頭が悩みますわい。芯はブレないよう気をつけてますが、気に入ってくれてるかは別物ですし。
まだまだ拙いの脱せれないですが、続きをどうぞ
本日は開国祭が行われる日。
テンペストでは招待した各国の王様や貴族たち、一般人がリムルの演説が始まるのを待っている同時刻、カナタの庵でも支度を整えていた。
「さて、行くとするかの。構わんか?お嬢さん」
「えぇ、良いわよ。でも、前夜祭を断るだなんて………人見知りなのかしら?カナタは」
「貴族でもない、代表でもない者が行くものではなかろうて」
何時もの着流しの和服と白いドレスを着たカナタと少女は玄関出て歩きながらそんな会話をする。
数日前、報告役としてやってきたソウエイから開国祭の日時を伝えられて、その折に前夜祭にも参加しないかと話してきた時にカナタは断ったのだ。そういうのでやってくるのは、各諸国の王や貴族などの地位が高い者たちだらけ。その中に隠居の自身がいるのは如何だとカナタは思ったからだ。
報告役でいたソウエイへと、リムルに伝えるよう告げるカナタに頭を下げて承諾するソウエイ。おかげで、その報告を聞いた時にリムルはちょっとしょんぼりしたとかしなかったとか。
開国祭もそんな高待遇を受けるつもりは毛頭ないので、普段着である服装で行くつもりでいたのだ。少女は常に白いドレスなので、容姿も合わされば何処かの高貴な家の娘と勘違いされそうだが、当の本人は何も思ってない。
「さぁカナタ、未知なる甘いものを求めてすぐに行くわよ!」
「お主の原動力、遂に甘味がメインになりそうじゃな」
目をこれでもかと輝かせながらテンペストの方角へ指を差しながら宣言をする少女に、ちょっとため息つきながら向かいだすカナタ。少女の足並みを揃えるように移動し始めた為、ほぼ全力疾走クラスになってるが、誰か見てるわけでもないので気づかないのであった。
◇◇◇◇◇
「ほぅ……これはなかなかに賑わっておるな」
テンペストに到着したカナタは、開国祭の賑わいに感心するように見渡していた。道路の両端には色んな出店があり、道歩く人々が立ち止まっては買って食べたり、珍しい商品を眺めたりしていた。
前に訪れた時はファルムス王国の兵士による無残な出来事があったが、今回はそのような事は起こらなそうな感じの雰囲気に自然と笑みを浮かべてしまう。
「カナタ!この祭りの間に甘いもの全種を制覇するわよッ!クエスト開始よ!」
「そんなクエストあってたまるか」
少女はそんな雰囲気なんて知ったことかと言わんばかりに、カナタの何も存在してない靡くだけの左の裾を掴んでキラキラ輝かせながら店に指差し告げてくる事に即座にツッコミを入れてしまいつつ歩く。
「うわぁ………凄いぞあのおじいさん」
「うんうん、見た感じ古強者ッ!って感じね」
「何処かの冒険者か?武闘大会とか迷宮攻略とかに参加するのかな?」
通り過ぎていったカナタたちの背を見ながら、祭りを楽しんでた人々はそんな言葉を口にしていたが、カナタはそれに気づくことはなかった。
目についた甘いものを買ってはパクパクと幸せそうに食べる少女を見張っておくように見ながら、ぶらぶらと歩いていたら前方より見知ってる顔の者が数人の子供と共に歩いてるのを見かける。
「おや?ヒナタ嬢ではないか。なんじゃ?今は小童たちの世話ががりでもしておるのか?」
「カナタさん、来てたんですね。こういう祭りには興味ないと思ってたけど」
こちらに気づいて声をかけてきたヒナタは、カナタが開国祭に来てる事に少し驚いた顔つきをしてしまう。
「興味ない訳ではないが、ほぼあのお嬢さんのお守りのようになってしまうかもしれぬな」
ため息をつきつつ、次なる甘いもののターゲットを探してる少女を見れば同じようにお守りをしてるのかと思うヒナタ。
「お主一人か?ルミナス嬢やリムル坊とかと一緒におると思っておったが」
「私はこの子達の付き添いで屋台巡りよ。リムルはこの国の代表だから、今頃貴族たちや王様たちと一緒に回ってるわ。ルミナス様も、おそらく正体隠しながらいると思うわ」
ヒナタはそう言い、小さく微笑みながら側にいる子供たちを視線を落としたのでカナタも見下ろす。男の子三人と女の子二人の五人の少年少女たちは、不意に現れてヒナタと親しげに話すカナタに若干警戒心を持っていた。
さもありなん。髭のある老人で、しかも左腕が無くて右眼を大きな眼帯もしていたら警戒しないほうがおかしいものである。
「おい!なんだよおっさんは!?オレらの楽しみを邪魔しようってのか!?」
「や、やめなよ剣ちゃん」
五人の中で元気いっぱいそうなオレンジ髪の男の子……ケンヤが先陣切ってカナタへと叫びを上げ、それを黒髪の男の子…リョウタが怯えつつもケンヤを止める声を上げる。金髪の女の子…アリス、茶髪の男の子…ゲイル、黒髪の女の子……クロエもそれぞれ不安そうな目をしながらカナタを見上げている。
そんな子たちの様子を見て、フッと微笑みながら目線を合わせるように片脚を付けながらしゃがみ込む。
「カカカッ!そんなことせんよ。ただ、このヒナタ嬢と顔見知りであるから声をかけただけじゃ。お主らはヒナタ嬢の教え子か何かかの?」
優しげに声をかけるカナタに、若干警戒をしつつも悪い人ではなさそうと思う五人。そんな中でケンヤがまた声を張り上げる。
「ちげぇよ!オレらはリムル先生の教え子だ!リムル先生はすっげぇんだぜ!ここの王様なんだってさ!さっきも始まりの挨拶とかしてたしよ!」
「ほぅ………あのリムル坊の…なぁ。ヒナタ嬢、あやつしっかりと挨拶できておったか?」
リムルの教え子と聞いて、ちょっと興味深く思ったカナタは、ヒナタに演説の事を聞くと少し呆れ気味に息を吐く。変わらない子供扱いな『嬢』呼びに関してか、リムルの演説のことでなのか……あるいは両方かはヒナタしか知り得ない。
「はぁ………私からの感想としては、まだ感情で話すところはあるけど、王様らしくしていたと思うわ。ルミナス様が聞いたらどう思うかは分からないけれど」
「カカッ!リムル坊らしそうじゃな。儂も聞いてやれば良かったな」
ヒナタの感想を聞いて笑いつつ言うカナタ。それを聞いてたクロエが純粋に問いかける。
「えっと………おじさんはリムル先生ともお知り合い何ですか?」
「うむ、まぁそこまで親しい訳ではないがな。カナタという、顔だけは覚えておいておけ」
そう言いながら立ち上がって、ヒナタに手を振りつつその場を立ち去る。その際、クロエの方をほんの一瞬チラリと見てからそのまま何も言わずに立ち去っていく。
その背中を見つつ、少し優しげな表情をしつつケンヤたちに声をかける。
「あんな姿してるけど結構優しいお爺さんよ、会うことあったら話してみてもいいわよ」
そう言ってお祭りを楽しむ時間に戻っていく。その間、クロエは一人静かに考え事をしていた。
(誰だろうあの人…………今まであんな人が出てくる時間軸なんて無かったのに)
クロエだけが知り得る事、それは現状誰も知ることはない。
ヒナタたちと離れたカナタは、僅かに感じ取った違和感の事を考えつつ、少女の食べる甘味を買っていた。
(あの黒髪の子……何かに囚われてるような気配がしたのぅ。とはいえ、確信できるものもない、経験からくる勘でも信用しきれぬしな。様子見といったところか)
「カナタ、また難しい顔をしてるわね?これでも食べるとスッキリするわよ」
「もが……ッ」
考え事していたカナタの口へと、今買ったばかりのカステラボールを強引に突っ込む少女。不意な事に若干目を見開くが、噛んで飲み込んでは広がる程よい甘みに感心する。
「ふむ……儂の知らぬ食い物じゃな。リムル坊も中々色々考えておるようじゃな。………………お嬢さん、すまぬが少し離れるぞ」
「良いわよ、次の甘味を探してるから」
微笑みながらパクパク食べる少女から離れて人混みの中へと消えるカナタ。向かう先は…………路地裏。
大通りから離れた路地裏で、数名の男たちが集まり一つの店に狙いを定めていた。その手に謎の小瓶を持って。
彼らはとある諸国からの工作員たち。急速に成長を見せているテンペストに危機感を覚えた国は、裏工作で信頼を損なわせる為こうして別方向からも含めた行動を起こした。
そして、頃合いと見て男たちが動こうとしたその時、
「ほぅ?このような平穏な祭りを台無しにしようとする愚かな奴がおったとはのぅ?」
突如聞こえてきた声に足を止めてしまう。この裏路地には、自分たち以外祭りを楽しんでいるから誰も近づくことがないと踏んでいた。それに、近づかせないよう見張りもいる。
しかし、明らかに自分たち以外の『何者か』が声をかけてきたのだ。急ぎそちらを振り向くと片腕しかない眼帯の老人、カナタが髭を触りながら男たちの方を見ていた。その足元には気絶させられた見張りが崩れ落ちていた。
「儂ものぅ、このような笑ったり騒いだりの祭りは意外と好みでな。それを台無しにしようとするとは、なんとも頂けないな」
「…………やれ」
穏やかな口調、しかし見つめる左眼は決して穏やかでなさそうに光っていて、男たちの企みもお見通しとばかりな言葉遣いで話しつつゆったりと歩いて近づくカナタ。
それを見ながら、リーダーらしい男が短く指示を飛ばす。すると控えてた者たちの中から二名が短刀を出しながら一気接近する。相手は一人、それも老人と判断し目撃したならば消せば問題ないと判断した故の行動である。更に男たちは工作員の中でも戦闘も可能な立ち位置にいるので朝飯だと思っていた。
しかし…………相手が悪すぎた。
カナタへと最初に接近し、短刀で突いてきた男の腕を左脚で蹴り上げて軌道を逸し、そのまま踵落としのように脳天へと振り下ろす。洗練された一連の流れに男は対応する間もなく食らってしまい、地面へと顔面から叩きつけられ気絶してしまう。
間を置かずに接近してきた男は、短刀をカナタの首元へと振るってきたが僅かに屈んで回避しながら男へと近づき、顔面を右手で鷲掴みしてそのまま地面へと叩きつける。叩きつけられた石畳に若干ヒビが入り、男は痙攣しながら意識を手放した。
僅かの出来事。多少の抵抗あると思われたものは、一方的で何もさせることなくこちらが制圧させられた事に、リーダー格の男は驚愕してしまった。事前に渡されてたテンペストの情報に、このような姿をした老人の情報がなかったのだから。
「ば……ばかな……こんなやつ、情報にッ!」
「呆けてる暇があるのか?」
いつの間にか接近していたカナタにようやく気づいた男は魔法を使おうとするが、その前にカナタの腕が振るわれその顎を掠める。
顎を打ち抜かれて脳を激しく揺さぶられた男は、そのまま地面へと崩れ落ちて気絶してしまう。男たちの様子を見ながら、カナタはふん…っと鼻で息を吐いてから賑わう通りを見る。
「リムル坊、平穏な祭りを楽しむも良いが、このようなのにも網を張っておくのじゃぞ………部下たちが優秀じゃからそのような心配はなさそうじゃが」
カナタがそう言ってから振り向けば、そこには既にソウエイと配下であるソーカが膝を付いていた。
「カナタ殿、ご迷惑をおかけ致しました」
「生真面目じゃな、お主は。ただ目についたからやったまでよ。ソウエイ殿たちが抜けておる訳ではない」
丁寧に頭を下げているソウエイにやれやれといった感じに息を吐きつつ、気絶した男たちを見下ろす。
「お主らもこ奴らの行動は見ておったのじゃろうな。儂が横から茶々入れてしまっただけに過ぎん。後は任せるぞ」
「承知」
尋問とかは専門家に任せる形にして、カナタはその場を離れて待っていた少女の元へと戻る。その手には新しく買ったのだろう特大なパフェを持っていて、すでに半分程食べていた。
「おかえり。離れてる間心配したわ、おかげでパフェが半分しか進まなかったわよ」
「半分も食っとるではないか。周りを見んか、驚いた顔した者たちだらけではないか」
口元にクリームをたっぷりつけながら言ってくる少女に嘘つけと思ってツッコむように言うカナタ。少女がカナタを心配する要素なんて皆無である。周囲の人たちは小さな身体の女の子が食べきれるはずのない特大パフェを次々と食べていくのでフードファイターかと思ってしまってる。
そんな事ありつつ、カナタと少女は開国祭を楽しく出店を周り続けていった。おかげで、やってきていた人々の間で『大食いする白い少女と付き添ってる眼帯の老人』が話題になったとかならなかったとか。
◇◇◇◇◇
ーーリムル視点ーー
開国祭一日目なのに疲れたぜ。王様たちや貴族たちと一緒に歌劇とか技術発表会を一緒に回ったけど、みんな凄いのを見せつけてくれたなぁ。オレに何も言ってないからめっちゃドキドキしたよ。発表会についてはガゼルから小言言われちまったけど……解せぬ。
「いやぁ!あの演奏は素晴らしかったですよ!ヒナタも見ればよかったのに」
「煩いわね。こっちも子供たちとの屋台巡りだってかなり楽しめたわよ」
現在は夕食で、騎士団長のヒナタと
「にしても……この野菜美味しいですね、リムルさん。何処から調達してるんですか?」
「そうね。昨日もそうだったけどどうしたのこれ?貴方、まさかまた変なので………」
ユウキとヒナタがそれぞれのコース料理の野菜を食べながらそんなこと聞いてきた。ヒナタに関しては、すっごく怪しむような目線をしてきてるので早めに弁明しないとッ!
「ヒナタ違うって!これはあれだよ……シュナがカナタさんから貰ってきた野菜だよ!」
実はこの野菜、数日前にカナタさんのところで貰ってきた野菜たちである。量とかは少なかったけど、どうやら今夜の夕食分まではあったようだ。おかげで昨晩はメインの料理以上に人気になっちまってたな。
「あの人のところの?」
「そう。なんかすっごくキラキラしてて怪しさ満点だったんだけど、毒とかは無いけどすっげぇ栄養価あったみたいでさ」
「リムルさんリムルさん、僕だけ除け者にされてますからねぇ。その『カナタ』ってのはどんな人なんですか?」
ヒナタと話を進めてたらユウキがそんなことを聞いてきた。そうだった、この中でユウキだけが会ってなかったんだった。
「ごめんごめん。カナタさんっていうのは、オレの支配領域の端のとこで住んでる老人だよ。多分、オレらと同じ転生とか転移者だと思うぜ」
「そうね、リムルがあの人の姿と似たのを見たことあるようだし。それに、あの人には命を救われたわ」
「え?ヒナタ、何かされた?」
疑問に思ったユウキへと、テンペストでの七曜の悪行とかカナタさんの活躍とかを話した。聞いてたユウキはびっくりしたように目を見開いてた。
「えぇ!?それ絶対竜人族じゃないですか!?ちょっとリムルさん、なんでもっと早く言わないんですか?!」
「いや、そっちかよ!?」
コイツ、ヒナタの心配よりもカナタさんの姿のほうが大事なのかよ!見ろ!ヒナタがすっごい目つきで睨んでるぞ!
「へぇ…………ユウキ、私の心配よりもカナタさんの事が気になるんだ?」
「い、いやぁ………ヒナタって心配しても大丈夫かなぁって……」
「あとで食後の運動として、訓練の的になってもらうわ」
「…………リムルさん、ヘルプ」
「自業自得だよ、ユウキ」
ごめん、これはオレも擁護できねぇ。したら飛び火するかもだし。
「と、兎に角!明日にでも会ってみたいですよ!その人に!」
「分かった分かった。………そういや、今日祭りに来てたな。さっきウチの配下からそんなこと聞いたから」
「私も、子供たちの付き添いで歩いて時に会ったわ。あの白い少女を連れて甘い物のお店を回りまくってたわね」
「そうか…………」
オレがちょっと悩む素振りをしたら、気づいたユウキに声をかけられた。
「リムルさん、何か気になることでも?」
「ん?いや……配下から聞いたのは、何やら裏工作しようとしてた輩をカナタさんが取り押さえたってことだったから」
丁度ルミナスと秘密の会談とかしてると時だったからな。おかげでルミナスが「ほう?あの老いぼれが来ておるとはな」とかいってニヤついてたのは……秘密にしとこ。
「これだけの祭りだもの、よく思わない国もあるものよ」
「ですね。僕らも目を光らせておきますよ」
そうヒナタとユウキが言ってくれるので心強いと思っちまった。これは気合い入れて、開国祭を成功させねば!
余談だけど、お祭りに来てるなら宿に泊まってもらおうと思ったら既に街から出て庵へと帰っていってしまっていたとのこと。くっ!最高な宿で泊まってもらおうと思ってたのに!明日会った時には絶対呼び止めないと!
カナタも老いてるとはいえ元はハンター、酒や肉とかの祭りは楽しみたいでしょうなと思い……。
二日目と三日目の武闘大会とダンジョンどうしよ?:(っ`ω´c):グヌヌ
活動報告にリクの部分置いておきます。何時でもこんなの…というの教えてください。
今後ので一人称と三人称、どうすりゃいいからなぁの意見聞きを(コソコソ)。他にもご意見あれば感想とかでも
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一人称
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三人称
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どっちも混ぜ込んでヨシ!