開国祭二日目です。
あんまし関わらせるとこないですが、ある事柄にやはり入れたくなったものが
妄想だらけのですが、まぁ気長にご覧下さいませ。
開国祭二日目。
カナタは昨晩、テンペストの宿泊の宿には泊まらず庵に帰路していた。煩すぎるのは老体の身では苦手であるのもあったが、キラキラ輝く野菜……水晶野菜(カナタ命名)の水やり等の世話があることが大きいのである。
「さて……また行くのか?お嬢さんよ」
本日の水やりを終えて、片付けをしたらルンルン気分でいる少女を見ながらカナタが言えば、当然と言わんばかりに微笑みながら言ってくる少女。
「えぇ、勿論。まだ食べてない甘いものが残っているのだもの。後、あの街の美味しいものとか」
「……儂の気のせいかの?昨日の内に、ほぼ全ての店のを食ってたような気がするが?」
少女の言った言葉に疑問に思い問い返すカナタ。あの後、カナタが工作員たちを制圧した後も店を周り続けて屋台の店全て回ったのではないかと思うほど食べ続けたのである。それでもまだ食い足りないと言わんばかりに言ったのだから仕方ない。
そんなカナタの問いかけに「何を言ってるの?」と言ってるかのように首を傾げる少女。
「まだ全部食べてないわ。隠れてるお店とかありそうだし、あの持ち歩ける揚げたモノとかも食べ切れてないわ」
「コヤツ……。あの街の食料全て食い尽くさぬか心配になるな」
カナタからしたら、最早威厳なんて何処かに捨ててきたのかと言わんばかりな少女の大食い発言にため息つくしかないのである。カナタはもう行く気はなかったが、少女を一人て行かせたらろくでもない事になりかねないと思い、しぶしぶついていくことにする。
「早く行こうぜ!勇者マサユキの戦う姿が見れなくなるぞ!」
「どんな戦いをするのかしら!?」
テンペストの街に到着すると、多くの人たちが騒がしくしながら同じ方向へと歩いたり走ったりしてる姿を、少女に甘味を買ってやりながらカナタは目撃する。
「何じゃ?今日はやけに騒がしいのぅ」
「おっ!いたいた!おーーい!カナタさんっ!」
そんな人たちを見ていた時に声をかけられる。カナタがそちらの方を向くと、如何にも王様らしくマントを羽っているリムルと付き添いで来たのか、シオンとベニマルやルミナス。そして、第二秘書である
「いやぁ、今日も来てくれたんだな!どうせなら前夜祭にも来ればよかったのに」
「何言っとる。隠居しておる儂が行っても場違いにもほどがあろうが。にしても………本当に王様らしくしておるな?背伸びしてる感じにも見えなくもないが」
カナタは見上げてきてるリムルの服装をじっくり眺める。現在のリムルは王様らしくしようと黒いロングコートではなく金色の装飾のある白いマントを羽織っているが、長さがあるので地面に擦れるギリギリである。カナタからしたら、王様っぽい服装を頑張って着こなそうとしてる子供にしか見えてなかった。
「う………相変わらず子供扱い……」
「儂からしたら子供じゃて、リムル坊」
「ほぅ………子供扱い?」
その時、リムルたちの後ろで殺気の乗った魔王覇気が溢れだし始めるのを周囲が感じ取り、リムルは慌てて振り向く。そこには不気味すぎる笑みを浮かべながら魔素を放出するディアブロがいた。その覇気を感じ取って、カナタは眉をピクッと動かしディアブロを見るが、少女は気づいてない、もしくは無視してるのか、呑気にカナタが買ってくれた料理をパクパク食べている。
「我が愛しきリムル様に対するその言葉使い、更に無礼な呼び方……この
言葉使いは丁寧だが、その一つ一つにはトゲがありまくっている。どう見てもそんな生易しいものではないと分かっているリムルたちは慌てて止めに入る。
「待て待てディアブロ!!この人はオレらの恩人さんだぞ!シオンや街の人たちだって、この人のおかけで救えたと言ってもいいんだから!」
「そうだぞ第ニ秘書!これ以上カナタ様に何かしようものなら、この私が相手になってやろう!」
リムルは穏便に止めようとしてるが、シオンに関しては命の恩人に対して無礼を働こうとしてるので指を鳴らしながら睨みつけている。ルミナスもディアブロに警戒して僅かに身構えている。
そんな中で、カナタは大きくため息をつきつつリムルの肩に手を乗せる。
「リムル坊、そう騒ぐでない。周りの者たちが怯えてしまうではないか」
事が大きくなる前にリムルを落ち着かせながらディアブロへと向き直るカナタ。そして、頭を下げればリムルたちは驚いた表情をする。
「敬愛する王を、あんな呼び方されては怒るのも無理はない。深く詫びる」
リムルからの言葉を聞き、そしてカナタの行動を見て怒りが治まっていき頭を下げるディアブロ。
「こちらこそ、リムル様の国をお護りしてくださった恩人に対し無礼を致しました。私はディアブロ、リムル様の第二秘書と執事長をしております」
「カナタという。よろしく頼むぞ、ディアブロ殿」
とんでもない事にならずに済んで大きく息を吐くリムルたち。間近であったリムルは冷や汗ものであった。空気を変えようとカナタへと話し始める。
「よし!収まったことだし、カナタさんに実はご提案がありましてね………」
「断る」
話しを持ちかけようとした直前に、ノータイムで拒否を出すカナタ。これには思わずずっこけてしまうリムル。
「ちょっ………!!まだ何も言ってなーーーー」
「どうせお主の事じゃ、皆が向かってる先のアレ……闘技場らしいあそこに出ろとか言う気じゃったろ?」
思考が読まれてるかのように言われてしまった事に「うぐ……っ」と表情がこわばりながらスーーーッと目線を泳がせるリムル。後ろでは「流石はカナタ様!リムル様の言いたかったことを当てられるなんて!」と言ってしまったのでバレバレに。ベニマルは思わず頭を抱えてしまう。
「だからお主はリムル坊なんじゃよ。老体の儂が出ても面白くもなんともないじゃろうて」
「いや、そこにそれは関係ないような………ちぇ、これで勇者マサユキの実力を測る枠に入れたかったけど」
「聞こえとるぞ、リムル坊」
聞こえない程小さな声で言っていたつもりのリムルであったが、間近すぎたので普通にカナタに聞こえていて上から左眼で睨みつけられて怯えてしまう。
「まぁ良い、少しはどんなのか見ておくかの」
「あ、なら案内するぞ。普通の席は埋まっちまってるだろうから、オレらと近くの席なら空いてるからよ」
リムルはそう言って闘技場へと案内を始める。その際に、カナタはディアブロの方をチラリと見て目を細める。ディアブロもまた、カナタの方を見て不敵な笑みを浮かべているが警戒をしていた。
(ヴェルドラ殿よりはマシとはいえあの者……あのまま戦いになっていたら危うかったな)
(あの男、リムル様には遠く及ばないが並の魔王種よりも恐ろしいですね。私でも、油断すれば無事では済まないでしょうね。老体でそうなら、全盛期とも言える若さではどれほどか……クフフ、楽しみが増えそうです)
互いに互いを警戒する中で闘技場に着きVIP用の貴賓席へと案内する。そこには座ってるガゼルやエルメシア、ユウキたちなどは、リムルが連れてきたカナタを注視して、既に顔を知ってるクロエたちは手を振ったりヒナタは軽く会釈する。
ジトっと見つめてくるカナタに冷や汗かきつつ無視しながら自身の席に座るリムル。カナタも、用意された席に座り少女も隣に座る。
「お集まりの紳士淑女の皆さま!昨日のバトルロイヤルはいかがでしたでしょうか?本日はいよいよ本戦、昨日の熱気を更に上回りますよ!では早速、昨日の予選を勝ち残った選手たちの紹介です!」
カナタはそっちの方に興味がなかったし、少女の付き添いをしていたので闘技場で行われていた予選については知らなかった。ジッとフィールドを見つめながら進行を進めているソーカと、審判役で立っているディアブロを眺める。
「まずはこの人!勇者マサユキ!!甘いマスクで見惚れる者後を絶たず。そして、その剣技を見た者は誰もいない『閃光』の二つ名も併せ持っている!今日、その勇姿を見られる者はその幸運を噛みしめろーッ!」
紹介と共に現れた金髪の少年が現れると、会場は大盛り上がりに騒ぎ上がりだす。リムルは、隣に現れたソウエイと何か話をしている中、カナタは『勇者』と呼ばれた少年をその左眼で見つめる。選手たちの紹介が進んでいるが、カナタは聞こえてないように………ただジッとマサユキを見下ろし続ける。その様子にルミナスやリムル、ヒナタを始め、初対面となるガゼルやエルメシアもその空気を感じ取って横目でカナタを見る。
最も早く、カナタの様子に気づいていたのは隣で食事を口に運んでる少女。そこに秘められている思いも、彼女だけは知り得ている。カナタにとってソレは………最も忌み嫌う『称号』なのだと。
武闘大会の本戦が始まり、会場は大盛り上がりを決めていた。新たにリムルの配下となったゴズールとメズールの迷宮50階層のボス就任も兼ねた戦い、ゲルドと謎のライオンマスクとの戦いが繰り広げられる中、マサユキの試合だけは異質。一回戦目は同じパーティー同士の戦いであったが相手が棄権したことで不戦勝、二回戦目のゴズールとも別の理由であったが同じく棄権によって勝ち上がる。通常なら不満となりそうな試合結果だが、観客は寧ろマサユキの実力の賜物だとばかりに大歓声を上げていた。
「なんか……しっくりこねぇ。やっぱカナタさんに無理でも出てもらったほうがーーーー」
「リムル坊………勇者とは、英雄とはなんだと思う?」
今からでもねじ込もうかと思っていたリムルに、隣で試合を見ているカナタが声をかける。リムルは不思議と思ってカナタの方を見ると、そこに座ってるカナタは悲しげそう見えてしまった。
「え?うーーん、すっげぇ悪い奴とかを倒しにいく奴とか、皆に称賛される偉大な人物とかじゃねぇかな?」
「その認識も間違いではないな。じゃが………あの子はそのどれでもないし、あの子でなくても、周囲が軽々しくそのような称号を言うものではない」
カナタがリムルの意見を否定せず、しかし何かもっと別の意味があるように言葉を発する。それには明らかに何時もの優しげな言葉にはない、圧倒的な重みのある言葉。耳にしていたルミナスやヒナタたちも思わずフィールドの戦いよりも聞き入ってしまうほどに。
「勇者…英雄とは、自らなろうとするモノではない。アレは周囲が勝手に祭り上げる呪いのようなものじゃ。己が守ろうとした結果、周りには自分たちを守ってくれる存在だと見えとるだけに過ぎん。周りに期待され進んでいくその先は、ろくなものではないのじゃよ」
カナタは、思考の中で多くの思いを思い出して、苦しくなるのを我慢しながらマサユキの方を見つめる。
「その称号の先にあるものは…………自らの孤独と屍だけしかないのじゃ」
その重い言葉に、リムルは何も言い返せずにいた。カナタから、その経験をしたような、もしくは見てきたような重みで否定とかできなかったのだ。カナタはゆっくり立ち上がれば、食べ終えて満足そうにしてる少女も椅子から立ち上がる。
「すまぬな、リムル坊。儂はこの辺で失礼するぞ。あのマサユキという子、気にかけてやっておけ。おそらくかなり重圧をかかって精神が参っとるはずじゃからな」
「お……おお、分かった。明日も来るよな?」
「気が向けばの……と、言いたいが、このお嬢さんの付き添いとなると必ず来ねば行かぬな」
「ふふっ、明日の屋台も楽しみね」
「昨日と同じじゃったろうが」
カナタと少女は何時もの口調で話しつつ貴賓席から出ていく。その背中を、リムルやルミナスたちはどうしても見送らずにいられなかった。そこにあるのは、謎に満ちた老人への警戒心か、あるいは何かを成し遂げてきた者への敬意なのかは分からない。
◇◇◇◇◇
闘技場から出て庵へと戻っている間、先程リムルたちの前で言ったことを思い出してしまう。
「もう終わったことじゃというのに……割り切れぬな、儂も」
しかしどうしても、あの苦しそうな表情を見え隠れさせてる少年……マサユキだったか?あの子を見てそう言わずにいれなかった。アレでは近い将来、周りの重圧で潰れていってしまうと思ったからだ。
嘗ての自身と、弟子たちの姿を見てきたから。
「カナタ、貴方はどこまでも優しいヒトね」
隣を歩くお嬢さんが声をかけてくる。そこには何度も見てきたからこそ言える同情のような瞳で微笑んできている。
「あの子も何処かで乗り越えるときがあるわね、その先にあるのか破滅かどうかは、知らないけど。ふふっ」
「……………お主が言うと重さが違うな」
おそらく、英雄とか勇者を名乗る者たちにとっては……このお嬢さんがそれに当たる巨大な壁になるのだから。
「さッ、明日の甘いものはどんな味がするのかしら?ふふふ……♫」
「今日と同じじゃろうな」
楽しげにくるくる回るお嬢さんと共に、庵へと戻るのだった。
余談じゃが、街を出かけたときにソウエイ殿が追いかけて来たように現れて、リムル坊が宿を用意してるから泊まってくれと懇願してきた。断りたかったが、シュナ嬢の用意したら甘味に釣られたお嬢さんによって泊まることになってしまった。
ふっかふかの布団に、お嬢さんはぴょんぴょん飛び跳ねながら食べていて、儂は中々寝付きにくかった。無駄に豪華な部屋を用意しおって………あの坊主。
モンハンでの英雄とは、やはりなんか違うと思いついつい入れたくなりました。どちらかが生き残る世界では、英雄とかはほぼ呪いだと思ってしまいます(うp主妄想)
ちなみに、もしゲームとかだったら、カナタは一体どれだけ『英雄の証』が流れたことでしょう。
今後ので一人称と三人称、どうすりゃいいからなぁの意見聞きを(コソコソ)。他にもご意見あれば感想とかでも
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一人称
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三人称
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どっちも混ぜ込んでヨシ!