Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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VSキハダ先生

「ショウさん、あなたとも全盛期に相手をして見たかったですね」

タイム先生は爽やかな笑みを浮かべながらそう言い、ショウと力強く握手を交わした。熱戦となった一回戦が終わり、束の間の休憩を挟んでいよいよ二回戦が始まった。ショウの次の対戦相手として待ち受けていたのは、バトル学を教える熱血教師・キハダ先生だった。

「次はキハダ先生か……。タイム先生に続いて、またタイプ統一の人が続くな……。偶然か? それとも何か意図が……?」

ふと首を傾げながら疑問を呟きつつ、ショウは再び広大なバトルフィールドへと歩み出た。

「まぁ、考えても仕方ないか。取り敢えず行くぞ、相棒! 頼む、ゴリランダー!!」

「ダァーッ!!」

「押忍! 相手にとって不足なし、宜しく頼むぞ、転入生ショウ!」

キハダ先生が気合の入った声とともに繰り出したのは、くるくると逆立ちする軽快な動きが特徴の逆立ちポケモン・カポエラーだった。

ショウが繰り出したゴリランダーがフィールドに降り立った瞬間、足元に豊かな緑の芝生が一気に広がり、周囲の空気が爽やかな生命力に包まれる。

「まさか、特性【グラスメーカー】か……!」

「その通り! いやぁ、見つけるの大変でした!」

驚くショウに対し、キハダ先生はニカッと白い歯を見せて笑う。

「面白い! カポエラー、先手必勝、【猫騙し】だ!!」

「カッポッ!!」

ショウが指示を出すよりも早く、キハダ先生の機敏な号令でカポエラーが跳び出し、鋭い掌底をゴリランダーの隙をついて浴びせ、怯み状態にさせた。

「初手から動けないか……だが、出た瞬間から警戒していたが、やっぱり特性は【テクニシャン】だな!」

「その通り! カポエラー、一気に畳みかけるぞ、【トリプルアクセル】!!」

「カッポッポッポッ!!」

カポエラーが独楽のように回転しながら連続で三つの蹴り技を叩き込もうと急接近する。しかし、展開されていた【グラスフィールド】の恩恵を受けたゴリランダーは、怯みの硬直が解けるやいなや素早く低く身を沈めた。

「遅い! ゴリランダー、【グラススライダー】!!」

「ダァァッーー!!」

圧倒的なスピードで緑の光の軌跡を描きながらスライディング突撃をかましたゴリランダーの拳が、まさに放たれようとしたカポエラーの急所を完璧に捉えた! 凄まじい衝撃音とともにカポエラーは大きく弾き飛ばされ、そのまま地面に倒れ込んで動かなくなった。

『カポエラー、戦闘不能!』

「やるな! ならば次はこの子だ、頼むぞ、ブレイズ!!」

「ブモォォォーーッ!!」

キハダ先生が次に繰り出したのは、荒々しい気性を隠さないパルデアケンタロス(ブレイズ種/ほのかくとうタイプ)だった。ケンタロスが鋭い眼光でゴリランダーを睨み付けると、その圧力でゴリランダーの攻撃力がガクッと下がる。

「特性【威嚇】か……! ならば長居は無用だ、ゴリランダー一度戻れ! 行ってこい、ムクホーク!!」

「ムクホーーーッ!!」

相性不利と睨んだショウは瞬時に手際よくポケモンを引かせ、ムクホークを送り出した。ムクホークがフィールドに降り立った瞬間、その鋭い威圧感が対峙するケンタロスへと浴びせられ、今度はブレイズの攻撃力が低下する。

「お互いの特性での削り合いか……! だが引く気はないぞ、ブレイズ、【レイジングブル】!!」

「ブモォォッ!!」

炎の闘気を全身に纏ったブレイズ種が、激しい怒りとともに突進を仕掛けてくる。

「負けるなムクホーク、全霊で迎え撃て! 【ブレイブバード】!!」

「ムックホーッーー!!」

上空から急降下しながら極限のスピードで加速したムクホークの翼が、突進してきたケンタロスとバトルフィールドの中央で激突した! ドゴォッという轟音とともに、凄まじい衝撃波と爆風が周囲を吹き飛ばす。しかし、両者の勢いはまったく衰えず、その場で真っ向から拮抗し続けた。

「押し切るぞムクホーク、一歩も引くな!!」

「ムクホーーーォッ!!」

「負けるなブレイズ、押し返せ!!」

「ブモォォッ!!」

真っ向からの力勝負、意地と意地がぶつかり合う激しい押し合いの末、わずかに上回ったのはムクホークの凄まじい闘志だった。全身の爆風を突き破るようにしてムクホークがブレイズ種を豪快に吹き飛ばし、ブレイズはそのまま地面に叩きつけられて戦闘不能となった。

『ケンタロス、戦闘不能!』

「流石の根性だな! だが次も止まらんぞ、頼むぞ、ウォーター!!」

「ブモッ!」

キハダ先生がすぐに繰り出したのは、連続してパルデアケンタロス(ウォーター種/みずかくとうタイプ)だった。ウォーターの特性【威嚇】が再び発動し、ムクホークの攻撃力が再び下げられる。

「連続で繰り出されるか……だがこのまま一気に押し切るぞ! ムクホーク、もう一度【ブレイブバード】!!」

「ムクホーッ!!」

連戦による疲労と反動ダメージが蓄積しているにもかかわらず、ムクホークは再び強靭な翼を羽ばたかせて突撃を敢行する。

「ウォーター、上空へ備えろ! 【いわなだれ】だ!!」

「ブモッ!!」

ウォーターが地面を蹴り上げて無数の鋭い岩礫を頭上に発生させ、一斉にムクホークへと降り注がせた。激しい岩の直撃を受けながらも、ムクホークは怯むことなく突撃を続け、ウォーターの巨体に激しいダメージを与えた。しかし、ウォーターも驚異的な耐久力で踏みとどまる。

「まだ倒れないか……!」

「よくぞ耐えたウォーター! そのまま押し潰せ、【アクアジェット】!!」

「ブモォォッ!!」

水流を全身に纏ったウォーターが、間髪入れずに鋭い突撃を仕掛けようと迫る。

「……待っていたぞ。ムクホーク、あの特訓で完成させた『あれ』で一気に決めるぞ!!」

「ムクホッ!!」

ショウの指示を受けたムクホークは、直撃寸前でふわりと軽やかに宙へ身を翻し、突撃してきたウォーターの周囲を円を描くように猛スピードで旋回し始めた。

その羽ばたきが周囲の大気を激しく巻き込み、たちまちフィールドの中心に巨大な竜巻を発生させる。渦巻く暴風がウォーターの身体を完全に捕らえ、宙高くへと浮き上がらせた。

「なっ……空中で機動力を奪われたか!?」

「とどめだ、ムクホーク、【ブレイブバード】連続特攻!!」

「ムクホーーーッーー!!!」

竜巻の中で身動きの取れないウォーターに対し、ムクホークは暴風の軌道を自在に利用しながら、幾重にも重なる超高速の特攻を次々と叩き込んだ。

次の瞬間、轟音とともに竜巻がパッと晴れ渡り、そこから重い音を立ててケンタロス・ウォーター種が力なく地面へと落下し、両目を渦巻きにして倒れ伏した。

「さっきのムクホークの技は!?」

キハダ先生が目を輝かせて驚愕すると、ショウは苦笑いを浮かべながら説明した。

「何かのゲームのキャラクターの技にムクホークが憧れて練習していたのを、自分が捕まえて手伝っていたのが漸く完成したんですよね」

「なるほど! 後で詳しく教えてくれ!……頼むぞ、ルチャブル!」

「ルチャッ!」

キハダ先生が出したのは、レスラーのような姿をしたルチャブルだった。一方、激闘を制したムクホークの様子を確認したショウは手元のボールを掲げた。

「ムクホークはもう限界か……。すんません、ムクホークはここで戦闘不能扱いでお願いします。……よく頑張ったな、ゆっくり休んでくれ」

ショウの申し出に審判が頷き、ムクホークを退場させると、代わって繰り出したのはボーマンダだった!

「行ってこい、ボーマンダ!」

「ボォマッ!」

ボーマンダが降り立った瞬間、その凄まじい眼光でルチャブルを睨み付け、特性【威嚇】で攻撃力を下げさせた。

「ボーマンダ! メガ進化だ!」

ショウがキーストーンを掲げると、眩い虹色の光がボーマンダを包み込み、巨大な三日月型の翼を持つメガボーマンダへと姿を変えた!

「ボーマンダ! 【ハイパーボイス】!」

「ボォマッッ!!」

口から解き放たれた凄まじい大音波がフィールドを揺らし、ルチャブルを一撃で吹き飛ばして戦闘不能へと追い込んだ!

「なっ!?」

「ボーマンダはメガ進化すると特性が【スカイスキン】になるんですよ。だからノーマル技の【ハイパーボイス】がひこうタイプに変化して、タイプ一致+効果抜群になったんです」

手際鮮やかな説明にキハダ先生も「なるほど……!」と感心しながらルチャブルを戻した。

「頼むぞ! チャーレム!」

「チャッ!」

続いて繰り出されたのは、精神を研ぎ澄ませた瞑想ポケモン・チャーレムだった。

「チャーレム! 【バレットパンチ】!」

「チャッ!」

チャーレムが素早い身のこなしで超高速の拳をメガボーマンダに浴びせるが、メガボーマンダの強靭な鱗の前には微動だにしない。

「ボーマンダ! 【ドラゴンクロー】!」

「ボマァ!」

メガボーマンダの鋭い爪がチャーレムを容赦なく切り裂く!

「そのまま【冷凍パンチ】!」

「チャーッ!」

激痛に耐えたチャーレムは凍てつく氷を纏わせた拳で、至近距離からメガボーマンダを連続で激しく殴りつけた。

「くっ……ボーマンダ! もういっちょ【ハイパーボイス】!」

「ボォマッ!!」

氷技の強烈なダメージを受けながらも、メガボーマンダは零距離からの反撃の大音波を放ち、チャーレムを力尽きさせて戦闘不能にした!

「やるな! ショウ! 俄然、闘志が湧いてきたぞ! ハリテヤマ!」

「ハリィ!」

キハダ先生が最後に出したのは、どっしりと構えたつっぱりポケモン・ハリテヤマだった。

「昨日の自分を越えていけ! 明日に向かって……押忍ッ!」

キハダ先生が熱血の叫びとともにテラスタルオーブを掲げると、ハリテヤマが眩い光に包まれ、かくとうタイプへとテラスタルを遂げた!

「ボーマンダ! 【羽休め】!」

「ボマ……」

ショウは冷静に回復技を指示し、羽を休めさせてメガボーマンダの体力を一気に持ち直させた。

「全力を振り絞ってこそ! 掴んだ勝利に意味がある! ハリテヤマ! 【インファイト】!」

「ハリリィッ!」

テラスタルパワーを得たハリテヤマが、自身の防御を捨て去った決死の連続突撃をメガボーマンダへ浴びせる! ドカドカと激しい拳が叩き込まれ、メガボーマンダは肩で大きく息をしながらも耐え忍んだ。

「……っ、さっき回復してなかったらマジで危なかったな。お返しだ! ボーマンダ! 【捨て身タックル】!」

「ボォマッ!!」

【スカイスキン】で極大の飛翔エネルギーを纏ったメガボーマンダが、全力の体当たりで激突! ハリテヤマの巨体を遥か彼方へと吹き飛ばし、ハリテヤマはテラスタルを強制解除されながら倒れ伏した。

『ハリテヤマ、戦闘不能! したがって勝者――ショウ選手!!』

「研ぎ澄まされた……押忍を感じたぞ!」

試合終了の合図とともに、キハダ先生は爽やかに笑い、健闘を称えて熱い拍手を送るのだった。

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