Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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交流戦インターバル

【エイジ サイド】

激闘の末にショウが勝利を収めたのを確認すると、エイジは静かに観客席のハルトたちへ短く声をかけると、一人その場を後にした。通路を歩く彼の背中には、すれ違うナイトクロウの仲間たちから次々と温かい声援と期待の言葉が投げかけられる。

「頼んだぞ、エイジ!」

「ナイトクロウの底力を見せてやれ!」

仲間たちの期待を背に受けて歩みを進めると、その先にはナイトクロウのリーダーであるサヨと、その傍らに佇むパートナーのディアナモンが待っていた。

「全力を尽くしなさい。貴方の培ってきた全てをぶつけるのよ」

「ナイトクロウの名に恥じぬ、誇り高き戦いを期待しているわ」

最高峰のテイマーからの静かな、しかし確かな激励を真っ直ぐに受け止めたエイジは、力強く頷くと最終調整のために自身のファーム島へと足を進めるのだった。

【ショウ サイド】

『WINNER!! ライトファングのショウ―――ッ!! プラチナトーナメント・グループBのチャンピオンは、ライトファングのショウ! Congratulation!! 怒涛の3連勝にて、堂々の決勝進出です!!』

審判の絶叫とともに、ライトファング側の応援席からは地鳴りのような大歓声が巻き起こった。敗れたアリサは息を整えながら、凛とした笑みを浮かべる。

「負けてしまいましたが……決勝戦で待っているのはエイジ君です。今年のトーナメント総合優勝は、私たちナイトクロウで確定ですね」

「なわけないだろ! 決勝でエイジも破って、勝ち取るのは俺だ!」

互いに火花を散らすような言葉を交わすと、2人は健闘を称え合ってフィールドを後にした。

控室へ戻ると、待機していたライトファングのメンバーたちが一斉にショウを取り囲み、溢れんばかりの祝福を贈る。

「よくやったぞ、ショウ!」

「あのアリサを相手に大逆転なんて最高の試合だった!」

「この勢いのまま決勝戦も勝ち取ってくれ!」

「頑張って!」

仲間の熱い祝福が一巡すると、ライトファングのリーダーであるコウと、そのパートナーアポロモンが歩み寄ってきた。

「お疲れ様、ショウ。決勝まではまだ少し時間がある。できる限り体を休めて、英気を養うんだ」

「心身ともに万全の状態で、悔いのない試合をしてくるんだぞ!」

リーダーたちの言葉を胸に刻んだショウは、集中力を研ぎ澄ませるため、自身のファーム島へと向かった。

ファーム島に到着すると、先ほどまでの激戦を駆け抜けた6体のパートナーたちを実体化させた。

「みんな、本当にお疲れさん! お前たちのおかげで勝てたよ。決勝まではゆっくり休んでくれ!」

労いの言葉をかけと、ショウは奥で静かに牙を研ぐヘクセブラウモン、シャイングレイモン、そしてドゥフトモンXの3体へ向き直った。

「いよいよ……次はエイジの奴との決勝戦だ。死力を尽くして、絶対に勝つぞ!」

ショウの覚悟に満ちた叫びに、最高戦力の3体は重厚で力強い頷きを返すと、デジヴァイス内へと収まっていった。

「よし……じゃあ俺は、時間まで限界まで休む!」

そう言うと、ショウは芝生の上へそのまま横になり、深く息を吐いて目を閉じた。

「それじゃあ、クロックモン。すまないが頼めるか?」

「りょ~かい!」

いつの間にか傍らに現れていた時計の姿をしたデジモン――クロックモンが怪しく発光すると、時間操作能力によってショウの周囲の時間の進みが極限まで遅延されていく。

「ゆっくり休んでくれよ、ショウ……ん? あれは……」

クロックモンがふと視線をやると、遠くからこちらへゆっくりと近づいてくる人影があった。

クロックモンの時間操作能力により、体感で丸1日分ほどの深い休息を取ったショウ。ふと意識が浮上し、ゆっくりと目を覚ますと、頭に柔らかく温かな感触が伝わってきた。さらに、微かな消毒液の匂いと、心地よい甘い香りが鼻腔をくすぐる。

不審に思って薄目を開け、視線を上へとずらしたショウは、思わず息を呑んだ。

なんと、ミモザが優しく微笑みながら自分の頭を膝に乗せ、「膝枕」をしてくれていたのだ。

「おっ? 目覚めた?」

「なんとか……って、えっ!? なんでここにいるの、ミモりん!?」

「『ミモりん』言うなし! ソウマさんに頼んでここまで案内して連れてきてもらったのよ。アンタが限界まで疲れてるだろうと思ってね……ふふ、まだ決勝まで時間があるんだから、もう少し休んでたら?」

ミモザの柔らかい声と温もりに、ショウは少し照れくさそうに目元を緩めた。

「……じゃあ、お言葉に甘えてもう少し休ませてもらうね。ありがとう、先生」

「どういたしまして♪」

素直にお礼を口にすると、ショウは再び心地よい安らぎの中へと意識を委ね、穏やかな寝息を立て始めた。ミモザはそんなショウの寝顔を愛おしそうに見つめながら、その頭を優しく撫で続けるのだった。

決勝戦開始の20分前。コロシアムの観客席はすでに超満員であり、双方のテイマーやゲストたちが期待と熱気の中で雑談を交わしながらその時を待っていた。

「ショウの奴、決勝用にちゃんと新しいメンバーを用意してたんだな。これで決勝戦は、あの3体でいくはずだ」

「あの最高戦力なら、ナイトクロウのエイジ相手にも十二分に勝てるぞ!」

「でも……エイジだって当然、秘策を用意してるんじゃないか?」

「そうだよな……前回まで決勝戦で出していた切り札のカオスデュークモンを、今回は三回戦の時点ですでに出していたからな」

「カオスデュークモン以外だと、インペリアルドラモンFM(ファイターモード)、インビジモン、アリエモン、ミタマモン、ヴァルキリモンと、手持ちは以前からの強力なメンバーのままね」

「一体どんなデジモンたちなんだろうね……!」

「あー、早く始まらないかな!」

両陣営の観客席のあちこちから、激戦を予感させる期待の声が聞こえてくる。

「いよいよ決勝戦だね!」

「うん! ポケモンバトルとはまた違う迫力と緊迫感ちゃんだな!」

「ダイマックスのあるガラル地方のスタジアムバトルに少し雰囲気が近い感じがするね」

「そういえば、ミモザ先生はどこに行ったの?」

「ショウのところにいってるんじゃないか?」

ハルトたちの会話にさらりと入ってきたのは、買い出しから戻っていたヒデトだった。その周囲にはサクヤやアリサ、そして2回戦でショウと激闘を繰り広げたリンファの姿もあった。

「ヒデトたち、こちらに来ても良かったちゃんのか?」

「一応、ライトファングとナイトクロウで敵同士だよね……?」

「はは、大丈夫だぞ」

「両チームのリーダーたちからちゃんと許可はもらっているのよ」

「ゲストの皆さんへの試合中の解説や説明も必要ですからね」

「そういうことだから、隣失礼するわね♪」

そう言って当たり前のように席へ腰掛ける面々。だが、リンファだけは獲物を定めるような妖しい目でハルト、ネモ、ボタンをじっと見つめていた。その尋常ではない視線に背筋を激しい寒気が襲い、ハルトとボタンは思わず肩を寄せ合ってブルブルと震え出す。

「フフフ……美少年と美少女……極上ね……♪」ジュルリ……

リンファが舌なめずりをしながら視線を絡めてくる中、いよいよ会場の照明が落ち、中央のバトルフィールドへスポットライトが集中した。

『――これより!! プラチナトーナメント決勝戦を迎えます!! グループAチャンピオン……ナイトクロウのエイジ!! グループBチャンピオン……ライトファングのショウ!! 双方ともに圧倒的な実力で立ち塞がる強豪を捩じ伏せてまいりました! この決勝戦、まさに予測不能の超激戦となるでしょう!!』

実況のアナウンスが響き渡る中、双方の応援席からの凄まじい歓声を背に受け、ショウとエイジが悠然とした足取りでフィールド中央へと歩み出た。

無表情のまま、互いを呑み込まんとするかのような圧倒的な威圧感がぶつかり合い、二人の間にバチバチと火花が飛び散る幻影すら見えるほどだ。

「来たぞ……あの日交わした約束を果たす!」

「……待っていたぞ、ショウ」

互いに短く言葉を交わすと、次の瞬間、二人の口元に獣のような獰猛な笑みが浮かんだ。

「「――勝つのは俺たちだ!!」」

異口同音に放たれた勝利宣言! その叫びに呼応するように、コロシアム全体のボルテージが爆発的な歓声となって弾け飛んだ!

『両選手……準備は宜しいですね!? ……それでは! Ready……GO!!!』

審判の力強い宣言とともに、二人は手元のデジヴァイスを高く掲げ、光の粒子とともに己の相棒たちをグラウンドへリアライズさせた!

頂上決戦の火蓋が、ついに切って落とされたのだった――!

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