日がな一日情報端末で世間の事を調べていた。俺、レイ・テスタロッサはクローンと言うものだ
誰の、ってのは姉であるアリシア・テスタロッサのクローンらしいのだが会ったことはない。当たり前だ
姉は既に他界し、この世にはいないのだからな。それを認められない母親のプレシア・テスタロッサはクローン技術でアリシア・テスタロッサ(以後アリシアと呼ぶ)を蘇らせる事しようとした結果、俺が生まれたって訳
俺?男だぞ、遺伝子操作間違えたんじゃないかって知った時は思ったな。だって姉は女、俺は男。そのせいで容姿だけは女っぽい男になってしまって何をトチ狂ったのか母親は壁に頭打ち付けてたし
その後はリニスに頼んで今も弄ってる情報端末を見ている
ちなみに俺はほぼ監禁状態である。作っておいてこの仕打ちはどうよと思うのだが、娘を蘇らせようとしている親の気持ちを考えたら俺を受け入れられないんだなと理解できる
食事に関してはリニスが運んできてくれるし、トイレ風呂完備で太陽と月の光を浴びれない事以外は何不自由ない
「寝るか」
時間もいいし端末を放り投げて布団に入り、魔法で灯りを消して、意識を手放す
「んあ...」
目が覚める。誕生して何回繰り返したことだろうか。未だに眠ると言うのに慣れない。生き物として当たり前の事なのに自分がこの容姿で、この年齢で生まれてきたのが原因か。ベッドから出ようとした時、何かに手が当たる
はて、端末はその辺に投げたがこんな柔らかい感触はしないはず
あの母親が一緒に寝るなど、天地がひっくり返ってもしない。故にこの感触はリニスかと布団を捲ると金髪で、自分より一回り小さい少女が静かに寝息を立てていた
俺の思考は一瞬フリーズしていたが直ぐにあのクソ親の所へ殴り込みに行こうと立ち上がり扉を蹴破る。目の前にはリニスが
「ちょ、レイ!?どうしたんですか!?」
「うるせぃ!あんのクソ親呼べリニス!ぶん殴らないと気が済まん!」
「えぇ...とりあえず落ち着いてください!」
「これが落ち着いてられるか!俺の部屋に俺と容姿の同じ女の子がいた。つまりはあのクソ親またやらかしたな!!」
リニスに取り押さえられる形で止められてたがリニスは混乱することもなく俺に説明してくれた
「妹ですよ?」
「俺に妹はいねぇ!いるのは姉とクソ親だけだ!」
「んん...兄さん?」
「俺を兄さんと呼ぶな!!」
そう、これが俺、レイ・テスタロッサのフェイト・テスタロッサとの邂逅だった