「ガンダム」永遠のテーマである『何故、モビルスーツは人型なのか?』についての個人創作二次設定です。
ジオン公国戦略からの要求「あらゆる戦場において戦闘可能な兵器」
兵器開発局の「ユニット構成コンセプトと仕様要求からの設計」が生んだ宇宙汎用兵器。
それが人型のモビルスーツなのは、必然か?偶然か?
※作者本人による外部ブログとのマルチポスト作品(予定)。
軌道上の無重量戦闘に最適化した高機動兵器、1Gでの戦闘を可能とする陸戦兵器
多種多様な専門兵科で構成される軍事組織。
しかし、ジオン公国はそれを許されなかった。
モビルスーツが、あるゆる戦場で戦闘を遂行した。
※「宇宙汎用兵器が人型である理由」から改題
※作品タイトルより[ミリタリーSF]を削除
※今回は「ハーメルン」先行です。
作者本人による外部ブログへ解説図などを追加しマルチポスト作品とする予定です。
「あらゆる重力環境下の戦闘に適応する単一兵器」
[構成]
ジオン公国が想定する戦域
ジオン公国の戦略
作戦ドクトリン
戦闘の連続性を阻害する要因
単一兵器によるシームレスな部隊運用
人型汎用兵器
ジオン独立戦争におけるモビルスーツ
[ジオン公国が想定する戦域]
ジオン公国が独立戦争において軍事力の投射を想定している地球-月圏の戦域は以下であった。
・軌道上
・コロニー周辺
・コロニー内部
・月面
・宇宙要塞
・地球上
地球連邦政府、連邦政府管轄下のサイド、自治サイドおよび月面都都市へ、ジオンの政治的要求を受諾、容認させ、ジオンへの要求を拒絶するためには、想定戦域におけるジオンの支配、掌握、影響力を確立する必要があった。
ジオン政府の直接的な戦闘力の行使も厭わない方針から、ジオン軍は、従来のサイド3-月周辺空域の防衛戦を主とした軍編成から、これら戦域での作戦行動、戦術戦闘を可能とする兵器体系の開発、配備および部隊編成を始める。
[ジオン公国の戦略]
ジオン軍が求めるのは短期戦である。長期戦はジオンの国力を枯渇させ、消耗戦は摩滅させる。
想定する戦域の広がりもまた、ジオンの国力にとっては過大であった。
人類の生存圏と重なる広大な戦域へジオンの全軍を配置させれば、ジオン軍は蚕食される。
戦力を集中し、短期間に連邦軍への打撃を繰り返す。
戦場での優勢、モメンタム(戦勢)の維持、攻勢のイニシアティブを連邦政府へ突き付ける。
「面の支配(領域支配)」ではなく『認識の支配』を戦略指針とした。
[作戦ドクトリン]
ジオンの国力に起因する戦略指針から策定される作戦ドクトリンは、
・攻勢を継続し連邦軍を常に圧迫する。これにより攻勢目標、時期、進攻ルートの自由を得る。
・決戦主義ではない。連邦軍へ決定的な打撃を与えるには連邦軍の大規模集結を前提とする。
これは、連邦軍に主導を発揮させる余地を与えることになる。
・彼我の戦力がジオン有利となる戦域において、または、その状況をつくりだし、速戦即決を連続させる。
・戦闘と戦闘、会戦と会戦は、無停止で連続させていく。
・足踏をしない攻勢発起、戦闘の絶え間ない持続により、衝撃力を維持、拡大させていく。
[戦闘の連続性を阻害する要因]
作戦の開始から最終目的の達成まで戦闘を無停止で連続で行う。
これを阻害する要因は、作戦開始から終了までに複数の戦域に跨ることである。
コロニー制圧の場合、軌道上およびコロニー周辺空域で連邦軍艦隊と戦闘をしこれを排除、その後、コロニーへ進入、コロニー内部を制圧する一連の戦闘が行われる。
月面都市、宇宙要塞の制圧においても同じ作戦行動の連鎖となる。
ここで戦域、戦闘の視点からは戦闘区域の重力環境を見ていく。
コロニー制圧においては、軌道上の無重力(無重量)と、コロニー内の1Gの重力環境になる。
月面では低重力、宇宙要塞は無重力環境である。
これらの異なる重力環境では、異なる兵器、兵科がそれぞれ任務を担当する。
軌道上の無重力戦闘は宇宙攻撃軍の艦艇部隊が連邦軍艦艇と戦闘、コロニー内では別の兵器を装備する別の兵科(着進入部隊)が守備隊と戦闘を行う。
軌道戦闘から着進入戦闘へ切り替わる、任務を担当する部隊が交代する、ここにシーム(継ぎ目)が存在する。
着進入部隊はコロニーへ進入するまで戦力を発揮できず、艦艇部隊をコロニーと接する距離まで接近させ相対速度を無くすことは、部隊運用からもできるものではない。
着進入の瞬間、「戦力の空白」が生じる。
直進入の前後で、戦闘正面を担当する部隊が交代し、指揮命令系統を移管させることは、調整、タイムラグ、遅滞の「時間の空白」を生じさせる。
月面への降下最終シーケンス、宇宙要塞での着進入においても、「空白」は存在する。
さらに、月面の低重力解放空間、宇宙要塞内部の無重力閉塞空間においても、それぞれに特化した兵器、兵科を配備、編成をしていくのか?
[単一兵器によるシームレスな部隊運用]
ジオン軍の戦略指針、それを達成する作戦ドクトリン、その手段である連続する戦闘。
しかし、無重力から1Gまでの重力環境が兵器、兵科のシーム(継ぎ目)をつくる。
ジオンは、全戦闘区域で戦闘可能な単一の兵器体系を選択した。
最初に候補にあがたのは、艦艇部隊の高機動兵器である。
高機動兵器は、ポストミノフスキーによる見直しから戦闘性能を低相対速度へシフトしているので、着進入時の戦闘まで対応可能となる。
では、進入後は?
格納翼を装備しコロニー内を大気アシストで飛行をする。
コロニー内壁へ着陸することはなく戦闘(上空からの制圧)を行う。
だが、それではコロニーを占領することはできない。着進入部隊の主兵器とはならない。
重力環境の中で容易では無いものは宇宙要塞であった。
-それまでは艦艇の補給整備基地として機能し、戦闘は出港後となることから、戦闘区域として認識されることはなかった宇宙要塞が、独立戦争の戦略、作戦構想から、前線(フロント)に位置付けられた。-
月面には低重力が存在し、常に月表面へ押し付けられ、浮動することなく位置は保持される。
低重力は垂直力となり、月表面との摩擦力が発生するので、装輪、装軌での移動は可能である。
しかし、宇宙要塞は無重力なので、下方向へ押し付ける垂直力が無く摩擦力も発生しない。
人工施設のエリアではマグネットを使用できる。
しかし、守備隊を配置させ掩体とする、または、そこを攻撃、占拠する岩石が剥き出しのエリアでは、何らかの手段を用いないと、機体は浮動し装輪、装軌は空転するだけになってしまう。
無重力なのでスラスターで位置の維持、移動は可能であるが、短時間の戦闘となる軌道戦闘と異なり長時間、長期間となる要塞戦において、常にスラスターを噴射させることは部隊運用の足枷となる。
[人型汎用兵器]
ニーズからの要求による、全重力環境下で戦闘行動を可能とする単一兵器計画が難航している時、シーズである開発局では、ある異形の兵器の開発が進んでいた。
地球上の1G重力環境を前提とした兵器は、
・小型融合炉の高出力による関節駆動で移動※1
・地上駆動装置としての関節機構と宇宙姿勢制御AMBACの質量移動機構とを融合
・一対の関節駆動肢へウェポンを搭載
・可動可能なセンサーポッドを機体外部へ装着
するコンセプトと
・ウェポンの広範囲な射界、高レスポンス、振動抑制
・障害物が存在する地上戦でのセンシング視野の確保
・機体全体の質量、関節位置の動的バランス
からの要求により、レイアウトが決定された。
人体シルエットに近い人型兵器、モビルスーツである。
このモビルスーツは、全重力環境下での戦闘に対応可能なのか?
連邦軍艦隊との軌道上の戦闘は可能である。
AMBACとの融合、高レスポンス広範囲な射界を持つウェポン、可動センサポッドは、参謀本部が主張する対艦攻撃「集団近接同速度襲撃」(狼群戦法)※2に対する開発局の回答であった。
※1.「ザクの脚についての工学、歴史的考察」:ハーメルン
※2.「モビルスーツ「ザク」の対艦攻撃における狼群戦法」:ハーメルン
垂直力(低重力)が存在する月面では関節駆動の脚による移動は可能である。
ただし1G歩行とは異なる低重力歩行をする。
上向き方向の速度を抑制し重心を前へ押し出し、関節を曲げて足底と月表面とのクリアランスを設けて慣性移動(極々浅い弾道軌道)。
慣性移動中に任意のタイミングで脚を伸ばし、足底を月表面へ接触させることで次の歩行(加速、制動、転換)に移る関節駆動である。
完全に垂直力が存在しない宇宙要塞では、どう対応するのか?
ここでも関節機構の機能は有効となった。
歩こうとする。摩擦力を起こそうと足底を要塞表面へ押し付ける。
その反作用が重心に上向きの速度を与えて機体は浮いてしまう。
そこで、上下方向の力を無くし、横向きの力だけで重心を横方向へ移動させる。
脚を前後または左右に開き、岩石表面を挟み込みように足底を横方向でスライドさせる。
岩石表面の凹凸とそれに調整したスパイクを持つ足底は、横方向で噛み合い機体を岩石表面にホールドする。
このホールドを起点とし、関節を使って機体重心を水平に前進させる。
モビルスーツの脚は、HSH(Horizontal Slide Hold:水平方向のスライドによる保持機能)により、宇宙要塞の重力環境に適応した。
[ジオン独立戦争におけるモビルスーツ]
ジオン軍はモビルスーツを最優先主兵器として製造、配備し部隊編成を行った。
連邦軍艦艇との軌道戦闘からコロニー、月面都市、宇宙要塞の制圧まで、シームレスな部隊運用、作戦行動を行えるのである。
最も脆弱となる着進入時においても、抵抗排除、突入経路確保、進入、および援護、警戒は共通の指揮命令系統で統制され、同一性能の兵器群は柔軟性を持ち、戦術判断ループを速める。
モビルスーツは戦闘における優位の獲得のみでなく、作成および戦略判断までに影響を与え、大いに考慮されるファクターとなっていった。
モビルスーツがジオン独立戦争の性質を変える触媒となったのは確かである。
軽快なフレーズ、さわやか読後感が皆無の
このようなコテコテ、クドクド文章を読んでいただき感謝します。
常に気を付けていないと同じフレーズ、同じワード、同じ止めの繰り返し。
書いている本人も、文頭から文末まで行き来し把握、整理しないと、理論構成が破綻してしまいます。
なんとか、まとめたつもりですが、どうでしょうか?
なお、風呂敷を広げ過ぎたため、ショートストーリまで行けませんでした。
ガンダム二次創作設定の短編シリーズ、作品タイトルの先頭に[ミリタリーSF]を(しばらく前までは)付けていましたが、どうもミリタリー主導、SFティストは少な目。
しかし、SFはゼロではありません。
HSH(Horizontal Slide Hold:水平方向のスライドによる保持機能)
これは、個人的に気に入っています。
※タイトル「宇宙汎用兵器が人型である理由」だけではテキスト対象が分かり難いので「モビルスーツ」を追加しました。