本当に
学校に着いた頃には既に皆が体育館に集まっており、長い長い長くて気絶者の続出する校長先生のありがたい、しかし内容の薄い話が終わりかけていた。
ギィ
立て付けの悪い体育館の重い扉を開ける。数人の目がこちらに向いたがすぐに視線は校長先生に戻った。
頭を撫でられる、心地のよい感触。ここでホニャと表情が緩む。それを見られていたのか、隣でニコニコして嬉しそうにしている。
(しまった)
と、思うも既に遅く
「ねぇ、気持ちよかったの?ねぇ?」
と、小声でひつこく聞いてくるから質が悪い。しかし、この人何しに来たんだろ?僕はもう列に戻るだけでいいのに。
「君もこっちをおいで?」
今度は手を繋がれて引っ張られる。教員が並んでいる列に。
(えっ!?先生だったの?)
「そうそう、忘れていた、今学期から新しい先生が赴任してきた。のて、紹介しようと思う。しかしここまで来てもらうのに少し歩いてもらわなければならない。大丈夫かな?」
「大丈夫だよー。この子もつれていっていい?」
「構いませんよ。」
(なに二人で話進めてるやがる……)
「いいじゃない、ダーリン」
(はぁ!?だ、ダーリンだと。さっきまで小学生とか言ってたくせに。まぁ、いいけど、静かにして)
「なら、これもいいのね。」
(こ、恋人繋ぎだと、)
なんだか回りがザワザワとうるさくなってきた。それと同時に何人かが起き上がった。
(校長先生の話は興味なくても人の色恋には興味あるんだね……)
「そ、そこ、な、な、な、なにしてる?」
「何って、ダーリンとイチャイチャ?」
「だ、ダーリンだと……。息子をお願いします。」
(え!?先生?僕は息子でもないですよ。それにこの人とは初対面です。恋仲なんかじゃないです)
「ひ、ひどい、私をもてあそんだのね」
とか言いながら手を離さず、両の手を胸の前で交差して胸を押さえる。
(わ、わぁ⁉)
「は、離して下さい……あ、当たってます……///」
「え?なに?そのまま私を傷つけて離れていくのね……」
(そんなとこしない。ただ柔らかいなにかに当たっている手をそのままにしておくのは精神的にやばいのです。早く離して下さい。)
「もう、それなら約束してくださるのね、結婚を」
「そ、そんなことは……」
「やっぱり、私を傷物にしてポイするのね」
だんだん回りからの目線が痛くなってきた。
(ど、どうすれば……)
「あっくんはどうしたいの?その人と結婚をしたいの?するならお母さん許して上げる。」
「お母さんからの許可も出たし、君も心決めて。さぁ!」
(……もう、帰らせてください。もう、学校何て来ないから。なんか恐いから)
「怖がらせるつもりはないのよ?ただのスキンシップだし?」
もう、校長先生のことなんか気に止めてない人たちは篤の回りに集まってきて、談笑を始めた。何て人徳のない校長先生なんだろう?なんて思わない人もいないこの瞬間は、どうも篤のためだけにあるようだった。
「あっ、あっちになにか!」
「残念だけど損なんじゃ騙されないからね?」
「け、けど、あれはやばいと思いますよ……」
(冗談でなく逃げたくなった。まさか)
「まさか、校長先生である私がマシンガンを構えてさらには発砲しようとしていとか言うのかい?」
「そ、そうです。って……」
「に、逃げなさい、あっくん!早く、あれは、あれは!」
(な、なんだっていうんだ!って、手を離して下さいよ!)
「逃がさないからね?まぁ、今回は向こうも本気らしいからね。こっちも本気でいこうかね。吉本かのん!今回は手を貸して上げる。対価はまぁ、わかるでしょ?」
「……うん、仕方ないか。あっくんをお願いね。」
(え?なに?え?)
逃げるお姉さんに引っ張られ走る篤は全速力であった。走り出してすぐ後ろからは発砲音が聞こえてきた。それは、この物語においてはじめての大きな敵との対立であった。
「お、お姉さん。お姉さんは誰なの」
今聞くべきことじゃないことは篤もわかっていた。いたが、聞かないとこの先書きづらい。
(ちょ!作者さん!)
「仕方ないね。私はね、まだなにも決まってないの。久しぶりの投稿でね、誰が何してたとか、そもそも人の名前すら覚えてない状況なのよ?そんな作者が私のことなんか考えてるはずないじゃない」
(メタい……)
「じゃなくて、私はね、キョーコの姉のキョーカよ。」
(今作った感が……)
「なに?」
「な、なにもないです」
しかし、校長先生だけが敵であるとは思えない。ということは、ここら辺で新しい敵が来てもおかしくないはず……
(なんて考えても)
「ちょっ、それフラグ、篤くんそんなフラグやめて!」
反論はする余地がなかった。なぜなら後ろからも前からも、そして下からも敵が来ていた。
「なんで、下からなのさ!」
何て言っても状況は変わらない。敵は皆、銃火器で武装していた。
「はぁ、もうだめかもね」
「諦めるんですか?」
「いや、敵さんがよ?私たちは別に諦める必要ないからね?」
「え?」
「だって」
キョーカはそう言いながらポケットから紅い玉を出した。
「まだ、これがあるからね」
「それってまさか」
篤にはそれがなにかわからなかったが似たようなのを見たことがあった。夢の中で。
「まぁ、あなたにはわからないかもしれないけど、これはねこの世界の心臓なの。まぁ、これが壊れればこの世界は無くなってしまうんだけどね。けど、これがこっちにある限り、敵さんは手を出してこれないからね?」
(とか言いながら、校長先生は攻撃してきたのを僕は知っている。期待はできない……)
パーンと、乾いた音がその場に響いた気がした。
どうもです。
亀更新?ほど早くない更新です。
すみません。