「うぉあああ!僕…もう…無理…!」
「諦めるな!死にたくなきゃ走れ!」
後ろから聞こえる大山の弱音に叱咤する。僕達は狭い通路の中をそれはそれは大きな鉄球に追いかけられていた。何故こんな事になっているのか。それは数時間前まで遡る。
もう見慣れた光景となっていた校長室での定期連絡。その場にて弾薬の在庫が底を突きそうという連絡が上がった。それに対し、ゆりはギルド降下作戦を発令。
弾薬の製造を行なっているギルドと呼ばれる施設へ弾薬の受け取りに行くという内容だ。どうやらギルドというのは地下深くにあるらしい。だから『降下』作戦なんだとか。
作戦開始時間となり、戦闘班全員で体育館ステージ下の秘密の入り口から地下へと侵入。ここまでは良かったのだが…
既に地下で僕達を待ち構えていたハルバート使いである野田の『尊い犠牲』により、対天使用トラップが解除されず、現在も稼動し続けている事が判明。僕達がギルドに向かう事は事前に連絡されているにもかかわらずだ。この事から天使が現れ、ギルドの独断でトラップが再稼動されたのだと、推測される。ゆりはギルドへの突入を宣言。僕達は数多のトラップが待ち構える中、ギルドへの進軍を開始したのだった。
「以上!あらすじ終わり!」
「急にどうしたライ!?」
「…いや、なんでもない」
しまった、声に出てたか。最近戦線メンバーと過ごしていたせいか、毒されてきている気がする。気を引き締めないとな。
最初のトラップである狭い通路を凄まじい勢いで転がってくる鉄球から僕達は全力で逃げる。鉄球の存在にいち早く気付いた僕と椎名が先頭を走る。
「あれは?」
走り続けていた僕達は通路が二手に分かれている事に気づく。一つは通路の右側に小さく開いた一人入れるくらいの穴。もう一つは通路の先、同じ様に一人入れるくらいの穴が空いている。あそこに入り込めれば岩は引っかかって止まるはずだ。
「椎名!」
「あさはかなり…!」
それ返事なのか?とにかく椎名は右側の穴、僕は目の前の穴に飛び込む。後ろを振り向けば椎名の入った穴に他にも飛び込んでいく。
「はぁ…はぁ…」
一人逃げ遅れた高松がこちらに向かって走ってきているが、もう限界が近い。鉄球もすぐそばまで来ている。間に合うか?
「高松!掴まれ!」
「ッ!」
穴から身を乗り出し、僕が伸ばした手に高松も負けじと手を伸ばす。僅か数cmの距離が酷くもどかしい。
「よし!」
手が届いた瞬間に、僕は勢い良く高松を引き込んだ。勢い余って僕と高松は穴の向こうへ勢い良く吹っ飛び、ドーンと大きな音を立てて、鉄球が穴に引っかかった。
高松生存ルート
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