ぺるそなびより   作:そのへんのネコちゃん

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ついに始まりました、のんのんびより編です。今回はのんのんびより1話をベースに悠視点の話になります。


1話 転校生が来た

2015年4月13日(月)朝

 

おじさんたちが引っ越して1週間近く経ち、今日は菜々子と隣に引っ越してきた一条蛍(いちじょうほたる)の転校初日だ。

 

今日は蛍のお父さんが菜々子も一緒に送ってくれるそうだ、俺は先に学校に向かうことにした。

 

――――――――――――――――――――――――――

「……………」

 

俺よりも先に席について読書をしているのは越谷家の長男、越谷卓(   すぐる)だ、この学校唯一の男子生徒で真面目で器用なこともありだいたいのことはこなせるが、うんともすんとも言わない文字通りの無口だ。読書の邪魔になるだろうから俺は卓をそっとしておくことにした…

 

「「悠兄おはよー!」」

 

3人の女子生徒が入ってくる、中学の制服を着た2人は越谷家の長女の小鞠(こまり)と次女の夏海(なつみ)、そして担任の宮内一穂(みやうちかずほ)さんの末の妹のれんげだ。

 

「ゆうにぃ、にゃんぱすー!」

 

にゃんぱす…?初めて聞く言葉だ、このへんの方言なのだろうか…

 

「おはようれんげ、にゃんぱすにはどんな意味があるんだ?」

 

「? それさっきなっつんも聞いてきたん、にゃんぱすーはにゃん!ぱすー!なのん」

 

どのみち意味は特にないようだ、挨拶のようなものなのだろう…

 

「はーい、席についてー」

 

一穂さんが菜々子と蛍を連れて教室に入る。

 

「自己紹介、おねがいね」

 

「八十稲羽から来ました、堂島菜々子です!」

 

「東京から来ました、一条蛍です…」

 

蛍は少し緊張しているようだ…

 

「すごい、東京からか」

 

「2人とも何年?」

 

「「小5です」」

 

「小5!?私より下!?」

 

「年下には見えんなぁ、2人とも前の学校でなんかやらかしたの?」

 

夏海も小鞠も驚いている。

 

「いえ、父の仕事の都合で…」

 

「私もお父さんの仕事で!」

 

「なんだ、普通だね」

そんなミステリーゲームの主人公ような経緯で2人も来ることになるのはたまったものではない。

 

「席座ったら?菜々子は兄ちゃんの前で、蛍はれんちょんの前ねー」

 

「そうか、机が2つも増えてたのん」

 

「気づこうよ…」

 

「よろしくなのん、ほたるん、ななちん」

 

「ほたるん…」

 

「よろしくね、れんげちゃん!」

 

蛍の表情が柔らかくなっている、どうやら緊張もほぐれたようだ。

 

ピンポンパンポン

 

この学校にチャイムなどない。そのため、授業を始めるときは一穂さんがチャイム代わりに鉄琴を鳴らす。

 

「一時間目なんだっけ」

 

「国語」

 

みんなそれぞれの学習ドリルを取り出す。

 

「学年バラバラ…」

 

「私が中2で夏海が中1、れんげは小1でお兄ちゃんは中3だよ」

 

「なのに同じ教室なんですか?どのクラスも?」

 

蛍は学年がバラバラなことに驚いているようだ。

 

「どのクラスもなにもこのクラスしかないからね」

 

「全校生徒、4人だけ…」

 

「私たちが転校してきたから6人になったね」

 

「まあ、学年バラバラだから授業は基本授業は自習だよ、わからないとこあったら悠兄に聞くと教えてくれるよ」

 

 

「悠兄ー、もうわからんー」

 

「早速か夏海、ここはこうしてだな…」

 

数分後

「うおおおおお!わかる!わかるぞ!ウチは天才なのか!?夏海ちゃんの天下きたぞこれ!」

 

((((うるさい……))))

――――――――――――――――――――――――――

昼休み

 

生徒たちはボール遊びをするために外に出るようだ、俺も一穂さんに聞きたいことがあるから教室を出るか…

 

この学校の校舎の廊下にはいたるところにバケツが置かれている、雨漏り防止とそもそも木造建築で床がしけて腐っているため、床の抜けやすいところに目印として置いてあるそうだ。

 

「……………」

 

しかし、目印があるにも関わらず床にハマってしまった夏海いわく「おまぬけさん」が1名いるようだ、おれは「おまぬけさん」をそっとしておくことにした…

 

――――――――――――――――――――――――――

職員室

 

一穂さんはプリントに向き合っている、宿題の採点をしているようだ。

 

「手伝いますよ、一穂さん」

 

「ありがたいね鳴上先生、じゃあ兄ちゃんとこまちゃんとれんちょんの分をお願いねぇ」

 

3人分を頼まれた、というか菜々子と蛍は今日転校したばかりで夏海はなかなか宿題を提出しないから実質全員分だ。

 

「全員分じゃないですか」

 

「あれ、バレちった?」

 

提出された宿題を片付けながら、前に楓が言っていた霧と神隠しについて聞くか…

 

「そういえば、前に楓が霧に気をつけろって言ってましたが、あれはなんなんだ?」

 

「お、楓に会ったことあるのかー、あれはここ最近『霧あるとこ寄るべからず、神隠しにあうぞ』って噂になっててね。でも、本当に神隠しにあった人なんていないし、そもそも非科学的なことだしなぁ…」

 

やはりただの噂なのだろうか、あの日のベルベットルームは夢とは思えない、気にかけておくか…

 

――――――――――――――――――――――――――

放課後

 

今日のやるべきことは全て終わった、菜々子たちと帰るか。

 

「ほたるん、ななちん、家に遊びにくるん!ゆうにぃもくるん!」

 

みんなでれんげの家に向かうことにした。

 

 

宮内家 庭

 

「みんなにうちの特技見せるのん!ふすーっ」

 

どうやら指笛をしているようだが音は鳴らない。

 

「何か出た!」

 

タヌキが飛び出してきた!

 

「タヌキ飼ってるの?」

 

「てかタヌキには聞こえてたのか…」

 

「名前も付けましたん、コイツの名は『具』!」

 

タヌキ汁にするつもりなのか、少なくともタヌキにつける名前ではない!

 

「oh!サイケデリックネーム!」

 

「そしてもっかい吹けば具が芸をします!ピィーッ!」

 

今度は鳴ったようだ。

 

「具は何をッ!?」

 

具は何もしない、周りには静寂が広がる。

 

「これは『待て』の芸なのん!」

 

無理があるぞ、れんげ。

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2015年4月14日(火)昼休み

 

今日の給食は炊き込みご飯や山菜の天ぷら、山菜入りの春巻きと桜餅だ。いかにも春らしいメニューだな。

 

「ほたるん、ななちん、桜餅は残しとくん、ゆうにぃもくるん。」

 

放課後に裏山を登るそうだ、ついていくか…

 

放課後

 

「どこまでいくんですか?」

 

「もーすぐもーすぐ」

 

蛍は山を登ったことがないようだ、少し息が上がっている。

 

「きゃっ」

 

「大丈夫?蛍ちゃん」

 

「ななちゃんありがとう」

 

転びそうになった蛍を菜々子が支える。今日も菜々子は天使だな…

 

裏山の頂上には桜の木が一本、一面には村の景色が広がっていた。なるほど、ここで食べる桜餅は美味いだろう。

 

「ほたるん、ななちん。ここは気に入ったん?」

 

「はい!気に入りました!」

 

「学校の近くにこんな場所があるんだね、れんげちゃんありがとう!」

 

この後みんなで雑談をしたがバスを逃してしまい、次の便が来るまで2時間待つことになってしまった。流石田舎だ…

 

今回はここまで

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