのかアンジュリーゼは職員室を出て、織斑一夏のいる一年一組を目指した。

それを見送った千冬と真耶は、自習にしてしまった時間をどこに入れるのかを話し合うことになった。

 

 

 

 

自習になった一年一組では、セシリア・オルコットによる候補生の授業が執り行われていた。

 

「でからして…………」

 

「失礼するわよ」

 

一組の教室にいきなり入ってきた、アンジュリーゼにクラスの全員は首づけになる。

その声を聞いた瞬間、一夏の身体が反応を見せた。

 

「あなたは!」

 

「貴様だな! 一夏をあんなのにしたのは!!」

 

箒とセシリアは犯人の顔を知っていたので、入ってきたアンジュリーゼに絡む。

だが、アンジュリーゼにとってはそんなことはどうでもよかった。

 

「一夏を元に戻せ!!」

 

「いちいち、うるさいわね………」

 

近所のうるさい犬のように吠える箒に痺れを切らせるも、当初の目的を果たす。

アンジュリーゼは一夏のいる席まで行くと、一夏は今まで自ら動く様子も見せなかったはずが、アンジュリーゼが来た瞬間、普通に動き顔を向けた。

 

「また、お会いしましたね」

 

「はぁ…………」

 

アンジュリーゼは一夏の顔を見て、相当重症だと言うことに気づく。

なので、手っ取り早い治療法をすることにした。

それは、

 

「!?」

 

一夏は唇に不思議な感触を感じる。

 

「へ……?」

 

「な!?」

 

箒、セシリアはその一部始終を見てしまった。

そして、教室から大音量の声が響わたった。

 

『きゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』

 

アンジュリーゼが一夏の唇にキスをしたのだ。

それも10秒近く。

 

「え……?」

 

ようやく、正気を取り戻した一夏は辺りを見渡した。

箒とセシリアは石になり、生徒の殆どが鼻か血を流すか頬を赤くしている。

とんでもないカオスな空間になっていた。

 

「そんじゃ、私は失礼するわよ」

 

そう言って、アンジュリーゼは一組を後にした。

取り残された一夏は今の状況が理解できていなかった。

 

「何があったんだ?」

 

唇に違和感を感じながらも、先帆の事を考えていた。

 

「今のって……」

 

そして、一夏は背後から物凄い寒気を感じるのであった。

 

「!?」

 

ゆっくりと後ろを向くとそこに赤鬼と青鬼が立っていた。

箒とセシリアだ。

 

「ど、ど、どうしたんだ? 箒」

 

「うん。殺ろう」

 

「ええ。そうですわね」

 

お互いに顔は笑顔なのだが、目が笑っていなかった。

箒は何処からか日本刀を取り出し、セシリアはブルー・ティアーズを展開する。

 

「「死ねぇぇぇ!!!」」

 

問答無用に放たれるレーザー兵器に一夏は飲み込めれた。

 

「不幸だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

どっかの主人公の悲鳴がIS学園に響わたるのであった。

 

 

 

 

二年一組では、

 

「アンジュ! 今日はなにやったの?」

 

常に棒付きキャンディをくわえている少女、ヴィヴィアンは帰ってきたアンジュリーゼによいかかる。

 

「何でもないよ」

 

「嘘だぁ~」

 

「アンジュちゃんも言いたくないことだってあるのよ」

 

「へーい」

 

四次元バストを持つ巨乳のエルシャはアンジュリーゼからヴィヴィアンを引き剥がす。

 

「はぁん、どうせ、痛姫さまのことだし」

 

「とっとと、退学になればいいのに……」

 

「今月、稼ぎ全部持ってかれたし……」

 

ヒルダ、ロザリー、クリスはアンジュリーゼのことをあんまりよく思っておらず。

 

「そこまでにしなさい」

 

クラス代表のサリアは話に割り込む。

 

「そうですね」

 

アンジュリーゼの友人にして、ライバルでもあるサラマンディーネも介入して来た。

「ちっ……」

 

歩が合わなくなったため、ヒルダは大人しくさがる。

 

「全員、席に着け!」

 

禁煙を書かれている張り紙があるのに葉巻を吸う担任。

ジルが戻ってきたのだ。

 

「ここは禁煙です」

 

「そうだったな」

 

副担任のエマはジルを注意する。

 

「そんな、ちっぽけなことはほっとけ、もう直、クラス対抗戦がある。サリア」

 

「はい。わかっております」

 

「よろしい。では、教科書を開け」

 

そして、大きな悲鳴と共に授業がはじまった。

 

 

 




名 アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ
愛称 アンジュ
年 16歳(飛び級入学)
所属 IS学園 二年一組 企業所属
専用機 第二世代 ヴィルキス

企業、アルゼナルのテストパイロットである。
専用機は旧式のISであるが、アンジュ以外懐かないと言う理由でアンジュの専用機として活動中。

CV:水樹奈々
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