あ、知らない天井だ。
このセリフは一度だけでも言ってみたい気がしていた。
とりあえず起き上がろう。そして、ここはどこだろう?
身体中からたくさんの管や線が出ていたがどうにも記憶がない。どこか痛ければ変わっていたんだろうけど。
ベットから起き上がった自分はなにも着ていなかった。とりあえずシーツを羽織っておこう。
ドゴォンという音が時々響く。それに伴う揺れ。本当にここはどこだろう?
いくつもの開け放たれた扉と消えかけの蛍光灯。この通路は薄暗いどころではない。
時々視界の隅にうつるのは赤い光と青い光。そのどちらも振り向いたときには見えなくなっている。
しばらく歩くと先の方に光の漏れている扉が目に入った。とりあえずそこを目指してみる。
カサッ
後ろから物音がした。振り替えってみるが何もない。
光の漏れている方へまた歩き出そうとしたとき、ドンと後頭部を鋭い痛みが襲う。
それと同時に意識を手放した。
僕は目を覚ました。
「知らない天井……ではないか。」
とりあえず起き上がる。
「あうっ」
痛む後頭部をを押さえながらベットから降りる。
「ここは?」
知らないわけではなかった。ここは僕の家だ。
「とりあえず学校行かなきゃ」
そう、学校に行かなきゃいけない。だって中学生の本分は勉強をすることだから。
「今日の朝食は何にしよう?」
パンがあったはず。あとは牛乳と玉子が。
「おっつ?」
どちらも賞味期限が一昨日までだ。どうしよう。どちらも中る
あたる
と面倒だからなぁ。
結局トーストのみで済ませた。
制服に着替えとりあえず学校に行った。
「おはよ、あつし」
「あぁ、おはよー」
そう、僕の名前は遠藤篤。もちろん男です。
「どうにかしてくれよぉ」
「何かあったのか?」
どうやら何かあったらしいのですか、よくわかりません。日本語でお願いしますって初めて言った。
「ヨッス、篤」
「おはよー」
後ろから声をかけてきた。ビックリするからやめてほしいのだが
「へぇ、そういうこと。」
「何で理解できたんだ?」
どうやら猫が家を荒らして困ってるって言ってたらしい。こんな簡単な日本語も言えないのかと驚いた。
しかしそれ以上に理解できたことに驚いた。
「簡単なロジックさ。三角関数でこれはこうで…………」
もうワケわかんない。会話に普通習ってもない三角関数なんて出てくるのかよ。
てか、三角関数でどうやって謎解きしたんだよ。
そんなこと考えているとどうやら説明は終わったみたい。
「で、どうしたらいい?」
「もう、スルーでいいよね?」
「酷くね!?」
つい言葉に出てしまった気持ちは取り返しがつかない。まぁ、いっか。
そんな風にこの物語は始まった。
……と思う。