かつての大戦の悲劇の遺物である要塞コロニーの残骸――ユニウスセブンの、突如として引き起こされた絶望的な地球落下。
世界を破滅の闇へと引きずり戻すその未曾有の災厄を聞きつけた蓮たち独立武装組織『ウルブズ』は、強襲巡洋戦艦4隻からなる艦隊を以て、核エンジンの推進力を最大出力にまで引き上げた超高速の急行を敢行。地球落下のデッドラインが不気味に迫るユニウスセブンの過酷な最前線宙域へと、驚異的な速度を以ていち早く到着を果たした。
キィィィィン――。
戦域へと到達すると同時、旗艦コンゴウを筆頭とするウルブズの4隻の船体各部にあるモビルスーツデッキのハッチが左右へと一斉に滑らかに開かれ、星々のまたたく漆黒の闇が虚空へと開放された。
ガシャァン――!
コンゴウの薄暗い第1格納庫の奥においては、白き新鋭機オーディンマークIIが、電磁射出レールの上へと滑らかに誘導され、カタパルトへの強固なロック配置に着いていた。
密かに入手した核エンジンが凄絶な重低音を響かせて同調を開始するなか、蓮の乗るコックピットの暗号回線へ、ブリッジのナタル・バジルール艦長からの硬質な聲音の報告が割り込んできた。
『――蓮隊長、やはり貴方の予想通りでした。既にユニウスセブンの現場宙域では、パトリック・ザラ強硬派のテロリスト残党が、現有のジン部隊を以てザフト軍の破砕部隊に対して烈しい奇襲攻撃を仕掛けています。ザフト側は残骸の解体作業に著しく苦戦している模様です。……後、戦域のサウス側には最新鋭艦ミネルバの艦影も確認されました』
「そうか。……なら、俺たちもこれ以上、動かない訳にはいかないな。ナタル艦長、艦隊の指揮は頼むぞ」
『了解いたしました。武運を、隊長』
蓮はナタル艦長との暗号無線を簡潔に締めくくると、ゴーグルのバイザーを静かに下ろし、思考を戦闘プロトコルへと鋭く切り替えた。
ピッ――。
コンソールのリンクが切り替わり、コンゴウのオペレーターからの鋭いアナウンスがインカムの奥へと同期された。
『――ウルフ0、カタパルト内圧100%正常。オーディンマークII、射出準備、いつでもどうぞ!』
蓮は新型複合主砲『マークスマン・アグニ・システム』のトリガーに手をかけ、自らの魂にその孤独な大義を刻みつけるようにして、凄絶な意思の声をコックピットの内に響かせた。
「――蓮・ミタミ。オーディンマークII。出撃する!!」
ドォォォォォンッ!!!!!
コンゴウの船体を烈しく軋ませる電磁衝撃波の尾を引き、白き後継主役機オーディンマークIIはカタパルトから激しく宇宙の闇へと射出された。
それと同時に、追随するヒエイ、ハルナ、キリシマの3隻のモビルスーツハッチからも、過酷な環境に合わせてあらゆる兵装を換装可能なウルブズの独自主力モビルスーツ――『デクー』、およびその上位機種である『デクーカスタム』が計11機、凄絶な推進火線が宇宙に撒き散らしながら一斉に出撃を果たした。
キィィィィン――ッ!
星の海の上で全12機の熱源シグナルが完璧に揃うと、蓮はウルブズ専用の全機同期回線を開き、一切の感情を排した冷徹で力強い声音の命令を響かせた。
「――これより全機へ通達する。今回の我々の任務は、ユニウスセブンを地球へ落とさせないために死に物狂いで動いている、ザフト軍の破砕部隊の隠密援護だ。相手は前大戦の狂気に囚われたままの強硬派の残党どもだ。これ以上、この世界に新たなる大戦争の火種を遺させる訳にはいかないからな。……総員、全力で対処するぞ」
『――了解!!』
全パイロットたちの引き締まった返答が回線に響き渡る。
ウルフ0の駆る白きオーディンマークIIを含めた計12機のウルブズモビルスーツ部隊は、凄絶な推進火線の尾を引きながら、すべての因縁と破滅が渦巻く巨大な要塞コロニーの残骸――ユニウスセブンが待つ最前線の大戦火の只中へと向かって、真っ直ぐに、猛烈な突撃の機動で突き進んでいくのだった。
地球へとまっすぐに落下を始めた、要塞コロニーの残骸――ユニウスセブン。
この未曾有の大災厄を阻止すべく、ザフト軍による死に物狂いの破砕・解体作業が開始されたものの、それは世界への復讐に燃えるパトリック・ザラ強硬派のテロリストたちの手によって、無残にも阻まれ続けていた。
ドゴォォォォォンッ!!!!!
激しい火線が飛び交う過酷なユニウスセブンの表面宙域においては、ザフトの精鋭たるジュール隊の隊長イザーク・ジュール、およびディアッカ・エルスマン。そしてミネルバから出撃したシン・アスカ、ルナマリア・ホーク、レイ・ザ・バレル。さらには身分を隠してアレックスとして同行していたアスラン・ザラまでもが、必死に防衛の盾となり、巨大な掘削機やメテオブレイカーを設置して作業を行う作業用のジンを死守していた。
「おいディアッカ! 作業用ジンの前に出るなと言っただろ、下がれッ!」
「分かってるよイザーク! だけどこいつら、マジで死に物狂いだぜ……っ!」
イザークとディアッカが激しい爆炎のなかで怒号を交わす。しかし、テロリストのジン・ハイマニューバの群れを駆る強硬派のパイロットたちは、あの前大戦のヤキン・ドゥーエの死闘を生き抜いた、極めて練度の高い手練れの熟練パイロットが多数を占めていた。
ズバァァァンッ!!!
「――くっ、こいつら、なんて動きをしやがるんだッ!」
「シン、無茶に突っ込んじゃダメよッ! 陣形が崩れるわ!!」
シンのインパルスが斬り結ぶそのすぐ傍らで、ルナマリアの制止も虚しく、防衛線を強引に切り崩された作業用のジンが次々と直撃を受け、真空の闇のなかに犠牲となって爆散していく。アスランもまた、ザクウォーリアの操縦桿を握り締めながら、冷や汗を流して絶望的な戦況を睨みつけていた。
「これじゃあ破砕作業どころか、全滅させられる……ッ!」
さらに、ザフトの防衛部隊にとって最悪の不条理が戦場へと襲いかかった。
地球落下の本質を知らぬまま、ザフトによる自作自演の暴挙を阻むべく、ネオ・ロアノークに率いられてアーモリーワンから脱出してきた地球連合軍の強奪3機――カオス、アビス、ガイアガンダムまでもが戦域へと乱入、介入してきたのだ。
「あはははっ! まとめて片付けちゃうよ、こんなところでさぁッ!」
アウルのアビスが撒き散らす極大の熱線、およびスティングのカオスによる変幻自在のオールレンジ攻撃。
「邪魔をするな! 邪魔をするなァァッ!」
ステラのガイアもまた、狂気的なまでの運動性でザフト機を蹂虙していく。ザフト軍の被害はまたたく間に拡大し、ユニウスセブンの破砕活動はまさに困難を極めていた。
ザフトの陣形が完全に崩壊しかけた、まさにその絶望の瞬間だった。
ズバァァァンッ!!!!!
突如として、誰も予期していなかった遥か上空の宇宙の彼方から、目も眩むような高高収束の凄絶なビーム攻撃の豪雨が鮮烈に降り注ぎ、ザフトの破砕部隊へと殺到していた強硬派のジンの群れ、および急襲を仕掛けていたカオス、アビス、ガイアの3機の足元を一瞬にして烈しく爆砕した。
「――っ、な、何だあいつらは!? どこから撃ってきたッ!?」
不意を突かれたスティングがカオスの機体を烈しく反転させる。
キィィィィン――ッ!
急激に明滅するメインモニターを見上げ、アスランやシンたちザフトの防衛部隊が驚愕のまま一斉に上空の虚空を凝視すると、暗黒の宇宙空間のなかから、圧倒的な大推力の推進火線の尾を引いた合計12機のモビルスーツの強固な大部隊が、重力を切り裂くような圧倒的な威容で戦場へと静かに降り立ったのだ。
ガシャァン――ッ!
その総勢12機のウルブズMS部隊の先頭に直立し、新型複合主砲『マークスマン・アグニ・システム』の強固な銃身を未だ冷たく燻らせているのは、色や細かな形に違いはあれど、あのアーモリーワンの深淵で鮮烈なお披露目を果たすとともに、アスランの胸を激しく締め付けた、伝説の牙の系譜を受け継ぐ白きオーディンマークIIの姿であった。
「あの機体は……ッ!?」
「オーディン……なのかッ!?」
その信じられない白き可変機の威容を捉えたイザークとディアッカの2人が、前大戦の記憶を激しく呼び覚まされながらコックピットの中で驚愕の叫び声を上げた。さらにその背後に並び立つ無数の未知の随伴機の群れを見つめ、ルナマリアもまた絶叫を上げた。
「またウルブズが……! しかも、あんなにモビルスーツを連れてくるなんて……ッ!!」
「あの時の……白いモビルスーツ……ッ!!」
コックピットの中で、シンは鳥肌が立つほどの烈しい戦慄と共に、2度までも自分の窮地に現れたその白き新鋭機の姿を、その目でありありと見据えるのだった。
そして、そのメインモニターに映し出された白き可変機のシルエットを凝視していたアスランは、震える息を吐き出しながら、驚愕と確信の入り混じった聲音をコックピット内に響かせた。
「オーディン……蓮」
ユニウスセブンの地球落下を阻止するため、総勢12機のモビルスーツ部隊を率いて戦火の渦巻く大地へと厳かに舞い降りたウルフ0――蓮・ミタミ。
彼は全周囲モニターの索敵ログに映る、強硬派のジンの群れ、およびザフトの防衛線を切り崩さんとする地球連合軍の強奪3機の凶刃を冷徹に見据えた。
「……まさか、地球連合軍までもがこの大混乱に介入してくるとはな」
蓮は操縦桿のコンソールを叩き、コックピット内の変声機システムを即座にオンに切り替えると、ミネルバ隊やジュール隊が共有するザフト軍の広域防衛回線へと向かって、機械的に加工された硬質な暗号無線を鮮烈に叩き込んだ。
『――ザフト軍各機に通達する。我々は独立武装組織『ウルブズ』。……これより、ユニウスセブン破砕活動の援護を開始する』
唐突にスピーカーの奥から響いた、アーモリーワンでのあの光信号の主の音声。ザフトの全パイロットたちが息を呑むなか、蓮は休むことなく、自らの後ろに整列する11機のデクー部隊のインカムへと向かって、プロの指揮官としての冷徹な号令を下した。
「デクー各隊、目の前の地球連合軍の3機はすべて俺が単機で相手を執る。お前たちは破砕部隊の作業用ジンを周囲から死守しつつ、強硬派のジン・ハイマニューバの群れを相手しろ。――後、破砕限界高度を超えるタイムラインに達した際は、何があっても必ず即座にこの宙域から離脱しろ。……俺の帰還を待つ必要はない」
『――了解!!』
電磁の返答が同期すると同時、蓮のオーディンマークIIは飛行形態の圧倒的な大推力を爆発させ、カオス、アビス、ガイアの強奪3機を乱戦域から強引に引き剥がすための交戦を電撃的に開始した。
ズバァァァンッ!!!!!
そこへ、白き可変機の圧倒的な戦闘機動に即座に呼応するようにして、ザフト軍のジュール隊の精鋭――イザーク・ジュールの駆る、青き専用スラッシュザクファントム、およびレイ・ザ・バレルの白いザクウォーリアの2機が猛烈な推進火線を撒き散らしながら背後から後に続き、強奪3機を挟撃する凄絶な大激戦の幕が切って落とされた。
「おい貴様! 勝手にザフトの回線に入り込んで指図するなッ! だが……あの地球軍のガンダムどもを叩くというなら話は別だ! ディアッカ、レイ、あの白い機体に遅れを取るなよッ!」
「はいはい、分かってるってイザーク! 行くぜ!」
イザークとディアッカが烈しい火線を撒き散らしながら突撃する。
「チッ、なんだあの無骨なモビルスーツの群れは! それに、またあの白い化け物が……ッ!」
スティングのカオスガンダムが、オールレンジ攻撃を仕掛ける隙さえ与えられない蓮のマークスマン・アグニの精密射撃に晒されて戦慄の悲鳴を上げる。アウルのアビスも叫んだ。
「何なんだよお前ら! 僕たちの邪魔ばかりしてさぁッ!」
「これ以上、この戦場を好きにさせるかよッ!!」
シンのインパルスも呼応して突撃するなか、蓮、アスラン、およびイザークの3人は、互いの呼吸を完璧に同調させ、前大戦の地獄を生き抜いた熟練の異次元の連携力を以て地球軍を力任せに圧倒。カオスたち強奪3機をデブリ帯の奥へと一時的に退却、撤退へと力任せに追い込むのだった。
一方、その主戦域の裏側で、命懸けの破砕活動を続けるディアッカ・エルスマンたちの作業用ジン部隊は、周囲を固めるウルブズの主力機『デクー』『デクーカスタム』の分厚い防衛陣形と完璧に連携しつつ、襲いかかる強硬派のジンの猛攻と互角以上に渡り合っていた。
「よし、そのまま敵のハイマニューバを抑えろ! 破砕班、設置を急げ!」
ピピピピピピピピピッ!!!
『――よしっ! 第一破砕の設置プログラム、完了したぜ!!』
ディアッカの歓喜の叫びと共に、ユニウスセブンの地殻に打ち込まれていた巨大な破砕機メテオブレイカーが極大の熱エネルギーを大地の奥へと流し込んだ。凄絶な爆破の光を伴い、巨大な要塞コロニーの残骸は重々しい駆動音を立てて真っ二つへと激しく割れ、地球落下の質量を大きく削ぎ落としていった。
ズバババババァンッ!!!!!
しかし、テロの完遂を悲願とするパトリック・ザラ強硬派のジン部隊は、残された機体を死兵として狂気的に突入させ、再び防衛の隙間を縫って破砕部隊への烈しい攻撃を開始した。
「おのれクライン派の傀儡どもめ! 我らの復讐の残り火を消させはせん!」
「まだ諦めないってのかよ、こいつらぁッ!」
ザフトの陣形が再度切り崩されかけたその瞬間、地球連合軍のガンダム3機を完全に撃退した蓮のオーディンマークII、アスランのザク、およびイザークの青き専用機が爆音を撒き散らしながら最前線へと滑り込み、再び残党部隊との凄絶な交戦を開始した。
キィィィィン――。
その混戦の最中、激しい推進火線を吹き放つ1機の強硬派のジン・ハイマニューバが、突如として蓮のオーディンマークII目掛けて死に物狂いの速度で突撃し、高出力の重斬刀を烈しく振り回しながら切りかかってきた。
ガシィィィィンッ!!!!!
蓮は網膜のコンソールを見切ると、新型近接兵装である双頭型高出力ビームランス『リストレイター』を鮮烈に抜き放ち、その凄絶なプラズマの光刃を以て敵の重斬刀の突撃を力任せに、完璧に受け止めて防いだ。
『――やはり! また貴様かッ! また貴様は、歴史の闇から這い出てきて、我らの大義を邪魔するのか、悪魔めがッ!!』
重斬刀を押し込んてくる強硬派のジンのスピーカーから、血を吐くような凄絶な怨嗟の怒号が響き渡る。サトーの憎悪に満ちた叫びだった。
「何だと……!?」
『我らは、あの前大戦の悪夢を決して忘れん! 貴様を……その機体をなッ! 先のヤキン・ドゥーエのあの大決戦において、クライン派の象徴として、平和を騙りながら我らの大切な仲間たちを次々とあの深淵に叩き落とした、そのおぞましいモビルスーツを!! 我らは世界に知らしめなければならんのだ! ユニウスで殺された我が娘の嘆きを、ナチュラルの奴らどもに知らしめなければならん! ……ナチュラルやクライン派に尻尾を振って手を貸す貴様のような裏切り者には、この血の痛みが分かってたまるかぁッ!!』
理不尽な復讐の連鎖。その敵の絶叫をインカムの奥で受け止めた瞬間、蓮のゴーグルの奥の瞳が、凄絶な、冷徹な怒りの大義の光を宿して激しく見開かれた。
「――俺だって、このユニウスセブンで、大好きな両親や幼い妹を……大切な家族のすべてをナチュラルの核で殺されたんだッ!!」
『――っ、何だと!?』
「今でも……1秒たりとも忘れたことなんてない! ここで起きたあの悲惨な悲劇を、あの最悪の地獄をなッ!! でも……だからといって、その復讐のためにこの残骸を地球に落として、数億の無辜の人々を巻き込んで殺していい理由には、絶対になり端得ないんだ!! ……そんな狂った大量虐殺を行う貴様たちのやっていることは、あの時、このユニウスセブンに核を落とした地球連合の冷酷なナチュラルどもと、何一つ変わりはしないだろッ!!」
『貴様ぁぁぁぁぁッ!!!』
「だから……今ここで、俺が貴様を倒す。ここでの過去の犠牲を、これ以上の無駄な血で汚させないためにも。……俺たちは、平和のためにこそ戦う。――それが、俺たち『ウルブズ』の大義だ!!」
ズバァァァンッ!!!!!
蓮が操縦桿を力任せに引き絞ると同時、オーディンマークIIの『リストレイター』が宇宙の闇のなかで激しく高速回転し、その圧倒的なプラズマの刃がジンの重装甲を一太刀のなかに鮮烈に切り裂き、完全に両断、撃破した。
ドゴォォォォォンッ!!!
強硬派の機体サトーの残骸が爆炎となって宇宙に霧散したその瞬間、耳元の暗号無線へ、コンゴウのナタル艦長からの切迫した下達が割り込んできた。
『――隊長、ユニウスセブンが地球の重力圏に完全に捕まりました! 間もなく、断熱圧縮による破砕の限界高度に達します! 残念ですが……ウルブズの滞空時間はここまでです!』
「了解した。――ザフト軍、およびウルブズ各隊に告げる! 間もなく破砕の限界高度に達する! 作戦を直ちに終了し、即座にユニウスセブンの大地から完全離脱せよ!!」
蓮のその全軍無線での鋭い通達が響き渡る。
次の瞬間、大地に潜伏していた残存のザフト機、およびウルブズの主力機『デクー』の各機が次々と推進火線を限界まで吹き放ち、鳥の群れのように一斉に飛び立ち、燃え盛る大地からの離脱を開始した。
「おいイザーク、ディアッカ! 限界高度だ、引くぞ!」
「チッ、ここまでかよ! 総員撤退だッ!」
しかし、蓮がオーディンマークIIの機首を反転させようとしたその刹那、眼下の灼熱の大地の上で、未だに1機のザクウォーリア、およびシンのインパルスガンダムの2機だけが、真っ赤に焼け焦げる地表に踏み止まり、死に物狂いで破砕活動を続けている姿を光学カメラが鮮烈に捉えた。
「チッ、あいつら……何処まで無茶をするつもりだ」
蓮はすぐさまウルブズの部下たちに向けて「俺を待たずに先に本艦へ帰還しろ!」と短く命じると、自らのオーディンマークIIの可変翼を烈しく軋ませ、燃え盛るユニウスセブンの大地へと向かって、逆噴射を以て猛烈な速度で舞い戻っていった。
ドゴォォォォォンッ!!!
激しい熱風と火花が吹き荒れる破砕機の足元へと着陸した蓮は、変声機をオンにしたまま、その2機に向けて鋭い声を浴びせかけた。
「何をしている! 限界高度を超えた、即座に撤退しろ!!」
『――これだけ、これだけの破砕機だけでも、最後まで起動させていく……ッ!』
スピーカーの奥から響いてきた、あの傷だらけのザクのなかのパイロットの声。
それは、間違いなく前大戦の地獄を共に五艦同盟として戦い抜いた、アスラン・ザラの声音であった。蓮はそのアスランの声にコックピットの中で一瞬にして目を見張り、驚愕を覚えつつも、すぐに冷静な聲音を怒号に変えて叫んだ。
「無理だ! 断熱圧縮の炎に呑まれるぞ、地球の重力に殺される前に引け!!」
しかし、アスランはボロボロになったザクの操縦桿を強く握り締め、破砕活動のレバーを死に物狂いで引き続けようとする。
キィィィィン――。
まさにその絶対の危機の瞬間、赤く灼けた岩陰の向こうから、生き残っていた3機の強硬派のジン・ハイマニューバが、破砕活動を道連れにするため、凄減な推進火線を撒き散らしながらこちらへと猛烈な突撃の機動で向かってくるのをレーダーが捕捉した。
「――敵機が来るぞッ!!」
『――落とさせるかよ、こんなところでぇぇッ!!!』
即座にシンのインパルス、および蓮のオーディンマークIIの2機が同時に凄絶な迎撃の牙を剥いた。インパルスの対艦刀、およびオーディンマークIIのマークスマン・アグニの一斉射撃が空間を鮮烈に引き裂き、突入してきた強硬派のジンのうち2機をまたたく間に爆砕、撃破した。
ガシィィィィンッ!!!!!
しかし、残された最後の1機――強硬派のリーダー機が、自らの重斬刀を烈しく振り回しながら、アスランの乗るザクウォーリアの正面へと肉薄し、激しい白兵戦の格闘戦へと縺れ込んだ。リーダー機のスピーカーから、宇宙の狂気を宿した絶叫が響き渡る。
『――貴様らは、あのヤキンで無残に散っていった多くの同胞たちの命の嘆きを完全に忘れ去り、我らを討ったナチュラルどもらと、何故……何故あんな偽りの世界で平然と笑っていられるのだぁぁッ!!!』
「――っ、お前は……ッ!!」
『我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラ議長の執った『ナチュラルの殲滅』というあの血の道こそが、唯一無二の正しき真実の道であったのだということを、今ここで証明してみせるッ!!』
ズバァァァンッ!!!
狂ったようなリーダー機の重斬刀の一閃が、断熱圧縮の熱に晒されて駆動スペックの低下していたアスランのザクの右腕を、根元から無残に斬り落とし、爆炎を弾けさせた。
ドゴォォォォォンッ!!!!!
その瞬間、遂にユニウスセブンの残骸全体が地球の分厚い大気圏へと完全に捕まり、機体の周囲の空間が真っ赤な断熱圧縮の炎の海へと一気に突入した。凄絶な重力Gがコックピットを烈しく押し潰していく。
「アスラン、2人とも、離脱だッ!!」
蓮が叫び、オーディンマークIIの最大推力を以てアスランのザクと共に即座に宇宙への脱出を図ろうとした、まさにその絶対の窮地であった。
ガシャァン――ッ!!!
爆発に揺れる強硬派のリーダー機が、断熱圧縮の赤き炎のなかで、アスランのザクの脚部へと死に物狂いでしがみつき、自らの核エンジンを暴走させて、共に大気圏の底へと心中を図るための自爆のプロトコルを起動させたのだ。
「しまっ……! 離れろ、この……ッ!」
アスランが操縦桿を力任せに引き絞るも、絡みついた腕はビクともしない。
「アスラン、動くなッ!!」
『――絶対に、逃がすかよぉぉッ!!!』
その絶対絶命の瞬間のなかに、シンのインパルスガンダムが爆炎の煙をブチ破るようにして鮮烈に現れた。シンはインパルスの高出力ビームサーベルを抜き放つと、アスランのザクをホールドしていたリーダー機の強硬な腕部を一刀の下に鮮烈に両断。そのまま、インパルスの脚部を以て敵機の重装甲を力任せに烈しく蹴り飛ばし、ザクの脚から完全に切り離したのだ。
『――パトリック・ザラ議長万歳ィィィッ!!!』
切り離されたリーダー機は、地球の凄絶な重力に強引に引っ張られるままユニウスセブンの燃え盛る巨大な瓦礫へと激突し、激しい大爆発と共に断熱圧縮の炎の中へと爆散していった。
しかし、その救出の代償はあまりにも大きかった。
無理な機動を執ったシンのインパルス、および右腕を失ったアスランのザクの2機は、大気圏の激しい断熱圧縮の暴力、および周囲でバラバラに崩れゆくユニウスセブンの巨大な瓦礫の波のなかに完全に巻き込まれ、そのまま押しつぶされそうになってコントロールを完全に失った。
キィィィィン――ッ!!!!!
その間一髪の絶体絶命の刹那、真っ赤な断熱圧縮の炎の海を真っ二つに切り裂くようにして、蓮のオーディンマークIIが、飛行形態の圧倒的な大推力を爆発させながら2機の真上へと突入してきた。
ガシャァンッ! ガシャァンッ!!
オーディンマークIIは、超高速のフライトモードのまま、自らの誇る頑強な左右の主翼のハードポイントへと、シンのインパルス、およびアスランのザクの2機を力任せにガッチリと捕まらせ、その頑強な巨体と核エンジンの推力を以て、押し寄せる瓦礫の波から2機を完璧にガード、カバーしたのだ。
ゴォォォォォォォォッ!!!!!
真っ赤な断熱圧縮の炎がオーディンマークIIの底面を烈しく灼く。蓮は核エンジンのベクターノズルを限界まで吹かし、激しい重力振動のなかに晒される2機の姿勢のスペックが完全に同調し、安定するまでの航路を完璧にホールドし続けた。
やがて、大気圏の底へ落とされる恐怖のGが和らぎ、2機の姿勢制御システムが正常の数値へと復帰したその瞬間、インカムの暗号回線を通じて、隣の主翼を必死に掴んでいたザクのアスランから、息を呑むような緊迫した声音の問いかけが響いた。
『――そこの、オーディンのパイロット……。……答えてくれ、貴様は……本当に、蓮・ミタミなのか……ッ!?』
その友の魂の叫びを頭脳の奥で受け止めた蓮は、フッと無機質な唇の端を僅かに緩めると、手元のコンソールを叩いて、これまでの変声機システムを完全にオフへと切り替えた。
「――本当の敵を見失うなよ。……アスラン」
『――っ、蓮……っ!!』
スピーカーの奥から響いた、紛れもない、あの2年前と何一つ変わらない冷徹で淡々とした蓮自身の本物の声音。アスランがコックピットの中で涙を浮かべてその名を叫ぶのと同時に、2機の機体姿勢は完全に安定し、大気圏突入、および離脱のための準備プロトコルが100%完璧に整った。
「……ここまでだ。行け!」
ガシャァン――ッ!
蓮はオーディンマークIIの左右の固定ウイングのハードポイントを瞬時に開放し、インパルスとザクの2機を安全な離脱航路へと滑らかに解き放った。
それと同時に、蓮はオーディンマークIIの核エンジンの出力を最大出力にまで一気に引き絞り、真っ赤な断熱圧縮の炎の海を力任せにブチ抜くような猛烈な超高速の推進力を爆発させ、2機を背後に残したまま、暗黒の宇宙空間の待つウルブズの本陣へ向かって、一瞬のうちに静かに急上昇して消え去っていくのだった。
ザフト軍の決死の防衛線、および突如として戦場へと割って入った独立武装組織『ウルブズ』の圧倒的な破砕活動により、要塞コロニーの残骸――ユニウスセブンの地球への正面衝突という最悪の破滅は、辛うじて最小限の規模にまで抑え込まれることとなった。
ドゴォォォォォンッ!!!!!
しかし、それでも完全に砕ききることのできなかったユニウスセブンの巨大な残骸の数々は、大気圏の熱によって分裂しながら、燃え盛る火の雨となって地球各地のあらゆる主要都市へと無慈悲に降り注いでいった。
その未曾有の天変地異の光景は、完全独立を果たした日本の首都・東京の夜空からも、ありありと目視で確認することができた。
ゴォォォォォォォォッ!!!!!
断熱圧縮によって真っ赤に灼きついた無数の隕石の尾が、東京の美しい夜の帳を文字通り地獄のごとき血の色に染め上げながら、凄絶な風切り音を伴って大気圏を切り裂いていく。
日本独立軍が誇る巨大特務艦『ヤマト』のブリッジのなかでは、日本の指導者であるシャル・アスハが、一般市民のための臨時の避難シェルターとして完全開放された艦の最高指揮官席に直立し、防弾ガラス越しにその世界の終わりのような天の光のすべてをただ静かに見届けていた。
「……蓮」
シャルは胸元に輝く、あの微かに温熱を帯びたエメラルドのネックレスの感触を指先に感じながら、自身の両手を胸の前で強く握り締め、彼方の星の海にいるであろう最愛の少年兵の生存、およびこの不条理に満ちた世界の無事を祈るようにして、静かに祈りを捧げるのだった。
――そのシャルが見上げる夜空の遙か彼方。
大気圏の断熱圧縮の炎の底から超高速の急上昇を以て宇宙へと戻り、本陣たる強襲巡洋戦艦『コンゴウ』へと無事に帰還を果たした蓮・ミタミは、すでにオーディンマークIIから降り、コンゴウのブリッジの全周囲ホログラムモニターの前に佇んでいた。
画面の向こうでは、無数の巨大なユニウスセブンの破片が、地球の青い大気へと次々と突き刺さと、大火災の爆炎を世界中へと撒き散らししていく絶望的なデータが、刻一刻とリアルタイムで更新され続けていた。
それらの数値を重々しく見つめていたナタル・バジルール艦長は、軍人としての深い悔しさをその声音に滲ませ、低く呟いた。
「本当に残念です……。ザフトや我が隊がここまで死力を尽くしたというのに、まさか、こんな最悪の結果になってしまうとはな」
「……終わったことを悔やんでも始まらないさ。それよりも、問題はこれからのタイムラインだ」
蓮はヘルメットを小脇に抱えたまま、いつも通りの一切の感情を排した冷徹で淡々とした聲音のまま、世界の行く末を見据えるようにして静かにナタル艦長へと語りかけた。
「地球がこれほどの甚大な爪痕を被ったんだ。これほどの絶好の口実を、あの地球連合の強硬派や、裏で糸を引く『ロゴス』の連中が見逃すはずがない。間違いなく、すべての罪をプラント側へと擦り付け、世界規模の大反攻作戦を以て大規模に動いてくるはずだ。……今の俺たちにできることは、ただ次なる激動の戦火に備えることだけだ。もはや、世界の全面戦争への針路は避けられない」
「……そうですね。我々も、これ以上の滞空は不要な接触を生むだけです」
ナタル艦長は蓮の冷徹な分析に深く同意して頷くと、すぐさま戦術コンソールを叩き、並走するヒエイ、ハルナ、キリシマの3隻の僚艦へ向けて、引き締まった規律の号令を響かせた。
「コンゴウ型全艦、これより地球降下ルートへの滞空プロトコルを全面解除! 艦隊は進路変更、これより我が艦隊は基地へと帰還する!!」
『――了解!!』
ドォォォォォンッ!!!!!
各主力艦の駆動ノズルが青き推進火線を静かにくすぶらせ、独立武装組織『ウルブズ』の主力艦隊4隻は、ふたたび宇宙の陽炎のなかへとその巨体を隠蔽させるようにして完全に消滅させると、次なる未曾有の世界大戦への牙を静かに研ぎ澄ますため、暗黒のデブリ帯の深淵にある自らの秘密基地へと向かって、静かに、しかし確固たる歩みを以て帰還していくのだった。
ザフト軍の決死の防衛線、および突如として戦場へと割って入った独立武装組織『ウルブズ』の圧倒的な破砕活動により、要塞コロニーの残骸――ユニウスセブンの地球への正面衝突という最悪の破滅は、辛うじて最小限の規模にまで抑え込まれることとなった。
ドゴォォォォォンッ!!!!!
しかし、それでも完全に砕ききることのできなかったユニウスセブンの巨大な残骸の数々は、大気圏の熱によって分裂しながら、燃え盛る火の雨となって地球各地のあらゆる主要都市へと無慈悲に降り注いでいった。
その未曾有の天変地異の光景は、完全独立を果たした日本の首都・東京の夜空からも、ありありと目視で確認することができた。
ゴォォォォォォォォッ!!!!!
断熱圧縮によって真っ赤に灼きついた無数の隕石の尾が、東京の美しい夜の帳を文字通り地獄のごとき血の色に染め上げながら、凄絶な風切り音を伴って大気圏を切り裂いていく。
日本独立軍が誇る巨大特務艦『ヤマト』のブリッジのなかでは、日本の指導者であるシャル・アスハが、一般市民のための臨時の避難シェルターとして完全開放された艦の最高指揮官席に直立し、防弾ガラス越しにその世界の終わりのような天の光のすべてをただ静かに見届けていた。
「……蓮」
シャルは胸元に輝く、あの微かに温熱を帯びたエメラルドのネックレスの感触を指先に感じながら、自身の両手を胸の前で強く握り締め、彼方の星の海にいるであろう最愛の少年兵の生存、およびこの不条理に満ちた世界の無事を祈るようにして、静かに祈りを捧げるのだった。
――そのシャルが見上げる夜空の遙か彼方。
大気圏の断熱圧縮の炎の底から超高速の急上昇を以て宇宙へと戻り、本陣たる強襲巡洋戦艦『コンゴウ』へと無事に帰還を果たした蓮・ミタミは、すでにオーディンマークIIから降り、コンゴウのブリッジの全周囲ホログラムモニターの前に佇んでいた。
画面の向こうでは、無数の巨大なユニウスセブンの破片が、地球の青い大気へと次々と突き刺さと、大火災の爆炎を世界中へと撒き散らししていく絶望的なデータが、刻一刻とリアルタイムで更新され続けていた。
それらの数値を重々しく見つめていたナタル・バジルール艦長は、軍人としての深い悔しさをその声音に滲ませ、低く呟いた。
「本当に残念です……。ザフトや我が隊がここまで死力を尽くしたというのに、まさか、こんな最悪の結果になってしまうとはな」
「……終わったことを悔やんでも始まらないさ。それよりも、問題はこれからのタイムラインだ」
蓮はヘルメットを小脇に抱えたまま、いつも通りの一切の感情を排した冷徹で淡々とした聲音のまま、世界の行く末を見据えるようにして静かにナタル艦長へと語りかけた。
「地球がこれほどの甚大な爪痕を被ったんだ。これほどの絶好の口実を、あの地球連合の強硬派や、裏で糸を引く『ロゴス』の連中が見逃すはずがない。間違いなく、すべての罪をプラント側へと擦り付け、世界規模の大反攻作戦を以て大規模に動いてくるはずだ。……今の俺たちにできることは、ただ次なる激動の戦火に備えることだけだ。もはや、世界の全面戦争への針路は避けられない」
「……そうですね。我々も、これ以上の滞空は不要な接触を生むだけです」
ナタル艦長は蓮の冷徹な分析に深く同意して頷くと、すぐさま戦術コンソールを叩き、並走するヒエイ、ハルナ、キリシマの3隻の僚艦へ向けて、引き締まった規律の号令を響かせた。
「コンゴウ型全艦、これより地球降下ルートへの滞空プロトコルを全面解除! 艦隊は進路変更、これより我が艦隊は基地へと帰還する!!」
『――了解!!』
ドォォォォォンッ!!!!!
各主力艦の駆動ノズルが青き推進火線を静かにくすぶらせ、独立武装組織『ウルブズ』の主力艦隊4隻は、ふたたび宇宙の陽炎のなかへとその巨体を隠蔽させるようにして完全に消滅させると、次なる未曾有の世界大戦への牙を静かに研ぎ澄ますため、暗黒のデブリ帯の深淵にある自らの秘密基地へと向かって、静かに、しかし確固たる歩みを以て帰還していくのだった。
地球におけるユニウスセブンの未曾有の衝突、および世界各地への破片の落下という大惨劇から、数日が経つ中。
ガンダム強奪事件の勃発から歴史の濁流に巻き込まれていたオーブの代表カガリ・ユラ・アスハ、およびその護衛として同行していたアスラン・ザラの2人を乗せたザフト軍の最新鋭艦ミネルバは、激動の宇宙戦を潜り抜け、中立国オーブのアカツキ島へと無事に入港を果たした。
カガリは懐かしきオーブの地に降り立つと、旅情に浸る間もなく、地球落下の甚大な被害に対する国防の懸念、および激動する世界情勢への今後の対応について協議するため、直ちに行政府へと赴き、待ち構えていたオーブの閣僚たちと重々しい密談の対話を交わすこととなった。
その一方で。
代表としての公務から外れたアスランは、静かな波音が響く海岸へと足を運び、先の戦争の終結後にオーブ本土へと身を寄せ、静かに隠遁生活を送っていたキラ・ヤマトの姿を迎え、久しぶりの再会を果たしていた。
ザザァン、ザザァン――。
最初は、世界を白白と恐怖に陥れたあのユニウスセブンの地球落下テロの現実、および再び燃え上がろうとしている世界大戦の不穏な兆候について静かに話し合っていた2人であったが、アスランはふと視線を落とし、胸の奥に燻り続けていた最大の驚愕の出来事を打ち明けるようにして、重い口を開いた。
「……キラ。俺は、あのアーモリーワンの強奪事件の最中、あの地獄のなかで……『オーディン』を見た」
「オーディン……? それって、あのヤキン・ドゥーエで散った……蓮少尉のこと……?」
キラがその懐かしい少年の名前に紫色の瞳を驚愕に大きく見開く。アスランは静かに頷くと、網膜に焼き付いたあの白き可変機の残像を思い返すようにして、言葉を繋いだ。
「あぁ。アーモリーワン、そして、あの燃え盛るユニウスセブンの大気圏突入の底でもだ。俺はあの大気圏の断熱圧縮の海のなかで、実際にアイツと直に暗号回線を開いて話した。……あの冷徹で淡々とした聲音は、明らかに蓮本人だ。間違いない。……でも、何故アイツが生きていながら、シャル様たちの前に姿を現さず、あの『ウルブズ』なんていう謎の独立組織のリーダーをやっているんだ」
アスランの苦悩に満ちた疑問に対し、キラは静かに寄せ波を見つめながら、かつて共に地獄を戦い抜いた戦友への絶対の信頼を声音に宿して、優しく微笑みながら告げるのだった。
「――きっと、蓮少尉は。自分なりのやり方で、今もあの頃と変わらず……世界の『本当の敵』と戦っているんだよ、アスラン」
「……本当の敵、か」
キラの言葉の重みに、アスランは静かに夜空の向こうを見上げ、己のなすべき次なる歩みを完全に、確固たる大義と共に決意するのだった。
――そして、翌日のこと。
これ以上オーブ国内に留まっていては、激動するプラント本土の動向、およびギルバート・デュランダル議長の真意が掴めなくなると判断したアスランは、カガリの元へと赴き、再びプラントへ戻ることを静かに告げた。
「気をつけてな、アスラン。……頼んだぞ」
『あぁ、君もな。カガリ』
アスランはそう言い残すと、自らの信念を操縦桿に宿し、オーブの空から遥か宇宙のプラント本土へと向かって、超高速のシャトルで旅立っていくのだった。
そして、アスランがオーブの空へと飛び立ってから、僅か数時間が経った頃のこと。
行行政府の最奥、カガリが一人でこれからの国防の書類に目を通していた、静謐な代表執務室のなかに、突如として周囲の儀礼のプロトコルを完全にブチ破るような、ただならぬ緊迫した足音が接近してきた。
バァァァンッ!!!!!
事前の連絡もなく、突如としてノックと共に執務室の重厚な扉が大きく開け放たれる。
驚愕に顔を上げたカガリの紅色の瞳の真ん前に、日本の厳強な近衛特務兵たちを後ろに従え、その端正な顔に凍りつくような最高級の威厳を湛えた、完全独立を果たした日本の女王陛下――シャル・アスハその人が、電撃的に姿を現し、執務室へと凛然たる歩みで訪れるのだった。
突如としてノックと共にオーブ代表執務室の重厚な扉が大きく開け放たれ、そこに姿を現した日本の女王陛下――シャル・アスハ。
「シャル……っ!?」
事前の連絡もなく電撃的に目の前に降臨した最愛の従姉妹の姿に、カガリは驚愕のまま椅子から立ち上がり、その紅色の瞳を丸く見開いた。
「心配したのだぞ!! 何故、無事に戻ってきたのなら直ちにこちらへ連絡をしなかったんだ!!」
シャルは近衛兵たちをハッチの向こうへと退がらせて部屋の扉を閉めると、女王としての鉄の仮面をかなぐり捨てるようにしてカガリへと激しく詰め寄り、その無機質だった聲音を烈しく震わせた。アーモリーワンでのガンダム強奪事件、およびユニウスセブンの地球落下という未曾有の不条理のなかにいたカガリの身を、どれほど張り裂けそうな思いで心配していたか。その本心の想いが一気に爆発したかのような怒声だった。
「す、すまなかった、シャル……。とりあえず頼むから落ち着いてくれ」
シャルのただならぬ気迫と、家族としての本気の怒りに完全に圧倒されたカガリは、タジタジになりながらも両手を挙げて謝罪すると、彼女の手を優しく引いて執務室の中央にある革張りのソファへと促した。
お互いに深く息を吐き出しながら、並んでソファへと腰を下ろす。
ようやく静寂を取り戻した室内のなかで、カガリは少し照れくさそうに頭を掻きながら、タメ口を響かせた。
「しかし、宇宙から無事に戻ってきた翌日に、まかお前が直々にここオーブの行政府へ直接乗り込んでくるとはな。……本当に驚かされるよ」
/ カガリのその言葉を受け、シャルはデスクのコンソールへと視線を向け、どこか張り詰めた、確固たる大義の意志を瞳に宿して低くタメ口を返した。
「ウチは、諜報に人一倍力を入れているからな。国境を越えた重大な動向なら、直ぐに情報は届くぞ。……特に、このオーブのな」
「ははは……そうか。……本当は、蓮のことを聞きにきたのだろう」
シャルの徹底した情報網の言葉にカガリは苦笑いを浮かべたが、すぐにその表情を引き締め、静かに本質を切り出した。シャルは僅かに視線を伏せると、隠すことなく静かに肯定の言葉を響かせた。
「……そうだ。お前からザフトの回線を経由して送られたあの暗号データを見たけれど、あの写真に映っている機体は、間違いなく……オーディンだ。先の戦争の終盤、私はあのコックピットのすぐ近くでアイツの戦いを見ていたからな。よく分かる」
「私が直接あのオーディンを目にしたのは、アーモリーワンでのあの強襲の時の1回のみだが……プラントへ旅立ったアスランは、あの燃え盛るユニウスセブンの大気圏突入の底での破砕作業の時にも、あの白い機体と遭遇したと言っている。しかも、一瞬だけだが、実際に暗号回線を開いて話したそうだ。本当に一言だけだったらしいが、アスランはあの声は間違いなく蓮だったと、私にそう確証してくれた」
カガリのその生々しい証言の言葉を聞いたシャルは、自らの服の胸元から、そっと一つの衣服の裏に隠されていたアクセサリーを取り出した。
「あの時の……ネックレスか」
カガリが息を呑む。シャルの白く細い指先に握り締められていたのは、2年前のヤキン・ドゥーエのあの大爆発の残骸のなかから、奇跡的に回収されたあの透明なエメラルドのネックレスであった。
「あぁ。あの大決戦の最中、蓮の機体がロストして、現場の深淵から唯一見つかった遺品は、このネックレスだけだった。……私は、ずっとアイツは死んだと思ってた。生きて戻ることなんてない、と。でも、生きていると聞いて……どうしてもお前から、直接その時の話を直に聞きたくてな」
「……私も嬉しいよ、シャル。大切な友人として、アイツがこの世界のどこかで生きていてくれたことは、本当に心から救われたと思っている。……でも、何故アイツは私たちや、何よりお前の前に姿を現さず、あんな『ウルブズ』なんていう正体不明の独立武装組織にいるのか。それが、私にはどうしても分からないんだ」
「……私とて同じだ。何故、ウルブズになんかに。アイツは何を考えている……」
かつての最高の護衛であり、最愛の少年の真意を計りかね、2人は張り詰めた重苦しい沈黙のなかに沈みかけた。
しかし、カガリはふと世界の戦火のマップを見つめると、意を決したようにして、オーブの最高指導者としての公の聲音へと切り替えた。
「シャル……少し、話は変わるが。今、ユニウスセブンの地球落下によって大打撃を受けた地球の各国に向けて、地球連合軍の大西洋連邦から、一斉に大規模な『同盟要請』が届いているのは知っているか」
「あぁ、知っている。女王である私の元にも、公式の文書が直に届いたよ」
/ シャルの淡々とした返答に、カガリはソファから身を乗り出し、縋るような眼差しを向けて烈しくタメ口を投げかけた。
「なら、日本も大西洋連邦と手を結び、連合との同盟を受け入れるべきだろ!」
「私は……断るつもりだ」
一切の迷いもなくきっぱりと言い放たれたシャルの拒絶に、カガリは紅色の瞳を剥いて驚愕の声をあげた。
「な、何故だシャル!! ユニウスセブンの落下によって、今まさに地球が受けたあの壊滅的な被害の規模を考えるなら、今こそ地球の国家同士が同盟を組んで、手を取り合うべきだろ!」
「勿論、大惨劇の被害を受けた地球の各国に対して、我が独立日本としては最大限の物資支援や医療支援を尽くすつもりだ。私達も、戦後の復興においては世界の各国に多大に助けられたからな。……そしてそれは、プラントのザフトも同じだ。既にザフトの本隊は、地球における被災地への直接の大規模支援を迅速に開始している。――しかし、この最悪のタイミングで大西洋連邦が世界に送りつけてきたこの同盟要請のプロトコルは、どう見ても平和のためなどではなく、プラントを完全に孤立させて叩き潰すための『対ザフト軍事同盟』にしか見えないな。カガリ……まさか貴様は、このオーブを地球軍側につかせるつもりなのか」
シャルの凍りつくような冷徹な王としての問い詰めに対し、カガリは烈しく奥歯を噛み締め、理想論の声を荒らげた。
「……未来の平和を目指すためにも、今こそ不信を捨てて世界が手を結ぶ必要があるんだ! だがお前は、いくら先の戦争で大西洋連邦によって自分たちの故郷を滅ぼされかけたからと言って、あの時に連合が日本を助けなかったという過去の遺恨のせいで……っ!」
「カガリ。別に私は、過去の恨み辛みがあるからという私情だけで、この同盟を断っている訳ではない」
カガリの激昂を冷徹に遮り、シャルはソファの上で凛然と背筋を伸ばすと、一国の冷徹な女王としての、世界のパワーバランスを見据えた絶対の大義の言葉を、目の前のカガリに向けて真っ直ぐに言い放った。
「確かに個人的に、先の戦争のことで大西洋連邦に対して恨みがないわけではないな。だが、独立した国を守る者として、私は冷静に先の先まで考え抜いた上で今回の決断を下したつもりだ。……もちろん、私の国内の一部の閣僚や官僚からは、この同盟を強く勧められ、受け入れるべきだという意見も上がってはいるがな。だが、少なくとも今の混沌とした情勢の様子をしっかりと見極めた上でなければ、再度判断を執るつもりはない。――それでカガリ、オーブはこれからどうする気なんだ」
「……まだ、国内の五大氏族や政府のなかで協議中だ」
カガリが視線を僅かに泳がせながら低く答えると、シャルはソファから静かに立ち上がり、上着の襟を正しながら、一国の冷徹な女王としての最後の通告のタメ口を響かせた。
「そうか。なら、私から今これ以上言うことはない。……だが、私からお前に伝えておく。もし、オーブが今後、大西洋連邦とその軍事同盟を組むというのなら……私は日本の民を守る者として、このオーブとの国家関係を根本から改めることも覚悟しておいてほしい」
「――っ、それって……日本とオーブの、この国交同盟を解消すると言うことか……!?」
カガリが顔を青ざめさせ、悲痛な声をあげる。シャルはそのカガリの動惑を冷徹に見下ろしたまま、表情を一切崩さずに淡々と告げた。
「それも……一つの最悪の案としては考えている。お前や、オーブ政府のこれまでの我が日本に対する復興支援には、心から感謝している。その分の恩も、必ず何らかの形で返すつもりだ。……だが、オーブが地球軍側と同盟を組めば、日本にもその最悪な戦火の同盟に巻き込まれかねない。そうなれば、日本はあの2年前の、あの大西洋連邦による武力侵攻の二の舞になる。それだけは、何があっても絶対に避けなければならないからな。……悪いが、私は一国の指導者として、既にその覚悟を決めているつもりだ」
シャルは一度、エメラルドのネックレスを服の奥へと静かに仕舞い込むと、扉へと向かって毅然とした歩みを進めた。
「今日はこれで失礼する。……今後、このオーブ政府と、代表であるお前の賢明な行動に強く期待しているぞ」
シャルはそう言い残すと、振り返ることなくそのまま部屋を去り、後ろに控えていた近衛兵たちを従えて、自らの絶対の防衛大義を宿す日本への帰路に静かに着くのだった。
残されたカガリは、誰もいなくなった広い執務室のなかで、大西洋連邦という不気味な巨影、そして完全に変わってしまったシャルの冷徹な女王としての覚悟の重みに押し潰されそうになりながらも、ただ操縦桿を失ったかのようにして、その場にいつまでも立ち尽くすしかなかった。
カガリのいるオーブ政府行政府を離れたシャル・アスハは、日本の高い防衛技術で作られた皇族専用の超高速輸送機のなかにいた。
機体の中でシャルが椅子に腰掛け、デスクの上に広げられた戦後の残された激務の資料や国防のデータに冷徹に目を通していると、自動扉が静かに開き、同行していた外交担当の官僚が慌ただしく通路を歩んできた。
「シャル様! 大変です、大西洋連邦の動きにただならぬ電撃的な動きがありました。……今まさに、最悪の国際文書が発給されたとのことです」
「大西洋連邦が……? 官僚、すぐにその資料をこちらへ同期してくれ」
シャルの短い下達に官僚が応じ、機内のメインコンソールへ世界の破滅を加速させる新たな地球の動きが静かに報告されるのだった。
正式な開戦への足音。その最悪の最後通牒の知らせは、偶然にも宇宙の彼方に息を潜める独立武装組織『ウルブズ』の秘密基地へと、まったく同じ刻のタイムラインのなかに同期されて伝わっていた。
かつてプラントの建国初期や大規模なスペースコロニーの建設において、徹底的に掘り尽くされて放棄された鉱物資源が眠る、巨大な小惑星の残骸。その人目を欺く岩塊の内部に、ウルブズは宇宙艦専用の巨大な隠密ドック、独自の小さなモビルスーツ製造工場、および作戦基地のすべてを極秘裏に建造していたのだ。
ユニウスセブンの戦域から帰還して間もない蓮たちの元へと、大西洋連邦が動かした世界の狂気の牙のデータがもたらされた。
キィィィィン――。
重厚なハッチを開け、緊迫したグリーンの電子光が揺らめく作戦会議室へと蓮が足を踏み入れると、直ちに招集した各宇宙艦の艦長や組織の最高幹部たちを一堂に集め、得られた最新の地球の情報をいつもの冷徹で淡々とした聲音のまま告げた。
「大西洋連邦が……プラントに対して、事実上の最後通牒を正式に通達した」
蓮が提示したコンソールのホログラムマップの上に、最悪の要求が冷たく羅列されていく。
内容は、ザフト軍の完全解体。現有モビルスーツの全廃破棄。現評議会の政権一任および完全解散。そして地球連合によるプラント全土の直接管理・自治権の委譲。という、到底プラント側が呑めるはずのない理不尽な内容であった。しかも、これらを僅か24時間以内に全面受け入れしなければ、地球連合は大西洋連邦の総力を以てザフトに対して即座に宣戦布告するという。
その最悪の内容を聞かされたウルブズの部下たちは、旧日本のナチュラル、ザフト出身のコーディネーターを問わず、一瞬にして会議室のなかに激しい動揺の声を漏らした。
「どうやら、大西洋連邦――いや、連邦をブルーコスモスの身代わりの人形として裏から私利私欲で動かす組織『ロゴス』は、何が何でもこのタイミングでプラントを完全に叩き潰して消滅させたいらしいな。……当然、この不条理な要求を現評議会が受け入れるわけがない。残念だが、世界の全面戦争への道はこれで完全に避けられなくなった」
蓮は全周囲モニターの戦術ログを鋭く切り替えると、網膜のコンソールへ浮かび上がった不穏な熱源移動のデータを凝視した。
「――そして、今まさに我が組織の諜報網から、新たなる極秘の情報が同期された。地球軍は、24時間の最後通牒の期限切れによる宣戦布告と同時に……あの2年前の悲劇の再現を執るつもりだ。プラントの本土、あのアプリリウスを筆頭とする居住コロニー群に対して、再び核ミサイル部隊を以て無慈悲な核攻撃を行う可能性が極めて高い」
――っ!?
会議室のなかに冷たい緊張感が走る。
「……我がウルブズは、世界を裏から監視し、この不条理な戦火の連鎖を力任せにブチ抜くために存在する。プラントの本土に核が落ちれば、この世界は本当に取り返しのつかない地獄の終わりへと突入する。――我々は、これを絶対に阻止する。総員、直ちに全艦隊の出撃準備にあたれ!!」
『――了解!!』
蓮の一喝の号令を受け、最高幹部やパイロットたちがそれぞれのドックへと猛烈な速度で動き出す。
蓮はその背中を見送りながら、傍らに直立していたナタル・バジルール艦長に向けて、真っ直ぐに視線を預けた。
「ナタル艦長。……君には、此度の作戦を以てコンゴウの指揮を降りてもらう」
「……蓮隊長、それは一体どういう手順ですか」
ナタルが僅かに眉をひそめて聞き返すると、蓮は手元の操縦桿のコマンドを叩き、ドックの最奥に鎮座する、これまでのコンゴウ型を遙かに凌駕する圧倒的な威容を誇る超大型戦艦のシルエットを開放した。
「君の新たなる配属先は、我がウルブズが日本の技術の総力を以て極秘裏に完成させた、最新鋭超大型宇宙戦艦1番艦『ナガト』だ。俺も、此度の核攻撃阻止作戦から、コンゴウを降りてナガトへと旗艦を移す。……ナタル艦長、あの巨大な牙の指揮、君にすべてを頼んだぞ」
その蓮のブレなき信頼の言葉を受け、ナタルは軍人としての最高の誇りをその引き締まった顔に湛え、毅然とした敬礼を捧げた。
「――了解いたしました、蓮隊長! ウルブズ最新鋭艦ナガト、これより私の命を以て完全掌握いたします!」
秘密基地の巨大なドック内においては、出撃へ向けたコンゴウ, ヒエイ、ハルナ、キリシマの4隻のコンゴウ型強襲巡洋戦艦に対して、凄絶な物資の補給とシステム点検が慌ただしく進められていた。
その中央に聳え立つ最新鋭超大型戦艦『ナガト』、および2番艦『ムツ』の巨大なモビルスーツハッチの奥には、過酷な宇宙戦の点検を終えたウルブズの主力機『デクー』、および『デクーカスタム』の群れが、次々と電磁レールを通じて格納庫へと滑らかに格納されていく。
キィィィィン――ッ!
すべての主力艦の戦闘準備が100%完璧に整った、まさにその絶対の瞬間。
小惑星の隠密ドックの巨大な隔壁が左右へと静かに開放され、コンゴウ、ヒエイ、ハルナ、キリシマ、および王の牙たるナガト、ムツの合計6隻からなるウルブズの黒き大艦隊が、内蔵された大推力の推進火線を宇宙空間へと一斉に大爆発させた。
残像を遺すほどの超高速の尾を引き、漆黒の虚空へと一斉に抜錨していく6隻の巨艦の群れ。
世界を破滅から救うために、ウルブズが誇るその最強の絶対の防衛網が向かう先は――2年前の核の炎に灼かれかけた、あのプラント本土の居住コロニー群が待つ、大戦火の最前線宙域であった。
続く
ご愛読ありがとうございました。次回も楽しみに。