インフィニット・ストラトス 天使と無限の成層圏の輪舞 作:ぬっく~
今日は学年別トーナメント当日。その一年の最初の試合が始まろうとしていた。
初戦は噂の子、織斑千冬の弟である織斑一夏だった。そして、対戦相手は先日転入して来た中国代表候補生の
試合は鈴音の優勢であったが、一夏は彼女の一瞬の隙を狙って己の剣が当たる瞬間、事件が起こった。
突如、アリーナ上空のバリアが破られる。防護壁が起動し、生徒たちが閉じ込められてしまう。
「おい! イタ姫。そっちは開かねぇぞ!?」
「開かないのなら、開けるまでよ」
ヒルダの言葉など無視し、アンジュはヴィルキスを部分展開と同時にライフルを展開する。
そのまま、ドアに向けてグレネードを放つ。ドアは破壊されそこにいた生徒たちは外へと出る。
「本当に手加減しねぇんだから……」
ヒルダはアンジュの行動には、いやってほど味わっていた為、この程度のことは予想済みだった。
アンジュは破壊したドアを踏みつけ、外を目指さず侵入者のいるアリーナに向かう。
「アンジュ!! あんた何処に行く……」
委員長のサリアに呼び止められるが、アンジュは止まる事無く歩く。
「何って……あの屑鉄を潰しに行くのよ」
「はぁ!?」
サリアの驚きなど無視し、アンジュはカタパルトへと到着するが、他の学年、先輩たちがクラッキングを行なっていたが、アンジュは自分の専用機『ヴィルキス』を展開する。
「~♪ ~~~♪」
展開と同時にアンジュは歌い始める。
それを聞いた生徒たちは、青ざめた顔をしてその場から逃げだす。
そして、ヴィルキスの機体が黄金色へと変わり両肩の装甲が開く。
そこから放たれた高エネルギーは対IS装甲すら消し飛ばす。
「こちら、アンジュ。これより侵入者の排除に入ります」
『待て! それは……』
管理塔にいた織斑先生の指示を無視し、アンジュはアリーナに下り立った。
そこには、一組と二組のクラス代表と黒い全身装甲のISがいた。
アンジュの登場により、一夏たちは驚いていた。
「あんた何者よ!」
鈴音は突然登場してきた一夏と同じ白いISに噛み付くが、アンジュはそんな事は無視し、ライフルを構え放った。
「いきなり、何するのよ!!」
「戦闘中は敵から目を離さない」
ゴーレムと一定の距離を保ちながらアンジュはライフルをマシンガンモードに移行する。
勿論、ゴーレムは両腕に内蔵されているレーザー砲を放つが、紙一重でアンジュは避ける。
それを一夏たちは眺めていることしか、出来ていなかった。
「すげぇ……」
「何って動きしているのよ……」
一夏、鈴はアンジュの戦いに介入する余裕はなく、精々避けるのが限界だった。
その時、一夏は思った。
(俺にもっと力があれば……)
目の前で行なわれている戦いに一夏は自分が弱いと実感していた。
ISの搭乗時間もそうだが、実力の差があると今のこの場で一夏は思い知った。
「ちっ……弾切れか」
アンジュのライフルは弾切れを起こし、メイン武装に切り替える。
それは、一本の剣だった。
「やあああ!!!」
アンジュは瞬時加速などを駆使し、一気に近づく。
ゴーレムもただでは、寄せつかせずレーザー砲を放つがアンジュはそれを避けながら近づく。
振り下ろした剣はゴーレムの右腕に当たり、そのまま斬り上げ左腕も切断する。
主力武装を失ったゴーレムは両腕の爆発に紛れて逃走を図るが、アンジュはそれを許さない。
「逃がすかぁ!!」
ヴィルキスの左腕から何かの装填音を鳴らせ、アンジュはゴーレムの頭を掴む。
そして、一本の杭が撃たれた。
杭が撃たれた瞬間、ゴーレムは氷漬けにされ墜落する。
「終わったのか……」
一夏は最後まで目が離せなかった。
二人でもやっとであったゴーレムを彼女は一人で終わらせてしまったのだ。
「もう、終わってしまったかよ」
「また、アンジュの一人勝ちだね」
背後から数名の声がすると思い、振り向くと十人ほどいた。
リボンの色からその人たちは二年だと分かった。
「アンジュ! あんたまた命令違反をして!!」
「そんなの知ったこちゃないわ。 乱入者を狩るのが私たちの仕事なのよ」
「っ……!! あんたねぇ」
黒髪のツンテール少女、サリアはアンジュの幾度なく行われた命令違反に頭にきていた。
その後、教師陣にゴーレムは回収され、学年別トーナメントは中止になる。