Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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交流戦三回戦

『WINNER!! ライトファングのショウ―――ッ!! これでライトファングが怒涛の2連勝だぁぁぁッ!!』

審判の絶叫のような宣言が響き渡ると、ライトファング側の観客席からは地鳴りのような大歓声が巻き起こり、逆にナイトクロウ側からは大きな落胆のため息が漏れた。ロゼモンを回収したリンファは、髪を軽くかき上げながらショウへ近づいた。

「へぇ……やるじゃない。でも、次の相手は愛しいアリサよ? ここで私に負けておいた方が身のためだったんじゃないかしら?」

「知るか! 相手が誰であろうと負ける気はねぇよ! あいつに絶対勝つって決めてんだからな!」

「ふふ、ならせいぜい足掻いてみなさい」

ショウの力強い返答に満足したようにクスリと笑うと、リンファは手をヒラヒラと振って優雅にフィールドを後にした。

『さぁ、いよいよグループBの最終局面! 次の選手は――ナイトクロウのアリサ―――ッ!!』

実況のコールを受け、静かな闘志を宿したアリサが凛とした足取りでフィールドへ姿を現した。ショウと正面から向かい合うと、その瞳をまっすぐに見つめる。

「ショウさん……上ばかり見ていると、足元を掬われますよ?」

「なら、意地でも掬ってみせろよ!」

お互いに一切の譲歩なし。息をのむような緊迫感がフィールド全体を包み込み、審判が静かに手を掲げた。

『両者……準備は宜しいですね!? それでは――Ready……GO!!』

開始の合図とともに、両者のデジヴァイスからまばゆい光の奔流が弾け飛ぶ!

アリサが戦場へ送り出したのは、ガンドラモン、マグナキッドモン、そしてパートナーのガンマンベルスターモンXという極めて相性の良い三位一体の三銃士編成!

対するショウは、先ほどの消耗を考慮してメンバーを総入れ替えし、ロトスモン、ラセンモン、ベルゼブモンXW(クロスウォーズ)をリアライズさせた!

「アリサは三銃士で固めて極めてシナジーの高い相性重視の3体、対するショウは純粋な火力と押し切り狙いの攻撃重視編成ね」

「さっきの激戦でジャスティモンXたちも削られていたからな。理にかなった交代劇だ」

いつの間にか観客席のハルトたちの隣に腰掛けていたサクヤとエイジが、食い入るようにフィールドを分析する。そこへ、ドリンクの買い出しから戻ってきたヒデトも合流した。

「それだけじゃないぞ。……おそらく二人とも、あの『ポケモンの技』を高度に組み込んでくるはずだ」

ヒデトの言葉に応じるように、フィールド上で激しいコマンドの応酬が始まった!

「ロトスモン! 【フィールド】を攻撃特化で展開! ベルゼブモンとラセンモンは敵の主軸であるマグナキッドモンへ攻撃を集中させろ!」

「さっきの試合の真似をさせていただきますよ! ガンドラモン! 【ボディパージ】を掛けながら【ガードチャージ】! マグナキッドモンを庇ってください! マグナキッドモンとベルスターモンはロトスモンを集中砲火!」

アリサの即座の指示により、ガンドラモンが装甲の一部をパージして圧倒的な機動力と防御バフを獲得。味方への集中砲火をその巨体でガッチリと受け止め、反撃とばかりに三銃士の銃口が回復の要であるロトスモンへと一斉に向けられた。

ズドンッ――!!

しかし、弾幕がロゼモンを捉える直前、透明な多重障壁が展開され、すべての威力を完璧に遮断した!

「――【守る】!」

「……やはり。ノックスさんとの試合でも【守る】のデータを組み込んで使っていましたね」

「気づいていたか! デジモン同士の戦闘でも、この【守る】の空間遮蔽効果は完璧に反映されるんだよ!」

「ですが……その技が『連続では成功率が激減する』ことも熟知しています! ロトスモンへ集中攻撃! 回復役を崩します!」

「舐めるなよ! ラセンモン! 【ヘイトチャージ】でヘイトを強制誘導! ロトスモンは【メンタルブレイク】! ベルゼブモンは敵全体へ極大攻撃を叩き込め!」

アリサの狙いを完全に読んでいたショウの連携が冴え渡る!

ロトスモンの【メンタルブレイク】によって三銃士側の特殊耐久がガクリと低下。さらにラセンモンが素早い身のこなしでロトスモンの盾となる位置へ割り込み、飛んでくる弾丸をその身で肩代わりする!

そこへ間髪入れずに放たれたベルゼブモンXWの全体攻撃が炸裂し、耐久の削れた三銃士側に着実に重いダメージが蓄積していく!

「くっ……!」「効いているな……だが!」

お互いの戦術とポケモンの技の応用が高度に交錯し、一瞬の隙も許されない息詰まる頂上決戦は、さらに激しさを増して加速していくのだった。

ショウとアリサの激突は、互いの手の内を知り尽くしているがゆえに、一瞬の隙も許されない白熱の攻防へと突入していた。

「ベルスターモンは【挑発】を仕掛けながら【ハリケーンビスショット】! ガンドラモンは【ギアチェンジ】で攻撃力と素早さを補強しつつ【ゲヴァルトシュベルマー】! マグナキッドモンも【挑発】しながら【バインドレッドトリッガー】!」

「チッ……ロトスモンの必殺技をほぼ封じられたか! ならば【ギガドレイン】を混ぜ込みながら【フォービドゥンテンプテイション】! ラセンモンは【ビルドアップ】してから【ジャイロスマッシュ】の連続ラッシュをマグナキッドモンへ叩き込め! ベルゼブモンは【ダブルインパクト】と【デス・ザ・キャノン】で弾幕を相殺しろ!」

三銃士から放たれる圧倒的な弾幕に対し、ロトスモンとベルゼブモンXWが必殺技の迎撃と吸収技を織り交ぜて相殺。その激しい硝煙を突き破り、バフを積んだラセンモンが超高速で肉薄! マグナキッドモンへ激しい連続打撃を叩き込み、その体力を大きく削り取った。

「頼む、少しでも削りきってくれ……!」

「急いで崩して!」

「耐えて! 持ちこたえるんだ!」

「負けないで、押し返して!」

ライトファングとナイトクロウの双方から割れんばかりの歓声と声援が飛び交う中、観客席ではソウマとヒョウガが冷静に盤面を見極めていた。

「ショウの奴、かなり焦りが出ているな」

「あいつの狙いは明白だ。何が何でも相手の1体……特にマグナキッドモンを真っ先に落としたいんだろう」

隣で応援していたネモが、ソウマたちの言葉に首をかしげて尋ねる。

「どうしてあそこまで1体集中にこだわってるの?」

「三銃士が全員揃っている状態のマグナキッドモンには、【ケイオストライアングラー】という極大の合体必殺技があってな。発動条件が整えば、ショウの陣形を一瞬で壊滅させるだけの威力があるんだ。その条件の一つが『ガンドラモンとベルスターモンが同じ場に健在であること』なのさ」

「へぇ~! だからショウさんはリスクを冒してでも1体を集中攻撃してるんだね!」

「……どうやら、向こうの準備が整ったようだな」

ヒョウガの呟きと同時に、アリサの瞳に静かな光が宿る。

「(……そろそろですね)」

「(まずい、合体技が来る……!) ロトスモン、回復だ!」

「させません! 【差押え】!」

ショウが回復アイテムに手を伸ばした瞬間、アリサの指示でアイテム使用を封じる【差押え】のデータ効果が発動! ショウの手元でデジヴァイスのアイテムスロットが固まり、使用不能のシステムエラーが弾けた。

「今です! 【ケイオストライアングラー】!!」

アリサの凛とした叫びとともに、三銃士の銃口が一斉に一線へと重なり、巨大な三角形の絶対破壊光線が解き放たれた!

「(クソッ、【挑発】のデバフがまだ解けない……!) ラセンモン! 【守る】でロトスモンたちを庇え!」

ラセンモンが間一髪で【守る】を展開し、多重障壁となって二体の前へと立ちはだかる。しかし、三銃士の絆が放つ合体技の威率は圧倒的であり、強固な【守る】の障壁すら力任せに貫通! ラセンモンに絶大なダメージを与え、その余波が後方のロトスモンとベルゼブモンXWをも大きく吹き飛ばした。

膝をつき、荒い息を吐くラセンモン。後方の2体も削られ、盤面は一気に崩壊の危機に瀕する。

「今度は私たちが回復アイテムを使います! このまま一気に追撃を!」

「よし……【挑発】が解けた! ラセンモン、全エネルギーを注ぎ込め! 【スパイラルヴァニッシュ】! ベルゼブモンは【ダークネスクロー】! ロトスモン、間髪入れずに【サーペントキュア】だ!」

最後の力を振り絞ったラセンモンが全身をドリルと化して突撃し、渾身の【スパイラルヴァニッシュ】で満身創痍だったマグナキッドモンを巻き込んで相打ちのデジタマ化へと持ち込んだ!

合体技の条件を破った瞬間にロトスモンの【サーペントキュア】が発光し、ベルゼブモンXWの傷を急速に癒やしていく。回復したベルゼブモンXWが【ダークネスクロー】でガンドラモンへ猛攻を仕掛け、深手を与えたものの――背後から回り込んだベルスターモンXの鋭い一閃が、無防備となったロトスモンの背中を貫いた。

「そこまでよ!」

ロトスモンが倒れたその瞬間――ロトスモンの身体から不気味な黒い靄が立ち昇り、至近距離にいたベルスターモンXを瞬時に包み込んだ。

【道連れ】――。

技の効果により、ベルスターモンXも巻き込まれる形でその場に倒れ伏し、二体同時に戦闘不能へと陥ったのだった。

「【道連れ】!? いつの間に仕込んでいたんですか……!?」

思わぬカウンターにアリサが目を見開く中、ショウは果敢な笑みを浮かべて叫んだ。

「さっきロトスモンにベルゼブモンを回復させてる間にな! ついでに【差押え】のターン制限も切れたぜ! こっちも最後の回復アイテムを使う!」

「なら……私だって最後のアイテムを使います!」

両者は即座にアイテムを使用。 ショウは場に残ったベルゼブモンXWの体力を全回復させ、アリサは今倒されたばかりのベルスターモンXを瞬時に戦線復帰させた。

「やっぱり、主力のベルスターモンを復活させてきたか! これでそっちのアイテム枠は完全消化……アイテムはもう使えないぞ! ベルゼブモン、一気に決める! これを使うぞ!」

ショウは胸ポケットから一基のデジメモリを抜き取り、デジヴァイスのスロットへ一気に突き刺した。眩い光の奔流と共に実体化したのは、全身に重火器アーマーを纏った青白い超光速の人狼――マグナガルルモン!

「ベルゼブモン! マグナガルルモン! デジクロス!!」

『デジクロス! クロスアップ! ベルゼブモン!!』

ベルゼブモンXWにマグナガルルモンの飛行ユニットと胸部アーマー、そして両腕へ巨大重火器【ストライクファントム】と【スナイパーファントム】が合体・装着され、圧倒的な高機動砲撃形態へとクロスアップを果たす!

「なら、こちらも最後の一手です! ベルスターモン! ガンドラモン! デジクロス!!」

「「デジクロス!!」」

『クロスアップ! ベルスターモン!!』

対するアリサも即座にデジクロスを敢行! ベルスターモンXの背後と全身にガンドラモンを模した重装甲が組み合わさり、手元にはガンドラモンの超巨砲をそのまま凝縮したような巨大リボルバーライフル【ガンドラライフル】が構築された!

「――【デス・ザ・デストロイ】!!」

背部の高出力飛行ユニットを全開に点火させたクロスアップ・ベルゼブモンが、フィールド上空を超音速で縦横無尽に旋回しながら全火器を掃射! 対するクロスアップ・ベルスターモンも【ガンドラライフル】から極大の光弾を連射し、空中で凄まじい大爆発を起こしながら相殺してみせた!

「接近戦に持ち込むぞ!」

ショウの指示と同時に、ベルゼブモンは弾切れとなった【ストライクファントム】を相手の視界へ向けて投げつけると、すかさず【スナイパーファントム】でそれを空中で撃ち抜いた! 爆砕したパーツから大量の散弾が目くらましとしてばら撒かれる。

ベルスターモンが間一髪で回避した瞬間、激しい硝煙を突き破ってベルゼブモンがビームサーベルを抜き放ち、そのまま超近接の切りつけを敢行!

しかし、ベルスターモンも【ガンドラライフル】の銃口下部から巨大な短刀を展開し、完璧な動作でその一閃を受け止めた。そのまま【ガンドラライフル】を銃剣として縦横無尽に振るい、近接射撃技【ハリケーンビスショット】を織り交ぜた怒涛の超高速剣劇を展開!

手数と精密さで勝るベルスターモンによって、ベルゼブモンの全身にじわじわと切り傷とダメージが蓄積していく。しかし――その激しい打撃戦の最中、アリサの脳裏に強い違和感が走った。

「(おかしい……先ほどから、ショウさんはポケモンの技の指示を一切出していない……? ベルゼブモンにポケモンの技データをインストールしていないなんてあり得ません。それに、あのクロスアップ形態なら高速移動からの引き撃ちに徹するのがセオリーのはず……。まさか、自ら接近戦を選んだのは『斬り合いながら回復する手段』があるから……!?) ベルスターモン! 急いで離れてください!!」

アリサの鋭い察知と叫び。だが、それよりも一歩早くショウが吼えた!

「遅ぇよ! ベルゼブモン!――【無念の剣】!!」

ベルゼブモンが漆黒の怨念と情念の炎を刃に宿し、至近距離からベルスターモンを深々と切り裂く!

ソウブレイズの専用技である【無念の剣】のデータ効果が発動し、与えたダメージの半分がそのままベルゼブモンのエネルギーとなって還元され、蓄積していた傷が一瞬で綺麗に巻き戻り全回復した!

「……ソウブレイズのデータを仕込んでいたとは……完全にこちらの失念でした……!」

悔しそうに歯噛みするアリサに対し、ショウは不敵な笑みを浮かべた。

「切り札ってのはな、最後の最後まで隠しておくもんなんだよ! これでトドメだ!――【スターライトキャノン】!!」

【ベレンヘーナSDX】以外のすべての外部ユニットを一斉にパージし、極限まで軽量化されたベルゼブモンが残像すら残さない超高機動でベルスターモンの周囲を高速旋回!

軸をブレさせないまま放たれた極大の光線【デス・ザ・キャノン】がクロスアップ・ベルスターモンを正面から完璧に捉え、激しい爆炎とともにその巨体を打ち破ったのだった。

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