宇宙世紀0079年9月27日 1100 ジャームナガル港
「後はこちらで手配します。皆さんは待機していてください」
整備員がスガイたち四人に告げた。
輸送艦からグラマンを降ろすと、程なくして牽引トレーラーが到着した。
事情を聞けばそのまま機体を航空基地まで運んでくれるという。
スガイとノエルは輸送担当者と引き継ぎを進め、ハナは暇さえあればリルからもらった軍事用語の単語帳を熱心に読み込んでいた。
リルは少し離れた場所から、そんな三人を横目で眺めていた。
そして小さくため息をつく。
彼女にとって、今回の任務は単なる部隊の移動ではなかった。
昨夜オーガスタ研究所の上層部から呼び出されたリルは、今回の交渉を一任すると告げられた。
その指示を受け、本来寄港する予定だった港を変更し、ジャームナガル港へ向かうことになったのである。
今朝は今朝で、これから会うミヤザキ大尉とその背景にあるとされるムラサメ研究所との協力関係について説明を受けていた。
両研究所の間には、以前から予算や研究成果の取り扱いを巡る対立があった。
オーガスタ研究所はモビルスーツの開発技術に強みを持つ。
一方のムラサメ研究所はニュータイプ研究に関する独自の成果を蓄積していた。
互いに相手の技術を欲しがりながらも、自らの研究成果を簡単には明かさない。
研究予算を奪い合い軍への影響力を競い合う。
連邦軍内部の研究機関同士であっても、その関係は決して良好とはいえなかった。
しかし戦争の経過によって兵器開発を巡る環境は大きく変わりつつある。
限られた予算と資源で戦争を続ける以上、研究所同士の競争にも限界がある。
互いの得意分野を持ち寄り、開発を加速させることができれば、双方に利益があるはずだった。
そこで浮上したのが共同研究の構想だった。
ムラサメ研究所はオーガスタ研究所が保有する機体開発技術を求めており、対するオーガスタ研究所はムラサメ研究所が蓄積してきたニュータイプ研究の成果を欲していた。
もっとも研究成果の共有は口約束で済む話ではない。
機体を一機貸し出すだけでも、整備記録や交換部品、性能評価、運用データなどが相手に渡る可能性がある。
機密性の高い研究であれば、なおさら慎重な取り扱いが必要になる。
そのため、交渉には技術的な内容を理解できるだけでなく、研究所の外部とも話をつけられる人間が必要だった。
そこで白羽の矢が立ったのが、リル・ソマーズだった。
ソマーズ家はオーガスタ研究所に対して、資金面でも土地の面でも無視できない影響力を持っている。
リル自身も研究所の事情に通じており、技術的に妥当な要求と、政治的な駆け引きを見分けるだけの知識があった。
さらに彼女は研究所の内情を知りながらその上層部に対しても遠慮なく異を唱える人間だった。
研究所にとって扱いやすい人材とは言い難い。
だが、だからこそ今回の任務には都合がよかった。
ソマーズ家の名を背負う彼女なら、相手も簡単にはあしらえない。
研究所の事情を理解しているため、技術的な話も通じる。
そして何より、彼女に与えられたのは交渉の全権ではなく、あくまで協力条件を探るための権限だった。
機体の譲渡や機密データの全面開示を、その場で独断で決定することはできない。
合意案を持ち帰り、正式な決裁を仰ぐ必要がある。
つまり交渉がまとまらなかったとしても、最終的な責任は決裁権を持つ上層部が負う。
リルは交渉役として適任でありながら、研究所側にとっては責任を限定しやすい人材でもあったのだ。
もっとも本人にとってはたまったものではない。
まーーた面倒な役を押しつけてくれたものよね。
リルは、単語帳を読み続けるハナと、その隣で作業を進めるスガイとノエルを眺める。
そしてもう一度ため息をつき、お腹を摩った。
「……不順になりそう」
宇宙世紀0079年9月27日 1300 ジャームナガル航空基地
昼食を済ませた四人は滑走路を見渡せる待機所にいた。
西インドの乾いた風が滑走路を吹き抜け、格納庫の壁面に積もった砂埃を巻き上げている。
整備員たちの掛け声に遠くで稼働する航空機のエンジン音が重なっていた。
「あ、グラマンが来たよ!」
ハナが窓の外を指差した。
牽引トレーラーに載せられたグラマンが巨大なコンテナへと収容されようとしていた。
「牽引トレーラーでそのままコンテナに入れるんですね」
ノエルが感心したように呟いた。
「すごい、ぴったり一機分なんだ」
ハナはグラマンを包み込んでいくコンテナを興味深そうに眺めている。
「ところで、あのコンテナはどこで製造されているんでしょうか。チャイナや北米はジオンに占領されていますし、頼りになる工場が残っているとは思えません」
「確かにモビルスーツ一機を収容できる規格のコンテナなんて、そう簡単には作れないでしょうね」
ノエルの疑問に対してリルは窓の外を見ながら答えた。
「しかも機体を傷つけずに運搬できるよう、内部の固定機構まで考えられているはず。モビルスーツの運用を想定して設計されたとしか思えないわ」
「となると一年戦争が始まってから製造されたか、開戦前からこういう事態を予測していたか、どちらかでしょうか?」
「さあね。少なくとも先見の明があるにしては出来すぎているわ」
リルの言葉にノエルは頷いた。
「機体に傷つかないかな、大丈夫かな……」
ハナは心配そうにグラマンを見つめていた。
「大丈夫よ。多少傷がついたら、敵を倒して新しいのに替えればいいわ」
「そういうことじゃないんだけど……」
スガイはリルの言葉に苦笑した。
ハナも困ったように笑う。
そのときだった。
「はいはーい、おっまたー!」
場違いなほど明るい声が響いた。
長い黒髪を揺らしながら、一人の女性士官がこちらへ駆け寄ってくる。
歳は三十代手前で軍服はきちんと着こなしているものの、立ち振る舞いには軍人というより、久しぶりに友人と再会した人間のような気安さがあった。
女性はスガイの前で立ち止まると彼の顔をまじまじと見つめた。
「貴方がシンヤ・スガイ特務少尉ね! そっちの司令から色々聞いてるわ」
「……貴方は?」
「私は極東方面軍のミヤザキ! 階級は大尉! ヨロシクね!」
彼女から差し出された手をスガイは握り返した。
「よろしくお願いします、ミヤザキ大尉」
「うんうん、礼儀正しくてよろしい!」
ミヤザキは満足そうに頷くとすぐさま窓の外を指差した。
「じゃ、さっそく乗りましょっか!」
滑走路の一角には、周囲の航空機とは明らかに異なる機影が鎮座していた。
細長い胴体に、鋭く伸びた主翼。
通常の輸送機と比べても異様なまでに洗練された空力形状は、むしろ高速戦闘機を思わせる。
「……あれにですか?」
スガイが問い返す。
「そう! 我らが誇る超音速輸送機ヤタガラス!」
「「超音速輸送機!?」」
思わず声を上げたのはリルとノエルだった。
二人は首を伸ばし、機体の全体を確かめるように見渡している。
潜水艦を見た際には素っ気なかったリルも、目の前の代物には興味を抑えられないらしい。
「そうよー! 極東方面に二機しか存在しない、そのうちの一機がこれ!」
「すごい……鳥みたい」
ハナが感嘆の声を漏らした。
翼の付け根から後方へ滑らかに流れる輪郭は、空を飛ぶためだけに設計された鳥を思わせる。
輸送機という言葉から想像するずんぐりとした機体とは似ても似つかなかった。
「超音速を出せる機体を運用しているの? しかも輸送機で?」
リルは信じられないという顔で機体を見上げた。
「普通は旅客機タイプですよね。連邦政府の要人とか、お金持ちの人がたまに乗っているのは知っていますけど、輸送機は聞いたことがありません」
ノエルも驚きを隠せない。
同じ連邦軍に所属していながら、二人ともこの機体について聞いたことがなかった。
ハナは機体の側面に目を向けた。
「あれ?」
胴体の中央付近。
白い機体の表面に、鮮やかな赤い円が描かれている。
「あの赤い丸ってなに?」
「あー、あれは宇宙世紀より前にあったニッポンの国旗に因んだマークよん」
ミヤザキは何でもないことのように答える。
「ニッポン……?」
「そーよー! 極東列島に昔あった国!」
「どうしてつけてるんですか?」
「うーん、デザイン? ないよりあった方が様になるでしょ?」
ミヤザキは、まるで車に貼り付けたステッカーの説明でもするように答えた。
「へえ、昔の国旗なんだ」
「なんだか、かっこいいですね」
ノエルとハナは、なんとなく納得した様子で頷いた。
「でしょー?」
ミヤザキは満足そうに笑った。
ただ一人、リルだけは違った。
彼女は機体の側面に描かれた赤い円をじっと見つめ、目を細めた。
旧ニッポンの国旗として知られる意匠。
宇宙世紀に入ってから長い年月が経過した現在、それは歴史資料や古い記録映像の中で見かけるものだった。
もちろん、旧国家の旗を研究資料や記念品として保存すること自体は珍しくない。
しかしアレは博物館の展示物でも、歴史研究のための標本でもない。
軍用の輸送機だ。
それも極東方面に二機しかないという特殊な航空機。
その機体にわざわざ旧国家ニッポンを想起させる意匠を描く。
リルはどうにも趣味が悪いと感じた。
軍用機の意匠には、所属や伝統、組織の理念、あるいは政治的な意図が反映されることもある。
まして旧国家の象徴をあえて選ぶのであれば、そこには何らかの理由があると考える方が自然だ。
これを単なる装飾だという説明はあまりにも軽い。
まるでこちらに深く考えさせないための説明のようではないか。
……何なのよ、これ。
胸中に、わずかな不快感が生まれた。
旧国家に特別な思い入れでもあるのだろうか。
それとも、極東方面軍の内部にそうした歴史的な象徴を利用したがる一派でも存在するのか。
軍人が過去の国家に郷愁を抱くこと自体は不思議ではない。
しかし組織がその郷愁を利用するとなれば話は別だ。
旗は単なる布ではない。
掲げる者が何を誇り、何を守り、どのような未来を望んでいるのか。
その意思を言葉を使わずに示すことができる。
だからこそリルには気になった。
この赤い円は本当にただの飾りなのだろうか。
「……リル?」
隣からスガイが声をかけた。
「なに?」
「どうかしたのか?」
「別に」
リルは赤い円から目を離した。
「ただ、趣味が悪いと思っただけ」
「えっ! ニッポンのマークが?」
ハナが意外そうに尋ねる。
「別にそういう意味じゃないわよ。わざわざ軍用機に旧国家の旗を描く、その意図が気になるって話」
「でも、ミヤザキ大尉はデザインだって……」
「そうね。でも……だからこそその説明が気になるのよ」
リルはミヤザキへ視線を向けた。
当の本人は、こちらの会話が聞こえているのかいないのか、楽しそうにノエルへ輸送機の説明を続けている。
「いやー、これがまた便利なのよ! 遠くまで飛べるし、何より速い! マッハスピードは伊達じゃないわ!」
「マッハいくつ出るんですか?」
「それは軍事機密よん」
「じゃあ、あのモビルスーツが入ったコンテナはどうやって取り付けるんですか?」
「専用の固定機構があるの! あれを取り付けた状態で飛行できるように、機体側も色々と工夫してあるのよ」
「そうなんですね。でもあれだけ大きなものを下につけて、本当に超音速飛行ができるんですか?」
「できるから、ここにあるんでしょ?」
「それはそうですけど……」
「まあまあ、乗ればわかるわよ!」
ミヤザキはパンパンと手を叩いた。
「細かいことはいいから、乗った乗った!」
輸送機の内部は、外観から想像するよりも広かった。
客室と貨物区画は隔壁で区切られており、壁面には機体の状態を表示する計器類と、貨物固定用の制御装置が並んでいる。
通常の軍用輸送機に比べれば、明らかに特殊な設計だった。
スガイ達が座席に着くと、ミヤザキは一通り安全装置の説明を済ませた。
「じゃあみんな! 離陸する前にはシートベルトを締めてねー。飛ぶときはちょっとだけ揺れるかもしれないから!」
その言葉を聞きながらスガイは窓の外へ目を向けた。
視線の先にあるのは機体下面に取り付けられたコンテナだった。
あの中にはグラマンが収容されている。
離陸時にかかる荷重、コンテナによる空気抵抗、そして重心の変化。
気になる点を挙げればきりがない。
「大尉、質問してもいいですか?」
「もちろん!」
「この輸送機は、極東方面軍が独自に運用している機体なんですか?」
「んー、正確には極東方面の輸送任務に割り当てられている機体ね。開発経緯や製造元については、ちょっと複雑なの」
「複雑?」
「軍の装備って、どこか一つの部署だけで完結してるわけじゃないでしょ? 開発するところがあって、製造する企業があって、運用する部隊があって、整備する部隊がある。そこに予算や契約の話まで加わると、もう大変!」
「……確かに」
スガイは頷いた。
「だから、細かい話は必要になったら説明してあげる。今は乗り心地を楽しんで!」
「分かりました。そのときはお願いします」
スガイが答えるとミヤザキは満足そうに頷いた。
「よろしい!」
それから彼女は何かを思い出したように手を叩いた。
「あ、そうそう。ソマーズ曹長はちょっとこっちに来てくれる?」
ミヤザキは客室後方へ歩いていく。
リルは露骨に嫌そうな顔をしたものの、その後を追った。
貨物区画との境目にある小部屋。
室内には装飾の施されたテーブルとソファが置かれていた。
壁には防音材が組み込まれ、客室とは独立した通信設備も備えられている。
単なる休憩室というより、要人との接待や機密性の高い打ち合わせを想定した部屋のようだった。
室内には、二人以外誰もいない。
ミヤザキはソファに腰を下ろし、向かいの席を指した。
「まあ、座って座って」
言われた通りリルはソファに腰をかける。
するとミヤザキは書類を取り出し机に並べた。
「聞いてるでしょ? 協力と打ち合わせの話」
「ええ、オーガスタとムラサメは今後仲良くやっていくってね」
ミヤザキは軽く指を鳴らした。
「そそ! 今後は協力関係なんだから警戒しないで! ちょっと前まで予算ぶんどり合戦をしてたことは水に流しましょ!」
「はいはい」
リルは心底どうでもよさそうに返事をした。
とはいえ内心では今回の協力関係について考えていた。
ニュータイプ研究所同士の競争は珍しいものではない。
各研究所は異なる手法でニュータイプの能力を研究している。
能力の測定を重視するところもあれば、操縦適性や戦闘能力との関係を調べるところもある。
能力を引き出す方法そのものを模索している研究所もある。
研究成果を軍に認めさせ、次の研究費を確保する。
設備を維持し、研究員を雇い、実験機材や試験用の機体を調達する。
ニュータイプ研究ともなれば通常の兵器開発以上に金がかかる。
成果が出なければ予算は削られる。
予算が削られれば実験が止まり、発言力も失われる。
やがては他の研究所に吸収されるか、より大きな組織の下請けに成り下がる。
研究所の中で最も権威と実績のあるオーガスタもその競争から逃れられるわけではなかった。
だからこそ今回の共同研究には意味がある。
オーガスタは機体開発技術を提供し、ムラサメはニュータイプ研究の成果を提供する。
互いの得意分野を持ち寄れば、単独では得られない成果を生み出せる可能性がある。
理屈は分かる。
それでも、目の前の女があまりにも軽い調子で協力を持ちかけてくることには違和感があった。
「……随分とあっさりしてるのね」
「なにが?」
「研究所同士の関係よ。今まで散々やり合ってきたんでしょう?」
「そりゃあね」
ミヤザキはあっさりと認めた。
「こっちだって欲しいものはあるし、そっちだって譲れないものがある。予算が欲しい、設備が欲しい、人材が欲しい。研究所なんてそんなものよ」
「だったら、どうして?」
「いつまでも喧嘩してたって、欲しいものが手に入らないから」
あまりにも簡潔な答えだった。
ミヤザキはソファの背にもたれ、腕を組んだ。
「オーガスタにはオーガスタの得意分野がある。ムラサメにはムラサメの得意分野がある。だったら、お互いに利用できるところは利用した方がいいでしょ?」
「利用、ね」
「そう、利用よ。綺麗な言葉に言い換えたって、やってることは同じなんだから」
リルはわずかに目を見開いた。
少なくとも、ミヤザキは自分たちの関係を美化するつもりがないらしい。
協力という言葉の裏にある打算を、最初から隠していない。
それは、リルにとって意外な態度だった。
「……貴女、研究所の人間にしては随分と割り切ってるのね」
「そう?」
「今まで接してきた研究所の職員や兵士は、もっと自分の利益に固執してたわ」
「あー、いるいる。そういう人」
ミヤザキは他人事のように笑った。
「でもね。自分の利益を守ることと、目の前の利益にしがみつくことは違うのよ」
「……どういう意味?」
「今、オーガスタとムラサメが争っているとするでしょ? お互いに相手の研究成果を認めない。情報も渡さない。人材も貸さない。予算の申請では相手の計画を潰す」
「よくある話ね」
「で、そうやって何年も潰し合った結果、どこか別の研究所が軍の要求に応える新技術を開発したら?」
「……」
「軍はそっちに予算を回す。私たちは仲良く予算を減らされる。おしまい!」
ミヤザキは両手を広げた。
「ほら、馬鹿みたいでしょ?」
「……確かにね」
「だったら、相手から奪うことだけ考えるんじゃなくて、相手と組んでもっと大きな成果を出せばいい。成果が出れば予算も増える。発言力も増える。研究員だって、今よりいい設備で研究できる」
そこで、ミヤザキは少しだけ真面目な表情になった。
「もちろん、組んだ結果、相手に主導権を握られることもあるわ。だから、何を渡して何を守るかは考えなきゃいけない」
「……ずいぶん現実的ね」
「現実の話をしてるんだもの」
リルは黙った。
目の前の女は、研究所の政治を知らないわけではない。むしろ、よく知っている。
知ったうえで、対立を続けることの不利益を計算しているのだ。
それが本心なのか、自分に都合のいい協力関係を作りたいだけなのか。リルにはまだ判断できなかった。
「それで?」
リルは背筋を伸ばした。
「本題はなに? 私に世間話をするために呼び出したわけじゃないでしょう?」
「もちろん!」
ミヤザキは待ってましたとばかりに笑顔を浮かべた。
「そっちの陸戦型ガンダムを優先配備してちょーだい♡ ついでにアレックスもちょーだい♡」
「……は?」
一瞬、リルの思考が止まった。
それから、ゆっくりと眉間に皺が寄る。
「馬鹿言ってんじゃないわよ……。無理なの分かるでしょ」
「えー、なんでー?」
「なんでじゃないわよ! そいつらがどんな機体か知ってて言ってるの!?」
「知ってるわよー。陸戦型ジムより強くて、色々と融通が利いて、実戦データも取れる。すっごく魅力的な機体!」
「分かってて言ってるじゃない!」
「だって、欲しいんだもん!」
リルは額に手を当てた。
この女、最初からこれが目的だったのではないか。
協力関係という言葉も、予算の話も、すべてはこの要求を切り出すための前置きだったのだろう。
「こっちも生産ラインはあっても、ライセンスをくれないし? 陸戦型ジムだって週に数えるほどしか来てないのよ。少しぐらいいいじゃなーい」
「少しって……」
リルは言葉を詰まらせた。
陸戦型ガンダムは単なる量産兵器ではない。
限られた生産資源の中で、ガンダム級の機体を陸上戦闘に適応させる。
その設計思想自体が貴重な技術の集合体なのだ。
装甲材、駆動系、ジェネレーター、各種制御装置。機体を一機渡すということはそれらの構成と運用方法を研究される機会を与えることでもある。
もちろん、機体を渡したからといって、相手が直ちに技術を再現できるわけではない。
だが、解析の機会を与えるだけでも、研究所間の力関係は変わり得る。
「確かに陸戦型ガンダムはオーガスタ主導の生産ラインで作られているけれど……総生産数は二十機という見立てよ。融通するにしても、それなりのリターンがないと無理」
「じゃあ、こっちは試作兵器を代わりに出すわ」
「試作? 使えるの、それ?」
「モチのロン! 先にこっちからプレゼントしてもいいわ」
「へえ。零細企業にしては大盤振る舞いね」
「ちっちっち。今はイケイケのベンチャーよ」
「零細ベンチャーじゃないの?」
「ちょっと、そんなに信頼性ないの?」
「まあ、今のところムラサメからはモビルスーツが一機も作られてないし……」
そこでリルはふと口をつぐんだ。
何かに気づいたのだ。
「……ねえ、ミヤザキ大尉」
「なあに?」
「貴女、本当に陸戦型ガンダムが欲しいだけ?」
ミヤザキの笑みが、ほんの一瞬だけ薄くなった。
それを見逃すリルではなかった。
「……なるほどね」
「なにが?」
「陸戦型ガンダムやアレックスをきっかけに、オーガスタの技術を引っ張り出したいわけだ」
「せいかーい!」
「否定しないのね」
「そこ気づかれたらね〜? 否定しても意味ないでしょ?」
ミヤザキは悪びれる様子もなく答えた。
「欲しいものは欲しい。それだけよ」
リルは目を細めた。
ミヤザキが本当に求めているものは、機体一機では済まないのかもしれない。
機体の設計思想、制御系統、整備技術。あるいは、オーガスタがこれまで蓄積してきた試験データ。
機体そのものは、その入口にすぎない。
だが、今の段階ではこれ以上踏み込む材料がなかった。
リルは話を切り替えた。
「だったら、こっちにも欲しいものがあるわ。さっきの試作兵器に追加でね」
「おっ、なになに?」
「ムラサメ研究所のニュータイプ研究。その成果を見せてもらいたいの」
今度は、ミヤザキが黙る番だった。
先ほどまでの軽い雰囲気が、わずかに変化した。笑顔は残っているが、その目はリルを値踏みするように見つめている。
「……あら」
「そっちが陸戦型ガンダムを欲しがるなら、こっちだって欲しいものを要求する権利はあるでしょう?」
「もちろん!」
少し間を置いてから、ミヤザキは明るく答えた。
「でも、ニュータイプ研究って言っても色々あるわよ?」
「とぼけないで」
「基礎研究、適性評価、精神反応の測定、戦闘時の認知能力、操縦適性……」
「どれもオーガスタと大差ないわね」
リルは即座に言った。
その程度の研究ならオーガスタでも行っている。
情報を共有したところで得られる利益は限られる。
だがミヤザキはそこで意味ありげに口元を緩めた。
「あとは……ニュータイプの能力を人工的に引き出す方法とか?」
リルの表情が固まった。
ミヤザキはその反応を見てにこりと笑った。
「ふふっ。今の顔、釣られちゃった?」
「……性格悪いわね」
「よく言われる!」
軽口の応酬。
しかしリルの内心は穏やかではなかった。
オーガスタ研究所が欲しているのは、単にニュータイプと呼ばれる人間の存在を確認することではない。
彼らがどのような条件で能力を発揮するのか。
訓練によって操縦能力を伸ばせるのか。
戦場での反応速度や状況認識に、どれほどの差が現れるのか。
そうした研究は、モビルスーツという兵器の発展と密接に関係している。
もしニュータイプの能力を安定して引き出す方法が見つかれば、次世代の操縦系統や戦術を根本から変えられるかもしれない。
オーガスタにとって、それは喉から手が出るほど欲しい成果だった。
一方、ムラサメ研究所もオーガスタの技術を必要としている。
ニュータイプ研究は人間を調べるだけでは完結しない。
実験に使う機器、測定装置、操縦シミュレーター、機体側の制御系、そして実際の戦闘環境を再現するための設備。
研究対象者の能力を正確に評価するためには、それを受け止める技術基盤が必要なのだ。
だがオーガスタはその基盤を持っている。
だからこそミヤザキは陸戦型ガンダムを求めた。
独自の研究技術を持ちながらも、モビルスーツの開発技術を欠いているムラサメ。
機体開発の技術を持ちながらも、ニュータイプの能力を人工的に引き出す方法を持たないオーガスタ。
両者の利害は一致していた。
ただし利害が一致することと互いに信頼できることは別問題だった。
「……ひとつ聞くわ」
リルが口を開いた。
「仮に、私達の研究成果の一部を見せてもらえたとして。貴女はそれを誰に渡すつもり?」
「誰にって……そりゃあ研究所に決まってるでしょ?」
「ムラサメ研究所の所長? それとも、極東方面軍の上層部?」
「両方かもしれないわね」
「……最悪」
「えー、なんでよ。軍の予算で研究してるんだから、軍に報告するのは当たり前じゃない?」
「研究データの扱いには段階があるでしょう。基礎研究の概要と、個人別の詳細な測定結果を同列に扱うつもり?」
ミヤザキは笑うのをやめた。
リルの指摘は核心を突いていた。
ニュータイプ研究のデータには、兵器の性能に直結する情報だけでなく、研究対象者個人の特性や精神状態に関わる情報も含まれる。
研究所が保有するデータを、どこまで軍の作戦部門に共有するのか。どこから先を研究所内部に留めるのか。
そして研究対象者の情報を誰が管理するのか。
それは技術上の問題であると同時に権限と責任の問題でもあった。
「……そうね」
ミヤザキは小さく頷いた。
「そこはアテがあるわ。お互いに軍部へ報告するときは、その人を通しましょ。あとでそっちにも連絡を入れさせる」
「アテ?」
「そうよ。私もついさっき、その人から連絡が来て話をつけたところ。オーガスタの人たちも今頃は大騒ぎしてるはずよ」
「大騒ぎって……」
リルは眉をひそめた。
「そんな都合のいい人がいるの? 情報管理に厳しくて、研究資金を持っていて、しかもオーガスタもムラサメも信用できる連邦軍人。そんなの、この世界にいるの?」
「あら、気づいてないの?」
「……何を?」
「ま! 後でわかるわよん」
ミヤザキは、それ以上説明するつもりはないらしい。
リルは追及をいったん諦めた。
「それと、そっちの監察対象者のシンヤ君」
「……」
「彼に我々の兵器を使ってもらいたいの」
「それは……さっきの試作兵器に繋がる話?」
「そうよ。ニュータイプの素養があるとされる人物に、実際に使ってほしいの」
「はあ、要望が多いわね」
リルはこめかみを押さえた。
「まあ、研究成果が出ていない現状を考えれば、オーガスタにとっても必要なことではあるわね」
「助かるわー! 極東についたらバンバン贈るから、使ってよー?」
「はいはい」
軽い調子で答えながらも、リルはその要求を頭の中で整理していた。
機体の提供。
技術情報の共有。
ニュータイプ研究の成果。
そしてスガイ本人を用いた実地試験。
問題は山積み、リルは頭を抱えるもふと思い出したようにある事をミヤザキに尋ねた。
「……ちなみに今回の協力関係が順調に進んだ場合、ムラサメとしてはどこまでを考えているの?」
「どこまでって?」
「共同研究だけなのか。それとも、将来的には研究体制そのものを一つにまとめる可能性も考えているのか」
ミヤザキはしばらくリルを見つめていた。
やがて……にこりと笑った。
「それは成果次第じゃない?」
「……随分と曖昧ね」
「だって、今から何年先の話をしても仕方ないでしょ。まずは一緒に研究して、どれだけ成果が出るか確かめる。その結果、お互いに一緒にいた方が得だと思えば、関係を深めればいい」
「
「逆に、
「……」
「だから、今は決めない。協力する価値があるかどうか、それを確かめるところから始めるのよ」
リルは小さく息を吐いた。
もっともらしい答えだった。
そしてオーガスタにとっても悪い話ではない。
共同研究を通じてムラサメの技術や研究方法を知ることができれば、将来の選択肢は広がる。
研究体制の統合などという大きな話を今から持ち出す必要はない。
まずは相手の技術を理解し、成果を共有し、互いに不可欠な存在になっていけばいい。
その先に何があるかは、まだ決まっていない。
「……分かったわ。今の段階では、共同研究の基本条件をまとめるところまでね」
「そういうこと!」
「ただし、私が持ち帰るのは交渉案よ。合意が成立したわけじゃないから」
「もちろん。こっちも上に話を通さなきゃいけないしね」
「なら、最初からそういう話し方をしなさいよ」
「あははは!」
ミヤザキは笑った。
リルは呆れたように息を吐いた。
どうやら、この女との付き合いは一筋縄ではいかなそうだった。
話が一段落したところで、リルはふと思い出したように口を開いた。
「……そういえばミヤザキ大尉」
「んー?」
「この輸送機。旧国家の国旗を描いてたわよね」
「ああ、あれ?」
ミヤザキは何でもないことのように答えた。
「気になった?」
「気にならない方がおかしいでしょう。軍用機に旧国家の国旗を描くなんて普通はやらないわ」
「そうかしら?」
「そうよ。あれ……単なる装飾じゃないでしょ」
リルはミヤザキの顔をじっと見つめた。
「何かしらの意図があるんじゃないの?」
ミヤザキは、しばらく彼女を見つめていた。
やがて、口元に笑みを浮かべる。
「……リルちゃんって、細かいところをよく見てるのね」
「質問に答えて」
「うーん……昔の国の旗を残しておきたい人もいる、ってことじゃない?」
「それだけ?」
「それだけかもしれないし、それ以上かもしれない」
ミヤザキは肩をすくめた。
「歴史って、放っておくと案外簡単に消えていくものよ。国がなくなって、制度が変わって、住んでいる人も変わっていく。何十年も経てば、昔そこに何があったのか、誰も気にしなくなる」
「……」
「でも、そこで暮らしていた人たちがいたことまで、なかったことになるわけじゃないでしょ?」
それは、先ほどまでの軽薄な口調とは少し違う言葉だった。
リルは目を細めた。
「……随分と歴史にご執心なのね」
「そういう人もいるってことよ」
ミヤザキは、それ以上を語らなかった。
リルも追及しなかった。
だが、胸中に残った違和感は、むしろ大きくなっていた。
歴史を残したい。旧国家の記憶を消したくない。
それ自体は理解できる。
しかし、軍用機に日の丸を掲げることは、単なる記録保存とは意味が違う。
そこには、過去を懐かしむだけではない、何か積極的な意思があるように思えた。
失われたものを、再び何らかの形で取り戻そうとする意思。
あるいは、過去の国家が持っていた誇りや権威を、現在の組織に結びつけようとする意思。
リルは、そんな考えが頭をよぎった自分に少しばかり嫌気が差した。
考えすぎかもしれない。
単に旧ニッポンの歴史を愛好する軍人が、趣味で旗を描いただけという可能性もある。
それでもあの機体の存在は気になった。
「……まあ、いいわ」
リルは腕を組んだ。
「少なくとも、私はあのデザイン、趣味が悪いと思うけど」
「えー、ひどい!」
「だって、わざとらしいじゃない。旧国家の象徴を、いかにも意味ありげに掲げてるんだから」
「意味ありげ、ねえ……」
ミヤザキは笑った。
「そう見えるなら、そうなのかもしれないわね」
「……」
リルは、その答えを聞いて確信を深めた。
やはり、この女は何かを知っている。
ただし、それを自分に話すつもりはない。
ならば、今はそれでいい。
無理に聞き出そうとしても、相手が口を閉ざすだけだろう。
リルは話題を戻した。
「それより、さっきの共同研究の件。正式な提案書を出すなら、研究対象と情報の共有範囲を明記してちょうだい。あと、研究対象者の扱いについてもね」
「はいはい、了解!」
「それから、アレックスの件は期待しないこと」
「えーっ!」
「当たり前でしょう! ……でも陸戦型ガンダムの方はそっちが適正パイロットと運用部隊を用意してくれれば何機かは出せるかもしれないから準備だけしといて」
「やったあ! リルちゃんありがとう!」
落胆した様子から一気に反転するその様子にリルは呆れたように息を吐く。
そして一言だけ、ミヤザキに対して放った。
「あと、しれっとちゃん付けしてるのバレてるから」
「ありゃ」
客室に戻ったリルは席に座るなり深いため息をついた。
「……疲れた」
「どうしたんですか?」
隣にいたノエルが尋ねた。
「いや、ちょっとね……」
リルは言葉を濁した。
ミヤザキとの話を、そのまま三人に伝えるわけにはいかない。
まだ正式な交渉ですらない。
まして研究所間の機密に関わる話だ。
「ミヤザキ大尉、面白い人だよね」
ハナが少し楽しそうに言った。
「……面白い?」
「うん! なんだかずっと楽しそう!」
「楽しそう、ねえ……」
リルは窓の外を見た。
滑走路では整備員たちが最終点検を進めている。
彼らにとって、機体を安全に飛ばすことが仕事だ。
研究所の政治も、予算の奪い合いも、直接関係する話ではない。
しかしその背後では、誰がどの機体を使い、どの技術を研究し、どの研究所に予算を回すかという問題が常に動いている。
現場の人間はそうした政治の結果を受け取る。
時には必要な装備が届かないという形で。
時には使い慣れた機体が別の部隊へ回されるという形で。
そして時には研究所の都合によって、自分たちの戦い方そのものが変えられてしまうこともある。
リルはそれを知っていた。
だからこそシンヤを守らなければならない。
彼は研究所の実験材料ではない。
大切な人を守る為に戦っている軍人なのだ。
ムラサメ研究所が彼から得るデータには価値がある。
その価値を否定するつもりはない。
しかしデータを得るために彼らの任務を歪めることは許されない。
ミヤザキがどれほど巧妙に交渉しようとも、その一線だけは譲るつもりがなかった。
「……リルちゃん?」
ハナの声にリルは顔を上げた。
「なに?」
「大丈夫? なんか難しい顔をしてるけど」
「大丈夫よ。ちょっと、面倒なことを考えてただけ」
「シンヤのこと?」
「……まあ、そんなところ」
リルは軽く笑った。
研究所の政治に巻き込まれるのは、自分だけで十分だ。
彼女の視線は、いつの間にか窓の外へ戻っていた。
そこから見えるのは、機体の翼と、遠ざかりつつある滑走路。そして、胴体の側面に描かれた日の丸だった。
赤い円は、地上にいるときよりも小さく見えた。
それでも、リルは目を細めた。
……やっぱり、趣味が悪い。
そう思った。
だが、その言葉の裏には、単なる美的感覚とは異なる警戒心があった。
旧ニッポンの象徴を掲げること。それを軍の装備に施すこと。そして、それを「デザイン」と笑って説明すること。
何かしらの意図を感じざるを得なかった。
リルは、その違和感を忘れないよう、胸の奥にしまい込んだ。
やがて機内に離陸準備完了のアナウンスが流れた。
「各員、シートベルトを確認してください。まもなく離陸します」
「はーい、みんな準備いい?」
ミヤザキが客室の前方から声をかける。
ノエルとハナはベルトを締め直した。
スガイも座席に深く腰掛け、計器類に目を向ける。
リルは最後にもう一度、ミヤザキを見た。
彼女はいつもの調子で笑っている。
まるで、先ほどまで研究所間の機密や技術移転について話し合っていたことなど、なかったかのように。
輸送機のエンジン音が、次第に大きくなっていく。
機体が滑走路を走り始めた。
窓の外の景色が、ゆっくりと後方へ流れていく。
やがて、機体は大地を離れた。
インドの乾いた大地が遠ざかり、眼下には広大な雲海が広がっていく。
「おおー、飛んだ飛んだ!」
ミヤザキが楽しそうに声を上げた。
「すごーい!」
ハナも目を輝かせて窓の外を見つめていた。
「でも、ここからが本番よ?」
「なにが?」
「超音速巡航! かもーん!」
次の瞬間、エンジン音が変わった。
座席越しに伝わる振動が強まり、機体が滑らかに加速していく。
スガイは窓の外を見つめた。
計器の表示が上がっていく。
通常の輸送機ならば、到底考えられない速度域へ。
「なにこれ! 景色がすごいことになってるよ!」
ハナが驚きの声を上げた。
窓の下に広がる大地が、あっという間に後方へ流れていく。遠くに見えていた地形が、次々と視界から消えていった。
「でしょー? だから言ったじゃない!」
ミヤザキは満足そうに頷いた。
「いや、感心してる場合じゃないわよ!」
リルの声が響いた。
「下に大型コンテナをつけたまま、本当に超音速に入ったじゃない! どういう構造してんのよ、これ!」
「そうですよ! パージしちゃったりしませんか、これ!?」
ノエルも座席から身を乗り出した。
「あははは! それは企業秘密! あと、パージはやろうと思えばできるわよ!」
「できるんですか!?」
「非常時にはね! 落下傘もあるから脱出も可能!!」
「さらっと恐ろしいことを言わないで! 輸送機の空挺はトラウマなの!!」
リルの突っ込みにミヤザキは楽しそうに笑った。
スガイは再び窓の外へ目を向けた。
彼らが向かう先は、極東の仁川空港。
そこには新たな任務が待っている。
そして、その任務の背後では、二つの研究所が静かに動き始めていた。
ムラサメ研究所は、オーガスタ研究所の機体技術と開発ノウハウを求めている。
オーガスタ研究所は、ムラサメ研究所のニュータイプ研究の成果を求めている。
互いの利益が一致したからこそ始まった協力関係だった。
そう思われた。
「ムラサメとは話をつけた。戦後の独立性を確約することでな」
「オーガスタも例の科学者フラナガンの亡命先に選定したことで落ち着いた」
「……あとは……結局金だ。研究者は正直者だ、そこらの政治家よりも金で簡単に動く」
「閣下も手が早い、ムラサメとオーガスタも閣下の派閥に着きましたな」
「なに、スガイ少尉とソマーズ曹長のお陰だ。あれが無ければこの話は戦後に持ち込んだだろう」
「それほどですか、彼は」
「ああ、未だニュータイプ能力は確認されていないがそれ故に研究者達の心を擽っている。結果が出るよりもそれまでの過程が何よりも大切なのだよああいった連中は。バスク、君も覚えて置くといい」
「はっ! ジャミトフ閣下」
ああああああ!!!疲れたァ!!!
めっちゃ頭使いました!!
矛盾点が後から出てくる可能性もあるのでその時は、大目に見てください……泣
是非ともご感想お待ちしております!
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シンヤ
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シイコさんあくしろいつでるんだよ
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