Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
プラチナトーナメントの火蓋が切って落とされ、コロシアムの歓声は頂点に達していた。
『決まったぁぁぁッ! ナイトクロウのエイジがライトファングのサクヤを破り、グループAのチャンピオンの座を掴み取ったぁ! これでライトファングがグループBのチャンピオンを勝ち取れなければ、今年の総合優勝はナイトクロウで決定だぁぁぁッ!』
実況の絶叫がコロシアム全体に響き渡る。観客席のハルトたちが固唾を呑んで見守っていた。
「いよいよ、次はショウの番だね……!」
「後がない状況で回ってくるなんて、緊張感ちゃんだな……」
ハルトやペパーが言葉を交わす中、当のショウは冷暖房の効いた静かな控室で静かに目を閉じ、精神統一を図っていた。やがてモニターから流れる試合状況の音声を耳にし、すっと目を開ける。
「……よし、そろそろ行くか」
ショウは短く呟くと相棒たちのデータを確認し、堂々とした足取りで決戦のフィールドへと向かった。
『グループBも一進一退の激闘が続いております! 先ほど、ライトファングのマサヒロ選手をナイトクロウのノックス選手が破りました! ライトファング、いよいよ後がなくなったぞぉぉぉッ!』
フィールドへ足を踏み入れると、対戦相手であるノックスが底意地の悪そうな不敵な笑みを浮かべて待っていた。
「ヘッ! さっさと始めようぜ! お前を倒せば俺様の勝利は目の前だぁ! まぁ、お前ごときを捻り潰すなんて楽勝だけどな!」
「……舐めたこと言ってられるのも今のうちだ。勝つのは俺だ!」
互いに視線をバチバチと交わし、一瞬で緊迫した空気がフィールドを満たす。両テイマーが手元のデジヴァイスを構え、戦闘態勢を整えると、中央の審判が大きく手を掲げた。
『両選手、準備宜しいですね! ……それでは、プラチナトーナメント・グループB! Ready……GO!!』
ノックスが解き放ったデジモンは、重火器とサイボーグ化を施した獣系の猛者たち――メタルガルルモン、セントガルゴモン、ヘヴィーレオモンの3体!
対するショウが戦場へ送り出したのは、ジャスティモンX、グリフォモン、ラジエルモンの3体
「速攻で決めるぞ! 相手に攻撃の指示を与えるヒマを与えるな! 一斉射撃ぃッ!」
ノックスの叫びとともに、3体のサイボーグデジモンから怒涛の重火器・光学兵器が乱射された。極大の爆炎と弾幕がショウ側を完全に包み込み、視界が遮られる。しかし、立ち込める爆煙が晴れると、そこにはラジエルモンが展開した強靭な【光の障壁】が整然と輝いていた。相手の初手・全火力攻撃を完全に無効化してみせたのだ。
障壁が粒子となって消えると同時に、高速機動のグリフォモンが音速を超えて敵陣へと急肉薄! 超音波を放ち、一瞬で敵3体の防御バフを削ぎ落として無防備に変える!
「今だ、ジャスティモンX!」
ショウの指示を受け、ジャスティモンXは己の攻撃力を極限までチャージ! 凄まじい旋風を巻き起こしながら高空へと跳躍すると、上昇気流の中心へと巻き込んだメタルガルルモンたち目がけて、超高速回転を加えながら必殺の蹴りを放った!
「――【ジャスティス穿孔キック】!!」
光の軌跡を描いて貫かれたメタルガルルモンは、あまりの威力に耐え切れず一撃で戦闘不能となり同時に巻き込まれ、地上へ激しく叩きつけられたセントガルゴモンとヘヴィーレオモンも、なんとか立ち上がったものの瀕死の重傷を負っていた。
「なっ……!? 嘘だろ、一撃でメタルガルルモンが……っ!? クソッ、2体とも回復だ!」
ノックスは慌てて所持している貴重な回復用アイテムを発動させ、2体の体力を全回復させた。だが――。
「遅い。……トドメだ」
ショウの冷静な声が響く。すかさずグリフォモンとラジエルモンが息の合った連携を見せ、必殺の超音波衝撃波【スーパーソニックボイス】と知識の光流【ノウレッジストリーム】をヘヴィーレオモンへと集中砲火! 再び立て直す隙を与えず一気に叩き伏せる!
最後に残されたセントガルゴモンが砲口を向けようとした瞬間、上空から超加速で舞い降りてきたジャスティモンXが、渾身の力を込めた正義の拳をその頭上へと叩き込んだ!
「――【ジャスティスXパンチ】!!」
ドカンッ――! という鈍い打撃音とともに、セントガルゴモンの巨体が地響きを立ててその場に崩れ落ちたのだった。
『BattleEnd!! WINNER……ライトファングのショウ―――ッ!! ライトファングが絶体絶命のピンチから見事に勝ち星を奪い返したぁぁぁッ!』
審判のアナウンスが響き渡り、観客席のライトファング応援エリアから大きな歓声が沸き起こった!
「チクショーがッ!! 楽勝だと思ったのに……! だがなショウ! この後に控えてる俺たちの真の主力が、お前なんかに負けるわけねぇからな!」
悔しさに顔を歪ませたノックスは捨て台詞を残し、倒れたパートナーを回収して早足でフィールドを去っていった。汗を拭いながら手応えを感じるショウは、次なる戦いを見据えて静かに息を整えるのであった。