ウォルター教頭のアーカイブ 作:ルビコン調査技研一般役員
「そういや、俺の先輩方ってどんなやつらだ?」
ナイトフォールから降りたレイヴンは窓からスタイリッシュに入り、ベッドで腰かけるウォルターの前にやって来てそういった。レイヴンの隣にはアロナ…連邦生徒会長も立っており、ウォルターの知らない所で2年ほど過ごしたこともあってか、仲が良さそうに見える。
「先輩と言うのは、お前の前に俺が子飼いにしていた強化人間の傭兵、617達の事だな?」
「おう。カーラからある程度のことは聞いてたけどな。しかし、ルビコンに殆どいたカーラよりも一緒に居たウォルターの方が詳しいだろ?」
「そうだな」
ウォルターは語り出す。もちろん、レイヴンは事前にカーラから617達…ウォルターがレイヴンこと621より以前に子飼いにしていた強化人間のことは聞いており、彼らの為に617達が以前…というか一応は生前?使っていたAC Loaderシリーズを再現して用意している。とは言え、当時は予算のこともあり…理想のアセンブルも出来なかった可能性も高いだろう。なにせ、レイヴンが最初期に使っていたLoaderシリーズのフレームパーツは扱いやすいが、戦闘向けとは言い難い。
「先ずは617。俺が最初に業者から買った強化人間だ。621、618の次に強くハウンズでは部隊長を任せていた。最初は背が低かったが…成長すると俺より大きくなってしまってな。立派な長男だったよ」
「617と言えばこの人ですよ、先輩」
「この人か。俺と違って手術痕が少ないな」
ウォルターが最初に語ったのは617。ウォルターが最初に購入した強化人間であり、ハウンズの長男的な存在だったようだ。レイヴンは連邦生徒会長から写真を見せてもらい、617の素顔を確認する。
617は金髪の青年で、背丈も190㎝を越えるほどの長身。やはりレイヴンと違って長い期間…現役だったこともあってか身体もゴツく、良い体つきをしている。乗機はLoader0、Loaderシリーズはフレームパーツは共通であり…右手にガトリング、左手に導きのパルスブレード、右肩に拡散バズーカ、左肩にパルスシールドという構成だった。
「次は618だったな。彼女はコールドスリープされていなかった。ある独立傭兵が愛人との間に出来た子でな、幼く売られて第4世代強化人間の実験台にされたようだ。術後、直ぐに買い取って保護してな…実の娘同然だった。本名はリリアンって言うんだが、本名が消された他のハウンズを気にかけて、他のメンバーがいる時は番号で呼べって良く言っていた。618はお前の次に強かったぞ、621…」
次に語ったのは618。彼女は某 独立傭兵が愛人の間に作った子だったのだが、借金の肩に第4世代強化人間の実験台として売られてしまったのだ。その後、ウォルターが買い取って娘同然として育てていた。成長し、ACに乗れるようになると猟犬としての頭角を示していき、ハウンズでは最強の傭兵と言えるようになった。しかし、負傷した620と619を逃がすために殿を務め、スッラに殺害されてしまった。
「この人ですね先輩」
「なるほどな」
連邦生徒会長がレイヴンに見せた写真では副作用が髪の毛と光彩の色素異常で、白髪と紅い瞳程度しか副作用が出ていない…大学生ほどで、スタイルが良い(つまり白髪巨乳)美少女が写っていた。
「最後に619と620だ。2人は同じ日に業者から引き取った。619はなにかとお調子者でな、騒がしく…それでもムードメーカーで場を和やかにしてくれた。620は619とは対照的に静かで読書が好きな子だった。紙の本が好きでな、お調子者だった619をなだめていたよ」
619と620はウォルターが621の前に購入した強化人間だった。対照的な性格をしており、騒がしくもお調子者で回りを賑やかにしていた619。619とは対照的に静かで冷静であり読書好きだった620。だが、この2人もウォルターをルビコン3に向かわせるために、カタクラフトの手で倒されてしまったのだ。
「この2人がそうか」
「はい」
連邦生徒会長が見せた2枚の写真。619は短髪で活発そうな青年…ただどこかでポンをやらかしそうな愛されるバカな気がするのは気のせいだろうか?対して620は片目を長い前髪で隠した物静かそうな青年。どちらも間違いなく実年齢はレイヴンより歳上だろう。
この4人のハウンズ…かつてのウォルターの猟犬達も、ウォルターと同じく眠りから覚めたようだ。かつて失った我が子同然の猟犬達…618は家族を守るため、他のハウンズはウォルターの思いに答えるため…ウォルターをルビコン3に届けるために散っていった。そんな家族ともう一度会えて過ごせるためか、ウォルターの目には微かに涙が見える。
「俺もウォルターの気持ちが少しは分かるようになったつもりだよ。ルビコンでコールドスリープされた第5世代の強化人間の子供を見つけて保護したからな」
「第5世代?生き残りがいたのか…」
そんな621…独立傭兵レイヴンであるが、実はウォルターの気持ちが少し分かるようになってきた。企業も封鎖機構も文字通り破壊した後、ルビコン3の技研都市跡でコールドスリープされた第5世代の強化人間を発見したのだ。第5世代は第4世代~コーラルを使わない第7世代の強化人間の狭間の世代であり、失敗作ばかりであった。しかし、その子供はコールドスリープから解凍してもうんともすんとも目覚めず、しかたなくそのまま連れ帰り…レイヴン達がキヴォトスの星に流れ着いたあと、カーラの手でアーキバスからパクった最新型強化人間手術を脳幹デバイス以外に施し無事に目覚めたのだ。
「621、その子はどうしてる?」
「識別番号はC5_801 俺達はリンクスと呼んでる。今は機体のメンテナンスがしやすいから、基本的にはミレニアムサイエンススクールに居るな」
その子供はC5_801 通称はリンクス。今は機体のメンテナンスがしやすいからという理由で、キヴォトス最先端の設備があるミレニアムサイエンススクールに在籍しているようだ。
「子供が増えたなウォルター。アンタの年齢から言えば孫かもしれないけど」
「621…俺はそこまで老人ではない。まだ働ける現役世代だ。801はACに乗ってるのか?」
「ああ、しかもただのACじゃないぜ?脳の仕組みに生まれつき特別な素質がないと操縦できない古代の遺産…アーマード・コアネクストだ!カーラが近代改修したからコジマ粒子は無し!」
「ぶっふぉ!?ネクストだと!?」
「しかもホワイトグリント…その6号機だそうです」
「しかもホワイトグリント!?神話の話じゃなかったのか!?というか、キヴォトスに埋まってたのか!?」
ネクストAC。かつて人類が地球を捨てるようになったある意味原因であり、封じられた禁断のテクノロジー。数百年以上前、コジマ粒子という核さえ真っ青の汚染をもたらす万能粒子を用いたACの総称であり…自動で再生するプライマルアーマー、そのプライマルアーマーを用いてコジマ爆発を引き起こして急加速するオーバードブースト(マッハ3以上)や攻撃に転じたアサルトアーマー。パルス爆発を用いた現行のアサルトアーマーより破壊力と爆発範囲が広く…全てを散りに変える。
ホワイトグリント。それは一部のネクストACにつけられる名前であり、その名前を付けられたネクストは歴史の転換点に出現し、圧倒的な力を誇る。一言で言えばガンダムみたいなやつ。最初のホワイトグリントは凄腕のネクスト乗り ジョシュア・オブライエンの愛機、2代目はジョシュアの親友 アナトリアの傭兵が乗ったワンオフ機…このように二代目からはワンオフで作られ、九代目の恐竜的巨大進化を遂げたN/WGⅨことブラックグリントはACやネクストの倍の大きさを誇る。
801が操るのは六代目のホワイトグリント。つまりホワイトグリントの6号機だ。レイヴンが見せた写真ではブラックグリントに良く似た胴体やシルエットをしてるが、恐竜的フォルムではなくアルバフレームや脚部はHALフレームのように正統派ロボのようなフォルムとなっている。体高も現行ACほどの15メートル位に抑えられている。
九代目ホワイトグリントことブラックグリントが大型限界性能の恐竜的進化なら、六代目ホワイトグリントこと6号機は性能を保ったまま小型化を目指したのだろう。
「まあ、惑星封鎖機構のLC機体もコジマ技術は使わないだけで、ネクストの技術を用いているなんて言われてるからな。彼にも会えそうか?」
「直接では近いうちに、この後の職員会議でもミレニアムのカーラ博士と一緒に出てくれますよ」
カーラなどの馴染みある人物もキヴォトスに居ることを知り、懐かしむウォルター。
「621、アロナ。俺を職員会議の場所に連れてってくれ」
「もちろんだ」
「はい」
連邦生徒会の施設 サンクトゥムタワーの会議室。そこにウォルターはレイヴンの支えと、連邦生徒会長の案内でたどり着く。そこではかつての自分の猟犬だったハウンズの面々、ハウンズをここに案内した眼鏡をかけたエルフ耳の少女が立っていた。
「はじめましてハンドラー・ウォルター。私は七神リンです」
「ああ、よろしく頼む」
本来の歴史なら失踪する連邦生徒会長の代わりに、導かれた先生のサポートを行うリンであるが…ここでは過去2年間の間にレイヴンとラスティが大暴れしたタイムパラドックスで、連邦生徒会長が失踪することはないので...ただの中間管理職である。
「こちらです」
「すまない。621、アロナ。俺はもう大丈夫だ」
リンに案内された席に座るウォルター。
「ウォルター!?うぉぉぉ!?マジかよ!!本当に会えるなんて!!」
「619…声が大きい。お久しぶりですウォルター」
「お久しぶりですウォルター」
「ウォルター!本当に会えたよ!」
そして上から619、620、617、618のお言葉である。
「いかんな…この歳になると、涙もろくなる」
ホロリと涙を流し、目頭を抑えるウォルター。と、その時だった。
『久しぶりだなハンドラー・ウォルター。いや、戦友のお父さん…と呼ぶべきかな?』
前からイケボな声が聞こえてウォルターは前を見る。そこにはモニターを介して、リモートで職員会議に参加するイケボでイケメンな男 かつてV⋅Ⅳと呼ばれたルビコン解放戦線の最大戦力ラスティがそこに居たのだ。
「お前はラスティか」
『私は今、アビドス高等学校を拠点にしている。生徒の数も少なくてね、今回はリモートで参加させてもらうよ』
ラスティはアビドス高等学校を拠点にしており、アビドス高等学校は2年前と比べて復興も進んでいるのだが…いかんせん生徒の数がギリギリ3桁に届くぐらいしか居らず、ルビコン3から持ち込んだテラフォーミング技術などで砂漠化も抑えられているが、完全な復興とは言いにくい。だからこそ、ラスティはリモートで参加なのだろう。
『あとはシンダー・カーラもリモートで参加する筈だ』
「そうか。たしか、カーラはミレニアムという所だったな…」
『あそこはキヴォトスでも最先端の技術がある。元技研の科学者だった彼女が行くにはうってつけだ』
だったのだが…
「もしもーし。カーラどうしたの?えっ?カイザーのバカがアームズフォート出してきたから、ホワイトグリントを向かわせる?」
レイヴンがスマホでカーラとそう話し、衝撃波でサンクトゥムタワーの窓ガラスが震え…空に飛行機雲が出来たのだった。
「カーラ達、忙しいってよ」
「そうか…所で621、アームズフォートってなんだ?」
「全長2キロとかのくそバカでかい移動要塞型兵器。ミサイルの雨やグレネードランチャーの弾幕とか色々撃ってくる。オールドンマイがカイザーPMCに技術提供して出来たやつ」
「そうか。お前なら余裕だな…ところでラスティ。ここでの教師の仕事はなんだ?」
『授業をすることは勿論だが…』
ラスティは教えてくれた。キヴォトスには2年前、ラスティが621とやってくるまで教師などの教育に携わる大人は居なかった。生徒の学習は教育BDというディスクを用いた自習に近く…先生という役職を持った大人は居なかった。しかし、自習で全てが住むなら結果的に教師は要らないのが真実だ。
なのでラスティは勉強や他にも大切なことを教えるのは勿論。生徒達が困っていることを解決したり、手助けを行ったりもしているのだ。
「なるほどな…しかし、俺は621やお前のように戦えないぞ」
「はい。そこで…私からこれを」
連邦生徒会長はタブレットをウォルターに手渡した。
「これはシッテムの箱。ウォルター教頭のために、私が用意しました」
「タブレットのようだな…」
ウォルターはシッテムの箱ことタブレットを触ってみる。すると…
『はじめまして!!私はアロナです!!これから教頭先生のサポートを行います!!』
連邦生徒会長と同じくアロナと名乗り、連邦生徒会長を幼女にしたような子供が映る。しかし、その子供…アロナの声はウォルターにしか聞こえないようだ。
「ああ…これからよろしくな」
『はい!よろしくお願いします!!』
しかし、その裏では…
『こんな筈じゃないのにぃぃ~』
オールドンマイことオールマインド。カイザーグループにアームズフォートのテクノロジーを提供したが、アームズフォート 量産型スピリットオブマザーウィルをたった1機の近代改修ネクストACの手で轟沈させられていた。
『もういいもん!!次はホワイトグリント9号機ことブラックグリントを再現するもん!!』
「話が違うぞ…オールマインド…がくぅん」
アフロになったカイザーPMC理事は倒れた。破壊された量産型スピリットオブマザーウィルの上空では、スラスターから紅い光を出しながら浮かぶ…白いネクストAC ホワイトグリント(その6号機)が6つのカメラアイを輝かせて、ミレニアムに帰っていった。
次回…フォーアンサーのオープニングのアレ
皆の好きな先生は?
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もちろん、ウォルター教頭
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イケメン先生のラスティ
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新人教師 621レイヴン
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リアル大豊娘娘 618
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生徒指導のミシガン総長!
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技術のカーラ先生
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私ですよね?ご友人