Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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次なる異変

お祝いパーティーから数日が過ぎ、ライトファングの過酷な師匠であるソウマとヒョウガへ特訓を要請したショウ。その返事を待ちながら、ショウとアリサはファーム島にて、『デジシンクロ』の負担軽減に向けた特訓に汗を流していた。

「ブーバーン! デジシンクロ! 【マグマボム】!!」

「バーンッ!」

ブーバーンが両腕の巨大な砲身から、燃え盛る高熱の火球を凄まじい勢いで放つ。相手役を務めていたシャッコウモンは微動だにせず、腹部に刻まれた太陽の紋様でその炎のエネルギーをきれいに吸収して受け止めた。

技を放ち終えたブーバーンは肩で荒く息をしているものの、以前のようにその場で気絶することなく、しっかりと踏み留まって戦闘を継続できる様子を見せている。

「……おっ、今の感じだと、かなり負担が軽減されてるか?」

「ブバッ?」

ショウとブーバーンが首を傾げながら自分たちの状態を確認していると、タブレットでデータを分析していたアリサがパッと顔を上げた。

「オモダカさんとの試合の映像を今見返しましたけど……以前は技を放った瞬間に反動でそのまま戦闘不能になっていたことを考えれば、格段に進歩していますよ!」

アリサが合格の太鼓判を押すと、ショウは大きく息を吐き出して安堵の笑みを浮かべた。

ようやくデジシンクロのコントロールに手応えを感じ始めたその時、ショウのポケットからスマホロトムの威勢の良い着信音が鳴り響いた。

「ハルトから電話ロト!」

画面の向こうでスマホロトムが告げると同時に、自動で通話状態へと切り替わる。

「もしもし、ショウ? 今、電話大丈夫?」

「おう、どうした?」

「実はさ、クラベル校長先生からちょっと頼まれて、今イッシュ地方の『ブルーベリー学園』に来てるんだけどさ……。そこで、見たこともない奇妙な進化アイテムみたいなものが見つかったんだよ」

「ふーん、そうなのか。それで?」

「僕も図鑑とかで見たことなくてさ、ショウかアリサなら何か分かるかなと思って電話したんだ」

「なるほどなぁ。取り敢えず俺たちも気になるし、アリサも側にいるから……その進化アイテムを見せてくれないか?」

ショウの声を聞きつけたアリサもトコトコと歩み寄り、画面を覗き込むようにしてハルトの様子を見守る。

「これなんだけれども……」

ハルトがスマホのカメラを向けたその先には、不気味ながらもどこか神秘的な輝きを放つ、黒い角が生えた瓢箪(ひょうたん)のような形をしたアイテムが映し出されていた。

「これって……【友情のデジメンタル】!?」

「なんでこんなものが、パルデアとは別の地方……ブルーベリー学園にあるんですか!?」

ショウとアリサが揃って驚愕の声を上げたのを見て、ハルトは少し不安そうに尋ねた。

「もしかしてこれって……ショウたちの世界の物なの?」

「あぁ、間違いない。それは『デジメンタル』っていって、この世界で例えるなら特殊な『進化の石』みたいなものだ。ただ、アイテム単体に危険性があるわけじゃないから安心しろ」

青ざめていたハルトに、ショウは落ち着いたトーンで安全性を説明して聞かせた。

「ハルト、悪いんだけどそのアイテムの写真を何枚か撮ってこっちに送ってくれ。俺たちもテイマーユニオンに連絡して、どうしてこっちの世界に流れ着いたのか調べてもらわないといけないからさ」

「わかった! すぐ送るね」

「あと、学園の先生たちに、それを一体どこで、どういう状況で見つけたのかも聞いておいてくれないか?」

「うん、先生たちに聞いてみる!」

ハルトとの通話が切れると、直後に高画質な写真データが送信されてきた。

「お嬢、悪いけどクラベル校長に直談判して、ブルーベリー学園に行くための移動許可を貰いに行ってくれないか? 俺はテイマーユニオンのリーダーに連絡を入れて、このデジメンタルについて至急調べてもらう!」

「分かりました! すぐに行ってきます!」

アリサは険しい表情を引き締めると、調査のためにファーム島を飛び出していった。それと入れ替わるように、ショウはデジヴァイスを構え、テイマーユニオンの本部へと通信回線を開くのだった。テイマーユニオンのリーダーに連絡を入れ、発見された【友情のデジメンタル】について事情を説明すると、本部でも至急調査を進めてもらえることになった。そのまま通信を切り切ろうとした際、画面の向こうからリーダーの声が届いた。

「そうだ。ショウ、以前から頼まれていた【デジメモリ】と【デジヴァイス】が用意出来たから取りに来てくれるか?」

「分かりました。ラジエルモンを送ります」

「了解した」

頼んでいた品が仕上がったとの吉報に、ショウは胸を撫で下ろした。

「そういうことだから、ラジエルモン頼む」

「分かりました」

ラジエルモンをユニオン本部へと送り出すと、ショウもファーム島を退出し、アカデミーのエントランスへと向かった。ロビーのテーブル席では、既に用件を終えたアリサが待っていた。

「ショウさん! クラベル校長先生からブルーベリー学園への渡航許可が降りました!」

「わかった。こっちもリーダーに話を通して、至急調べて貰えることになったよ」

お互いの報告を終えたその時、ショウのデジヴァイスが淡く光を放った。

「ショウ。頼まれていたものを本部から受け取って来ましたよ」

ラジエルモンが手際よく届けてくれた。

「サンキュー! ラジエルモン。……お嬢、頼んでいたデジメモリとデジヴァイスが届いたから、今から校長先生やハッサク先生たちに渡して来ようと思う」

「分かりました。それなら手分けして渡してまわりましょう」

アリサの提案に頷き、二人は二手に分かれて先生方を探した。ショウが美術室の扉を開けると、キャンバスに向かっていたハッサクの姿があった。

「おや? ショウさん、どうされました?」

「ハッサク先生、良かった。居てくれて」

ショウは先生にデジモンへの理解と防衛手段を深めてもらうための事情を説明し、手元に届いた【デジヴァイス】と【デジメモリ】を差し出した。

「使い方としては、デジヴァイスにデジメモリを接続することで、メモリ内に記録されているデジモンが一時的に実体化(リアライズ)して戦闘を行ってくれます。ただし制限時間があり、長時間の戦闘はできません。制限時間が近づくとデジヴァイスの画面に警告が表示されます。また、一度使用したデジメモリは一定時間が経過しないと再充填されず、再使用できません。クールタイムはメモリの種類によって変わります」

「なるほど……。そのクールタイムの種類はどのくらいなのですか?」

「3種類あって、分かりやすく画面に星の数で表記しています。星1で1時間、星2で4時間、星3で7時間の再充填が必要になります。あと、渡したデジヴァイスは自分が日常で使っているものと同等の通信・保護機能がついたモデルです」

「分かりました。先生方の身を守る貴重な備品としてお預かりします。わざわざありがとうございます!」

「いえ、大丈夫です。何か分からないことがあればいつでも連絡をください」

説明を終えて美術室を後にしたショウは、校長室側を担当していたアリサと無事に合流。すぐさまイッシュ地方への渡航準備を整え、定期便と連絡船を乗り継いでブルーベリー学園へと向かった。

イッシュ地方の海上都市型校舎・ブルーベリー学園のエントランス受付へと向かうと、事前に連絡を入れておいたハルトに加え、以前アカデミーの林間学校で面識のあったゼイユとスグリの姉弟が待っていた。

「待っていたよ! ショウ! アリサ!」

「オッス、ハルト。待たせたな」

「お待たせいたしました。そちらのお二人方は初めまして、私はアリサと申します」

「改めて、俺はショウ。よろしく頼む」

「こっちも改めて、私はゼイユ。こっちは弟のスグリ」

「……よろしく、お願いします……だべ」

挨拶を交わした一行は、謎の【友情のデジメンタル】が保管されているブルーベリー学園の施設内部へと足を踏み入れた。

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