銀河最強童貞のサイボーグ俺、ち〇こだけは守護りたい   作:たけすぃ

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鉄と魂の比重1

 *

 

 ベルキラウ正当政府の首都は、良くある植民惑星初期の街だった。

 安い建築費で可能な限り居住空間を確保したい。

 

 その要望を叶える為に、規格化された同じビルが密集して建ち並んでいる。

 普通は五十年から百年で消えさる風景だ。

 

 首都に集まって生活していた人々は惑星の上に広がり、需要はより植民惑星の環境に適したものとなり、街は姿を変える。

 しかし入植のダブルブッキングで、最初から躓いたベルキラウ正当政府の街は今もその姿を留めていた。

 

「当たり前なんだけど、人類が入植するとドコも空が青くなるんだよな」

 

 今回の雇い主との待ち合わせ場所、正当政府首都にあるホテルの前で俺は空を見上げた。

 

「そりゃ大気組成が窒素と酸素ですからね。濃硫酸と主組成が二酸化炭素の黄白色の空では人類は住めませんよ」

 

 相棒が通信越しでも呆れているのが分かる。

 

「ドームシティでも空が青ばっかりな事に想いを馳せて欲しいね。遺伝子に刻まれた人類の郷愁ってやつだよ」

 

 俺はホテルのフロントに雇い主に会いに来た事を告げる。

 普段は雇い主と会うのは軍事基地とかそういう所ばかりなので、ちょっと楽しい。

 

「ドームシティでも空が青いのは、単に作った人間の創造力が枯渇してただけでしょ」

 

 相棒の辛辣な言葉をBGMにエレベーターに乗る。

 護身用の携帯武器しか持ってきてないし、軽量級のサイボーグではあるが、エレベーターに乗ると緊張してしまう。

 

 自分の重さでブザー鳴ったりしたら嫌だなって。

 エレベーターの鏡で社会人として真っ当な姿である事を確認する。新品の灰色のツナギ。

 

 実に宇宙生活者らしい。

 ポーンという、おそらく数世紀にわたって使われ続けているだろう効果音と共にエレベーターの扉が開き、俺は八個の銃口に頭を狙われていた。

 

「そんなに信用ないですかね?」

 

 俺は両手をあげながら雇い主に向かっておどけてみせる。

 

「ベルキラウ真政府の連中は、昨日から悪しき侵略者――まあ我々の事らしいがね、が呼び寄せた侵略の手先を宇宙で撃退したとニュースで盛んに流しているものでね」

 

 左右に四人ずつ、護衛を並べた真ん中に背の高い女が赤い唇を歪める。笑ってるつもりか、それ?

 褪《あ》せた金髪にクラシカルなスーツ姿。できる女ボスを絵に書いたらコイツになりそうな感じがする。ただし非合法な職業のだ。

 

 画像情報は事前に確認していたので、今回の雇い主で間違いない。

 

「こっちは3Mドライブを抜けたところを襲われたよ。情報が漏れてたみたいだな。嗚呼、気にしないでくれ。戦闘艦一隻を破壊した分は無料にしておいてやるよ」

 

 俺は両手をあげたまま上機嫌になって言う。

 だって雇い主の護衛八人は全て女性だったからだ。

 

 しかも全員美人だ。

 今の時代、顔も年齢もあてにはできないが、それでも美人であるというのは価値がある。

 

 美醜の感覚はセンスだからだ。

 笑いのツボと美的感覚は近い方が付き合った後に長続きする。

 

 相棒はそう言っていた。

 

「それは余計な手間をかけさせてしまったようだね。謝罪するよミスターバシマ。それとも恐れ知らず(フィアレス)と呼んだ方が?」

 

 俺は肩を竦める。

 どうでも良い話だが、両手をあげたまま肩を竦めると幼稚園児の下手な踊りみたくなる。

 

「どっちでも良いさ。それより、そろそろ手を元に戻したいんだが、そちらから貰った確認コードを送っても? もしくはそれも漏れてそうだって言うのなら、そちらの見目麗しいお嬢様がたの誰かに、俺の胸ポケットから財布を取らせて確認してくれ。中に傭兵ギルドの紙(・)の(・)登録証が入っている。それを偽造する奴は宇宙でも飛び切りの馬鹿だけだ」

 

「そうさせて貰おう、ユニット1」

 

 俺の言葉に雇い主が命令を下し、護衛の一人が俺に近づいてくる。

 きっちり銃口が俺の頭から離れない辺りに真面目な性格が伺える。

 

「あまり余計な口出しはしたくないんだけど、もう少し仲間の射線に気を付けた方が良い。この位置関係だと万が一の時は君にも弾が当たる」

 

 性格は真面目だが、自分の体はあまり大事に思わないタイプらしいユニット1と呼ばれた護衛にアドバイスする。

 こういうのが切っ掛けで恋が始まるかもしれない。

 

 しかし俺の胸ポケットを探るユニット1は、一瞬怪訝な顔を浮かべただけだった。

 空振りか、いやまずは良い第一印象を与えられたという事にしよう。

 

「面白い男だな君は」

 

 雇い主の女――いい加減名前が知りたい――が俺の財布から傭兵ギルドの登録証を取り出しながら苦笑に近い表情を浮かべる。

 

「女性には優しくするようにしてるんだよ」

 

 俺がそう言い切る前に、向こうから送られてきた情報からマスクが取れる。

 やっとで雇い主の名前が分かる。

 

 バディア・ソーラス、ベルキラウ正当政府の報道官、とのこと。

 正当政府の報道官は随分と物騒な仕事らしい。

 

 俺の頭から外れる銃口を確認してから、両手を下げる。

 

「改めて歓迎するよ。ミスターバシマ。ベルキラウにようこそ」

 

「歓迎ありがとう。バディア報道官」

 

 俺はバディアに礼の言葉を言いながら、護衛のお嬢様がたに向けて笑顔を向けた。

 




エレベーターのブザーを鳴らしちゃって、顔を赤くして恥ずかしがる女性サイボーグ
可愛い
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