納得は全てにおいて優先されるぜッ!! 作:Th
鉄球をホルダーに仕舞って、借金天獄に陥っているアビドスの現状を聞く。調べなかったわけではない。調べなかった訳では無いが、どーも、デジタル機器から調べた情報だと頭に入ってこなかった。
「9億に至るまでの経緯とかさぁー、なんかないわけ?」
「…砂漠化が主な原因だって聞いてる」
「なるほぉどね、まぁ俺個人の意見だが、楽観的にいこうぜ。悲観したって状況が変わる訳でもないんだからよォォ?……お、あと10分だとよ」
9億なんてものはドルに直しても、直さなくても物凄い額だ。だから、俺はどうしても実感が湧かないのでテキトーに流す。タブレットの位置情報もマトモになってあと10分程で到着することを示していた。
「…ん、やっぱり軽いね」
そこから少し経て、砂埃も緑が少しは生い茂っている校舎に阻まれて無くなり、2階にある教室に上がった頃。俺は自分の役職を適当に話す。俺はシャーレのジャイロ・ツェペリだと。
「来てくれたんですね!」
とメガネをかけた生真面目そうな少女が1番に口を開く途端に銃声が轟く。何発の弾丸が窓を貫き、破片が皆に降り注いだ。
咄嗟に近くにいた生徒を下がらせ、教室を変えて犯人を探す。窓の縁に手をかけ下から覗く。集団で銃を校舎にむかって乱射している犯人は皆ヘルメットを被って、実に滑らかな動きをする2台戦車を携えていた。
「おいおい、随分と物騒じゃあないの」
という風に呟き、すぐさま階段で駆け下りているとタブレットから声が聞こえる。
『…ザザ、先生!久しぶりで感覚が鈍っているのかもしれませんが、また皆さんを指揮してください!』
「指揮……」
1歩踏み出し、砂の感触を靴越しに感じる。そして靴の中に砂が入りながらもズドンズドンと進む。
俺達へ銃を向け、そして発砲してきたヤツらは正門らへんにフラフラと構え、一人一人がギャーギャーと騒いでいた。
「おらおらぁ!」
「今日こそ、ぶち壊せぇぇー!!」
「そろそろ私らに屈服しやがれ!」
おいオメェら!、とジャイロは注目を集めるために大声で叫んだ。タイミングもよく、銃声は被らず、風でその声が掻き消されることもなかった。先生、大人の責任を取るためにまず、生徒とのコミュニケーションが必要だと考えた。対話ができるのなら、話してみるべきだ。
「んだァァこのジジィ!」
恐らくリーダー格がこちらになんの用だと聞いてくる。そしてそれに同調し、後ろの配下共も似通った言葉をかけてくきた。
……ゆちゃあいけないことをアイツらは
「まだ……まだァ20代だ、このやろォォォ!!!」
テロリスト共は笑った。嘲笑や失笑が混じったそれに耐えきれなかった俺は鉄球へと指をかける。今、この目は砂粒1つを正確に捉えた。
暫くは立ち直れない程に銃や戦車を破壊する。校舎から逃げるように去っていったヘルメット団だが、その残骸などは残っていた。少しだけポケットに隠す。
「うへぇ〜、先生もやるねぇ?小さい鉄球を戦車に投げ込んだ時には何をやっているのかぜーんぜんわからなかったよ〜……それでその鉄球はなに?」
この戦闘から初めて顔合わせをしたピンク髪の少女、小鳥遊ホシノは、うへ、うへ、と言うのが口癖らしい。
答えずれぇことを聞くもんだと思った。別に教えたっていいんだが、些か面倒だ。そうだ、と俺は考え、話を逸らすために先程の戦闘から気になっていたことを問う。
「…ところで、ホシノ、オタクよォォ〜、なんで最初っから戦闘に参加してくれなかった…お前は初めっから俺の近くにいたはずだろ?」
彼女が先頭に参加したのは、こちらが窮地に陥った時だった。俺が彼女に手を出すことは有り得ないが、やはりどうしてもこの感覚。一挙手一投足を見られているという感覚は気味が悪い。
ドドドド
「うへへ……質問に質問で返すなあーっ!疑問文には疑問文で答えろと学校で教えられているのか?」
な、なんだこいつはァ…っ!
正味、吉良吉影のセリフを吐きたかっただけです。今回は展開があまりに思いつきませんでした。いや違うか……今回もか……