Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
オモダカが温かい称賛の言葉をショウに伝えていると、エレベーターの扉が開き、バトルの様子を見守っていた四天王の4人が駆けつけてきた。
「今度こそ、ほんまにおめでとさんやな!」
「わーい! おにーちゃん! やりましたねー!」
「……おめでとうございます。素晴らしい手腕でした」
「あ゛……あ゛っは゛れ゛!! 小生は……猛烈に感動し゛て゛い゛ま゛す゛!!」
「みなさん、ありがとうございます!」
それぞれが惜しみない拍手と称賛を贈ってくれた。(ハッサクは案の定、目頭を押さえて大号泣していた)
「うげっ、ハッサクさんまた泣いとる……」
呆れたように呻くチリを横目に、オモダカは優雅な所作でショウへと向き直った。
「貴方たちポケモントレーナーは、このパルデア地方の宝物……チャンピオンはその中でもひときわ輝く存在です。チャンピオン・ショウ、パルデアのトレーナーたちを、その背中で導いてあげてくださいね」
「了解しました!」
ショウは胸を張り、力強く敬礼をして返答した。そして、ふと思い出したように言葉を付け加えた。
「あっ! そうだ! すみませんが、本日の試験の記録映像とかがある場合……『早業』と『力業』の部分は残してもらっても構いませんが、『デジモン』と『デジシンクロ』の所はデータを消去するか秘匿にしてもらってもいいでしょうか?」
「ええ、重々承知しております。配慮しておきましょう」
お願いを聞き入れてくれたオモダカに感謝しつつ、ショウは涙を拭い終えたハッサクの方を向いた。
「ハッサク先生、『早業』と『力業』の扱いについてなんですが……自分が教えたい場合は、先にハッサク先生に伝授して、そこからハッサク先生経由で他の希望者に教えてもらう形にしてもいいでしょうか?」
「そうですね! ショウ君はアカデミーの生徒ですので、教師である小生が四天王の中で接する時間が一番多いでしょうから、それが最も自然で確実でしょう」
「私も異論はありません。素晴らしい提案ですね」
ショウの申し出にハッサクは感激しながら納得し、オモダカも笑顔で了承した。
「それでは、合格の手続きも兼めて入り口へ戻りましょうか」
オモダカに促され、ショウたちはエレベーターでポケモンリーグのエントランスへと向かった。
エントランスのロビーに到着すると、そこにはなぜかアリサの姿があった。ショウの姿を見つけるなり、アリサはいつもと違う尋常ではないほど厳しい表情を浮かべ、一直線に歩み寄ってきた。
「ショウさん!」
「なっ、何!? どうしたのアリサ!?」
「先ほどモニタモンから連絡があったのですが……チャンピオンテストでデジモンを試合に出すなんて、一体何をしているんですか!」
「いや……頼まれたから受けただけで……」
「頼まれたからって! 万が一相手のポケモンが大ケガしたらどうするんですか!」
語気を強めるアリサに、ショウは完全に圧されっぱなしとなり、そのまましばらくの間コンコンと説教を食らってしまうのだった。
見るに見かねたハッサクやオモダカが間に入り、「私がお願いしたのです」「調査の一環でしたので……」となだめることで、ようやく少し怒りを鎮めてくれたアリサだったが――。
「あと、何ですか『デジシンクロ』って! ポケモンに負担がかかりすぎているじゃないですか!」
「そ、それは今、負担を減らせるように特訓中なんだよ……」
「もう! 次からの特訓には、絶対に私が付き添いますからね!」
「えぇ~……」
「そんな嫌そうな声を出してもダメです! もし嫌がるなら、ソウマさんに全部言いつけますからね!」
「わ、分かったよ……頼むからソウマさんには言わないでくれ!」
アリサの決定打となる脅しに、ショウは降参と言わんばかりに両手を上げた。
この微笑ましくも容赦のないふたりのやり取りを見つめながら、ポピーを除く大人たち(オモダカ、チリ、アオキ、ハッサク)は思わず顔を見合わせ、温かな苦笑いを浮かべるのだった。
こうして無事にチャンピオンランクへと上り詰めたショウだったが、翌日からはアリサという厳しい監督官の元で、『デジシンクロ』の負担軽減に向けた猛特訓の日々が始まることになるのだった。