※本話は作者が皆さんに活動報告欄を見ていただきたいが為に再投稿し直したものです。活動報告欄をご覧下さい(威圧)
「全然足らねぇぞ!お前らもっと弾幕張れ!さっさと金積んでズラかるぞ!”アイツ”が来る前に!」
「くっ!下がれっ!!銃弾が止むまで車両を盾にしろ!!」
連邦生徒会長の失踪から数日が経過し、キヴォトスの治安はかつてないほどに悪化していた。
それもそのはず、彼女主導のもと組織されていたSRT特殊学園が責任者不在となり、連邦生徒会は最終的な意思決定者が居なくなったのだから、治安の悪化は必然的な事態と言える。
特に厄介なのが、この”ヘルメット団”と呼ばれる武装不良集団である。連邦生徒会長失踪に伴って勢力を最も拡大させているのは彼女達だろう。
ヴァルキューレ警察学校の生徒達はヘルメット団やその他の事件の対処に追われ、肉体と精神が疲弊していた。
そんな事態に陥っていても、D.C.のインフラはギリギリのところで保たれている。その理由は────
「───よっす〜!あっきー参上!!……あれ?ヘルメット変えた?あんま似合ってないね!」
────自警活動中は特に喧しくなるこの少女・肥田野アキの尽力によるものだと言える。
「クソっ!お前らがチンタラしてるせいで鬱陶しいのが来ちまったじゃねぇか!!」
「”アレ”が到着するまで時間稼げ!」
ヘルメット団はアキに対して一斉に銃を発砲するが────
「そんな豆鉄砲撃ってもあんま意味ないよー!」
アキは見事な後方宙返りで銃弾を躱し、そのまま警察車両の陰で銃を構える警官に話しかける。
「よっ、ポリスガール!カンナさんは今どちらに?」
「…今は別の事件の捜査にあたっている。毎度言っているが、君は一般市民だろう。下がれ」
「こんなに運動神経の良い一般市民いるかなぁ〜?居たら学校の運動会で無双じゃん!……あっ!ここあぶないっ……ねっ!」
アキは視界に手榴弾が映るのを確認すると、警官を抱えて大きく跳び上がる。……1秒も経たないうちに、アキ達の居た場所が爆発し、警察車両は激しく燃え上がった。
「……よっと!私のヒーロー活動にもそろそろ慣れて欲しいにゃあ。ほら、私が倒してアンタ達が連れてく。これでウィンウィン!」
アキは抱えていた警官を下ろし、笑顔で告げる。
「馬鹿なことを言うな。君のしていることは立派な公務執行妨害だ。一般市民は大人しくしていろ」
「ちぇっ、つまんないの。……あ!そうそう。今からちょっぴり激しくやるからさ、非常線張って。39丁目。あと、一般市民を出来るだけここから離してね」
「誰がお前の指示なんかを聞くか!」
「えー!あんたらのとこの局長も同じこと言うと思うけどなぁ〜」
「ッ!……お前達、39丁目に非常線を張れ、それと、取り残された市民を避難させるぞ今すぐだ!」
警官がそう言うと、部下達は大きな声で応え。直ぐに取り掛かる。
「うんうん♪それでよーし……さーてと、待ったー?」
アキは口角を上げつつも、真剣な眼差しでヘルメット団を見つめる。
「いいや?むしろ助かったな。…おかげで、これを準備する時間ができた」
今回の事件でヘルメット団を率いているリーダーらしき人物が言うと、その後ろから中型の戦車がやってきた。
「ふーん。アンタ達がさっき言ってた”アレ”って戦車のことだったんだ」
「その通り!流石のお前も戦車を相手にしたことはないだろ!!」
「いやあるけど」
「……へ?」
アキは目にも留まらぬスピードで戦車の真下まで走り、砲身を大きく蹴り上げた。
大きな金属音とともに砲身が凹み、先端が上を向く。
「はいっ、いっちょ上がり!これでもう戦車は使えないけど…まだやる?」
「………」
「おーいっ、だいじょーぶー?」
呆然と立ち尽くしているリーダーの顔の前で呑気に手を振るアキ。すると、リーダーは(ヘルメットの中で)大きく目を見開き────
「……こうなったらもう、ヤケクソだぁー!!!」
アキの額に銃を突きつけるのだった………
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アキとヘルメット団の戦闘開始から数分後。ヘルメットを外し、ボコボコに腫れた顔面を晒したヘルメット団員達が護送車に乗せられている。
そんな様子を後頭部で手を組みながらボーっと眺めるアキに対して、警官が問いかける。
「”激しくやる”と言っておきながら、随分と被害を抑えたな……」
「……ん?あー、念には念をってヤツ?」
アキはそう返答した後、満面の笑みを浮かべ───
「それじゃあ、これからも一緒に頑張ってこ!!」
「いいやこれっきりだ!一般市民は大人しくしていろ!」
「えー?つれないなぁ。私とお巡りさんの仲じゃん!」
「別に親しくしているつもりはない!」
「あらあら、そんなこと言って「おい」────ん?」
アキが声のした方に目を向けると、そこにはリーダー(アキ命名)が護送車の前で立ち止まっていた。
「どしたん?リーダーちゃん。……あ!矯正局に持ってきて欲しい差し入れの話かな?」
「違う!……肥田野アキ、お前に忠告してやんよ」
「んー?何を?」
リーダーはまっすぐアキの目を見つめる。
「これ以上、ヘルメット団には関わらないことだな。────お前、そのうち殺されるぞ」
その言葉に、アキは一瞬目を細めるが、再び笑顔を繕って言った。
「言っとくけど、私に脅しは通用しないからやめときー?」
「───ッ!お前は事の重大さが分かってねぇ!ヘルメット団には”裏”が───」
「もういいだろう、さっさと乗れ!」
何かを言おうとするリーダーだったが、護送役の警官に車両に押し込まれる。
アキはリーダーの言葉が気になったのか、少し考え込んだ後、周囲に投げ捨てられているヘルメットの中を覗く。
そこには───────
(見たことないヘルメット被ってると思ったら……面倒なことになりそうだなぁ)
─────”盗聴器”と”謎の装置”が埋め込まれていた。