Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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会議

 ハッサクに連れられてポケモンリーグ本部へやってくると、そこには四天王だけでなく、ナッペ山ジムリーダーのグルーシャやハッコウシティのナンジャモをはじめとする数人ジムリーダーたちが集まっていた。

 「お待たせいたしました」

「いいえ、問題ありませんよ。来られる方は全員揃いましたので、緊急の会議を始めましょう」

 ハッサクの言葉にオモダカが穏やかな微笑みで応じ、ショウが着席したところで緊張感のある会議がスタートした。

 最初の議題は、やはり3日前の東3番エリアにおけるジオグレイモンとタスクモンの激突についてであった。

 「人やポケモンに被害が出なかったのは不幸中の幸いですが……ついに一般の方々に目撃されてしまいましたね。幸いだったのは、ショウさんの姿が確認されていなかったことでしょうか」

 懸念していた事態がついに表面化し、オモダカは思わず頭を抱える。ショウも真剣な表情で頷いた。

 「自分は念のためにテクスチャを上からかぶって変装していたので正体バレは免れましたが……今回は単調な動きしかしないタスクモンだったため、こちらのペースでの戦闘に誘導できました。ですが、今後さらに強力で狡猾なデジモンが現れれば、被害が膨らむ可能性があります。隠蔽や戦場の隔離方法など、本気で対策を考えないと……一応、そのあたりの『領域遮断・空間隔離プログラム』については、ユニオン側で開発を進めてもらっている最中です。連絡待ちの状態ですね」

「分かりました。何か進展があり次第、こちらにも共有をお願いします。……さて、次の議題ですが。グルーシャさん、彼の様子はどうでしょうか?」

 オモダカから話を振られたのは、マフラーを巻いた中性的な容姿の男性──ジムリーダーのグルーシャだった。

 「彼……ユキダルモンは、ナッペ山で僕たちにとても友好的に接してくれているよ。クマシュンやユキハミみたいな小さい氷ポケモンたちが、彼の温かい人柄(?)に惹かれて周りに集まることが増えているくらいだ」

 ユキダルモンとは、数週間前にゲートからパルデアへ現れた氷雪型デジモンだ。実はデジタルワールドでショウと面識のある友人であり、ショウが授業などで動けない時間帯、ナッペ山周辺の安全を守る「巡回デジモン」として協力してもらっていたのだ。(※なお、他のエリアはショウの手持ちデジモンたちが分担して隠密巡回を行っている)。

 異世界の友人がパルデアのポケモンや人々と上手く馴染んでいることに、ショウは胸の奥でほっと安堵した。

 そして、会議はいよいよ最後の重要議題へと移る。

 「さて……もうすぐアカデミーの二大行事である『宝探し』の時期となります。我々リーグ側も巡回を増やしますが、ジムリーダーの皆さんも担当エリアの警戒を厳重にしてください」

 オモダカの言葉に、場が一気に緊張に包まれた。

『宝探し』──生徒たちが一斉にパルデア全土へと繰り出す大規模な課外授業。

 生徒たちが野良デジモンと遭遇する危険性は一気に跳ね上がる。幸い、デジモンはポケモンではないためモンスターボールで捕獲することはできないが、もし生徒が不用意に刺激して暴れ出せば大惨事になりかねない。

 ショウは手首のデジヴァイスを叩きながらフォローを入れた。

 「巡回に当たっているデジモンたちにはすでに事情を説明してあります。それに、魔法プログラムを使用した『自身の姿を透明化し、気配や音すら完全に遮断する隠密プログラム』を展開して巡回させるので、生徒たちに見つかる心配はありません」

 「えっ、魔法!? なにそれすごいじゃん! ショウ氏それ見せて見せてぇーッ! 動画のネタにしたい!」

 派手なファッションに身を包んだ人気配信者・ナンジャモが、目を爛々と輝かせて身を乗り出してきた。

 「あー……まあ、データ生命体であるデジモンや自分たち用に調整してあるからこそできる芸当なので、この世界の人間やポケモンには使えないプログラムですけどね」

「なんだ〜、ボツかぁ〜……露骨にがっかりだよ……」

 がっくりと肩を落とすナンジャモの姿に、重苦しかった会議室の空気がふっと和らいだ。

 「ふふ、それでは本日の緊急会議は以上とします。皆さん、生徒たちの『宝探し』を陰からしっかり支えましょう」

 オモダカの締めくくりの言葉とともに、会議は円満に終了したのだった。

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