Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

117 / 134
決勝戦VSアリサ2

「頼むぞ、オーダイル!」

「ダイルッ!!」

激しい消耗の末にガルーラが倒れたことで、ショウはハッサムをボールへ収め、ついに自身の真の切り札である色違いの巨大なオーダイルを再び戦場へと解き放った。

「一撃で決めるぞ! 力業の【アクアブレイク】!!」

「ダイルッ!」

「ガルーラ、間に合って……! 【不意打ち】!!」

「「ガルッ!!」」

メガガルーラ親子が圧倒的なスピードで先手を取ろうとオーダイルへと飛びかかるが、先ほどの連戦による疲労と蓄積ダメージの限界がそれを阻む。オーダイルは攻撃を一切意に介さず、轟音を立てる激流の牙を纏った猛突進を敢行! 凄まじい水圧でメガガルーラ親子を丸呑みにするように押し潰し、一撃でメガ進化を強制解除させながら戦闘不能へと追い込んだ。

『メガガルーラ、戦闘不能!』

「やはり、先程までのハッサム戦での負荷が響きましたか……。ですが、ここからが本番です! お願いします、アローラキュウコン!」

「コォンッ!」

アリサは気を取り直し、再びキュウコンを繰り出す。それを見たショウもすぐさま動きに出た。

「戻れ、オーダイル。……よくやった、休んでいてくれ。行ってこい、エーフィ!!」

「フィィーーッ!」

オーダイルを温存すべく、ショウは再び手負い状態のエーフィを場へと送り出す。キュウコンの特性【雪降らし】により、フィールドには再び冷たい雪が舞い散り始めた。

「キュウコン、【吹雪】!!」

「コォォンッ!!」

「エーフィ、早業の【瞑想】からの【守る】!!」

「フィッ!」

雪の効力によって必中となった鋭い吹雪がエーフィを襲うが、エーフィはすんでのところで【守る】の光の壁を展開して完璧に防ぎきる。

「もう一度、早業の【欠伸】! そして間髪入れずに【瞑想】だ!」

「フィァ~……!」

「キュウコン、負けずに【オーロラベール】を展開して!」

「コォンッ!!」

エーフィが再び眠気を誘う泡を飛ばすと同時に精神を研ぎ澄まし、アリサのキュウコンもまた、舞い散る雪の魔力で鉄壁の【オーロラベール】を張り直す。

「そのままもう一度、早業の【瞑想】からの――【アシストパワー】!!」

「フィアアァッ!!」

「キュウコン、迎撃の【吹雪】!!」

「コォォンッ!!」

エーフィがこれまでに積み重ねたすべての能力上昇を乗せた極大の【アシストパワー】と、キュウコンの最大威力の【吹雪】が中央で正面衝突! 凄まじいエネルギー同士が拮抗し、相殺されて真っ白な爆風の中に消えていった。

しかし直後――先ほど放たれていた【欠伸】の効果が完全に発動し、アローラキュウコンはその場でカクンと頭を垂れ、深い眠りに落ちてしまった。

「今だ、エーフィ! 続けざまに早業の【瞑想】を限界まで積め!!」

「フィィィーーッ!」

「キュウコン、起きてください……!」

アリサが必死に呼びかけるが、キュウコンはすんなりと目を覚まさない。その数秒の致命的な隙の間に、エーフィは己の精神力を限界の極みまで高め、凄まじいオーラを纏い続ける。そして限界値に到達したその瞬間、キュウコンはパッと目を覚ましたものの、張られていた【オーロラベール】の効果時間はすでに切れていた。

「キュウコン、まだです! 【自己暗示】!!」

「コォンッ!!」

アリサの機転の利いた指示により、キュウコンは眠りから覚めた直後、エーフィが限界まで高め上げた膨大な能力ランクの数値を、そっくりそのままコピーして自分のものへと書き換えた!

「エーフィ、決着をつけるぞ! 力業の【アシストパワー】!!」

「フィィィーーッ!!」

「キュウコン、こちらも全霊の【吹雪】!!」

「コォォンッーー!!」

お互いの能力を極限まで高め合った二体が放つ、すべてを賭けた最後の一撃が激突する。

ドゴォォォンッ!! と、控室のガラスすら揺らすほどの圧倒的な爆発がフィールドを包み込み、煙が晴れたときには――エーフィとアローラキュウコンの双方が、力尽きて同時に地面へ倒れ伏していた。

『エーフィ、キュウコン、両者戦闘不能!』

「これで……ショウの手持ちは、さっき引っ込めた手負いのオーダイルと、残る未判明の1体を合わせて2体。対してアリサは、無傷で控えているのがまだ2体残っている……。どう見ても、アリサが完全に優勢だな」

戦況を見守っていたが誰かが冷静に分析し、周囲の生徒たちも「ここからショウがどうやって巻き返すんだ……?」と固唾を飲んで見守る中、

「行ってこい、エレキブル!!」

「レブッ!!」

「お願いします、ミロカロス!!」

「ミロロロォッ!!」

互いに繰り出したのは、強烈な電撃を纏うエレキブルと、美しきいくつしみポケモンのミロカロスだった。

「エレキブル、早業の【充電】からの【雷パンチ】だ!!」

「レブッ!!」

「ミロカロス、【とぐろを巻く】で受け流して!」

「ミロッ!!」

エレキブルが【充電】によって電撃の出力を極限まで高め、凄まじい威力の【雷パンチ】をミロカロスへと叩き込む! しかし、ミロカロスは巧みな【とぐろを巻く】の身のこなしで急所を外し、圧倒的な防御力でしっかりと耐え抜いた。しかし、その激しい衝撃の余波か、ミロカロスはふと身を震わせ、体からパチパチと火花のような異様な気配を漂わせ――なんと火傷状態に陥ってしまった。

「特性の【不思議な鱗】が発動しましたね……! ミロカロス、【熱湯】でお返しです!」

「ミロォッ!!」

反撃とばかりにミロカロスが灼熱の熱湯を浴びせかけるが、先ほどの【充電】の効果によって特防が上昇していたエレキブルは、そのダメージを最小限に抑え込んでみせる。

「いい耐久だ……だが、もう一度【充電】からの力業【サンダーダイブ】で押し潰せ!」

「レッブッーー!!」

「ミロカロス、【自己再生】で立て直して!」

「ミロ……っ!」

エレキブルが果敢な猛攻で畳みかけるが、ミロカロスは華麗に身を翻しながら【自己再生】を詠唱し、減った体力を瞬く間に全快へと戻していく。

「このままでは埒が明かないな……ミロカロス、【黒い霧】!」

「エレキブル、小細工は気にするな! 押し切るぞ、【雷パンチ】!!」

「レブッ!!」

フィールド全体を覆う【黒い霧】によってエレキブルたちの能力変化がすべてリセットされるが、ショウは構うことなく連続攻撃を指示。ミロカロスは再び【とぐろをまく】でさらに防御を固めようとする。

「持久戦に持ち込ませるかよ……! エレキブル、一気に手数を上げて攻め立てろ!!」

「レッブルッ!!」

「ミロカロス、【熱湯】で近づかせないでください!」

「ミロッ!!」

ミロカロスが容赦なく放つ【熱湯】の弾幕を、エレキブルは驚異的な動体視力と瞬発力でスルスルと回避し、一瞬でゼロ距離へと肉薄する! まるで【インファイト】を彷彿とさせる凄まじい手数の【雷パンチ】の嵐を休む間もなく叩き込み、ミロカロスに【自己再生】を使わせる隙すら一切与えない。

「巨体を宙へ浮かせたな……止めだ! 力業の【サンダーダイブ】!!」

「レッブッーーーッ!!」

エレキブルが全身に激しい雷のオーラを纏い、空高くから急降下しながら極大のダイブタックルを炸裂させる! 圧倒的な雷撃の前に、ついにミロカロスは耐えきれず、大きな体を地面に預けて戦闘不能となった。

『ミロカロス、戦闘不能!』

「流石の火力ですね……ですが、勝負はここからです! 行きますよ、私の最初のパートナー――マスカーニャ!!」

「ニァァッ!!」

ミロカロスを回収しながら、アリサが最後に繰り出したのは、華麗な身のこなしを誇る相棒のマスカーニャだった。

「マスカーニャ、【トリックフラワー】!!」

「ニァッ!!」

「エレキブル、返り討ちに【炎のパンチ】だ!!」

「レッブルッ!!」

エレキブルが炎の拳を振りかぶって突撃するが、それよりもコンマ数秒早く、マスカーニャが頭上から鮮やかな薔薇の花束爆弾を生成して投げ下ろした! 【トリックフラワー】特有の絶対命中の急所撃ちが直撃し、エレキブルはたまらずその場に崩れ落ちて戦闘不能となる。

『エレキブル、戦闘不能!』

「ふん、直前のミロカロスへの削りも含めて、十分すぎるほど仕事はしてくれたぜ。……さて、行くぞオーダイル!」

「オーダッ!!」

ショウもまた、すでに手負いながらも底知れない威圧感を放つ色違いのオーダイルを再び戦場へと解き放ち、決勝戦はいよいよクライマックスへと突入していく中、ふたりは一切の迷いなく同時に相棒へと指示を飛ばした!

「オーダイル! 早業【竜の舞】からの力業【地震】だ!!」

「ダイルッ!」

「マスカーニャ! 【燕返し】!!」

「ニャァァッ!」

オーダイルが凄まじい身のこなしで【竜の舞】を舞い始めるその一瞬の隙を突き、マスカーニャが風を切る速さで【燕返し】の斬撃を叩き込む! 直後、マスカーニャの身体を包むオーラの輝きと花びらの色が瞬時に変化した。

体制を立て直したオーダイルが間髪入れずに足元の地盤を粉砕する【地震】の凄まじい衝撃波を解き放つが、その地鳴りはマスカーニャの体をすり抜けて空を斬った。

「特性【変幻自在】か! ってか、お嬢のマスカーニャって確か特性【深緑】だったよな!?」

「ええ、とある調査で【特性パッチ】が偶然手に入ったので、マスカーニャとじっくり相談して使ったんですよ」

不敵に笑うアリサと、油断なく眼光を鋭くするショウ。一瞬の静寂の中、二人は迷うことなく手元で光り輝くテラスタルオーブを強く掲げた!

「「――テラスタル!!」」

「自分の道を作れ! テラスタル!」

「自分色に染めてください! テラスタル!」

解き放たれた極大の光の結晶が二体の相棒を包み込む。

ショウのオーダイルは先ほど同様の重厚な地面テラスタルの王冠を戴き、対するアリサのマスカーニャは草ではなく、輝く巨大な翼を模した飛行テラスタルの結晶を頭上に降臨させた!

「なるほどな……それで初手に【燕返し】を指示したのか!」

「ショウさんは変化技で能力を上げた直後、攻撃に移るときは【地震】をチョイスすることが多いですからね。その対策です。それに……これでオーダイルの有効打をかなり絞れましたよ!」

「言ってくれるぜ……! オーダイル、早業【竜の舞】から力業【冷凍パンチ】だ!!」

「ダイルッ!」

「マスカーニャ! 【花粉団子】!! 自分ごと巻き込んで破裂させなさい!」

「ニャッ!」

オーダイルが冷気を纏った巨大な拳で肉薄すると同時に、マスカーニャはアリサの指示通り自らを巻き込むように至近距離で【花粉団子】を大爆発させた!

濃密な花粉と煙が周囲を覆い尽くし、視界が遮られる。煙が晴れると、そこには双方ともに僅かにダメージを負った姿が現れた。

「(マスカーニャの受けたダメージが妙に少ない……? ……そうか、さっきの【花粉団子】か! 攻撃と同時に自身の体力を回復させてダメージを相殺したのか!)」

ショウの鋭い考察に、アリサは可憐に微笑んでみせる。

「なら、回復する余裕すら与えねぇ! オーダイル! 早業【竜の舞】からの力業【アクアブレイク】!!」

「オーダッ!!」

「マスカーニャ、迎え撃ちます! 【燕返し】と【トリックフラワー】の同時攻撃!!」

「ニャァッ!!」

【竜の舞】で極限まで跳ね上がった素早さと威力を乗せ、怒涛の大水流を纏ったオーダイルが激進! マスカーニャは背後から急所を突く爆弾と飛行テラスの乗った斬撃を叩き込むが、オーダイルはその凄まじい衝撃を力任せにねじ伏せ、大水流でマスカーニャを力強く吹き飛ばした!

「これで止めだ!! 早業【冷凍パンチ】と【アクアブレイク】の重ねがけ技!!」

「あの【氷のアクアジェット】の【アクアブレイク】版ですか……! マスカーニャ、最後の力を振るいなさい! 【花粉団子】と【トリックフラワー】!!」

マスカーニャは空中から花粉の回復エネルギーと薔薇の爆弾を同時に展開し、必死の抵抗を試みる! しかし、オーダイルの全身を包む水流は瞬く間に絶対零度の極氷へと変わり、すべての攻撃を正面から氷の鎧で砕き割りながら一直線に突撃した!

ドゴォォォォンッ!!!

氷と水流が弾け飛ぶ凄まじい衝撃がフィールド全体を激震させる。

爆風が収まり、氷の結晶がキラキラと舞い落ちる中――テラスタルが解け、力尽きて地面に横たわるマスカーニャと、荒い息を吐きながらも仁王立ちで咆哮を上げるオーダイルの姿があった。

『マスカーニャ、戦闘不能! したがって、優勝は――ショウ選手!!』

審判を務めるクラベル校長の力強い宣言とともに、アカデミー全体を揺るがすほどの割れんばかりの大歓声が巻き起こった。

激闘を繰り広げたパルデア学校最強大会の優勝者が、ついに決定した瞬間であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。