とある学者の日記帳! in テイワット 作:セニョール・大介
「いやぁ……案外稲妻って治安悪いんだなぁ」
「意外ですね。城下町には秩序と活気がありましたが、城下町を出れば閑散とした荒野、野武士などの荒くれもの集団の姿が散見されます。漆黒の獣の侵攻は防いだそうですが、それ以外がおざなりですね」
お尋ね者になった俺たちは変装はそのままに城下町を離れ、逃げるように南下を開始していた。蛍のことはもちろん見捨てた。
だって仕方ないじゃん! 違法組織につかまった、とかなら行政機関に泣きついたりできたけど、その行政機関が敵側なんだから!
ただ、もうちょい捜索が厳しいもんだと思ってたが、城下町を出ると幕府の人間の姿はおろか、お尋ね者の張り紙さえなかった。案外ざるらしい。
そもそも──
「そこのお人、ちょっと聞きてぇんだが。なぜこのあたりの田畑は放置されてるんだ? この時期なら水田に水をはり、稲を植えてるだろうに」
「……。水を張るもなにもあるかい。苗が疫病で全滅しちまったんだよ」
幕府がちゃんと統治できているのかも怪しいくらいだ。
「ん? 幕府の人間か?」
「……おかしいですね。このあたりに幕府の施設などはないはずですが」
だが、なぜか幕府の人間が周囲に村落も魔物の住処もないような場所をうろちょろしている。
不思議に思った俺たちは追跡を試みた。すると──
「……遺跡か?」
「……いえ、石材に風化や直射日光による変化が見られません。おそらくは遺跡に似せた何かでしょう」
幕府の人間が出入りする謎の施設を見つけた。
目的も動機も分らない施設が目の前にある。つまり──
「侵入するぞ」
「はい。……見張りはどう排除しますか?」
学者として行動する時だ!
ただまあ、俺たちは軽犯罪に該当する可能性のあることこそやったことがあるものの、人殺しなんて野蛮なことはしたことがない。というか、するつもりもない。
……ザンディク? どうして目をそらすんだ?
まあいい。そんな俺たちがどうやってこいつらを排除するかというと──
「お、おい見ろ! 野武士や魔物どもが一般人を襲っているぞ!」
「ど、どうする? 見張りもしなきゃだし──」
「馬鹿ヤロウ! 幕府の人間として民を見殺しになんてできるか!」
稲妻人に扮して幕府の人間の目の前で魔物やら野武士に襲われればいい。流石に統治者側として民を見捨てるような薄情者はいないだろう。実際、見張りの人間はおろか、内部にいた何人かも出てきて魔物や野武士討伐に来てくれている。
あとは幕府の人間と魔物やら野武士やらの乱戦にかこつけて手薄になった謎の施設に侵入するだけだ! やっぱ俺って頭いい!
──
「……ぜぇ、ぜぇ。なんでこの遺跡の中はこんなに高低差が激しいんだよ」
「それだけじゃ……ウッ、ないです。どうしてこんなに罠ばかりなんですか……ウッ」
俺の天才的な作戦で謎の施設に侵入したのはいいが、謎の施設は人の出入りを考慮していないとしか思えなかった!
道は右に左に、上に下にと曲がりくねってるし、ところどころ矢が飛んでくるしでもう散々! ザンディクなんて三半規管が弱すぎて死にかけてるぜ()
「なんだこりゃ? 人間が封印されてるのか?」
「……呼吸している気配がないですね」
なんだかんだで施設の最奥まで行くと厳重に封印されている少年? を見つけた。
半透明の球体? みたいので包まれているので、木の枝を投げつけてみると──
「燃えたな」
「燃えましたね」
球体に触れるや否や一瞬で炭化しやがった。生身で触るのだけは防がないといけなさそうだ。
「……これが制御装置か?」
「……みたいですね。ただ、スメールのものとかなり違いますね」
「俺も龍族やらナタの燃素を用いた機械なら見たことあるが……、全然違うな」
別の技術すぎてお手上げだ。
ザンディクが機械をいじっている間に部屋を見回るが……。
「本当に何もねぇ!」
収穫ゼロ。ザンディクの方を見やるがあっちも進展なしらしい。
「ザンディク、この封印のエネルギー源はどこだと思う?」
「……おそらくはこの制御装置の中でしょう」
「だよな。制御装置壊せばワンチャンエネルギー切れで封印切れるかもしれねよな?」
「……おそらくは」
よし! ぶっ壊そう!
──
「──?」
「おい! 起動したぞ!」
「ええ。火花が散ったときはどうなるかと思いましたが……」
僕が久方ぶりに目を覚ますと、封印は解かれており、眼前には百姓の恰好をしたものが二人狂喜していた。おそらくは彼らがボクの封印を解いたのだろう。
「……君たちは誰ですか? どうして封印を解いたのですか?」
「俺はベギダー、隣のこいつはザンディクっていうんだ! 封印を解いたのは……まあ成り行きだ!」
「先輩……。それ納得してくれないですよ」
どうやら二人は親しい間柄らしい。名前からして他国の人間らしいがなぜ百姓に扮しているのかは分からない。
「キミ! 腹は減ってないか? 記憶はあるか? 今から活動することに支障はなさそうか?」
男が、先輩と言われていた存在が僕に問いかけてくる。だが、愚問だ。だって──
「僕は機械なので食事はいりませんし、今すぐにでも活動できますよ。記憶も保持しています。……そうですね、傾奇者とでも呼んでください」
僕は雷電将軍によってつくられた機械なのだから。
「「はぁぁぁぁぁぁあ!?!?!?!?!?」」
二人は何故か驚いていた。
──
あのあと、封印されていた場所を後にした僕は二人からの怒涛の質問攻めにあった。答えられる部分だけしか答えてはいないが、この二人はなぜか目を輝かせ記録をとっていた。
封印を解いてくれた恩もあるので同行することにしたが、こちらが聞かれてばかりでは不公平だ。そのため僕からもいろいろ質問することにする。二人にいろいろ聞いてみると二人は他国の学者らしい。それもただの学者ではない。
見知らぬ遺跡を発見すれば侵入し、見知らぬ機械があれば解体し、見知らぬ生物がいれば捕獲しようとする種類の学者だった。というか、今現在稲妻でお尋ね者になっているらしい。……あれ? もしかしてヤバい人たちに起こされたのかな?
「それは学者なのでしょうか?」
「もちろんだ!」
「むしろ学者以外の何者でもありません」
自信満々に言い切られた。理解はできない。だが、そんな彼らの話は妙に興味を引いた。
「スメールとはどのような国なのですか?」
そう尋ねると、ベギダーは嬉々として語り始めた。
「学者の国だな!」
「説明になってませんよ」
「じゃあお前が説明しろ」
呆れたようにため息をついたザンディクが代わりに話し始める。
「様々な国から学者が集まります。学者の研究内容は多岐に渡ります」
「……」
「古代王朝について調べる者もいれば、新種の植物を研究する者もいます」
「僕みたいな機械を開発しようとする者も?」
「います」
どうやら研究者というものは多種多様な存在らしい。
「ベギダー先輩をはじめとして変人も多いですね」
「お前が言うな」
話は尽きなかった。
スメールの話。璃月の話。そして、外の世界の話。初めて知ることばかりで新鮮な気分になる。いろいろ知りたい、実際に見てみたいという気分にさせられる。そう──
「僕は雷電将軍によって永遠に稲妻を守護する存在としてつくられたんですよ」
「いろいろ想定外なことばかり起こるなぁ()」
「蛍さんをはじめとして、いろいろな未知に出会うことができて楽しいですね」
この金色の羽根が無ければ、僕が稲妻の守護者としてつくられてさえいなければ外の世界に飛び出してみたいと思うくらいには。
───
「あの……詳しくは説明できないのですが、このあたりの空気というか、土地一帯が他の場所と違って生物を拒んでいるというか……。とにかく異様なのはなぜでしょうか?」
「多分そこいらに散らばってる結晶のせいだな。確か晶化骨髄だったか? 教令院で見た覚えがある」
「確か魔神の残滓であるとされていたはずですね。雷神に敗れたとはいえ魔神は魔神。人間とは別次元の存在です。その残滓とはいえ余人を不快に感じさせるだけの力はあるのでしょうね」
「……漆黒の獣の侵攻を防いだとはいえ、魔物は蔓延り、野武士などの荒くれ者が跋扈し、魔人の影響が残っているのですね」
作られてすぐ封印されてしまったため、僕は侵攻を経験していない。そんな僕が何かを言うのは間違っているとは思うが、この稲妻の現状を思うとやるせない気持ちになる。
なぜ民が飢えているのか、なぜ悪党が我が物顔でそこいらを練り歩いているのかを雷神に問いただしたい。絢爛豪華な稲妻城に鎮座して何をしているのかと聞きたい。
封印されたことも不満ではあるが、それ以上に統治者としての不足に腹が立つ。
「ベギダーさん! ザンディクさん!」
「どうした?」
「?」
この異国の二人の話はどれも胸躍るようなものだった。きっと、僕の外の世界への興味が尽きることはないだろう。それでも──
「僕はここでお別れです。僕は稲妻の守護者として悪党に苛まれる民を守りたい。雷電将軍が、幕府が見捨てた各地の民に寄り添いたいんです」
僕の存在意義は稲妻の守護者なのだ。そうあれかしと造られ、教えられたのだ。
そして、ここに確かに助けを求めている民がいる。ならば使命を果たさなければならない。
……どれほど後ろ髪を引かれたとしても。
「そっか。まあいろいろ教えてもらえたし、充分よ。また何処かであったらその時はよろしくな!」
「……本当は解剖してみたかったのですが力不足でした。ある程度の知識を身につけたらまた会いに来ます」
「……封印を解いてくださった恩もあるので通報なんてことはしませんが、できればもう二度と関わりたくはないですね」
「へ? 何で?」
「だってあなたたちは犯罪者なのでしょう?」
この二人はお尋ね者だ。稲妻の守護者としてはもう会わない方が賢明だろう。というかこの二人がなぜ稲妻国内を自由に闊歩しているのか。幕府の統治はうまくいっていないんじゃないかと言わざるを得ない。
「……ま、そっか。稲妻のひとからしたら俺たちは犯罪者か」
「そうでしょうね。研究のためとはいえ身分詐称、幕府の施設への侵入をしているのですから」
「そうだな。ま、安心していいぜ。今のところはこれ以上の騒ぎを起こすつもりねぇし!」
「ええ。それに稲妻の植生については資料が少なかったんです。その調査だけでも充分充実した時間が過ごせるでしょう」
「……そうしていただけると助かります」
「おう! それより蛍の件どうしようかな? もうそろそろ一日経つし刑に処されたりしてねえと良いがなぁ」
「……ある程度調査がすんだら出頭しますか。逃げているところを捕縛されるよりは、自首の方が量刑は軽くなるでしょうし」
「……」
こうして僕とお尋ね者二人は別れた。僕は野盗を、野武士を成敗し、民の生活を支える旅に向かい、二人は稲妻の植生の調査を行うための旅へと向かった。
「……お願いします。お二人のお力を貸してください」
「「……」」
僕がみっともなく頭を下げ、二人に助力を乞うたのはそれから一週間後のことだった。
──
「おそい! なんでベギダーは私のことを迎えに来てくれないの!? もしかして私のことが必要じゃなくなった? 女でもすり寄ってきたの? 何で? なんでなんでなんでなんで」
「なぜかしら……。ねぇ影、確かに幕府に人探しの命を下したわよね?」
「はい。早急に連れてくるようにと伝えたはずなのですが。なぜでしょうか」
私は検問でつかまってから半日ほど奉行所で取り調べを受けていたが、報告を受けた雷神と対面し身の潔白を証明することに成功した。
それどころか、雷神に歓待され仲良くなっていた。
一応ベギダーやザンディクのことは伝えたがお咎めなしらしい。どうやら検問は漆黒の獣関連で荒れていた時の名残で、もうそろそろ廃止しようと考えていたらしい。
雷神の雷電眞さんは話してみると案外気さくな人で私のこれまでの旅の話を楽しそうに聞いていた。お返し情報で稲妻のカップルに人気な観光名所や神社について教えてもらった!
その妹の雷電影さんは第一印象はぶっきらぼうな人だったけど炎の魔女の話をすると喰いついてきた。どうやら腕自慢らしく、強そうな存在については興味津々らしい。
ああ、もう! はやくベギダーとあいたい!
幕府の人間の手違いで二人が犯罪者として指名手配されていたと知ったのはそれから三日後のことだった。
──
僕が二人と別れてすぐ、たたら砂で鍛冶を営んでいる者たちを見つけた。彼らは幕府軍に武器を卸すほどの者たちでありながら、野武士の襲撃を受けたり、飢えにあえいでいた。
僕は進んで野武士を追い払い、イノシシを狩り肉を与えた。
彼らは僕に感謝し、快く寝床を提供してくれた。また、鍛冶についても教えてくれた。
力を振るい過ぎて鎚が変形したりといったアクシデントもあったが、丸二日かけて鍛えた刀はひどく格好が悪く、刃紋もほとんど出ていなかったけれども僕にとっては宝物だ。
悪漢退治や鍛冶の成功で気をよくしていた僕は他に何か困っていることはないかと聞いた。すると祟り神オロバシの残滓である晶化骨髄のせいで、たたら砂で鍛冶を行う者たちやその子供の体調が害されているらしい。
その時の僕はおろかにも栄養のある食事をすれば治るだろうと高を括っていた。
最悪でも薬を与えれば何とかなると思っていた。
でも──
「どうして!?」
充分な栄養を確保したのに、体調悪い者でも吸収しやすいように料理や素材も工夫しているのに子供はどんどん衰弱していくばかり。
周囲の村の医者に見せても一向に改善する見込みはなく、製造時に教えられた知識をもってしても僅かばかり熱を下げることしかできない。
僕の持つ知識は製造者である雷電将軍が稲妻中から根こそぎ集めたものだ。すなわち、僕の知識で無理ならば、ずっとこの場所に向き合ってきた者たちでも無理ならば今の稲妻ではどうしようもないということなのだ。
「くそ……」
自分が不甲斐なくてしょうがない。稲妻の守護者としてつくられたのに漆黒の獣の侵攻に立ち会えなかった。今もこうして目の前の幼子一人さえ救えない。
「僕にもっと知恵があれば……」
知恵……。そういえばあのスメールの学者二人はどうしているのだろうか。
もしかしたら彼らならどうにかできるかもしれない。そう思い、雨が降りしきる中鍛冶屋の家をでると──
「晶化骨髄って完全体のサンプルってなかったよな?」
「はい。教令院には欠片しかなかったですね」
「持ち帰るか!」
「そうしましょう」
雨の中にもかかわらず、好奇心の赴くままにフィールドワークする二人がいた。
僕は急いで二人のもとに駆け寄り、頭を下げた。
──
「へぇ……。現地の医者でも打つ手なしか。おいザンディク、俺がその餓鬼の容態見てる間に晶化骨髄のほう見とけ。晶化骨髄の影響を防げないなら、晶化骨髄自体を無害化するか消費するしかねぇ」
「ですね。現状、そこにあるだけでも魔神の残滓を周囲にばら撒いているので消費しきる方向で考えてみます」
二人は最初は出頭しに行くところだったらしく乗り気ではなかったが、しばらくの寝床や、できうる限りの資材の提供を申し出るとすぐに協力してくれた。
そこからは速かった。医者であるというベギダーさんは懸命に子供の看病、検査をしてくれ、そのおかげで子供は意識を取り戻し、容体が少しは安定した。
ザンディクさんは晶化骨髄の調査やベギダーさんの診察をもとに何やら機械の図面を描き、僕が集めてきた素材を使い三日ほどで機械を作り上げてしまった。
「……これは?」
「確か御影炉心でしたか。鍛冶の者らが玉鋼の精錬に使っているという機械の改良版といったところです」
「改良版?」
「はい。晶化骨髄を燃料にしたものなので従来のものより簡単に高温にすることができますし、これ一台で何人もが同時に鋼を鍛えることができます」
「すごい……!」
「すでに空気中にまき散らされてしまっている魔神の残滓に関しては、鋼を鍛える際に大量の空気を周囲から取り込むのでその際に回収します。使用した晶化骨髄から出た残滓は外に出ないように内部に集めておきます」
ザンディクさん、ベギダーさんは本当にすごい人だ。僕が影響を受けてしまった子供をどう救おうかと苦悩して諦めていたのに、二人は影響元を断ってしまおうと考え、行動したのだ。
ただ──
「本当なら適当な野犬、ネズミといった生き物に残滓を吸収させる方法を用いたほうが残滓を集める効率はいいのですが、どうにも時間が足りませんでしたね」
「まあまあ、これでも頑張った方だろ。中の生物をある程度生き永らえさせるには専用のスペースがいるからなぁ。時間的にも厳しいだろ」
ごく偶にではあるが、常識が無かったり、察しが悪かったりするし、怖いことを言い出すところがあるのが玉に瑕だ。
「あ、一応伝えとくぞ? こいつは急ごしらえだ。二か月程度は持つだろうが、それ以上は補償できねぇ。定期的にスメールの学者に見てもらえ。稲妻のサンプル採取手伝うとでもいえば来るだろ」
「もし学者を招くお金がないのでしたらダリオッシュ……教令院の学生を招くことをお勧めします。彼らは研究成果を上げることに必死なので精力的に見てくれるはずです。まぁ、腕に不安はありますがね」
「わかりました。定期的にメンテナンスをしてもらえるように今度人を送ります! 教令院の方に依頼する際はお二方の名前を出せばいいのですか?」
「……どうなんだろな?」
「さあ?」
「……へ?」
本当に大丈夫なのだろうか。いまから心配になってしまう。だけど──
「見ろよ! 火勢が安定するぞ!」
「火力よりもむらがない方がすごいだろ! 聞けよ、このしじれる音を!」
鍛冶職人たちが少年のように目を輝かせ──
「子供たちの顔色が良くなった?」
しばらくすると子供たちが血色を取り戻し、少しではあるが元気を取り戻すところを見ると尊敬の念が勝る。
「これが異国の知識ですか……」
「そそ。なんか稲妻は排他的だけど、受け入れるべきは受け入れた方がいいと思うんだけどなぁ」
「そういえばどうして稲妻は排他的なんでしょうか? 食料自給率を考えれば他国との交易、交流はもっとあってしかるべきなのですが」
「それは……。雷電将軍が時折話していたのですが、稲妻を外敵から守りたいと、今ある良き稲妻を変えたくないのだと」
「うわぁ……神様がそういうタイプだったのか」
「理解に苦しみますね」
「まあまあ。ここではいいですけど人目のある場所で雷電将軍を否定するような言動は控えてくださいよ? 不敬だと騒ぎになりますから」
やっぱり海の外の人間は面白い。雷電将軍に対して、幕府の眼がないとはいえ、こんなにも不敬な態度をとれるのも新鮮すぎて驚嘆する。見てくれはただの外国人にしか見えないのに、その実、稲妻の水準を大きく超える技術者、研究者なのも落差がすごい。
もしも暇ができたら、後任が生まれたら、稲妻の民が自立できるほどに強くなったなら……。
「僕も旅に出てみたい……」
そうだ、今のうちに先達の二人に聞いてみよう。旅をするときの注意点だったりを。
何処を旅するのがおすすめなのか、教令院で学んだりはできるのかも聞いてみよう。
あとは──ん?
「ベギダーさん、ザンディクさん! 逃げて下さい!」
「へ?」
「何かあったのですか?」
「何者かが周囲を取り囲んでいます! おそらく幕府の人間です!」
僕がそう言い終わると同時に扉が蹴破られ、やはり幕府の人間が押し入ってきた。僕は逃げ出すことができないと瞬時に判断し──
「すみません!」
「ちょっとぉぉぉお!?」
近くにいたベギダーさんを窓から全力でぶん投げた。
──
「どうやら貴女の仲間を見つけたらしいわ!」
「それ本当なの!? 眞さん!!」
「ええ! 影から聞いたから間違いないわ!」
「やった!! 本当にありがとう!」
稲妻入国から一週間経ち、私がさらに雷神と仲良くなったころに吉報は届いた。
幕府のやつらがベギダーたちをまるで犯罪者みたいな扱いで捜索していたと知って激怒したり、全然迎えに来てくれないベギダーたちに焼き餅したりもしたが、ベギダーと再会できるなら無問題!
「ただ……、ザンディクさんは連れてこれたらしいのだけど、ベギダーさんは逃亡しちゃ──」
「は?」
どういうことかな? そりゃザンディクと再会できるのも懐かしくてうれしいよ? でもさぁ──
「それは違うじゃん?」
ただ、詳しく話を聞くとベギダーをとり逃したのは現地の者が逃亡を手引きしたためらしい。今はザンディクと協力者を連れてきているとのこと。
へ? てことはベギダー独りぼっちなの?
ダメだよ? ベギダーは寂しがり屋なんだから、一人にしたら可哀そうだよ。
「どこへ行こうとしてるの!?」
「へ? ベギダーのところだけど?」
私は今にも城を飛び出しそうだったが──
「そのベギダーって人のカッコいいところ見てみたくない?」
「見たい見たい!」
眞さんの口車に乗せられて一旦は稲妻城にとどまることにしたのだった。
「じゃあ影にも一肌脱いでもらいましょう。ふふ、面白いものが見れそうね」
──
「これはどういうことだよ……」
ザンディク、封印されし者の二人と離れ離れになった俺は手掛かりを求めて城下町へと戻ったのだが、城下町にはおかしな告知がされていた。
「『密入国者ベギダー・コーエンは直ちに出頭せよ』だぁ……?」
終わりや。もう俺の旅は終わった。絶対に雷神さんぶち切れてるじゃん。
いや、武装可って書いてるけどさぁ、これって一騎打ちだよね!?
弁明を求めてるとかじゃなくて、刑法に則っての確実な死か、魔神と戦ってほぼほぼ死ぬけどワンチャンある、のどっちか選べってことよね、これ?
逃げたいけど『出頭しなかった場合、ほかの仲間とは永遠に会うことは叶わない』ってあるしなぁ……。どうしよ?
──
「頼もう!」
はい。もう逃げ切れる気もしないし出頭いたしました。もうやけや!
一騎打ちは相手の土俵だからまず勝てない。ならもう話し合いしかねぇ()
「……見たところ貴方は武器の類を持ち合わせていないようですが?」
「この口こそが武器です!」
「嚙みつくとでも?」
「いえ、貴方様に噛みつけるほど立派な口ではありませんが、永遠について語ることができる口です!」
「ほう……」
よし、食いついた。傾奇者がこの情報を、雷電将軍が永遠に傾倒していると教えてくれなければ話す状況さえも作れなかった。
「まず、永遠とは何ですか! 変化しないことでしょうか?」
「その通りです。現状を変えるということは、今ある稲妻がなくなるということです」
ここから先は俺が頑張るところだ。
ただ、敢えて言うならば、雷電将軍を納得させるには稲妻の事例を用いるしかない。なぜなら、彼女が庇護するのは稲妻のみだからだ。スメールの日々成長する自然の力強さ、凛々しさを語ろうとも彼女はそれを知らない。研究による発見、イノベーションの偉大さ、与える影響について力説しようと彼女は、稲妻は享受したことがない。
相手の立場になって考えるという、コミュニケーションの基本だ。最近離月で知り合った夜叉の浮舎に聞いたばかりのことだが、コミュニケーション能力の乏しい俺にとっては金言も金言。使える知識は分野を問わずに総動員や()
「いまある稲妻とはなんですか?」
「知れたこと。雷神が庇護し、幕府が統治し、民が日々を謳歌する。城下にほど近い河川敷で打ち上げられた花火を仰ぎ風流を知り、歌仙を讃える光華容彩祭で雅を思う。それが私が思う稲妻です」
「……」
ほほう……。案外、雷電将軍は稲妻のことをちゃんと見ているらしい。こりゃ手厳しいかもしれない。
前情報では漆黒の獣を切って切って切りまくる武人としての逸話しか聞いたことがなかったし、現地で情報収集した結果も散々で、曰く、雷電将軍の従者は魔物に飲み込まれながらも内部から切って出てくる戦闘狂である。曰く、その従者は雷電将軍に弓を引いたが、将軍が造作もなく下した。曰く、一太刀のもと魔神を消滅させた。
……一つたりとも治世についての話を聞かなかったのだ。だが、まあそれもそうか。民が求めているのは悪い魔物をやっつけてくれる救世主。雷電将軍の武力のみを見るというのも分らない話ではない。
「今ある稲妻は私と私と志を同じくした者たちが身命を賭して守り抜いたものです。民が長年をかけて積み重ねたものです。幾人もの勇士が、立派な人物が命を落としながらも紡いできたのです。彼らと共に生き、しかして生き残った私には彼らの残したものを紡ぎ続ける義務があります」
そうか。合点がいった。雷電将軍は変化そのものではなく、変化によって失われるものばかりを見ているのだ。俺が未知を既知に変えた時の得難い喜びをなによりも貴ぶように、将軍もまたかつての戦友たちに託されたものを後生大事に抱えているのだ。
変化によって得られるかもしれない利益よりも変化によって失われるであろう損失を畏れている。故の不変、故の永遠。
方向性は決まった。俺はこれから将軍の考える永遠が不完全だと証明しなければならない。
「確かに、この国を守り抜いた勇者たちのためにも稲妻は生き永らえなければなりますまい。将軍の為そうとされていることは国を百年は存続させるでしょう。しかし、二百年後には民は貧し、三百年後には幕府が国が貧し、五百年もすれば滅び去るでしょう!」
「──今、なんとほざきましたか?」
圧とでもいうのだろうか。元素力を見れない、感じれない俺でさえも空気中を奔る稲妻を想起するような、ピリピリと肌を刺すような得体のしれないものを感じられている。
表情こそ平静ではあるが、だれがどう見ても将軍は怒り狂っている。だけど──
「貴女のやり方では稲妻は衰弱死すると申し上げているのです!」
こっちだって、俺だってとっくのとうに堪忍袋の緒が切れてんだよ!
仲間を、蛍と離れ離れにされた。そのせいでいろいろな苦労を掛けられた。
今みたいな弁論、交渉を口が達者なザンディクに押し付けられなくなった。
戦闘を蛍に押し付けられなくなった。
挙句の果てに、俺が出頭しないと仲間とは二度と会えないと思えって脅されるしさぁ!
何で俺がこんな目に遭わないといけないのか。責任なんか背負いたくねぇ。
だからこそ俺は何としても大事な仲間を取り戻し、こんな窮屈な国からおさらばしてやるのだ。仲間を取り戻し、責任をザンディクあたりに押し付けられる悠々自適な旅を再開するのだ。
「貴女たちは確かに平穏を勝ち取りました。もはや、外敵による稲妻の武力制圧は叶わぬでしょう。しかし、内側についてはどうですか?」
「内敵がいるとでも?」
「違います。内側というのは民です」
「民?」
「平和はよいものです。戦死者が生まれませんし、病気のものに対して労力を割けるようになります。それ故、民草は増え続けるでしょう」
「それはよいことでしょう」
「今はその通りです。漆黒の魔物によって被害を受けた村落、建物を復興させたのは、魔物どものせいで途絶えていた祭りを、伝承を復活させたのは漆黒の魔物の侵攻を生き残った者たちの、戦後世代の不断の努力によるものでしょう! しかし、これからはどうなりますか?」
「これから?」
これは以前教令院で議論されていた議題だ。平和な世界で、人類社会はどのように推移するのか。これについては教令院で一つの仮説が立てられている。
「死傷者がいなくなる分だけ人口は増えます。人口が増えればその次の世代もさらに多くなるでしょう。稲妻という限られた国土に対して増え続ける人口。国土が限られている以上、数世代もすれば人々は稲妻の資源を消費しつくす!」
「……」
「不変によって残るのは不毛の大地のみ。かつての風流、雅さなどかけらもありはしないでしょう!」
現状のままでは、衰弱死を迎えるという仮説だ。
「ではどうすると? 民の増加はテイワット各地で起きるでしょう」
「そこで変革者、我々研究者の出番です」
そう、現状のままでは衰弱死。ならば変えればいい。
「我々は数百人が快適に生活できる建築物を稲妻城よりも小さな規模で実現し、安住の地を民に提供できます」
建築の発展は野武士みたいな居場所のない奴らさえ一城の主にしてみせる。
「我々は疫病に強く、今の5倍は実る稲を作り、皆を腹いっぱいにさせることができます」
農業の発展は餓鬼のお腹が減ってすすり泣く声を元気に喚く声に変えてみせる。
「我々研究者が引き起こす変化は決して稲妻を損なうものではないのです!」
現状に不満があるなら、未来に不安があるなら解消してみせる。それが研究者の、教令院の使命だ。
「わかりました。確かに私の不変には欠点があり、変化することでさぞ大きな利益を享受することができるのでしょう。では、研究者を自負する貴方は何をもたらすことができますか? 稲妻をよくすることができますか?」
「それは──」
言葉に詰まる。俺が専門とするのは医療や生物方面。せっかく集めた漆黒の獣に対する知識も、侵攻を退けた今の稲妻にはいらない情報だろう。医療も稲妻の伝統療法などに対する知識が不足している今の俺では改善することなぞできない。
何かないか? 簡単な技術で見る者全員を感嘆させることができる何か。
まずい。雷電将軍が怪訝そうな顔をし始めやがった。冷や汗が──あ!
「将軍、一つお願いがあります。これに火をつけてもらえませんか?」
「? いいでしょう」
将軍が雷をまとった剣を振るうと、その高熱で俺が取り出した分厚い日記帳に火がつく。
かなりもったいない気もするが、記録はまた今度すればいい。俺のこれまでの功績が後世に伝わらなくとも、これから為す偉業を後世に伝えればいい。
俺は断腸の思いで燃え盛る日記帳めがけて油をぶっかけてさらに大きな、高温の炎にする。
充分な火勢であると判断し、リュックの中から塩を取り出して炎にかける。
『おいおい! なんだありゃ! 炎が黄色になっちまったぞ?』
すると、炎の色が変わり、それを見た観客の一般人が驚きの声を上げる。教令院ならだれもが知っている炎色反応。基礎的な研究の産物だが、見た目だけはよい。
『黄色だけじゃない! 紫にも、緑色にもなってやがる!』
さらに、セシウムやらバリウムやら、教令院からくすねてきた素材を惜しみなく消費する。素材はまた教令院から無断で拝借すればいいが仲間はそうじゃない。
「俺は、夜空を彩る橙色の花火を青紫色にできます! 黄緑色にも、黄色にも、何色にだって変えることができます! もしもこの先、俺が旅を続け見聞を広めたなら、知見を深めたなら、稲妻が、テイワットが未だ見たことのない景色を、世界を作って見せます!」
──
私の眼前の男によって燃え上がる炎が次々と色を変える。
様々なことを経験してきたはずの老人たちでも形容できないほど、幼子が思わず魅入られるほど鮮やかだった。
一瞬の静寂の後──
『すげぇ……!』
『そんな花火があったら見てみたい!』
『夏祭りがもっと賑やかになるぞ!』
『それよりも、米が疫病に強くなるってのは本当か?』
歓声が爆発した。どよめきは瞬く間に広がり、人々は口々に未来の祭り、生活について語り始めている。
誰もがその光景を想像しているのだろう。
夜空を埋め尽くす色とりどりの花火。
自分だけの住居を得られる未来。
飢饉に悩まされることのない未来。
今まで見たことのない景色。
新しい風流。
新しい雅。
新しい稲妻。
それらはまだ存在しない。
存在しないにもかかわらず、人々の心を掴んでいる。
「……」
いったい、いつぶりだろうか。民がここまで明るい表情を見せたのは。
変化を肯定する声。
未来に期待する声。
それらが広場を満たしていた。
「雷電将軍。私には今の稲妻を永遠に存続させる方法は思いつきません」
男が、ベギダー・コーエンが口を開く。そして、いつの間にか彼の言葉に聞き入っている私がいた。
「言語は変化します。流行も年によって変わります」
確かにそうだ。二十年ほど前に神子から教えてもらった流行語? とやらは今の幕府の者には通じなくて恥ずかしい思いをした。
「家屋は朽ちますし、地形も変化します」
……確かに稲妻城とて増改築を繰り返している。私にはわからなかったが老朽化があったのだろう。
男は続けて言う。
「より良い稲妻を次の世代へ残すことはできる」と。
「今より豊かな暮らしを、今より美しい景色を、今より賑やかな祭りを生み出せる」と。
「今日の稲妻を土台に、永遠に進化し続ける稲妻を生み出すことができます!」と。
そして──
「雷電将軍もう一度お尋ねします。あなたの守りたいものは何ですか?」
もう一度問われる。私の望みを。
「この立派な稲妻城ですか? 野武士や宝盗団が蔓延り、飢える民のいる窮屈な稲妻ですか?」
違う。私が守りたいのは──
「民の生活です。民が絶望することなく、親しきものと夏の花火を楽しむことができるような、安心して眠ることができるような、おいしいものをたくさん食べられるような日常を不変なものとして残したいのです」
姉が愛しているという稲妻、民の生活。私はそれが堪らなく愛おしいのです。影として姉を、天理に否定されようとも雷電眞を支え続けたいのです。この稲妻という場所で、ずっと……永遠に。
以前、同伴者の蛍さんから聞いていたベギダー・コーエンという人間はあまり好ましいものではありませんでした。研究を否定したいわけではありませんが、大の男が少女の後ろに隠れるとは何事かと憤慨していますし、蛍さんの恋心に応えないのも不誠実だと思います。
それでも、稲妻の英雄たちと同じような立派な志を持つと知りました。武力が無ければ魔物や他者に害される、自衛すらできないような時代を武ではなく知恵によって変革しようという心意気も好ましいものです。
今一度思います。私は人間が好きです。私を慕い、武の道で競おうとする者もいれば、私の志に理解を示して支えてくれるものもいる。今こうして私に否を突きつける勇気を持ち、大志を抱いて私の前で論陣を繰り広げる者もいる。今日の出来事を経て、益々その気持ちは強まったことでしょう。
余韻に浸るのもここまで。切り替えましょうか。
今でも影武者である私にこの弁論を押し付けてきたことには納得していませんが、今は私が雷電将軍です。姉の顔色をうかがうことなく結論を下しましょう。まあ──
「ベギダー・コーエン。仲間を連れて諸国を周りなさい。見識を広げ、稲妻を、テイワットが永遠に繁栄し続けるための礎を築き上げて見せなさい。そうすればきっと、あなたの名前は永遠に語り継がれることでしょう」
天守閣からこちらを笑顔で見ている姉も同じような沙汰を下すと思いますが。
──
「やっと迎えに来てくれた! 私の首長くなってない? 待ちくたびれたんだからね!」
「安心しろ蛍。お前はちびのまんまだ」
「……」
蛍との会話も──
「先輩、ありがとうございます。先輩のことなので見捨てるんじゃないかと気が気でなかったですよ」
「全くだよ。もしお前がつかまってなかったら蛍と傾奇者の代わりにお前を差し出してどうにかしようと思ってたのになぁ…」
ザンディクとの会話も─
「ベギダーさん、本当にありがとうございます。あの雷電将軍に対してその貧相な体で挑んだときは本当に驚きました」
「傾奇者、お前ってナチュラルに毒舌だよな」
傾奇者との会話も久しぶりだとうれしく感じるものらしい。頑張った甲斐があるというものだ。ただ──
「ベギダー・コーエン一行の感動の再開を祝して乾杯しましょう!」
「私からもささやかながら祝いの品を用意しました。私手ずから作った稲妻料理です」
「……。ごめんなさい、旅の仲間だけで話したいことがたくさんだと思うから私はいったん席を外すわね?」
雷電将軍たちも同席とか聞いてない。へ? なんで雷電将軍が二人いるの? 蛍が言うには双子の神様らしいけど俺みたいな一般人が知ってもいいやつなのこれ?
「姉上?」
「また後で会いましょう!」
そう言って雷電将軍・姉は微笑みながら足早に退室していった。
なんだろう。妙な違和感を覚える。
部屋に残されたのは俺たちと雷電将軍のみ。
そして机いっぱいに並べられた料理? みたいなやつ。
「あの……雷電将軍の妹さん? こちらは?」
「よくぞ聞いてくれました! 稲妻の特産である海産物をふんだんに使用した海鮮丼です!」
自信満々で海鮮丼と答える雷電将軍・妹。だけど──
「なんか焦げてる気が……」
「どうかしましたか?」
焦げてるよねぇ!? 海鮮丼ってあぶったりとかないよね? でもなんか焦げてる……いや炭だよこれ……。
「いや……、城下町で食べたものとはだいぶ違うなと思いまして」
「さすがです。目の付け所がいいですね。これは雷電将軍へと献上された上物をふんだんに使用したのです!」
将軍に献上されてるなら毒はない。詳しく素材や調理法について尋ねてみたがおかしいところはなかった。といううことは理論上は食える!
「え? 逝くの? 嘘でしょベギダー……」
蛍は食わねえつもりか!? 大丈夫だ理論上は食用のはずなんだ。
「確かに、将軍の妹の発言を基に考えればこれは食べ物です。行きましょう」
ザンディクも食べるみたいだ。
「すみません。僕はあいにく食事の要らない体でして……」
おい傾奇者! お前は前に鍛冶屋でうまそうに饅頭を頬張ってただろうが! こういうときだけ逃げるな!
「まあいい。未知を恐れては発見はできんからな」
「その通りです」
俺たちは自分たちの計算を信じて、勢いよく炭化したように見える物体を口に運んだ。
──
「……ウッ」
「──ッ」
俺たちが意識を取り戻したのは一日後のことだった。
やっぱりヤンデレって難しいね……。先駆者の皆様はどうしてあんな風に高純度な病みを書けるの?
誤字脱字、解釈違いなどありましたら是非教えてください!
……筆者は魔神任務はスメールで止まってる&たまに遊ぶくらいなのでイベントもそんな参加していない状態なのでここからさらに遅筆になります(宣言)
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