「キュア…」
「スティール…!」
「…来たわね」
フッ、決まった…!我ながらカッコよく登場できたと思う。
ライバルの登場シーンにミスティックは警戒態勢に入ったし、それはアルカナ・シャドウも同様みたいだ。これならアンサーも…
「…じゅるり」
じゅるりって何?その涎は何?何で目に光が灯っていないの?
…まぁ、ひとまず気を取り直そう。
「お初にお目にかかりますわ。キュアアルカナ・シャドウ」
「…本当に初めて会うのかしら?キュアスティール」
フム、あの時話しかけられてなんとなく察してはいたけど、やっぱり僕こと二十面はづきがキュアスティールだと勘付いているのかもしれないな。ちょくちょくあんなちゃん達と一緒に行動してる時があったから、きっとバレない様に僕やあんなちゃん達を見ていたのかもしれない。
「さぁ?私はあなたと初め「スティール?」っ!?」
とても圧が籠った声が聞こえ、後ろを振り向いてみると、すぐ傍に無表情のアンサーがいた。
「どういう事か教えてくれないかな?あの人とはどこで会ったの?どういう関係なの?」
「ア、アンサー?どうしちゃったの?」
「あの、あなた何か誤解してません?私は…!?」
何とかアンサーの誤解を解こうとしたけど、何故かアルカナ・シャドウが僕の腕にわざとらしくしがみついてきた。
「私とこの子がどういう関係か…探偵なら当ててみなさい」
笑みを浮かべながらそう口にするアルカナ・シャドウは一瞬だけ僕を見てきたけど、その時の彼女はイタズラ娘のような表情になっていた。あっ、アンサーの様子がヤバい。
「何を言ってやがりますのっ!?」
すぐさま僕はアルカナ・シャドウを振り払った。
「酷いじゃない。あんなに楽しんだ仲なのに…」
「これ以上誤解を招くようなことを言わないでちょうだい!」
すぐさま僕はアルカナ・シャドウに向かって拳を振りかざした。
「遅い」
アルカナ・シャドウは僕のパンチを軽々と避けてみせた。さっきの戦いをコッソリ見てたけど、アルカナ・シャドウは明らかに戦闘に慣れている。純粋な強さならアンサーとミスティック、そして僕より上だ。
だけど!
「タァッ!!」
「っ!?」
上手く立ち回れば、勝てない相手じゃない!
この時の回し蹴りは杖で防がれたけど、アルカナ・シャドウの顔から余裕は消えていた。
すかさず僕はアルカナ・シャドウに攻撃を仕掛けていった。
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「やるじゃない。アルカナ・シャドウを相手にあそこまで戦えるなんて」
この戦いを見ていたアルカナ・シャドウのおとも妖精、マシュタンはスティールを評価していた。
「当然だろ、なんたって俺が見込んだ奴だからな!」
そんなマシュタンの傍にいつの間にか来ていたキャプタンが自慢気にそう言った。
「キャプタン!」
「…やっぱりあなただったのね、『模倣の妖精』」
「へへ!そういうこった!」
「模倣の妖精…?」
模倣の妖精と呼ばれたキャプタンに疑問符を浮かべるアンサーとミスティック。そんな二人には見向きもせず、マシュタンは一人思考を巡らせていた。
(…模倣の妖精がおとも妖精なのなら、あの子は…アルカナ、油断しない方がいいわよ)
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「アルカナスターレイン!!」
アルカナ・シャドウが放った複数のビームが放たれた。僕はそれを避けていくが、一発だけ右腕に掠ってしまった。
「…名探偵プリキュアに幾度も勝ってきたようだけど、あなたもまだまだ未熟ね」
アルカナ・シャドウは笑みを浮かべながら僕に杖を突き付けてくる。
「フフッ、手厳しいですわね…」
「…教えて。どうしてあなたは首飾りを盗もうとしなかったの?これが偽物だってわかってたから?」
「いいえ、私は基本、予告状を送っていない物は盗み出さない主義ですの。たとえマコトジュエルが宿っていたとしてもね…それに、私にはあの首飾りが偽物だと思いませんでしたわ。高級品の良し悪しには興味がありませんもの」
「やっぱり、あなたは…」
「最後に、私が尊敬するある人の言葉を教えますわ…『切り札は、最後の最後に光り輝く』…ですわ♪」
「っ!?」
僕がマジックキュアウォッチのダイヤルを左に回すと、アルカナ・シャドウはすぐさま僕から距離を取った。ウォッチをつけた左腕を一回転させてアルカナ・シャドウに向けて突き出す。僕の周りには複数の星が浮かび上がっていた。
「あれって!」
「っ…!?」
さぁ、避けれるもんなら避けてみな!
「アルカナスターレイン!!」
先程僕やアンサー、ミスティックに放った『アルカナスターレイン』を今度はこちらからお返ししてやった。アルカナ・シャドウはそれを避けていったが、想定外の事だったらしく、一発だけ左腕に掠ったみたいだ。
「気をつけてアルカナ・シャドウ!彼女は他人の技を
アルカナ・シャドウのおとも妖精の言う通り、僕ことキュアスティールの能力は
「コピーって、何でもあり過ぎじゃない!」
「…カッコイイ」
「アンサー!?キュアスティールはライバルでしょ!?ラ・イ・バ・ル!」
アンサーとミスティックがこのようなやり取りをしていたけど、まずはアルカナ・シャドウの相手を「痛ったぁーー!?」…え?何今の悲鳴?アルカナスターレインの一つが当たった場所から聞こえたような…
「ちょっとあんた!こっちにまで飛ばすなし!マジチョベリバ~!」
「アゲセーヌ!?」
あ、君いたんだ。
「あっ!何するのよ!?」
「噓よ覆え!チョベリグにしちゃって、ハンニンダー!」
「ハンニンダァーー!!」
アルカナ・シャドウのおとも妖精から首飾りを奪ったアゲセーヌはそれをハンニンダーに変えてしまった。
さて、目の前にはハンニンダー、後ろにはアルカナ・シャドウがいる。どうしたもんか。
なんて考えていると、アルカナ・シャドウが先に動き出した。だけど向かっている先は名探偵プリキュアではないし、僕でもない。それなら話は簡単だ。アルカナ・シャドウが向かって行ってるのは…
「ハンニンダッ!?」
ハンニンダーしかいない。アルカナ・シャドウに蹴り飛ばされたハンニンダーに僕はパンチをお見舞いし、床に叩きつけてやった。
「意外ですわね。あなたがハンニンダーをぶっ飛ばすだなんて」
「ハンニンダーが邪魔をしてきたから…あなた達を助けた訳じゃない」
「ま、そういう事にしておきましょう…浄化はあなた達に任せますわ、名探偵プリキュア」
さて、今日はここで退散しよっと。
「素敵な夜を、麗しいレディ達」
「はづきちゃんは、キュアアルカナ・シャドウをどう思う?」
その日の深夜、また事務所を抜け出して僕が住む屋敷にやって来たあんなちゃんからこんな事を訊かれた。ちなみにハンニンダーは浄化し、首飾りも取り戻したそうだ。
「僕から見たら、悪い人じゃないと思うよ。なんかアドバイスしてくれてたし」
「別にそれは訊いてないよ?」
「え?」
「…はづきちゃんは、アルカナ・シャドウみたいな人が好みなの?」
そっち!?
よく見たらあんなちゃんの眼の光がまたお出かけしちゃってるし…
まぁ、ここは正直に答えよう。
「確かにアルカナ・シャドウは綺麗な人だったけど、別にどストライクではなかったな」
「…それじゃあ、はづきちゃんの好みは私なんだね」
「えっと、そうは言ってな「私だよね?」…ㇶェ」
だから怖いって!
とはいえ、少なからず僕があんなちゃんを意識しているのは事実だ。あんなちゃんみたいな可愛い子が僕を好いてくれているのも素直に嬉しいし。ただ、まだ踏ん切りがついてないのも事実だ。だけど、そろそろ答えを出した方が良いかもね…
…よし、決めた!
「ねぇ、あんなちゃん」
「どうしたの?」
「今度の日曜さ、二人だけでお出かけしない?」