ブルーオーシャンを求めて   作:新米店長

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開店

「いらっしゃいませー!」

「来たぞー」

 

 師匠達研究者の男どもが現れた。

 みんな揃って布の奥に消えていく。きゃっきゃ。はわわ! えっち……!

 

「じゃあ買って帰るか。早く読みたい」

「いやいや! 儂の論文の売られているのを見てくれ!」

「おー。綺麗な感じで製本できてるじゃないか? 凄いな。いや本当に凄いな」

 

 本を持って、カウンターに来る。

 

「おっと。これは筆記用具か? ずいぶん変わっているな」

 

 カウンター横のボールペンのところから、流れるように画材コーナーへ。

 

「凄いぞ。このペン書きやすい!」

「おお、白紙の本が売っている。製本しなくていいのか」

「格好いいデザインだな。覚書にいいかもしれん」

「研究ノートに」

「「「いらっしゃいませー」」」

 

 3人娘に声を掛けられて、一団はギョッとする。

 

「破廉恥!」

「おっと転んだ!」

「恥ずかしい真似をするでないわ!」

 

 転んだフリでスカートの下を覗こうとする学者。

 

「お飲み物が銀貨一枚です♡」

「高い!」

「一つ貰おうか」

 

「ありがとうございます♡ 美味しくなーれ♡ 美味しくなーれ♡」

「ななな、え、えっち……!」

「はい、どーぞ♡」

「う、うむ。あ、結構美味しい……」

「美味しいなら仕方ない。ほら、銀貨一枚だ」

「これも付き合いだから仕方ないな。銀貨一枚払おう」

「凄い服装だな……。庶民の文化は凄いな。貴族である私にはとても理解できん。だがこれも勉強だから、妻に買って行こう。このドレスと下着の一揃いを頼む」

「服も売ってるのか……。あ、この下着すごい」

 

 師匠のご友人方はしこたま買って行ってくれた。

 あとは学生っぽい若い子がちらほら。

 

 それから、お客がいく人か入り、品物を隠し持って出ようとしたから出られなくなったりした。強盗しようとしたのは流石に死なない程度に高いところから落ちてもらった。

 

 地球では強盗犯相手でも撃退は絶対ダメなので、ナーロッパだから出来ることである。鍛えてくれてありがとう師匠。

 

 金額が高いので、大体の人は眺めるだけだ。

 立ち読みも結構多い。立ち読みについては、見本誌だけ残して売る本は奥から取ってくる式にしないとだめかな……。商品が汚れちゃうからね。

 

 立ち読みの人はカフェスペースに誘導した。

 一回につきカフェに持ち込みできるのは一冊だけでーす。

 でもエロ本は買って家で読んでもろて。

 うーん、カフェに持ち込み可にすると見本誌だけ作戦は使えなくなるな……。

 汚したら買取制にしようか。

 

 閉店ギリギリに商人が買いに来て、値段でぐぬぬとしていた。

 

「全部買うから安くしてくれ!」

「当店は転売目的のご購入はご遠慮願っております」

「儲かるんだから良いだろう!」

「買ってくれる人はいくらでもいるので、わざわざ安く売る理由がないです。買い占めされると商品のない店と噂も立ちますし、デメリットしかないです。百歩譲ってお金を払うなら売ってあげても良いけど、まけるなんてあり得ない。なんで損してまで損しなきゃいけないの」

「ぐぬぬ……」

「おかえりはあちらでーす」

「いや、買う。仕方ない、厳選するか……。商人ギルドの小切手は」

「現金のみでーす」

 

 17時に店を閉めた時には、なんだか疲れてしまった。

 

 お店が終わったら、3人にパソコンの使い方を教える。

 裁縫セットとA4用紙一束、ボールペンとノート5冊セットも。

 パソコンでは主に業務日誌を書いてもらう。

 

 なお、カフェのランキングでは一番はお嬢様のリリアだった。

 

 

 

 

 

 店を閉めて帳簿を作った後は、ささやかな宴会をして今日はお休み。

 もちろん、それぞれの営業成績もちゃんと記録する。

 

 カフェのご利用は全部で30人くらい。

 NLエロ本は全部売れた。漫画も物珍しさからか大体売れた。

 小説はまだ少し残っている。BLは全部ある。まあ男しか来てないしな。

 筆記用具や雑貨がいくつかと、コスプレ品のえっちなドレスや下着もかなり売れた。論文も少し。

 初日から、棚が結構ガラガラだ。補充するべき商品をメモメモ。

 

「リリア、フレア、ミーナ、明後日から商品を作ってもらうんだけど。……何が作れる?」

「な、何が、ですか?」

「魔法使いなんだからさ。アミュレットとか作れる? それとも、女の子として可愛い服とか、絵が描けるなら挿絵とか。もちろん、厳しい審査があります」

「このお店にどう貢献するのか、考えておいてね。粉にお湯を掛けてかき混ぜるなんて、誰がやっても良いんだから。それぞれだけのお店にいて欲しい何かを作ってね」

「き、厳しいですわ……」

「このレベルの服かぁ。うん、無理!」

「今日チップ貰ったでしょ。店員割引で商品売ってあげるから、自分磨き頑張ってね。上達するまでの画材代とか布代とか全部店で出しますとか無理だからさ。初めの裁縫セットとかはあげたし、援助としては十分でしょ? 木曜はひたすら商品を作ってもらって、売るに耐えるものだけ買取」

「ひぇぇ」

「金曜は商品開発日だから、こっちで費用持つ代わりにやることの指示はこっちで出すね。今週の土曜のスキルアップ研修は、適温のお湯を魔法で出せるようになること、お湯を手を使わずに混ぜられるようになる事。早く終わったら劇場行くよ。月曜は皆で1週間の食料品と商品の補充の為の買い物に行くよ。師匠に言われたから5年は預かるけど、その間に独り立ちの目処立たなかったら大人しく結婚した方がいいよ。これだけえっちな姿で接客してたら結婚したいって人も見つかるでしょ。師匠達も、いつでも旦那さん紹介するって。5年内なら」

「5年で独立ですか……」

「うう、楽な仕事だと思った私がバカでしたわー」

「修行、頑張ってね。後、洗濯物は出しておいて、洗濯魔法を覚えるまでは私が洗濯してあげる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 水曜日。

 朝早く、私はコインランドリーで服を洗いに行った。

 私は魔法で洗濯できるけど、気が散るから作業を平行したい場合はコインランドリー一択だよね。

 服が洗い終わるのを待つ間、ネットサーフィンをする。

 娯楽を楽しみつつ、印刷屋さんに本を追加発注である。

 メインの可愛い服もネットで注文する。おっ この子供服イイね!

 受け取りは近くのコンビニ。

 今、置き配盗難とかもあるからね。

 スープの素やお菓子も適当に頼む。

 乾燥した服を畳んで、それぞれの部屋に運ぶ。

 お昼を食べたら、午後は秋葉原や渋谷に買い物に行く。

 

 商品はこんな感じでいいかな。

 皆で夕飯を食べる。日曜日に買った食材だけではきついという事で、それとは別に食費を個別に配っておく事になった。

 これは日曜日に銀貨一枚をそれぞれに配る事になった。

 

 なお、朝は簡単に済ませ、朝のうちに簡単なお弁当を皆に配り、お昼はそれで各自。夕方は皆一緒で、凝った食事といった感じである。

 夕食だけはちゃんと手の込んだものをお願いしてある。これも花嫁修行の一環だ。

 

 3人とも、チップ片手に商品の素材探しに頑張っていたようである。

 

 そう、休日とは自分の予定を自分の都合で立てられる日なのだ。

 本当に寝て過ごしていいわけがない。彼女達は、男尊女卑のナーロッパで女性なのに自立したいって言ってるんだから。

 

 私? 対外的には、師匠が愛人に店番させてる事になってるのよね。

 それぐらい男尊女卑なのである。

 まあでも頑張るなら責任持って女一人で生き抜く道筋を一緒に見つけてあげる覚悟はしている。その為のダンジョン研修なんだから。

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