約6年ぶりに新作を投稿させていただきます。
mygoの方も投稿させていただくので、そちらもよければと思います。
「…………」
「……わ、私!悪くないもん!」
そう叫ぶ彼女を隣目で呆れるように見つめる自分は
目の前で繰り広げられている惨状に呆れを通り越していた。
「……どうやったら……ここまで酷くなるんだ……」
「私!悪くないもん!」
「それしか言えないのかよ…」
隣に居るのは、幼馴染の一つ年下の二葉つくし。
唐突に家にやってきて、料理をするからと息込んだのはいいものの、目の前にはダークマターが大量にあった。
何故こうなったのかを聞くと、「私、悪くないもん」の一言だけ。
「だって、私_」
「はいはい、それはいいから……」
悪くないもんbotになっているつくしを止めて、ダークマターになった食材を手に持って口の中に入れた。
うん…見た目はともかく食べれる味ではあった。
「うん、美味しい」
「つーくん!本当!?」
そう喜ぶ彼女のツインテールの髪が元気よく弾む。
「うん、見た目はともかくね」
「次は成功できるように頑張るね」
「いや、キッチンには立たせないわ」
「なんでっ!?」
いやいや…あくまで美味しいとは言ったけど、見た目もそうだが……
片付けしないといけない食器の山を見てると……もうキッチンに立たせようとは思わないな……
「それはそうでしょ…としか……」
「だからなんで!?」
**********
「って事があったんだけどさー」
「月君も苦労してるんだね」
「本当だよ」
幼馴染との一件があった次の日、俺は羽沢珈琲店に居て、ここの看板娘の同級生のつぐみちゃんに愚痴をこぼしていた。
「そういえば、うちで働くって話はどうなったの?」
「両親に聞いたけど、問題ないって」
「それなら、明日からうちに来てくれないかな?」
「そんなに人手困ってたっけ?ここ」
「うーん…そうじゃなくて……」
そう言う彼女の視線を辿っていくと、『Pastel*Palettes』通称パスパレのキーボード担当のイヴちゃんが居た。
「イヴちゃん関係?」
「うん…最近は減ったんだけどね。厄介なファンも多いからさ…」
「アイドルって大変だよねぇ…」
そう言いながら、コーヒーを一口飲む。
うん…美味しい。
「バイとの話はもうちょっとだけ考えていい?」
「もちろん、月君次第だからね。お父さんは来て欲しいって言ってたけど」
「あはは、信用して貰って嬉しいかな」
つぐみちゃんは、他のお客さんに呼ばれてそっちに向かっていった。
看板娘なのもあって、彼女もまた人気者だ。
「つっきーさんじゃないですか」
話しかけてきたのは、イヴちゃん。
彼女からは、つっきーさんと呼ばれている。そのあだ名を作ったのは。うちの学校の生徒会長である日菜先輩。おかげで学校ではつっきーと呼ばれてしまっている。
「イヴちゃん、最近はどう?」
「はいっ!良い調子ですっ!」
「それは良かった」
元気よく言ってくれるイヴちゃんを見て、こっちまで嬉しくなる。
「そういえば、彩さんがつっきーさんに会いたいって言ってました」
「彩ちゃん……アイドルの自覚持って欲しいなぁ…」
「千聖さんにそう言われてました」
「流石千聖さん。分かってるね」
なんかあの人、苦手とまではいかないけど、なんか怖いんだよね。
ベースを教えてと言われて教えた事もあったけどなんか怖い。
担当楽器は、ドラムだっての。ベースは違う人に教えて貰ってくれ
「それはそれとして、久しぶりにつっきーさんのベースを聞いてみたいです」
「また機会があったらね?」
「はいっ!」
「つぐみちゃん、そろそろ帰るね」
「また来てね。それとバイトの話も」
「うん、また学校で」
つぐみちゃんを見てると、つくしには見習ってほしい所が多いよなと思う。
まぁ…無理か。しっかりとしてる所はあるけど、変な所は抜けてるし。
「つーくん」
そう自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきたので、振り向くとそこには
「なんだつーちゃんかよ」
そこに居たのは、ここらでお嬢様学校として有名な月ノ森の制服を着たつくしもといつーちゃんが居た。
緑色の服を着たつーちゃんも似合ってるなと思う。
「何か不満なの?」
「ううん、変わり映えしないなと」
自分がそう言うと、つーちゃんは自分のお腹を叩いてくる。
「叩くのは辞めて」
「つーくんが悪い」
「仮にも月ノ森に行ってるんだから、周りには気を付けた方がいいぞ」
「みんながみんな、お嬢様じゃないから」
「そうかい」
そう言って、家のある方向に向かって歩き出す。
つーちゃんも慌てて、隣に駆け寄って同じスピードで彼女もまた歩き出す。
「この後暇?」
「家に帰って宿題するだけだし、暇といえば暇だけど」
「良かった。私、この後楽器屋行くんだけどさ」
「うん」
「つーくんもどうかな?」
つーちゃんはそう声を掛けてきた。
「ドラムだっけ?」
「うん、同じ学校の子達とバンド組んだからね」
「つーちゃんがドラムをやるなんて思ってなかったわ」
「つーくんが言ったんでしょ。ドラムは楽しいよって」
「まぁ…言ったけど…」
中二の時に、俺にもバンドを組んでいた時期もあった。
解散したけど。その時に小6だったつーちゃんにドラムは楽しいと言った記憶がある。
「だから、ドラムやりたかったんだよね」
「へぇ~」
つーちゃんの言葉を聞いて、俺はそう話を流す。
「ちょっと!話はちゃんと聞いてよ」
「聞いてるって」
頬を膨らませて苦情を言ってくるつーちゃんにそう返す。
「それにしても、月ノ森でバンドねぇ~つーちゃんも面白い事するじゃん」
「うんっ!だから、つーくんにも協力して欲しいなって」
「何を?」
「私たちのバンドのお手伝い」
主人公紹介
名前 五十嵐月
誕生日 9月15日。つくしちゃんと一年違い。
担当楽器 メインはドラム。サブにベースとギター
学校は、共学になった羽丘です。
同じ学校じゃないのは、月君がつくしちゃんのお母さんに、月ノ森に行くよう説得したから。理由はまたいつか書けたらと
パスパレ、Afterglowのメンバーとは知り合いで、Afterglowの五人とは同級生。
つぐみちゃんとは特に仲が良かったりする。つくしちゃん程ではないけど。