Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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VSオメガモン

「リアライズ! オメガモン!」

タツミの号令とともに眩い光の中から現れたのは、白銀の気高い身体にマントを纏い、右腕には青い狼の頭部、左腕には黄色い竜の頭部を宿した伝説の聖騎士デジモン――オメガモンだった。

そのオメガモンが解き放った圧倒的な気迫は、先ほどまでのオファニモンやサクヤモン、ブリガードラモンのプレッシャーをも「心地よいそよ風」に感じさせてしまうほどの桁違いの神威を放ち、観戦していた生徒や関係者の全員がその場から一歩も動けなくなってしまう。

「我が名はオメガモン。『ロイヤルナイツ』の1体なり」

「いや、こいつは俺の直属の配下ってわけじゃないんだが……コイツが仕えている主からの依頼でこの世界へ着いてきたんだ」

「我が主の命によりこの地に参上した。本来ならば事の次第を見守るつもりであったが……此方の世界の最高峰を見せた方がよいと我が直感が判断した。故に、此度の代表たる者どもよ……死力を尽くして、その全力を我に見せてみよ!」

オメガモンが宣戦布告とともに両腕を構えると、右腕の狼の口から巨大な凍結砲身が、左腕の竜の口から燦然と輝く剣身がそれぞれ展開され、さらなる恐怖の圧力がフィールドを支配する。恐怖のあまり腰を抜かしたり、その場で失神しかける観客すら現れる中、ピッチのガチグマとディンルーもまた、その底知れぬ神気に気圧されて激しく身を竦ませていた。

しかし――。

「ガチグマ!」

ショウがいつもの熱を帯びた、微塵も怯みのない堂々とした声を張り上げる。その主の変わらぬ背中を見たガチグマは、不思議と恐怖がスッと霧散して安心感を覚え、瞬く間に本来の凄まじい戦意を取り戻した。

「ディンルー、大丈夫だよ! 僕も本当はすごく怖いけど……僕やショウくんが後ろにいるから、安心してぶつかっておいで!」

ハルトが優しく、しかし力強く声をかけてディンルーの頭を撫でる。その温もりを受けて、巨災のポケモンもまた地を揺るがすような唸り声を上げ、怯えを完全に振り払って闘志を燃え上がらせた。

「ガチグマ、早業の【腹太鼓】からの、力業【ドレインパンチ】!!」

「ワギィィーーッ!!」

「ディンルー、全力の【カタストロフィ】!!」

「ソソゲェーーッ!!」

命を削って攻撃力を限界まで高めたガチグマは自ら「火傷」状態を負うことで特性【根性】を全開に活性化させ、超重量の拳でオメガモンを強襲して相手のライフを吸収し自らの体力を一気に全回復! さらにディンルーの固有技【カタストロフィ】が敵の体力を容赦なく半分に抉り取る。しかし、伝説の聖騎士オメガモンはその直撃を受けても、微動だにせず、ダメージを受けている様子すらなかった。

「よし、ならこれでいくぞ……! 道を切り開け、テラスタル!!」

ショウがテラスタルオーブを力強く頭上へ掲げ、光の結晶がガチグマを包み込む。ノーマルテラスへと変化したガチグマのオーラがさらに爆発的に跳ね上がる!

「ガチグマ、力業の最高出力【空元気】!!」

「ワギィィーーッ!!」

「ディンルー、渾身の【ヘビーボンバー】!!」

「ソソゲェッ!!」

ノーマルテラスタルの補正と【根性】の特大ブーストが乗ったガチグマの渾身の【空元気】と、ディンルーの巨躯を乗せた極大の【ヘビーボンバー】が同時にオメガモンの懐へ直撃する!

ドゴォォォォンッ!!

凄まじい衝撃波が巻き起こり、フィールドの空気が大きく揺らぐ。しかし、完全に直撃したはずのオメガモンは、わずかにその巨体を数歩後ろへと後退させただけであった。

「ははっ、見事だ! 今の一撃は、並みの完全体であれば一撃で粉砕できるほどの威力になっていたな。まぁ、このオメガモンの前ではかすり傷程度だが――『ダブルトレント』!」

タツミが鮮やかな手際で次の一手を指示する。その号令に応じ、オメガモンは両腕の剣と砲身を地面へと力強く突き立てた!

直後、地中を這う極寒の絶対零度の氷柱と、すべてを焼き尽くす超高熱の炎の奔流が交互に荒れ狂いながら地表を駆け抜け、ガチグマとディンルーの二人を容赦なく襲い包み込む。

ドッ――!!

一瞬の静寂ののち、凄まじい爆発とともにガチグマとディンルーは耐え切れず同時に激しく倒れ伏し、そのまま完全に戦闘不能となってしまった。

「説明を忘れていましたが、彼はオメガモン。デジタルワールドを守護する最強の聖騎士型デジモンたち『ロイヤルナイツ』の一柱に数えられ、その集団の中でも最高峰の実力を持つ究極体デジモンです。必殺技は右腕から絶対零度の冷気を撃ち出す【ガルルキャノン】と、左腕の剣で全てを両断する【グレイソード】になります」

スコートがマイクを握って冷静に補足説明を入れる最中、ショウはハルトと素早く視線を合わせ、残された最後の手持ちを決定した。

「頼んだぞ、ラティオス!」

「シュワーン!」

「お願い、イーユイ!」

「ミヨッ!」

ショウが繰り出したのは気高きむげんポケモンのラティオス、ハルトが繰り出したのは最後の四災である禍の魚・イーユイだった。

「これまでの戦いでよく分かったけど、デジモン相手にはこちらの状態異常やデバフ技はほとんど通じない。仮に【痛み分け】を使おうにも、相手のHPの総量がケタ違いすぎて意味がないし、一撃必殺技でも仕留められない。となれば、やることは一つだな」

「そうだね。変に小細工をするより、こちらの能力を極限まで引き上げて一撃を叩き込むしかないね!」

二人の意見は完全に一致した。

「ラティオス、メガ進化!!」

「イーユイ、新しい力を纏って――テラスタル!!」

アリサたちから受け継いだ絆の光が爆発し、ラティオスは眩いメガシンカを遂げて【メガラティオス】へと変貌を遂げ、イーユイもまた頭上に宝石の冠を輝かせる。

「ラティオス、早業の【瞑想】と【竜の舞】を重ねがけろ!」

「イーユイ、限界まで【悪巧み】を積み上げろ!」

圧倒的なプレッシャーを放つオメガモンを目の前にしながらも、ラティオスとイーユイは隙を突いて自身の特攻・特防・攻撃・素早さを極限の限界値まで一気に跳ね上げていく。しかし、オメガモンはその気高い戦術をあえて邪魔立てすることなく、腕を組んだまま静かに傍観していた。

すべての能力上昇が完了し、オーラが最高潮に達した瞬間――!

「ラティオス、力業の【アシストパワー】からの、力業【流星群】!!」

「シュワーンッ!!」

「イーユイ、すべてを焼き尽くせ、最大出力の【オーバーヒート】!!」

「ミヨーーッ!!」

積み上げた能力の数だけ威力が爆発的に跳ね上がったメガラティオスの【アシストパワー】、降り注ぐ極大の【流星群】、そしてテラスタルのブーストが乗ったイーユイの【オーバーヒート】が、一斉にオメガモンへ向かって炸裂した!

しかし、オメガモンは微動だにせず、右腕の青い狼の頭部を前方へスライド展開させた。

「――【ガルルキャノン】」

右腕の砲身から放たれたのは、周囲の空間すら凍りつかせる絶対零度の絶対冷気弾! その冷気は、ラティオスたちの猛攻によるエネルギーの奔流を一瞬にして完璧に凍結させ、跡形もなく掻き消してしまった。

「返すぞ……【グレイソード】」

続けて左腕の竜の頭部から聖剣のブレードを展開し、一閃!

すさまじい剣圧を伴った一太刀が、限界まで能力を上げたメガラティオスとイーユイをまとめて一刀両断し、二体はそのまま地面に崩れ落ちて戦闘不能となった。

『メガラティオス、イーユイ、戦闘不能!』

「ここまで……絶対的な力の差があるっていうのかよ……」

ショウが悔しそうに歯噛みしながら、倒れた相棒たちをボールへと戻す。そして、いよいよ最後のカードを構えた。

「最後だ、頼むぞ……! 行ってくれ、ミライドン!!」

「ギャースッ!!」

「お願い、僕たちの絆の切り札……! テラパゴス!!」

「パァゴォッ!!」

ショウが解き放ったのは未来のパラドックスポケモン・ミライドン、ハルトが繰り出したのは秘められた力を宿すテラスタルポケモン・テラパゴスだった。

「待って、ショウ! その前に、テラスタルオーブを出して!」

「……? いったい何をするんだ?」

怪訝な顔をしながらもショウがテラスタルオーブを差し出すと、ハルトは自分のテラスタルオーブを並べ、最後の切り札であるテラパゴスへとそっと近づけた。

「お願い、テラパゴス……!」

「パァゴォ……!」

テラパゴスが体の輝きを【ステラ/テラスフォーム】へと変化させた瞬間、その神聖な光の波長が共鳴し、なんとショウとハルトの手に握られていた二つのテラスタルオーブのエネルギーが、一瞬にして完全再チャージされてしまったのだ!

「こんなことが……!? オーブが復活したぞ!?」

「ふふん、驚いたかい? テラパゴスの秘める光は、一度使ったテラスタルオーブのエネルギーをその場で再チャージできるんだ! 普段の公式ルールなら反則の裏技だけど……今回は制限なしのエキシビションだし、特別だよ!」

ハルトがちょっと誇らしげに胸を張って説明すると、二人は力を込めてオーブを強く握りしめた。

「よしっ、それなら遠慮なくいくぞ……! もう一度テラスタルだ!!」

「僕たちも、全力でテラスタルするよ!!」

テラパゴスの奇跡的な力によって再びテラスタルを解放したショウとハルトは、一瞬の隙も作らず次の一手へと繋げた。

「ミライドン、【瞑想】を積め!」

「グオォォッ!」

「テラパゴスも【瞑想】!」

「パァゴォ!」

二体が素早く特殊耐久と火力を高め始めたのを見て、タツミは冷静に迎撃を命じた。

「オメガモン、ミサイルで牽制しろ」

オメガモンの右肩アーマーおよび左腕の狼のマズル部分がパカリと展開し、無数の小型ミサイルが一斉に射出される。

「ミライドン、早業の【充電】から、力業の【パラボラチャージ】!!」

「グオォォッ!」

ミライドンが自身の周囲に強烈な電磁バリアを纏いながら電撃を放ち、迫り来るミサイル群を間一髪で誘爆させて相殺した。

「ふん……。ちなみにオメガモンは、ウォーグレイモンとメタルガルルモンという2体の究極体が融合して生まれたデジモンだ。だからこそ、その両者の能力を完璧に使いこなせる。今のミサイルはただの爆薬じゃない、触れた瞬間に対象を絶対零度で凍結させる極低温ミサイルだ。まともに当たれば一瞬で氷漬けだったぞ」

タツミが余裕の笑みを浮かべながらそう解説する中、ミライドンとテラパゴスはさらに能力の上積みを完了させた。

「ミライドン、早業の【充電】からの――【エレキフィールド】を展開!」

「グオォォッ!」

「テラパゴス、続けて【雨乞い】!!」

「パァゴォ!」

テラパゴスが先ほどのテラスタル化で消えてしまった【エレキフィールド】を足元に再展開し、さらに上空へと濃厚な雨雲を呼び寄せる。

「……来るか」

オメガモンが低く呟いた瞬間、二人の全力の合撃が放たれた。

「ミライドン、力業の最高出力――【イナズマドライブ】!!」

「グオォォォォォッ!」

「テラパゴス、全霊を込めた【テラクラスター】!!」

「パァァァゴォォッ!」

眩い電光の突進と、無数の輝くエネルギー弾がオメガモンの真正面へと殺到する! しかし、オメガモンは避ける素振りすら見せず、左肩に装備された【勇気の盾】をふわりと掲げた。直後、盾から展開された神聖な光の障壁が【テラクラスター】の弾幕を完璧に弾き返す!

その堅牢な防御を見たミライドンは、瞬時に判断を切り替えて盾の防御範囲を避ける軌道へと回り込もうとした。しかし――オメガモンはミライドンの動きを最初から見ているかすら怪しいほど、別の方向へ視線を向けたまま右腕を突き出した。

「――【ガルルキャノン】」

絶叫の隙すら与えず放たれた絶対零度の冷気砲弾が、軌道を変えようとしたミライドンの進路を正確に撃ち抜き、一撃で戦闘不能へと追い込んだ!

「なっ……!?」

「嘘だろ……!?」

「パァゴッ……!?」

あまりにも予見されたかのような神業的な迎撃に、ショウとハルト、そしてテラパゴスが驚愕して硬直する。そのわずかな隙を、オメガモンは微塵も見逃さなかった。

「――【グレイソード】」

一瞬の残像を残すほどの超加速で踏み込み、左腕の聖剣が一閃。

抗う暇もなく切り伏せられたテラパゴスもまた力尽きて倒れ込み、激闘を極めたエキシビションマッチの終了を告げる宣言が響き渡った。

「……おいおい、どうなってんだよ? まるでミライドンの動く先が、最初から全部分かってたみたいだったぞ……!」

ショウが混乱した頭を抱えながら思考を巡らせる中、タツミはふっと呆れた視線を満足げな笑みを浮かべているオメガモンへ向けた。

「オメガモン。……あんた、今の戦闘で『オメガインフォース』を使ったな?」

「……然り」

「オメガインフォース……? それって何だ?」

ハルトが不思議そうに首を傾げると、観客席のマイクからスコートの静かな声が響いた。

「一部の特別なオメガモンだけが発現させると言われる特殊能力です。戦闘において一瞬にして先の未来を先読みし、あらゆる事象に最適かつ瞬時に対応してしまう究極の戦闘センス――それが極限まで高められた状態ですね」

「本来ならば『X抗体』の力を宿さねば使えぬ力なのだが……今回は我が主イグドラシルから特別の許可をいただき行使した。誇るが良い。我が全力ではないが、貴様らの足掻きが、我に『本気』の一歩手前まで出させたのだからな」

オメガモンが静かに剣を納め、神々しい気高さを纏いながら二人を称賛する。

「……ははっ、伝説の聖騎士って奴にそこまで言わせたら、一矢報いるどころか大金星だな!」

「そうだな! これだけ派手にやれれば悔いはないさ!」

ショウとハルトは顔を見合わせてカラカラと快い笑い声を上げると、ピッチの中央で待ち構えるタツミの元へと歩み寄り、力強くガッチリと握手を交わした。

こうして、デジモンたちの圧倒的な未知の力とポケモンたちの絆が激突した学園最強大会は、興奮と熱狂の渦の中で幕を閉じたのだった。

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