とりあえず転スラのヴェルドラファンへ先に謝る。やっちまったぜ。
拙い続きですが、どうぞです
カナタとの邂逅から数日後
ーーリムル視点ーー
西方聖教会との和解とルベリオスとの国交樹立、そして兼ねてからお礼をしたかった老人…………カナタさんと話しを終えて、一段落した。今だにオレの事を『リムル坊』呼びには納得しないけど!そこんとこどうよ?ラファエル先生!
【解。妥当な呼び方と思います。マスターは時より抜けていたり、駄々こねたり仕事を放棄したりする傾向がありますので】
(ラファエルからの返答はまさかの呼び方肯定派ッ!?そこは心外だぞ!?これでも魔王だぞ!)
相棒のまさかの裏切りに悔しくしながら開国祭に向けて着々と準備を整える為に大忙しになってきた。幹部たちもそれぞれで発表会を模様したりしていて、楽しみだなぁ。
「おいリムルよ!我の話を聞いてもらうぞ」
執務館の廊下を歩いていた時に呼び止められ、振り向くとヴェルドラが近づいてきていた。なんだかすっごく……イヤな予感。
「なんだよヴェルドラ。何か思いついたのあったりするのか?」
「なんだとは何だ!?我を置き去りにしたことを忘れておらぬからな!」
「…………あ〜〜…」
ヴェルドラの口にした言葉を聞いて、多分例のお礼挨拶の事を言ってるんだとすぐに理解した。いやでも、ヴェルドラ関係ないような気もしなくもないんだが……。
「我を置き去りして、ルミナスの方は連れて行くとは!」
「いや、ルミナスはヒナタの事とかをお礼をする理由もあったんだし」
ああ言ってもこう言ってくるのでなかなか引き下がってくれないヴェルドラ。コレは梃子でも動かないかもしれない……。連れて行ったほうがいいか?でも、それだけで行くのも………。
「あ、リムル様。ヴェルドラ様も」
(おっ!ナイスタイミングにシュナが来てくれた!何とか口実を…)
「おぉ!シュナ、如何したんだ?」
まだ騒いでるヴェルドラを他所にシュナに話すと手には何やらお菓子が入った箱を持ってた。
「実は、カナタ様のところにいた子供に差し入れしに行こうかと。それとですね、お兄様たちとも話したんですが、カナタ様も開国祭に呼ぶのは如何かと思いまして」
シュナからの提案を聞いてピキーン!としてしまった。
(そうじゃん!お礼の品が駄目なら開国祭を楽しんでもらうっていうのも手じゃん!ヴェルドラはオマケ程度にしておけばいいし)
「それは名案だよシュナ!よぉしヴェルドラくん、開国祭のお誘いのついでで構わないかね?本当なら断るとこだからな」
「うむ!我はその老人に会えるならそれで良い!クァハハハハハ!!」
両手を腰に当てて背中反らしながら笑うヴェルドラにため息ついてしまう。大丈夫かな?これ……。
【告。ひと波乱あると推測します。これがあるので、個体名カナタよりマスターの事を『リムル坊』と呼ばれると思われます。】
ラファエル先生が何か言ってきたけど聞こえないふり!
◇◇◇◇◇
今回は大人数ではなくリムルとシュナ、そしてヴェルドラの三名のみ。一度行ってるので、今回はスムーズに転移魔法で移動する。
「ほぅ?こんなところに住んでおるのか?リムルの場所より大きいではないか」
「そこは気にしてるから言うなよ、ヴェルドラ」
到着早々にヴェルドラはカナタの住んでる庵の全貌を見上げながらストレートな感想を言いだす。それに苦笑をしてしまうリムルと「大きくしましょうか?」と提案するシュナ。そこに畑側からカナタが歩いてやってくる。その手には野菜たっぷり入った籠を持っているが、表情は何やら困り顔の様子。
「何じゃ?また来おったのか、リムル坊。シュナ嬢と………見知らぬ者がおるな?」
「だからリムル坊はやめてくれよぉ……まぁいいや、今日はちょっと話したいことがあってね」
「全く……今日は色々面倒事が起こりおるわい」
カナタは大きくため息をついてしまうので疑問に思うリムルとシュナ。それを見て縁側に籠を置いてから、籠の中からトマトを手にして見せる。
「リムル坊、シュナ嬢。これをどう見る?」
「え?………普通のトマト……じゃねぇ!?何じゃこりゃ!?」
「はい……何だか魔鉱石のように輝いてます」
見せられたトマトを見たリムルとシュナは驚いてじっくり見てしまう。普通のトマトよりもハリがあり、なんでかキラキラ輝いており、魔素でも含んでのではと思ってしまうようなトマト。
「最近このように採れる野菜がこうでな、頭が痛くなるんじゃよ。食えるし美味いから良いんじゃが、卸すにしては、恐ろしくてのぅ」
「あ、あはは…………」
ため息をつくカナタに思わず苦笑いしてしまうリムル。確かに、魔鉱石のような野菜を買い取ろうと思う商人なんているか如何か。シュナはその野菜をじっくり見てから口にする。
「でしたらカナタ様。こちらのお野菜、私に頂けないでしょうか?」
「む?構わぬが………大丈夫かの?」
思わぬ提案に問いかけるカナタにシュナは微笑みながら答える。
「はい!こちらのお野菜を使って、開国祭で美味しい料理を振る舞えるかと思いまして!」
「そうか………ではこちらを渡そうかの。既に儂の方で必要な分は先に採って入れてあるからの」
「ありがとうございます!では、こちらを。前にいらっしゃいましたお子様に渡してくださいませ」
カナタはトマトを籠に戻してから、シュナへと手渡すとシュナは交換に持ってきたお菓子の入った箱を手渡す。
「すまんな。さて、そろそろ後ろの御仁が我慢できそうになさそうじゃから、中に入られよ。茶も温まっておるからの」
箱を受け取ったカナタは後ろに控えているヴェルドラを見ながら中に入るように言う。ヴェルドラは先程から腕組みして、指をトントンし片足も貧乏ゆすりしていた。相当我慢してると察してしまうリムル。
庵の中へ案内し、囲炉裏の前に座り茶を振る舞うカナタ。その隣では、シュナから頂いたお菓子をパクパク食べる白い少女。その顔からも、頂いたお菓子は絶品だと分かるほどににこやかに食べていた。
「リムルよ……あの娘、何者だ?」
出された湯呑みを手にしながら隣に座るリムルへと顔を近づけ耳元で囁くヴェルドラ。お茶を飲んでたリムルは不思議に思いつつ答える。
「ん?多分カナタさんの娘さんだと思うけど……如何したんだ?いきなり」
「いや………如何にも我の本能が騒ぐのでな。気のせいであるなら良いが」
ヴェルドラが気のせいと思っている本能は危険信号の意味だと知らず、存在を隠してる少女を少しばかり警戒する。一口茶を飲んだカナタが、そろそろ本題に入ろうと問いかける。
「それで?儂に何のようできたんじゃ?冷やかしなら帰るんじゃな」
「ああいや、オレの用もあるけどこっちがカナタさんに会いたいって聞かなくて……」
リムルは苦笑いしながら隣を横目で見れば、ヴェルドラは勢い良く立ち上がりながら名を告げだす。
「クァハハハハハ!!我が名はヴェルドラ!竜種が一人にして暴風竜である!我が友リムルの街を守ったお主に挨拶してやろうと、このように参上したのだ!」
圧倒的な存在感を出すように大きな声で、上から目線な口調で喋りだすヴェルドラ。その大声に思わず両手で耳を押さえるリムルとシュナ。ヴェルドラの告げだ言葉に左眼をぴくっっと動かす。
「ほぅ……竜とはのぅ。儂も多くのを見てきたが、ここまで存在感あるのは久しいのぅ」
そんな中でカナタは怖じ気づくことなく、座ったままヴェルドラを見上げながらしっかり観察している。
「ほぅ……?我の威圧に諸共せんとは、流石はリムルと同じく転移をしてきた者だな。それに我の本能が騒いでおる、お主とヤるのは覚悟せんといかんな」
「勘弁せい、老骨には荷が勝ち過ぎとる」
ヴェルドラはカナタに様子をしっかり見ていて、カナタの纏っている気配から相当な使い手だと見抜いていた。カナタもため息ついて話してる間も、ヴェルドラの力量を見据えていた。
(並の古龍種を遥かに超えとるな。おそらく【禁忌】に属すかその手前じゃな。今の儂では難しいじゃろうな)
長年狩人として生きてきただけあり、その観察眼は本物。自身の現状を加味して難しいと判断してヤラないようにする方に振り切る。その間も少女は、我関せずと言いたげにずっとお菓子を食べ続ける。
「それで?そのヴェルドラ殿の紹介だけにやってきたのか?リムル坊」
『殿』呼びにヴェルドラはむふーっと偉そうにしていて、自分だけ何故……と言いたげに悔しくするリムルは、軽く頭を振ってから本日の本題を話す。
「いやいや、今回はこっちが本題。実は、近々我がテンペストでお祭りをしようと思っていてね。そのお祭りに是非参加してほしいと思ってね」
「はい!テンペストの美味しいお料理とか催し物をお楽しみしていただければと思いまして……」
シュナと共にお誘いをするリムル。カナタはそれを聞きながら右手で顎の髭を軽く撫でる。
「ふむ………祭りのぅ。確かに良さげではあるが…」
如何するか悩むカナタ。若かりし頃の自身なら喜んでいただろう。しかし今は老体の身、リムルたちの提供するのを最後まで楽しめるかのスタミナがあるかどうかと悩む。そうしてる時に何か閃いた様子のヴェルドラ。
「おぉ、そうだ!リムルよ、我の催し物として我直々な戦闘訓練をするというのはどうだ!?やってくる挑戦者を叩きのめせるというものよ!」
「いや何言ってんだ!?そんなことしたらテンペストがこわぁい魔物がいる認定になっちまうだろ!」
「クァハハハハハ!我にかかれば造作もないぞ!」
「んな訳あるかぁ!却下だ却下!」
突発的なヴェルドラの催し物候補にキレながら止めようとするリムル。その声量は庵の中では爆音に近いようなもの。そんなのを間近で聞くカナタは(こやつの声は咆哮並じゃな…)と思っていて、シュナはペコペコ謝ってしまう。
そんな騒がしくしていれば、静かにムッとしている者が一人。
(美味しい美味しい甘味を噛み締めて食べてるのに………騒がしい子ね)
カナタの隣で静かに食べてた少女である。軽い騒ぎならまだ良しだったが、ヴェルドラのは騒ぎすぎであった様子。
少女は静かにお菓子を床に落ちてからそそくさと台所へと歩いていく。そして無造作に入れられてる処分予定の器具を入れた箱から木製のおたまを手にする。
それを手に囲炉裏の方へ戻ってきながらヴェルドラの背後へと近づいていく。その様子をカナタは見ているが、アレは止めれないなと察しつつも喧嘩の方を止めようとする。
「お主ら、騒ぐようなら叩き出すぞ?」
「ああごめん!ヴェルドラ、この話はテンペストに戻ってからじっっっっっくり話そうか」
「何を言う!我の偉大なる計画に隙なぞ無いわ!」
尚も止まろうとしなさそうなヴェルドラの背後に少女が立つと軽くジャンプする。それなのにヴェルドラより少し高い位置まで跳び上がり、お玉を持つ手を振りかぶる。リムルとシュナはそれを見て目を見開く。
「…………めっ」
ーーパコォォォォォン!!
「ぶふぅぅぅッ!!」
振られたおたまは、細く小さな腕で振られたとは思えない程とんでもない速さで振られ、大きな音を立てながらヴェルドラの頭に直撃。ヴェルドラはそのまま床へとうつ伏せに叩き倒されて気絶しまう。その頭には大きなたんこぶをつくり。
あまりの急な出来事にリムルは唖然とし、シュナも口元を押さえながら驚きを隠せず、カナタだけは予想できたことなので大きくため息をついてしまう。
頭に叩きつけて折れてしまったおたまを持ちながら、少女は空いてる手でヴェルドラの片足を掴むとズルズル引き摺り始めて縁側へ。
ーーブンッ ドサァァ!
そして、圧倒的な体格差あるにも関わらず、ヴェルドラを軽々と投げ飛ばして外へと放り捨てる。お掃除が終わった様子で、おたまは台所の箱に戻してからカナタの隣に座り上機嫌にまたお菓子を頬張る。
「……リムル坊、聞きたいことあるじゃろうがやめておくことだ。触らぬナンタラになんとやらじゃ」
「お、おう……(怖えよ!あの子、ヴェルドラ相手に一発でKOさせちまったよ!なんか正体聞くの戸惑うって!)」
内心ビクビクしまくりになってしまったリムルは、カナタの言葉をコクコク頷くしかなかった。
「まぁ……祭りに関しては行く時に行ってやろう。たった今、迷惑かけてしもうたしな」
ちらっと外で気絶してしまってるヴェルドラを見て、リムルたちの提案を承諾するカナタ。苦笑しながらも来てくれると言ってくれたカナタに喜ぶリムルたちである。
「よし!それじゃぁオレたちは戻るとするよ。まだまだ祭りの準備をしないとだしな!」
「はい、リムル様。私も、このお野菜で色々試作してみます」
そう言って立ち上がるリムルたちを見送ってやるカナタ。ふと、思い出して袋をにしてリムルに渡そうと伸ばす。
「そうじゃった。コイツを返しておこう。前に見せてきたあのお礼の品、の中からお嬢さんがくすねておったからな。こんなにも要らぬよ」
「いやいや良いって!それは感謝の証として受け取ってくれよ」
「我らテンペスト一同、カナタ様を本当に感謝しております。せめて、そちらも受け取ってくださいませ」
シュナからの説得の言葉も後押しとなり、大きくため息をつきながら差し出してた袋を引き下げる。
「あいわかった。多すぎる気もするが、予備の資金として持っておくとしよう」
「ああ!それじゃ、近くなったら知らせを送るから、絶対お祭りには来てくれよ!そん時に、他の幹部たちとかにも顔合わせしたいしよ!」
「お待ちしております、カナタ様」
シュナは丁寧におじぎをし、リムルは気絶してるヴェルドラを抱えながら言ってから転移魔法で帰還する。
帰還後、ヴェルドラは気絶から回復したが、これ以降あの少女を前にすると睨みつけるルミナスの時ように若干怯えることになったとかならなかったとか。
反省はする、しかし後悔は(あんまり)ない。
考えまくったらこうなっちまったから仕方ないのだ!(泣)
因みに、縄張り争いなんかしたら広範囲の地形そのものが崩壊する。
うp主的に、ゲームではない『祖』のイメージそんなものである。
今後ので一人称と三人称、どうすりゃいいからなぁの意見聞きを(コソコソ)。他にもご意見あれば感想とかでも
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一人称
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三人称
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どっちも混ぜ込んでヨシ!