Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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VSスコート2

アリサとネモの手持ちがそれぞれ残り2体となる中、スコートとサクヤモンは圧倒的な余裕を崩さず、悠然と立ち構えていた。

「お願いね、パーモット!」

「パーモッ!!」

ネモが勢いよくてあてポケモンのパーモットをフィールドへ送り出す。そしてアリサが次のポケモンを選ぼうと腰のボールに手を伸ばしたその瞬間――カチリと鳴る音とともに、腰に下げていたラブラブボールとゴージャスボールが「私達を出せ!」と主張するようにガタガタと激しく揺れ始めた。

「あなた達……そこまで出たいのね。分かりました! まずはあなたからお願いします、ラブトロス!!」

「ラブトォッ――!!」

アリサが力強く投げ放ったボールから姿を現したのは、ピンク色の麗しい姿をしたあいぞうポケモンのラブトロス(化身フォルム)だった。

パルデア地方の生徒たちにとって全く見慣れない未知のポケモンの登場に、会場からはどよめきが起き、スコートもまた「ほう……」と感心したような声を漏らす。

「この子はラブトロス! イッシュ地方のボルトロスやトルネロス、ランドロスたちと同種族の伝説のポケモンです! そして――」

アリサがさらに気合を込め、テラスタルオーブを頭上に掲げてラブトロスを鮮やかなクリスタルへと変貌させる。その様子を見たスコートはふっと笑みを浮かべると、これまで共闘してきたサクヤモンをデジヴァイスの光の中へと一度戻した。

「ならば、私も相応のパートナーを繰り出しましょう。リアライズ――オファニモン!!」

スコートが掲げた端末から神々しい光が奔流となって溢れ出し、それが晴れると――サクヤモン同様に人の姿をしているが、それをも凌駕する女神のような圧倒的な美しさと、触れる者をひれ伏させるほどの神々しい翼を持つ最高位のデジモン、オファニモンが降臨した。

「おいおい、スコート……! 相棒を出すなんて、本気すぎて正気かよ!?」

タツミが呆れたような、しかしどこか冷や汗混じりのツッコミを入れる。それに対し、スコートは澄ました顔で言い放った。

「同じ顔の彼女が普段は見せない珍しいポケモンを出したのですから、こちらもそれ相応の切り札を出さなければ失礼にあたるでしょう?」

「はぁ……勝手な理屈だなまったく」

タツミは頭をかきながら大きな溜息を吐きつつも、スピーカーを通じて解説を引き受けた。

「やれやれ、仕方のないな。目の前に現れたのはオファニモン。数多いる天使型デジモンの頂点に君臨する『三大天使』の最高峰の1体だ。必殺技は聖なる槍で貫く【エデンズジャベリン】と、無数の水晶で敵を蜂の巣にする【セフィロートクリスタル】だ」

『(ネモ、聞こえているか!? オファニモンはあいつの真のパートナーデジモンだから、並みの究極体とはケタ違いの強さだ! しかも多彩な補助技や攻撃技を完璧に使いこなすから絶対に油断するなよ!)』

ショウがテレパシーでネモへ必死に注意を促す。しかし、その警告を聞いたネモの反応は――。

「スッゴイ……! スコートさんの本気のパートナーなら、めちゃくちゃ強いってことだよね! なんか、すっごく燃えてきたぁっ!!」

「いや、そこは焦れよ……!」

ネモの底知れないバトル狂っぷりに、周囲の生徒やハルトたちは思わずずっこけそうになりながら呆れるしかなかった。

「私も、あまりこの子達を荒々しい戦いに使いたくはなかったのですが……ここまで来たら、絶対に負けるわけにはいきません!」

アリサもまた、伝説のラブトロスを従えて力強く宣戦布告する。

「ふふっ、主と同じ可愛い顔をした子も、綺麗なメッシュの入った元気な子も……私たちを見て怯えるどころか、より一層戦意を高めてくれるなんて、本当に素敵なお友達ね」

オファニモンは慈愛に満ちた、それでいて底知れぬ威圧感を湛えた笑みを浮かべ、その美しい体からさらに強烈な神気を波及させる。

「さぁ、私たちを退屈させないで。どこからでもかかってきなさい!」

「望むところです! ラブトロス、【春の嵐】!!」

「ラブトォッ!」

「パーモット、一気にいくよ! 【電光双撃】!!」

「パーモッ――!!」

ラブトロスが巻き起こす圧倒的な春の猛吹雪の怒涛と、パーモットが全身全霊の電撃を纏って放つ必殺の体当たりが同時並行でオファニモンへ迫る。しかし、オファニモンは優雅に聖なる盾を掲げ、そのすべての猛攻を完璧に受け止めて弾き返した。

「ネモさん、少し作戦があります。耳をお貸しください」

アリサがネモに素早く耳打ちし、作戦を共有する。

「分かった! パーモット、一度戻って! 【ボルトチェンジ】!!」

「パモッ!」

「ラブトロス、早業の【ミストフィールド】展開からの、【悪巧み】です!」

「ラブッ……!」

パーモットは電撃の光軌を描いてネモの元へと戻り、代わって控えからマスカーニャが再びフィールドへと飛び出す。その足元には妖精の加護が満ちる【ミストフィールド】が広がり、ラブトロスはさらなる高みへと特攻を跳ね上げていく。

「マスカーニャ、【トリックフラワー】!!」

「ニャァ!」

「ラブトロス、早業の【悪巧み】からの――力業【春の嵐】!!」

「オファニモン、【セフィロートクリスタル】!」

オファニモンが手元に4つの神聖な水晶結晶を召喚し、一斉に二人へと撃ち出そうとする。しかし、必中かつ急所を確実に貫くマスカーニャの【トリックフラワー】と、ラブトロスの限界まで高められた力業【春の嵐】の連携がそれを上回り、放たれた4つのクリスタルを直撃の手前で完全に粉砕した!

「ふむ……。ならば、もう少し数と出力を増やしましょうか」

オファニモンは微塵も動じず微笑むと、さらに宙へ聖なる水晶を呼び出し、その数は合計8つへと倍増した。

「流石に、テラスタルまで重ねていない状態のラブトロス単体では防ぎきれないかもしれませんね……ネモさん!」

「オッケー! マスカーニャ、一気にいくよ――テラスタル!!」

「ニャァッ!!」

ネモが力強くテラスタルオーブを掲げ、マスカーニャの頭上に輝く結晶の王冠を降臨させる。

「マスカーニャ、全霊の【リーフストーム】!!」

「ニャァァァーーッ!」

「ラブトロス、早業の【悪巧み】から叩き込め、力業【春の嵐】!!」

「ラブトォッーー!!」

テラスタルの爆発的なブーストを受けたマスカーニャの極大【リーフストーム】と、ラブトロスの【春の嵐】が合わさり、津波の如き自然のエネルギーが8つすべてのクリスタルをまとめて粉砕し、オファニモンそのものを丸呑みにしようと飲み込んだ!

ガァァァンッ!!

すさまじい閃光と爆風が静まり返ったとき、そこには驚愕の光景があった。すべてのクリスタルが破壊されたはずのオファニモンの周囲には、いつの間にか新たに展開された水晶と光の盾が幾重にも張り巡らされ、その猛撃を完全に無力化していたのだ。

「まさか、すべての【セフィロートクリスタル】を引っ張り出させるとは……見事ですね」

オファニモンは美しく微笑みながらも、一歩も引くことなく手に持った神聖な槍を真っ直ぐに突き立てた。

「――【エデンズジャベリン】!!」

槍の切っ先から放たれた、すべてを浄化する極太の光線が猛烈な勢いでマスカーニャめがけて直撃せんとする! その瞬間、ラブトロスが味方を庇うように素早くマスカーニャの前に躍り出た。

「ラブトロス、全霊の力業【ミストバースト】!!」

「ラブトォォォーーッ!!」

「マスカーニャ、【守る】で耐えて!」

「ニャァッ!」

ラブトロスが自らのすべての生命力を爆発させる大技【ミストバースト】で光線を相殺しようと試み、マスカーニャも間一髪で【守る】の障壁を展開して耐え忍ぶ。しかし、オファニモンの究極の必殺技はその壁をすら切り裂き、爆炎と光の奔流が二人をまとめて呑み込んだ。

ドゴォォォォンッ!!

激しい爆発のあとの煙が晴れると、そこには――テラスタルが強制解除され、力尽きて戦闘不能となったラブトロスと、全身がボロボロになりながらもかろうじて立っているマスカーニャの姿があった。

『ラブトロス、戦闘不能!』

「ありがとう、ラブトロス……よく頑張ってくれたね。……お願いします、ディアンシー!!」

「ディアンッ!!」

アリサが最後に引き出したのは、誇り高き宝石ポケモンのディアンシーだった。

「ディアンシー、【ダイヤストーム】!!」

「アンシーッ!」

「アリサ! マネさせてもらうね! マスカーニャ、【花粉団子】!!」

「ニャァッ!」

ディアンシーが放つ煌びやかなダイヤモンドの嵐がオファニモンを激しく包み込む! そして嵐が晴れた瞬間、先程のショウとの激闘でアリサが見せた戦術を追走するように、マスカーニャが至近距離まで急肉薄! 自分ごと巻き込む【花粉団子】の大爆発を引き起こし、オファニモンへの追撃とボロボロだった自身の体力の回復を同時に成功させた!

「ふむ……流石に手痛いダメージを受けましたね」

「ここから一気にイケイケドンドンだぁーーっ!!」

アリサが手応えに表情を明るくし、ネモが勢いよく拳を突き上げる。しかし、スコートはどこまでも冷静な眼光を崩さない。

「オファニモン、【セフィロートクリスタル】をフィールド全体へ配置してください」

「ええ、了解しました」

スコートの整然とした指示に従い、オファニモンはバトルフィールドの各所に聖なる水晶を多面配置し、さらに自身の頭上にも巨大なクリスタルを浮遊・設置させた。

「そのまま【エデンズジャベリン】を最大出力で頭上のクリスタルへ照射!」

「【エデンズジャベリン】!!」

オファニモンが頭上の水晶へ向けて放った極太の光線は、屈折・反射を繰り返しながらフィールド各所のクリスタルへと瞬時に伝播! 四方八方、逃げ場のない全方位から交差する幾重もの殺傷光線が二体に襲いかかる!

「ディアンシー! 自分の周りに【ダイヤストーム】の壁を!」

「アンシーッ!」

「マスカーニャ! あなたも【リーフストーム】で全方位を撃ち払って!」

「ニャァッ!」

二体は嵐の如き技で光の網を相殺・防ぐべく全力で展開するが、全方位から降り注ぐ高出力の光線を防ぎきることはできず、分厚い技の壁を容赦なく貫通! 凄まじい閃光とともに二体同時に地面へ倒れ伏し、戦闘不能となった。

『ディアンシー、マスカーニャ、両者戦闘不能!』

「よしっ、計算通りだね! お願い、パーモット!!」

「パーモッ!!」

観客席が全滅の危機に息を呑む中、ネモだけはニヤリと不敵に微笑み、ラスト1体となったパーモットをピッチへ繰り出した。そして一切の躊躇なく指示を飛ばす!

「パーモット、【再起の祈り】!!」

「パーモッ!!」

倒れた味方を戦場へと呼び戻す神聖な秘術――【再起の祈り】の光がフィールドを包み込む。しかし、その光が注がれたのはネモのボールではなく……なんとアリサのディアンシーだった!

「……ありがとうございます、ネモさん! ディアンシー、いきますよ――メガ進化!!」

「ディアンッ!!」

アリサがメガリングへ指を滑らせると、眩いメガシンカの光とともに、より煌びやかで神々しい真の姿――メガディアンシーが降臨した!

突如現れたメガディアンシーの圧倒的な美しさと威厳に観客席全体が騒然となる中、スコートは退屈を打ち破られたかのように好戦的な笑みを深めた。

「これは面白くなってきましたね……オファニモン、【セフィロートクリスタル】!」

「ディアンシー、【ダイヤストーム】!!」

「ディアッ!」

空中を飛翔するクリスタルの弾幕と、超高密度のダイヤモンドの嵐が真っ向から激突し、互いに相殺! その隙を突き、光の刃で剣を生成したメガディアンシーが猛スピードで肉薄すると、オファニモンも聖槍を掲げて迎撃。息を呑むような華麗で美しい剣劇が交わされた。観客の誰もがその神話の1ページのような光景に見とれる中、アリサが勝負に出る!

「ディアンシー、【ボディプレス】!!」

メガディアンシーが上空へ飛翔し、重厚な結晶の質量をもってオファニモンを押し潰さんと急降下!

「オファニモン、【ホーリーアロー】!」

しかし、オファニモンは落ち着き払った動作で槍と盾を合体させ、聖なる巨弓へと変形させる! 弓に生み出された神聖な光の矢を弓引き、解き放たれた【ホーリーアロー】が急降下するメガディアンシーと正面から衝突! 凄まじい衝撃波とともにメガディアンシーは地上へと撃墜されてしまう。

「なら、もう一度【ダイヤストーム】!!」

「ディアッ!」

「オファニモン、本来の【エデンズジャベリン】を……気絶程度の出力で!」

「わかりました」

迫り来るダイヤモンドの嵐を、オファニモンは一切恐れず槍の一閃で突き抜け、その穂先をメガディアンシーの胸元へと一瞬で突き刺した! そのまま至近距離で解き放たれた聖なる光線がメガディアンシーを貫き、凄まじい閃光とともにメガ進化が解除。ディアンシーは力尽きて倒れ、完全に戦闘不能となった。

『ディアンシー、戦闘不能!』

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