今話は「Emmeria」様の設定をお借りしています。
『ライナ(料理研究部)』
→https://www.pixiv.net/artworks/125178000
『青学モブ(自警団)』
→https://www.pixiv.net/artworks/131868339
【青学】キヴォトス総合掲示板【料理フェス】 part.X
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3:名無しの生徒
――というわけで、今期も開催が決定されました青学料理フェス!
連邦生徒会長失踪と治安大悪化を受けて開催も危ぶまれましたが……
いや~本当に良かった!
空が赤くなった時なんか「終わった」って思った
4:名無しの生徒
マジで良かったよ~~~(涙
5:名無しの生徒
年2回、あそこに美味しいもの食べに行くのが大好きアタシ
開催決定で安心から腰がヘニャヘニャに……床にへたり込んで打ってる
6:名無しの生徒
>5
そんなトリニティのお嬢様に監禁コース喰らった青学生スパイみたいな
7:名無しの生徒
それたまに聞くけどマジなの?
8:名無しの生徒
私はデートの最後に海へ共に身投げ(強制)したって聞いたけど
9:名無しの生徒
アハハ! さすがにありえないってー
10:名無しの生徒
>6
そうとも言い切れないんだよね……
トリニティ生なんだけど、急に音信不通になったクラスメイトに
青学主催のお祭りへ行ったら偶然会って、青学スパイだったのは驚いたけど
素直に無事だったの喜んで「〇〇さんが心配してたよー?」って言った途端――
顔を青ざめて「何も、何も聞かないでくれ」って死んだ魚のような目に……
11:名無しの生徒
………………マジ?
12:名無しの生徒
噂は本当だった?
13:10
ちなみに、情緒不安定になったその子は「監禁は嫌だ」「やめてもう無理」って
言いだした辺りで、急に現れた医学部の人に連れて行かれました
14:名無しの生徒
闇 が 深 い !
15:名無しの生徒
その「〇〇さん」とやらに何されたし
16:名無しの生徒
青学のお祭りってたまに謎の入場制限を掛けてて
“何故か”トリニティ総合学園の生徒がよく引っ掛かるって聞いた
17:名無しの生徒
何故も何も、被害者と加害者を出会わせないためかよ
18:10
あれから「〇〇さん」の顔をまともに見れません
私はどんな顔をしたら良いのでしょう?
19:名無しの生徒
知らんがな
20:名無しの生徒
青学の友達に聞いたら「笑えばいいと思うよ」って
21:名無しの生徒
いいわけあるか
22:名無しの生徒
話が脱線しすぎてるよー?
23:名無しの生徒
そうだ
ここは料理フェスについて語るスレだった
24:名無しの生徒
お祭りを開いている学園はいくつかあるけど
青学は本気度が違うんだよね
『料理フェス』という食事の祭典は青学だけだし
25:名無しの生徒
青学で開催される普通のお祭りもすごかったよ
前回はモモフレンズと大規模コラボして、ファンたちが大熱狂してた
26:名無しの生徒
あぁ…ペロペロ様だかのグッズが山ほどあったな
射的の景品は分かるけど、食べものまで種類豊富なの変態過ぎね?
27:名無しの生徒
青学限定品もたくさんあったから一部の強火ファンは目が本気だった記憶
28:名無しの生徒
>26
あはは……“ペロロ様”ですよ?
2度と間違えないでくださいね
29:名無しの生徒
料理フェスはキヴォトス各地にいるキッチンカーが集結してるのに加え
“B級グルメ”と青学生が呼んでいる品々がいっぱい
30:名無しの生徒
キッチンカーも料理フェス限定の食べもの売ってるから毎度楽しみ
31:名無しの生徒
新入生です
青学の料理フェスのことを聞いて前々から興味がありましたが
どんなものが良いのでしょうか?
“B級グルメ”という言葉も初めて聞きました
32:名無しの生徒
中等部の1年生か?
いいよいいよ! じゃんじゃん聞きなさい!
33:名無しの生徒
青学生曰く“B級グルメ”とは高級ではない庶民的な料理を指してて
チェーン店以上、高級店以下の値段と美味しさが味わえる料理と思えばいいらしい
34:名無しの生徒
私が聞いたのだと――
「ようは普段食べるものよりほんのり値段は高いけど、こういう時にしか食べられない
分払う価値はある美味しいものって覚えとけばいいよ」って言ってた
35:名無しの生徒
私はソーキそばが好きだな
上に乗っているお肉が信じられないぐらい柔らかいの
36:名無しの生徒
本格インドカレーもお勧め
普通のカレー屋さんじゃ味わえない辛さと美味さがクセになった
37:名無しの生徒
>36
セットでライスか、ナンっていうパンかを選べるんだけど
そのナンがふわふわな上にすごく大きくて食べ応えある
美味しくてカレーを全部食べてたのに単品で頼んじゃったもん
38:名無しの生徒
ステーキ丼もいいよ
流通の少ない良い牛肉を炭火で焼いてくれる
39:名無しの生徒
シンプルイズベスト…だね
40:名無しの生徒
他にもいっぱいあるけど、種類が多すぎて全部説明しきれない!
41:名無しの生徒
毎年、夏と冬に開催されて
時期によって出てくるメニューも少し変わる場合も
42:名無しの生徒
夏→韓国風かき氷
冬→ロシア式の具だくさんボルシチ
43:名無しの生徒
正直、何年も通わないと全部食べられないよ
(胃袋の大きさ的に)
44:名無しの生徒
今年で3年生だけど、残り2回で
料理フェスに出されるの制覇できるかギリギリ
45:名無しの生徒
すごく楽しみになりました
ありがとうございます
ところで、1つお聞きしても?
46:名無しの生徒
ナンでもいいよ~
47:名無しの生徒
さっきから料理名にある「インド」や「韓国」や「ロシア」って
一体どういう意味ですか?
48:名無しの生徒
青学の料理フェスを楽しむ者が1度は通る道へようこそ
49:名無しの生徒
気になるよね
50:名無しの生徒
私たちも気になる
51:名無しの生徒
へ? あの、どういう……?
52:名無しの生徒
当然だけど、料理名を知った奴らはみんな店員に聞くんだよ
「これどういう意味?」と
53:名無しの生徒
さっきインドカレーが好きって言ったのだけど……
「インドはインドだよ。それ以上も以下もない」って言われた
54:名無しの生徒
えー……
55:名無しの生徒
別の店員さんに聞いた話だと地名らしいけど
キヴォトスのどこにもそんな場所は無い
56:名無しの生徒
キヴォトス七不思議の1つにしたっていいくらいの謎
マジでどこやねん……!!
57:名無しの生徒
>56
青学自体が秘密の宝庫でしょ
あそこだけで七不思議全部埋まるじゃん
58:名無しの生徒
何なら10個ぐらい不思議がある
59:名無しの生徒
色々書いたけど、素直に美味しい食べもの楽しめばいいんだよ
60:名無しの生徒
青学は食品の安全基準がどこも高級料理店並みに厳しいから
腹を壊すことだけは絶対にない
61:名無しの生徒
ミレニアムと青学以外の怪しい食べものは食うな(n敗)
62:名無しの生徒
ミレニアムの怪しい食べものは危険じゃないよ
ただ、たまに化学調味料がいっぱいの代物があるだけ
63:名無しの生徒
ドリンクは製造元のしっかりしたのを飲めよ(1度病院で世話に)
元気は出たけどその時は病院のベッドの上なんだ
64:名無しの生徒
逆に青学の怪しい食べもの=美味しいゲテモノ系だ
65:名無しの生徒
熊の手って食えたんだ……(意外と高い)
66:名無しの生徒
デカいカエルの下半身の唐揚げ食った
67:名無しの生徒
人はまばらだけど、解放区の奥にゲテモノ料理専門店がある
68:名無しの生徒
店主は完全な趣味だって言ってたな
69:名無しの生徒
>65
それ普通の熊だよね?
青学の管理してる自然保護区の奥にいるって噂の赤兜じゃないよね?
70:名無しの生徒
>69
それはブラックマーケットの命知らずたちを食べた主個体の熊だ
すでに青学生の実力者たちによって討伐されたはず
71:名無しの生徒
突撃! オマエが晩ご飯! ――ってか?
72:名無しの生徒
笑えねぇ……
73:名無しの生徒
アンタら、よくもまぁ呑気でいられるわね
こっちは今年の料理フェスに行くべきか迷ってんのに
74:名無しの生徒
>73
どういうことだよ
75:73
あの空が赤くなって変な奴らがいっぱい襲ってきた事件から
青学の様子が違ってきてたでしょ?
スパイが何人も引き上げたり、積極的に関わろうとする人が出たり
76:名無しの生徒
そうだっけ?
77:名無しの生徒
噂に聞く青学の聖典関連じゃないかって言われている
行動の変化か
78:名無しの生徒
キヴォトス七不思議の1つ――『青学の聖典』
79:名無しの生徒
実際に存在はしているらしいけど、分校生ですら詳細を知らない
青学の行動指針ではないかと言われる代物だな
80:73
とにかく、青学はこれまでと違う行動をしているの
それは料理フェスも例外じゃない
81:名無しの生徒
え? 何?
今年、普段と違うことでもあるの!?
82:名無しの生徒
青学のホームページにもそんなこと書いてなかったけど……
83:73
さっきSNSで見ちゃったのよ……
「ようやく料理フェスへの入場が許可されましたわ♪」
――という、美食研究会の投稿を
84:名無しの生徒
ウソ、だろ……
85:名無しの生徒
青学から名指しで入場拒否されてた
ゲヘナ2大テロリスト共!?
86:名無しの生徒
“あの”4人が……料理フェスに……?
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【襲来!】青学総合掲示板【美食研!】 part.X
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267:名無しの青学生
え? じゃあ何?
美食研究会が料理フェスに来るの、ウチの料理研究部からの要望?
268:名無しの青学生
そうなんよ。大変困ったことに。
269:名無しの青学生
ほら、七武が俺らを纏めるのにいろいろ枷付けてたけど
最終編も乗り越えていろんな部活が暴走気味だろ?
270:名無しの青学生
アビドス関係とか騒がしいね
理由が「復興させろ!」と「砂をくれ!」だけど
271:名無しの青学生
で、その中でも料理研究部部長は前々から美食研究会を料理フェスに呼ばないのに
不満を持っていたんだ
272:名無しの青学生
あの人、料理を作ったり食べたりする喜びを皆で共有したい!って人だから
多少危険だからってちゃんと話し合える人を除け者にするみたいのは嫌らしい
273:名無しの青学生
しゃーなかっただろ
一体何十件の飲食店(問題あり)がアイツらに爆破されたと思ってんだ
いくら衛生管理や接客を厳しくしてる青学だからって爆破されない保証はないぞ
274:名無しの青学生
青学系列のコンビニやチェーン店は出禁にしてないけど
提供される食べものが安定しているからだし
275:名無しの青学生
前世でバイト経験のある奴らが接客業のイロハを教えたし
276:名無しの青学生
イロハ「私ですか?」
277:名無しの青学生
>276
イブキと遊んでてください
278:名無しの青学生
入場口で武器を預けてもらえば――
279:名無しの青学生
その程度で止まるようなら誰も頭を悩ませていない
280:名無しの青学生
何ならジュンコの食べようとしてたみたらし団子が偽装した爆弾でした!
――ってオチになっても驚かないね
281:名無しの青学生
何も知らないジュンコ概念
いつになったらあの子は買い食いしたみたらし団子を最後まで食べきれるのか
282:給食部
それなりの頻度でジュンコにはわちき特製団子を食べさせてるでちよ
アイツ身体が小さくて細いから心配でジュンコ用のを作ってしまう
283:名無しの青学生
>282
そんなんだから懐かれるんだよ
フウカからの矢印も大きめなのに罪を重ねるな
284:名無しのゲヘナスパイ
尚、それはそれとして副部長の食材&調理器具をかっぱらうのは止めない
さんざん餌付けしてたのに「ジュンコ、オマエもでちか!?」だからな
285:名無しの青学生
草www
286:名無しの青学生
話戻すけど、美食研が来るのは確定なんだな?
警備のもんとして情報共有はしたいんだけど
287:名無しの青学生
来るな。間違いなく
SNSですでに呟いてる
288:名無しの青学生
七武もよく許可したな
やっぱ最終編を乗り越えたからか
289:名無しの青学生
料理研究部部長に逆らえないのも大きい
290:名無しの青学生
「プリ〇ネ」の子みたいな見た目で“食”への妥協は一切しないからな
悪徳企業が青学飲食業界に入り込もうとしたの聞いて、1番槍で襲撃した人ぞ
291:名無しの青学生
本人そこまで特別強いわけでもないのに……
青学最大級の課外活動部活のまとめ役は伊達じゃない
“食”への冒涜は絶対に許さないお人
292:名無しの青学生
ほぼ全ての青学自治区の食を支えている大看板部活
1番頑張ってる企業のカイバーよりも支持率がある
293:名無しの青学生
あそこに何かある=青学滅亡
294:名無しの青学生
笑えねえ
295:名無しの青学生
青学生はキヴォトス基準の食事に満足できないんどす!
296:名無しの青学生
コンビニぐらいならマシなんだけど……
一般飲食店のハズレ割合なんざ……
297:名無しの青学生
最終編も終わったのでニャオフーズは潰す
298:名無しの青学生
“安価にする”ことと“手抜きする”ことは天と地ほども違う
299:名無しの青学生
あの人と大勢の部員たちのおかげで今の俺たちの食生活があります
300:名無しの一般スパイ
スパイ先の学校で懐かしい飯食えるの最高
301:名無しの青学生
前世の食べものをどんどん再現してるからね
302:名無しの青学生
足を向けて寝れねえ
303:名無しの青学生
そんな料理研究部部長が直談判したので
美食研が来て料理フェスを楽しむのは確定です
304:名無しの青学生
了解しました
305:名無しの青学生
あの部長に反対意見言うぐらいなら、七武生に逆らう方がマシ
306:名無しの青学生
それに際してもう一つ連絡事項が
307:名無しの青学生
まだあるの?
308:名無しの青学生
料理研究部にも派閥があるの知ってる?
309:名無しの青学生
おう
スイーツ派にディナー派、高級料理派にバイキング派
後は和食派、中華派……と料理の種類だけあるよな
310:ゲテモノ店主
ゲテモノ派も忘れないで
派閥人数、料理研究部で最低だけど
311:名無しの青学生
>310
でしょうね!
312:名無しの青学生
こればっかはしゃーないって
前世日本人は見た目や使われた食材を気にするから
313:名無しの青学生
お祭りで出してるジビエは人気だったぞ
俺もイノシシ肉は好き。今度はキジ肉食べたい
314:名無しの青学生
鹿や猪といった野生肉でも質が良いのは高級料理派が欲しがってるほど
315:ゲテモノ店主
ワニ、ダチョウ、カンガルーは初心者向けだよ
中級者になったらアルマジロを食べてもらいたい
316:名無しの青学生
ゲテモノ料理が一定の支持率あるの、普通に美味しいからなんだよなー
それ専門なだけあって臭み取りは完璧だし
317:名無しの青学生
ちなみに、一部の動物は滅多に食材にならないので高いし
予約必須なのがネック
318:名無しの青学生
>315
初心者向けのラインナップか?
319:名無しの青学生
>315
アルマジロ!?
320:名無しの青学生
ゲテモノの話題はいいんだよ!(熊の手が夢に出てきた人)
それでその派閥が何!?
321:名無しの青学生
ほら、それぞれの派閥が抽選で当たった人限定で
創作料理を無料で食べさせる特別試食会があるやん
食事後にホームページで料理の感想を書くの義務づけてるけど
当たった人は食べたいリクエスト料理も提供してくれる
322:名無しの青学生
口コミ書けばタダ飯にありつけるからな
創作・試作料理って言ったって美味いことは保証されてるし
323:名無しの青学生
倍率がエグいことで有名
個人枠と団体枠とがあるけどありつけるのは一握り
324:名無しの青学生
ディナー派が特に倍率が高いって
325:名無しの青学生
>321
リクエストはたまに無茶振りもあるけど
常識の範囲なら絶対に作ってくれる料理研究部
むしろ、そういったものが新たな料理への道を切り開くんだと
326:名無しの青学生
アイリちゃんならチョコミント系のスイーツをリクエストしそう
327:名無しの青学生
>326
……したそうです
328:名無しの青学生
はい?
329:名無しの青学生
今年の特別試食会――
スイーツ派に放課後スイーツ部が、ディナー派に美食研究会が
それぞれ団体枠で抽選してきて……当選しました
330:名無しの青学生
331:名無しの青学生
332:名無しの青学生
…………マジ?
333:名無しの青学生
え? 両方いっぺんに?
334:名無しの青学生
これが本当に偶然らしくて……
335:名無しの青学生
おいディナー派、見てるなら返事しろ
試食会ではあるだろうが絶対に変なの出すなよ? フリじゃないぞ!!
336:料理研(ディナー派)
失礼な
ちゃんと先に部長が食べて、OKをもらったものしか出さないよ
337:料理研(スイーツ派)
ウチの派閥リーダーがアイリちゃん用のスイーツ作りに本気出してるぞ♪
原作のネームドに食べてもらえるなんて!と張り切ってる
かくいう私も他の3人に食べてもらいたいのがいっぱいあるんだ
338:名無しの青学生
スイーツ派は問題起こさないだろうし
ディナー派が美食研を満足できるかに掛かってるな
339:名無しの青学生
頼むから今年も平穏無事に終わってくれ
340:名無しの青学生
嫌な予感が拭いきれない……
・
・
・
青学料理フェスティバル、
それは夏と冬の時期、年2回だけ開催されるキヴォトス1の食の祭典。
青学系列企業の広がりによって、これまで不安定な部分が目立ったキヴォトスの食事事情はかなりの改善に成功した。
まだまだ悪徳企業も多いとはいえ、青学が“安心・安全・安定”――通称「triple.A」を掲げて世に送り出した食べものによる力で、これまで一般市民や生徒から嫌われつつも代わりがいないと放置されてた企業は縮小を余儀なくされる。
現在のキヴォトスにおいて「青学が提供する食べもの」というのは、何の憂いもなく安心して食べることのできる希望の星であった。(尚、本来それが普通なんだよ!と青学生の大半は怒り半分、呆れ半分である)
そんな青学が本気で取り組む料理フェス……人気にならないわけがない。
参加者は年々増え続け、初回は1日だけのフェス日だったのが数年後には3日間掛けて行われる大規模イベントに。
治安が良いのも手伝って会場は様々な人たちで溢れていた。
「わぁー! 今回も美味しそうなものがい~~っぱい♪」
会場に入場するなり放課後スイーツ部の部長――アイリは子供のように目を輝かせた。
「これが青学料理フェス……こんな場所に3年間も来なかったなんて……」
その隣では呆気に取られたような表情のカズサが、会場の入り口からでも分かるお店やキッチンカーの多さに驚いていた。
中学時代までグレていたことから、これまで料理フェスに来る機会がなかったのだ。
「ふふ、こんなものではないぞキャスパリーグ。ここから見えるのはほんの一部。我々が狙うような嗜好の甘味はこの宝の地図を見ながらでなければ探すことはできない」
「キャスパリーグ言うな!」
さらに後ろから宝の地図――ようは案内パンフレットを広げてじっくり読み込むナツがやって来る。カズサに頭をグリグリされているが表情はほとんど変わらない。
「うぅ……毎回のこととはいえ、銃を預けると……恥ずかしいわね」
最後にやって来たヨシミは何もない手元が寂しいのか、服の裾をギュッと掴んでいる。
「気持ちは分かるけど、青学が決めたルールだから……」
「徹底してるよね。入り口で銃を預けなきゃ入場できないなんて。不良時代だったら不安で手放せなかった」
「青学は解放区も含めて銃の所持や発砲に厳しい制限があることで有名だ。だが、郷には入れば郷に従え。我々は銃という何よりも大切なアクセサリーを預けることで、ある意味では青学からの信頼を得ているのだよ。さぁ行こうではないか。今年も裸より恥ずかしい格好で……!」
「「だから、一言余計だっての!!」」
「あはは……」
そうして放課後スイーツ部の4人は入場ゲートから聞こえてくる「どうして、わたくしは会場に入れませんの! あの子に会わせて!」という声を聞き流しながら、会場の目的地――料理研究部主催の特別試食会の行われる場所までやって来る。
「いらっしゃいませ☆ 今日は特別試食会にお越し頂きましてありがとうございます! 心ゆくまで楽しんでください」
出迎えてくれたのは料理研究部部長の3年生であり、キヴォトスの食事事情を改善し続けている少女だった。
青学内ではトップの七武生よりも支持されているという噂もあるため、放課後スイーツ部の面々は緊張する。
「はい! あの、これ……当選チケットです!」
「……はい、確認しました☆ 団体枠、放課後スイーツ部の皆様ですね! リクエスト通りチョコミントのスイーツをいくつも用意しましたので味わって食べてください!」
「はい!」
チョコミントのスイーツと聞いて、途端にいつもの笑顔になるアイリと、その様子を見て微笑むカズサ。
――と、そこへ……
「あら? トリニティの生徒ですわね。こんにちは」
直接会ったことはないのに、どこかで見たような顔の4人――恐らくはゲヘナ学園の生徒と思われる少女たちがやって来た。話しかけてきた少女など非常に美人でスタイルが良い。
どこで見たのかとアイリたちが首を傾げ――
「当選チケットの確認をお願いします」
「……はい、確認しました☆ 団体枠、美食研究会の皆様ですね! リクエスト通り、小食のハルナ様とジュンコ様の分をアカリ様に追加する形でご提供させて頂きます」
((((び、美食研究会~~~!?))))
そりゃ見たことあるはずだよ。
だって要注意テロリストだもん。
「それではディナー派の者が案内しますので、美食研究会の皆さんはこちらへどうぞ☆」
「ありがとうございます。さぁ、夢にまで見た青学料理研究部の特別試食会です。優雅にお食事を致しましょう♪」
「今回は銃火器をちゃんと入り口で預けてきたので安心ですよ♡」
「え? でも確かジュンコちゃんの――むぐっ!」
「はーい。お口チャックしましょうねー♡」
「ちょっと? 今のなに? 何も聞いてないんだけど!」
ワイワイと喋りながらディナー派の料理研究部部員に付いていく美食研究会の面々を見ていた放課後スイーツ部の4人は、合わせたかのように同時に互いの顔を見合わせる。
「…………大丈夫かしら?」
「それはどっちの意味だい? 美食研がここで暴れてしまうことなのか。そんなことをした輩を絶対に許さないだろう青学の生徒たちから、痛い目に合わされるだろう美食研のことか」
「料理研究部の出すお料理はどれも絶品って話だからきっと大丈夫!」
「ひや汗出てるよアイリ」
一抹の不安を覚えていた4人だが、そんなことは案内された先のブースで忘れることになる。
数分後に出てきた色とりどりの(一箇所だけチョコミント色いっぱい)スイーツに目を奪われたから。
「うわあああああっ♡ チョコミントのスイーツがこんなに!」
「ウソ、これ全部食べていいの……?」
「ほう、色々な種類を食べられるように1つ1つは小さめに作ってあるね。これなら全部を堪能することもできそうだ」
「これよこれ! 試食会に参加出来た人のSNSを見た時から夢だったの!」
そこから先は多くを語ることはないだろう。
放課後スイーツ部は夢のような時間を過ごした。
「これ、もしかしてチョコミントフォンデュですか! あ、はい! ウエハース追加でお願いします!」
「うわすっご……このミルフィーユ超サクサク。いくらでも入っちゃう」
「見たまえ、この飴細工を。味だけでなく目で楽しむ喜びまで提供してくれるとはさすがだね」
「難しいこと言ってんじゃないわよ。とにかく、目に付いたのは食べてみるの!」
料理研究部(スイーツ派)の青学生もテンションがどんどん上がった。
スイーツ派は原作を――つまり前世で『ブルーアーカイブ』をしていた者ばかりだったのだ。そんな者たちからしたら、画面の向こうにいた可愛らしい少女たちが、自分たちの作ったスイーツを美味しく食べてくれるなど感無量のこと。
追加で作って薦めるだけでなく、お土産に大量のスイーツまで用意した。
試食会後、手にいっぱいのお土産を下げた放課後スイーツ部を見送ったスイーツ派は、全員でカッツポーズを取ったという。
* * * * *
そして、夢とは覚めるものである。
――ぷに……
「「「「………………」」」」
青学料理フェスティバルが無事に終わった週明け。
放課後スイーツ部の面々は学園の更衣室で着替えようとした際に気付いてしまった。
上着を脱いだ瞬間に感じた違和感を……
あれ? ちょっとお腹の辺りに余分な肉がない?
アイリ、カズサ、ナツ、ヨシミ。全員が自分と部活メンバーのお腹を見渡し、全く同じタイミングで横腹を掴んだ際に聞こえた気がした擬音が先程の。
よくよく考えれば原因は明白。
試食会でのお菓子の食べ過ぎである。
単純に美味しかったのもあるが、いい笑顔でスイーツ派の人たちが追加で作ったスイーツを持ってきてそれも食べたり、お腹いっぱいになって帰るときもお土産としてスイーツ(「生モノなので明日中に食べてくださいねー!」と言われたの)を渡されたり……幸せすぎてカロリー計算を完全に忘れていた。
静まりかえる更衣室。ゆっくりと上着を戻す少女たち。
お通夜かな?
と、ここで更衣室に新たな人物が。
「杏山カズサじゃないですか! 他の皆さんもこんにちは!!」
「レイサ……」
トリニティ自警団の1人であり、放課後スイーツ部とも何かと関わりが多い宇沢レイサが入ってきた。相変わらずの大声である。
さらに後ろには同じ自警団に所属しているレイサの中学時代からの親友もいた。キャスパリーグ時代に交戦したカズサも知ってる顔だ。
「全くお前は……狭い空間では声の大きさに気を付けろって言ったでしょ?」
「忘れてました! すみません!」
「…………もういいよ。お前はそういう奴だって知ってるから」
相変わらずの関係にカズサも少しだけ笑顔になる。
実際、この2人は相性が良いのか戦闘でも良く一緒にいるのだ。
「それでは私たちも着替えましょうか! よいしょっ!」
カズサが笑えたのはここまでだった。
――スラッ……!
レイサの、自警団として適度以上に運動をしていることでスッキリしたお腹周りを見ることになったから。
周りを見れば放課後スイーツ部の他3人は固まってる。あのアイリですら能面のよう。
「それでは、また会いましょうねー!」
そんな様子に気付かなかったレイサはさっさと着替えて更衣室を出てしまった。少し遅れて更衣室を出ようとしたレイサの親友は、何かに勘づいたのか放課後スイーツ部の4人を――正確にはそのお腹辺りを見て、
「そういえば、ミレニアムにはトレーニング部という部活があるんだけど……とてもハードなことでも有名で、体験した人は1日で何キロも痩せちゃったんだってさ。興味があったらシャーレの先生経由で体験するのもいいかもね」
そんなことを言ってから退室した。
「「「「………………」」」」
またしばらく無言の時間が続いたが、ナツが口を開く。
「……私が先生に汗水を流す運動にロマンを感じた――と言って、トレーニング部を紹介してもらい、3人はそれに付き合わされた……異議はあるかい?」
「「「異議無し!!」」」
・
・
・
966:★七武生
えーでは……これより、スイーツ派への処罰を決めていこうと思う
罪状は原作ネームド生徒を太らせたこと
967:料理研(スイーツ派)
粛正(淫)は嫌だぁああああああああああああっっ!!
968:名無しの青学生
ものには限度があるだろ、このアホ共!
・ライナ(料理研究部)
料理研究部の部長。
作るのも食べるのも好きだが、その喜びを皆と共有するのが大好きという少女。
料理研究部は青学最大級の課外活動部活で、青学自治区の食を支えている(最も人気なのは前世の外食やファストフード)。複数の企業を保有し、食の研究だけでなく、飲食店や農場の経営、コンビニへの商品の供給、学生食堂の運営など幅広く活動している。
今回の一件で『スイーツ派』がやらかしてしまったが、これまでの実績と、部長が誠心誠意謝ったことで半年のトイレ清掃担当で許された。
・ゲテモノ店主
《オリジナル》
料理研究部のゲテモノ派リーダー。解放区の奥でゲテモノ専門店を出している。
元々はジビエ料理の専門だったが、ゲテモノ(普通は食べない食べもの)に興味ある生徒がまあまあの人数いたことで、新たな派閥を作った。ジビエ関連は変わらず継続して料理研究部と連係している。猪や鹿の解体もお手の物。
専門に扱っているだけあって、提供するゲテモノ(もしくはジビエ)料理はクセはあっても臭みは全くないのでコアなファンもいる。
今度、カメノテの料理に挑戦しようと思っている。
・放課後スイーツ部
アイリが部長を務めるトリニティの部活。
ずっと行きたかった青学料理研究部の特別試食会に応募したところ当選。部活メンバーと夢のような時間を過ごした代償で、お腹にちょっと贅肉が付いた。
先生に紹介されたトレーニング部で地獄のような1日を過ごしてしばらく筋肉痛に悩まされたが、無事に4人共ダイエットに成功。これからはカロリー計算にも目を向けようと決心した。
・美食研究会
ハルナが部長を務めるゲヘナ2大テロリストの1つ。
論理感の薄い頭ゲヘナばかりで少しでも“美食”に反した所ならどこだろうと爆破させる。それを青学生の面々は知っていたので、美食研が青学解放区へ近づくだけで店を閉めていた。
今回の料理フェスで初めて出禁が解除。夢だった特別試食会でもその味、心意気、雰囲気、接客態度から満点を出して大満足で帰って行った。美食研の帰宅後、『ディナー派』は緊張が解けたのかその場でへたり込む。
・青学モブ(自警団)
中学時代にレイサに誘われて自警団に入った青学トリニティスパイ。
本来は正義実現委員会に派遣される予定だったが、何かと世話を焼いている内に友人関係になったレイサからの頼みを断れずに自警団のスパイに。
自警団の装備は決まっていないので、青学の装備を存分に使ってスケバンたちをボコってる。
青学料理フェスでのことと、カズサたちの表情から大凡の察しがついて助言した。七武へ報告したのも彼女。
・トレーニング部
先生からの連絡で他校生の体験入部を受け入れた。
久しぶりだったので非常に頑張って汗水を流すトレーニングの素晴らしさを教える。ちゃんと4人の限界はトレーニング部マネージャー(青学スパイ)が見ているので安心。
もっと足を大きく上げて! 1・2! 1・2! 4人とも素晴らしいですよ!
今後はもう少し期間が空いたりしますけど、【青学】ネタが思いつき次第執筆・投稿します。