チャイムが鳴っても教室のざわめきはすぐには収まらなかった。
授業は終わった。
けれど授業参観の日には終わったあとにも少しだけ独特の時間が残る。
先生が黒板の前で連絡事項を確認し、父兄は一度廊下へ出るよう案内される。
保護者たちは子どもたちに小さく手を振ったり目だけで、合図したりしながら廊下へ流れていった。
神崎もその中に混じって静かに教室を出た。
その背中を見送ってからマミは席に戻った。
するとすぐに周囲の女子たちが集まってきた。
「巴さんっ!ねえねえっ!やばいねあの人!何なの!?」
「ねっ。さっきの人……どんな人なの?雰囲気がすごいある人だね」
「それもあるしすごいイケメンじゃん。うらやましいっ!」
声がいくつも重なる。マミは少しだけ背筋を伸ばした。
こういう場面は苦手ではない。
穏やかに笑って必要なことだけ答える。
それはいつもの自分ならできることだった。
けれど今日は少しだけ違った。
神崎が来てくれた。
その事実がまだ胸の中に残っている。
「ええっと……
神崎さんっていう方で大学で先生をなさってるらしいわ」
「あんなイケメンの講義ならあたしなら毎日聞きに行くわぁ」
「あーたしかになんかそういう感じ。
圧があるし。なるほどなあ」
「大学の先生!?あ、おなか減ってきた!
大学の食堂っておいしくて量が多いんでしょっ!
食堂デート!?食べ放題っ!!」
驚きの声が上がる。友人を褒められてマミも何となくうれしくなり舞い上がる。
「先生といってもすごく変わっている方で、
時々苦労することもあるの」
「……イケメンいいなあ。講義受けてえ……」
「あんたそればっかじゃんっ。
……でもたしかに羨ましいわなぁ。巴さんうらやまー」
「あー晩御飯何かなあ……いや待てよ。
これ我慢できない……か?」
圧……それに対してはマミも常々思うことだった。
神崎はなんというか言葉に重みや圧がとてもある人間だった。
たった一人からの言葉なのにまるで複数名から言われた言葉であるかのように重みが出る。
ともあれマミは自分が褒められているわけではないのに少し誇らしくなった。
神崎は変わった人だ。言葉が真っ直ぐすぎる。
時々こちらが困るくらい率直で杏子に止められることも多い。
けれど真面目な人だ。不器用で痛々しいほど誠実な人だ。
それを少しだけ自慢したいと思っている自分に気づきマミは軽く咳払いをした。
「とても真面目な方なの」
「いいなー。真面目系ミステリアスかー。
うちもそういう人めぐり合いたいなあ」
「あんたじゃ無理っだっつうの!
イケメンハンターのあたしのように日ごろから頑張んないと。
ていうか巴さんの答え聞いたときなんかすごい深々と頷いてなかった?」
「うーん……今日結構答えられたから、
お小遣い入るだろうし……タンタンメンかな」
マミは小さく笑った。
「ええ。癖みたいね。
でも佐倉さんに止められていたみたい。
あれでも我慢していたみたいね」
「佐倉さん?」
「ほかの学校の友人よ」
「巴さん交友関係すごいね。
うちら以外にも友達多いんだね」
その言葉にマミは一瞬だけ息を止めた。
友達が多い。
そう見えるのだろうか。
少し前の自分ならそこに曖昧な笑顔を返すだけだったかもしれない。
でも今は友人という言葉の中にいくつかの顔が浮かぶ。
杏子。神崎。鹿目まどかや美樹さやかも最近はやり取りすることが多い。
多いかどうかはわからない。
けれど空っぽではなくなってきている。
「……そうね。大切な人たちが少し増えたのかもしれないわ」
「何それ巴さんっぽい。上品」
「うちらが言ったら変になるやつ」
「よしっ。
とりあえず学校出てから考えよっ」
周囲が笑う。マミも少し笑った。
その笑いは以前より少しだけ自然だった。
*
先生の話が終わり廊下で待っていた父兄たちが再び教室の近くへ戻ってきた。
生徒たちの間に少し恥ずかしそうな空気が広がる。
「お母さんこっち見ないで」
「ちゃんとしてたでしょ」
「後で言ってよっ!ここで言わないでっ」
あちこちからそんな声が聞こえた。
マミはその様子を静かに見ていた。
照れている子。少し怒ったふりをしている子。
親にノートを見せている子。何でもない顔でいる子。
その一つ一つが少しまぶしい。
自分も今はそこに混ざっているのだろうか。
神崎が廊下から戻ってきた。
周囲の視線が少しだけそちらへ向く。
やはり目立つ。
父兄たちの中で神崎はかなり若かった。
年齢だけではない。
整った顔立ちと姿勢の良さ。
そして妙に真面目な雰囲気。
目立とうとしていないのに目立ってしまう。
マミはそれに気づいて少しだけ気恥ずかしくなった。
神崎はまっすぐこちらへ歩いてきた。
「巴さん。素晴らしい出来でした」
開口一番それだった。
周囲の女子たちが一斉に反応する。
マミは頬が熱くなるのを感じた。
「あ、あのくらいは当然です」
少しだけ強がって言う。
神崎は静かに目を細めた。
「その意識の高さも素晴らしいと思います」
「……またそういうことを」
マミは視線を落とす。
神崎は頷きそのまま少し考えるようにして鞄から小さな手帳を出す。
「素晴らしい出来だったので。
何かしらのご褒美が必要だと思いました」
神崎は当然のように言った。
「以前巴さんが少し迷っていた喫茶店がありましたね。
紅茶と焼き菓子が評判の店です。
一人では少し入りづらいとおっしゃっていた」
マミは目を丸くした。
たしかにこの前の海辺のベンチで話した後に神崎とのやり取りで一度だけ話した記憶はある。
けれど一度ちらりとしか話していないはずだ。
「……覚えていらしたのですか。
そんな何気なく言っただけなのに」
マミは言葉に詰まった。
さきほどのクラスメートたちが更にざわつく。
「え、なになに?恋の予感?年上イケメン彼氏?ゆるせん」
「巴さんデートっぽいね。いやマジか……」
「喫茶店かぁ…… ごめんっ!タンタンメンの気分だからっ!
うちらも食べて帰ろ!」
マミは少し慌てて神崎を見る。
いやデートではないのだが。
「あ、あの。神崎さん。ここでそういう話は」
「予約してありますので行きましょう」
マミは完全に思考が固まり、うまく返事ができなかった。
神崎は真顔のまま続ける。
「巴さんなら素晴らしい出来になるだろう。
そう考えましたので事前にしておきました」
マミの顔がさらに熱くなる。
「も、もし出来がよくなかったら、
どうするつもりだったのっ!」
マミがばらばらの思考でどうにか返事をした。
言葉遣いが普段と比べて少し乱れてしまったが。
神崎は真剣に考えた。
「それは想定していませんでした。
……が。その場合は残念会ということにすればよいかと」
マミは一瞬黙った。
周囲からの目線も気にならないくらい。
この人はあきれるくらいに自分の思いを伝えようとしてくる。
不器用にだけど率直に。
マミは笑ってしまった。
「どちらにしても連れて行く気だったのね……」
はにかむような笑みが自然にこぼれた。
神崎はそれを見て少しだけ安心したように目を伏せる。
周囲の視線がまだこちらに向いている。
女子たちだけではない。
何人かの父兄もちらちらと見ている。
やたらと雰囲気のある若く整った顔立ちの大人が真顔で「素晴らしい出来」と言い喫茶店に連れて行こうとしている。
目立たないわけがない。
マミはようやく思考を平常通りにした。
言葉遣いが乱れたな。
クラスメートになんて言おう。
タンタンメン私も食べたいな。
そういった思いが散開してまた頬が熱くなる。
乱れた言葉遣いをなかったことにして。
普段通り上品に言葉を発そうとするが少しどもってしまった。
「か、神崎さん。
少し早めに行きましょう?ここではその」
「わかりました。少々目立っていますか。
すみません気を付けたつもりなのですが」
「謝らなくてもよいのですが……」
マミは焦りで顔を真っ赤にしつつ鞄を持った。
周囲の女子たちがにやにやとこちらを見る。
「巴さんあとで感想聞かせてね。
まずは喫茶店の!デートのことも……いろいろっ!」
「で、デートじゃないわ!」
マミは少しだけ強めに言った。
それが余計に面白かったのか周囲は笑った。
「いってらっしゃい」
「楽しんできて」
「おなか減ったから早く行こうよ」
マミは言葉に詰まりながら軽く頭を下げた。
「ええ。行ってきます」
神崎は女子たちにも丁寧に頭を下げた。
「巴さんをお借りします」
「か、神崎さんっ!子ども扱いしないでくださいっ!」
女子たちはまた笑った。
マミは恥ずかしさで顔を伏せそうになりながらもどこか嬉しかった。
自分がこうしてからかわれるのは珍しい。
嫌ではない。
少しだけ普通の生徒のようで。
そのことに気づきマミはまた少し恥ずかしくなった。
*
校舎を出ると外の空気は少し冷たかった。
神崎は来校者用の札を返し受付で丁寧に礼を言ってからマミと並んで歩いた。
「緊張しましたか」
「神崎さんが後ろにいらしたので……
何かやらかさないか心配で緊張しましたっ」
マミは先ほどの意趣返しのように拗ねたような声音を出しながら神崎を見た。
明日どうしよう……うれしかったけど……神崎さんに振り回されている気がする。
こういうのは佐倉さんの役割では……
マミの苦悩を傍目に神崎は深々とうなずいた。
「貴方の心に少しでも触れられたならばよかったです」
マミは慌てて言う。
「あのっ!私、少し恥ずかしかったんですけれどもっ!」
「杏子も同じようなことを言っていました。
ただ杏子はもっと怒っていました」
「あ、当たり前ですっ!
私も佐倉さんも子供じゃないんですっ!」
「ええ。
ですが私にとってはかけがえのない友人であり。
心配で仕方がない子たちですから」
マミは相当珍しく。
拗ねたような顔つきで神崎にチクリチクリと嫌味とも言えないようなお小言を発し。
神崎はそれをまじめに受け止めながら二人のことが大事だと話していた。
結果的にマミは感情の発露のし過ぎで黙りこくりながら、校門のほうへ向かう。
他の生徒や父兄も少しずつ外へ出てきていた。
その途中で聞き慣れた声がした。
「あれ。マミさん?」
マミが振り向く。
鹿目まどかがいた。
その隣には美樹さやかがいる。
そして少し後ろに鹿目知久も立っていた。
穏やかな表情でまどかたちを見守っている。
神崎の足がほんの少しだけ止まった。
マミはそれに気づいた。
「鹿目さん。美樹さんも。こんにちは」
マミはどうにか先輩としての威厳を保つべく。
何事もなかったかのように微笑む。
「マミさんっ!神崎さんも。こんにちはっ!」
「こんにちは……あのぅ……神崎さんもご無沙汰です……はい」
まどかが頭を下げる。
さやかは神崎と会ったことを思い返して照れたように下げた。
神崎はすぐに姿勢を正した。
「まどかさん。美樹さん。こんにちは」
そして知久のほうへ向き直る。
「鹿目さん。今日はこちらにいらしていたんですね」
「ええ。妻は今日は仕事でこれなかったのですが……
娘の晴れの姿ですから。神崎さんはどうなされたんですか?
佐倉さんは風見野のほうの中学だと伺いましたが」
知久は穏やかに笑った。
神崎は少しだけ声が柔らかくなった。
マミにはそれがわかった。
いつもの神崎より少しだけ浮き足立っている。
表情は変わらない。けれど視線の置き方と返事の速さが違う。
「巴さんの授業参観に伺いました」
「そうでしたか?」
知久は疑問形の微笑み。
巴マミの授業参観と神崎の結びつきが良くわからなかったからだ。
「巴さんとは友人なのです」
「ああ……なるほど。神崎さんらしいですね」
「そうでしょうか」
はたから見るとなかなか見ない関係性。
しかし知久はあっさりと受け入れた。
鹿目家は度量のある人物ばかりのようだった。
さやかは少しだけ首を傾げていた。
「神崎さんまどかのお父さんと仲良しなんですね」
さやかが言う。神崎は少しだけ反応した。
「鹿目さんには以前からお世話になっています」
「あはは。普通に保護者同士で仲良くしてくれているんだよ。
お世話なんて僕はしていないよ」
知久が穏やかに笑う。
「神崎さんはこの前も紅茶の話を熱心にしてくださって」
「いえ。私のほうこそ料理について伺いたいことが」
そこまで言って神崎は止まった。
視線がマミへ向く。
マミは少し不思議に思いながら見返した。
神崎は、ほんの短い沈黙のあと。知久へ頭を下げた。
「申し訳ありません。今日は巴さんと先に約束があります」
「そうでしたか。
残念ですが今日は子どもたちが主役ですからね。
また今度ゆっくりお話ししましょう」
知久は自然に頷いた。
神崎は知久の発言に口元を緩ませながら頷いた。
「ぜひ」
マミは少しだけ首を傾げたが深くは考えなかった。
神崎は知久と話したかったのだろう。
それでも自分との約束を優先してくれた。
そのことが素直に嬉しかった。
神崎が誰かとの話を中断してまで自分を先にしてくれた。
それが胸の中に小さな温度を落とした。
「マミさんの授業参観。神崎さんがきてくれたんですか?」
「ええ。そうなの。私は良いといったのだけれども……
でもせっかくだからお越しいただいたの」
まどかが聞くとマミは自然な風を装って頷いた。
その横でさやかは少しだけ笑っていた。
「いいなあ。うちは今日は来られなかったんですよ。
いや別にいいんですけどね」
声は明るかった。
でもその明るさの端に小さな寂しさがあった。
まどかは少しだけ心配そうにさやかを見るが、さやかは慌てて手を振る。
「いやっ!恭介の練習見に行くほうが楽しいしね?」
そう言って笑う。
マミはその笑顔の奥に少しだけ見覚えのあるものを感じた。
一人でいることを何でもないように扱う表情。
自分にもそういう顔をしていた時期がある。
神崎はさやかを見ていた。
何か声をかけようとしたのかもしれない。
だがすぐには言わなかった。
マミとの約束がある。
知久との会話も切り上げた。
ここで、さらにさやかへ踏み込むことはたぶん違う。
神崎は少しだけ頭を下げた。
「美樹さん」
「うぇっ!?あ、はいっ!」
「また改めて」
さやかはその短い言葉で何かを察したように照れたように笑った。
「はい……いってらっしゃい」
神崎は頷く。
マミもさやかを見る。
「美樹さんまた今度」
「はい。マミさんも楽しんできてください」
さやかは軽く手を振った。
その視線がほんの少しだけ神崎とマミの間を行き来する。
からかうようではない。
ただ何かを受け取ったような顔だった。
まどかも手を振る。
「マミさん。神崎さん、また」
神崎もマミも丁寧に頭を下げた。
知久も穏やかに微笑む。
校門を出る。
少しだけ後ろめたかった。
美樹さやかは父兄が来られなかったことを寂しそうにしていた。
それなのに自分は神崎が自分との時間を優先してくれたことに少しだけ優越感を覚えている。
それはあまり綺麗な感情ではない。
マミは胸の前で鞄の持ち手を少し握った。
「巴さん。どうかしましたか」
神崎が気づいたように声をかける。
マミはすぐに微笑んだ。
神崎は黙ってマミを見つめ続ける。
マミは観念したように小さく息を吐く。
「少し悪いことを考えてしまいました。
神崎さんが私との約束を優先してくださったことが。
……嬉しくて」
「それは悪いことでしょうか」
「……美樹さんが少し寂しそうにしていたのに」
神崎は静かに聞いている。
「それでも自分との時間を選んでくださったこと。
嬉しいと思ってしまいました……少し嫌な気持ちです」
神崎はしばらく黙った。
校門の外の道には授業参観帰りの親子がまばらに歩いている。
夕方にはまだ早い光が校舎の窓に反射していた。
「誰かに選ばれて嬉しいと思うことは自然なことです。
美樹さんの寂しさに気づくこと。
あなたが嬉しいと思うことは同時にあってよいのではないでしょうか」
「……神崎さんはそういうふうに考えるのですね」
神崎は少しだけ目を伏せた。
「私自身あまり綺麗ではない感情を持つことがあります」
「神崎さんが?なんだか少し意外です」
マミは安心したかのように笑った。
こんな汚い感情を持っているなんて知られたくなかったはずなのに。
普通に話してしまっている。
でも神崎自身もそういった感情を持っていると言ってくれた。
二人で同じ思いを持っている。
そういう積み重ねができることをとてもうれしく思った。
*
学校から喫茶店までは歩いて十五分ほどだった。
歩道の脇には小さな花壇があった。学校帰りの生徒たちが通り過ぎていく。
誰かが楽しそうに笑っている。
マミは少し前ならそういう声を遠く感じていた。
今も完全に近いわけではない。
けれど今日は少しだけ違う。
自分は今誰かと並んで喫茶店へ向かっている。
授業参観の帰りに。友人と。
その事実が少しだけくすぐったかった。
携帯が震えた。マミは取り出す。杏子からだった。
『来たのかよ』
それだけ。マミは思わず微笑む。
神崎が横から聞く。
「杏子ですか」
「たぶん照れています」
マミは返信を打つ。
『来てくれたわ。とても真面目に見てらっしゃったわ』
すぐに返事が来る。
『頷いてた?』
マミは笑いをこらえる。
『少しだけ』
既読。少し間があって。
『やっぱりな』
マミは画面を見つめながら笑った。
「佐倉さん本当に神崎さんのことをよく見ていますね」
「助けられてもいます。私はあの子には頭が上がりません」
神崎の声が少しだけ柔らかくなる。
マミは横顔を見た。
神崎は前を見ている。
その表情はいつものように静かだった。
けれど杏子の名前を出したときの神崎はほんの少しだけ違う。
大事にしているのだとわかる。
それが羨ましいような。
微笑ましいような。
少しだけ寂しいような気もした。
古い洋館風の建物の一階。
小さな木の看板に店名が金色の文字で書かれている。
窓からは柔らかい灯りと淡い紅茶の香りが漏れているように感じられた。
マミは足を止めた。
「本当に素敵なお店ですね」
「よかった」
神崎は少しだけ安心しながら扉に手をかけた。
その前にマミは少しだけ後ろを振り返った。
学校の方角はもう見えない。
まどかたちの姿も知久の穏やかな笑顔もさやかの少し寂しそうな声もここにはない。
扉が開く。
紅茶の香りが静かに外へ流れてきた。
その香りの中でマミは思った。
キュゥべえの消えた寂しさはまだ消えない。
けれど今日のような日が増えていけば寂しさの隣に置けるものも少しずつ増えていくのかもしれない。
そう思ったことを誰に話すかはまだ決めていなかった。
「あ。そういえば。海辺の喫茶店のリサーチ。どうでしたか?」
「鋭意行っております。今しばらくお待ちください」