銀河最強童貞のサイボーグ俺、ち〇こだけは守護りたい 作:たけすぃ
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俺は、自分で言うのもなんだが、優秀な傭兵だ。
単品で使っても結果を出すし、チームに加えられても結果を出す。
好き好んでそうなったわけじゃないが、人を殺す事と物を壊す事においては個人単位のランキングがあれば宇宙で上位五十には確実に入れるだろう。
なので実際のところ俺には信用がある。
信用とは資産であり、つまるところ価値だ。
「ミスターバシマ。正直に言えば君がこの依頼を受けてくれるとは思っていなかった」
ソファに腰を下ろしたバディア報道官が長い脚を組みながら言う。
スカートなら色仕掛けを疑うところだが、パンツスタイルのスーツなのでマフィアのボスみたいな貫禄の方が先にくる。
「君は派手な仕事を好むようだし、事実〝結果も〟派手だ。少なくとも私が知っているものではそうなっている。しかも雇い主からの支払い拒否等が無い場合において、君が仕事を全《まっと》うしなかった記録は存在しない」
バディアが運ばれてきたお茶で唇を湿らせる。
いつでも唇がプルプルのサイボーグにはない仕草だ。
「実際、我々が提示した額は君を雇うには少なすぎる。恥ずかしい話、それが君に銃を突きつけた理由でもあるがね」
「タイミングですね、バディア報道官」
戦場以外での経験値が足りないと、自覚がある俺でも分かる。
少女の護衛任務と聞いて、それなら他にも絶対護衛にあたる女性がいるだろうと思い、できればその女性護衛と仲良くなりたくて依頼を受けた、等と言えば契約がご破算になると。
とうぜん仕事は真面目にするが、真面目にした上で仲良くなりたい。
「丁度、体が空いていて、程よい依頼料で、程よい仕事内容だった。それだけの話ですよ」
「聞いていた印象よりも丁寧な言葉遣いをするんだな」
サイボーグじゃなかったら苦笑していただろう。
「流石に雇い主に失礼な態度をとるほど社会性は終わってませんよ?」
バディア報道官が面白いものを見たと言いたげな笑みを浮かべる。
「私が聞いた話だと、気に食わない雇い主を事故に見せかけて基地ごと爆破したと聞いたが?」
とんでもない、あらぬ誤解だ。
「俺は別に何もしてませんよ。あと爆発したのは基地じゃなくてそいつが隠れていた移動指揮車です。まあ移動式バンカーとも言いますけどね」
「指揮車に位置測位端末を付けられていたのを黙っていたのは同じ事だとは思うがね」
バディア報道官はそう言って喉の奥で笑う。
なんだ、ちゃんと知ってるんじゃないか。
これに関しては裁判までやったので、俺の身の潔白は証明されている。
それに吹き飛んだのは馬鹿な雇い主一人だ。
「裁判では、よそ者の俺が単に仕掛けられた端末を正規の装備品だと思い込んだから、と判決は出ていますよ。まあ正直に本音を言えば、条約違反のクソ野郎が吹き飛んで少しだけ宇宙がすごし易くなったなと思いましたね」
「
しかし……前置きが長いな。
傭兵と言っても色々あるが、俺の場合は俺にやらせたい仕事があるから俺を雇った、というのが多い。
なので顔合わせが済んだら、さっさと仕事の話に入るのが常だった。
この前置きというか、世間話というか、この面接みたいな会話は、今回の仕事が護衛任務だからなのか、それともバディア報道官が軍人ではないからか?
「ああ、やはり良かったよ」
俺が仕事の話まだかなぁ、とか思っているとバディア報道官が始めえて笑顔らしきものを見せた。
「この護衛任務を君が引き受けてくれた幸運に感謝したい」
バディア報道官は俺に「失礼」と一言を謝ってから、板状の物理端末を取り出しどこかに連絡した。
見た目はマフィアの女ボスみたいな人だが、やはりちゃんとした文官だ。
軍人が省《はぶ》きがちな、客人の前では外部脳《アウターブレイン》による通信で連絡しないというマナーを守っている。
時たま遭遇するサイボーグを人間扱いしないような人間でもないし、見た目は怖いがちゃんとした大人なのだろう。
まあ百年単位で戦争を続けている政府の人間だが。
遠く背後で扉が開いたのを俺の五感《センサー》が捉えた。
足音が三つ、全て二足歩行の人型のものだ。
「紹介しよう。ミスターバシマ」
バディア報道官がソファから立ち上がり、床で硬い足音を立てる。
「今回の君の仕事、その護衛対象だ」
視線誘導されてるな、バディア報道官の堂々とした所作にそう思いながら、素直に眼球を動かす。
俺のアイボールセンサーが一人の少女を捉えた。
薄青い透明感のある髪。
それは、彼女が遺伝子操作によって造られた人間であるという証拠だった。