Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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宝探し開始

会議から2日後。いよいよ、パルデア全土を舞台にしたポケモンSVのメインストーリー――『宝探し』の開始日を迎えた。

だが、当のショウはといえば、極度の寝不足と疲労感に包まれていた。

それもそのはず、前日の真夜中に突如として大規模なゲートが出現し、朝方近くまでその対処に追われていたからだ。

誰にも気づかれぬよう、気配を殺して学生寮の自室へ滑り込んだショウは、ベッドに倒れ込むなり盛大な愚痴を吐き出した。

「あぁ〜っ、ねみぃ……! クソッ、いったいどうなってやがる……! バケモン、ソウルモン、イビルモン、ブギーモン、ピコデビモンがそれぞれ20体ずつ……合計100体って、なんだそりゃ!? まるでダークエリアでも直結したのかよ! しかも、それが片付いたと思ったら、最近観測されたアイズモンが同じ数だけ現れて合体するって……頭おかしいのかあいつら……っ! あまりにもムカついたから、究極体3体による同時必殺技で跡形もなく消滅させてやったわ!」

ベッドに顔をうずめながら悪態をつきつつも、ショウはふうと大きく息を吐き出した。

「まぁ……ミレイさんたちが、どんなに暴れても周囲への二次被害を完全に防げる『隔離シールド・フィールド』の展開プログラムを作ってくれたおかげで、街や自然への影響をゼロに抑えられたのは不幸中の幸いか……」

「それにしても、めちゃくちゃ眠い……! このまま泥のように眠りたいところだけど……あーあ、朝からはグラウンドで全校集会があるんだったな。とりあえずシャワーを浴びて、少しでも目を覚ますか……。集会が終わったら、一眠りさせてもらうぞ……」

文句をタラタラと垂れ流しながら、ショウは自室のシャワールームへ向かった。熱いシャワーを浴び、心地よい水流に頭を浸しながら、ぼんやりと今日のスケジュールを頭の中で組み立てていた――まさにその時。

ギィッ……と、鍵をかけ忘れていたシャワールームの扉が軽快な音を立てて開いた。

「ショ〜、何してるの〜? グラウンド集合の時間だよ、早く行こ——って……」

やってきたのは、待ちきれずに部屋へ踏み込んできたネモだった。

開口一番に声を掛けたネモの視線の先には、湯気の中に立つ、見事に全裸のショウ。

「…………」

「…………」

数秒間の沈黙。

お互いの脳裏で情報が処理しきれずフリーズしたのち、現実を直視したネモの顔が、次の瞬間、トマトのように真っ赤に爆ぜた。

「キャーーーーーーッ!! ヘンタイーーーッ!!」

凄まじい絶叫とともに、ネモは手当たり次第に近くにあったモンスターボールや脱衣カゴをショウへ投げつけ始めた。

「ギャーーーッ!? 理不尽だろ、ノックしろよ!?」

ドタバタと騒ぎを聞きつけ、慌てて様子を見に来たハルトや他のクラスメイトたちが扉を開けると、そこには頭からシャンプーまみれで床に倒れ伏すショウと、顔を真っ赤にして膝を抱え、へたり込んでいるネモの姿があった。

事情を聞いたハルトたちは絶句し、ショウを救護室へと運ぶのだった。なお、その途中の床には、なぜかショウの執念による『なんでや……』という血文字ならぬシャンプー文字のダイイング・メッセージが残されていたという。

その後、保健室のベッドの上でなんとか意識を取り戻したショウは、大慌てで制服を着込み、グラウンドで行われたクラベル校長による『宝探し』の全体説明へどうにか出席した。そして集会の終了後、再び保健室へと逆戻りし、手当てを受けることになった。

「まったく……あんた、宝探し初日から何をやっているのよ」

「これ、どう考えても俺は全く悪くない被害者ですよね……っ!?」

事情を聞き終えた学校保健師のミモザに呆れ顔で消毒液を塗られながら、ショウはこめかみを押さえて不満を爆発させた。

手当てが一通り終わると、ミモザに礼を述べて保健室を出る。

あの後、気絶していた自分を助けてくれたハルトにお礼を言うため、ショウは校内を探し回ることにした。

「おっ、いたいた……おーい、ハルト〜!」

「あっ、ショウ! もうケガは大丈夫なの?」

「まぁ、精神的ダメージ以外はなんとかな……。あのときは助けてくれてありがとうな」

「うう……ショウ、その……本当に、ごめんね……!」

ハルトの隣にいたネモが、耳まで真っ赤に染めながら消え入りそうな声で謝罪してきた。あまりのバツの悪そうな様子に、ショウも深追いするのを諦めて苦笑交じりに頷いた。

「……まぁ、次からノックくらいは忘れるなよ」

「うん……気を付ける……」

そのやり取りを、近くにいた年上の少年――ペパーが「お前ら、朝から一体どんな修羅場をやらかしてたんだよ……」と呆れたような、しかしどこか面白がるような目で眺めていた。

ショウがペパーに軽く自己紹介を済ませ、昨夜のデジモン対応の疲労から少し事情を話すと、ペパーは「うわ、それは同情するわ……お疲れちゃんだな」と妙に納得して同情してくれた。

「でさ、ショウはこれからどうするわけ? もし予定がなけりゃ、一緒に宝探しに行かないか?」

ネモが気まずさを振り払うように元気よく誘ってきたが、ショウは頭をブンブンと横に振った。

「いや、俺はひとまず寮に戻って泥のように眠る……そのあと、アオキさんから紹介された仕事の件もあるしな。誘いは嬉しいけど、今回はパスさせてもらうよ」

そう言って笑顔で断ると、ショウは早足で自室のベッドへと直行し、今度こそ熟睡の世界へと身を沈めるのだった。

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