Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
ユキダルモンとのほっこりとしたお茶会から2日後。
ショウは昼食をとろうと、カラフシティの街並みを散策していた。美味しそうなレストランを探して歩いていると、広場の方から激しいバトルの歓声と技の衝突音が聞こえてきた。気になって覗いてみると――。
「あれ? ショウ!? どうしたの、こんなところで?」
「よっ、ハルト! 数日ぶりだな。昼飯を食べようと店を探していたら、たまたま見かけてな」
バトルの相手をしていた大柄な男――カラフジムのジムリーダー・ハイダイが、ショウの顔を見て親しげに声をかけてきた。
「ん? ハルト君、ショウ君と知り合いなのかい?」
「はい! 同じ1-Aのクラスメイトなんです。あれ? ハイダイさんこそ、どうしてショウのことを知ってるんですか?」
(……よし、アレを使うか)
ショウは事前にオモダカやアオキ、各ジムリーダーたちと口裏を合わせておいた『表向きの設定』を思い出していた。
「あぁ……俺の親とアオキさんが知り合いでさ。その縁で『宝探し期間中、念のため各エリアの巡回を手伝ってほしい』って頼まれてるんだよ。その挨拶回りで、ハイダイさんたちリーグ関係者やジムリーダーと事前に顔を合わせてたんだ」
「そういうことだい! ショウ君は若いのにとっても頼もしくてね!」
ハイダイが見事なノリで合わせてくれたおかげで、ハルトも「へぇ〜! ショウってすごいんだなぁ!」と完全に納得してくれた。
その後、ハイダイのご厚意で彼が経営するレストランにて豪華な名物料理をご馳走になり、お腹を満たしながらハルトの旅の進捗を聞くことになった。
「――という感じで、ジムバッジは残り4つ。秘伝スパイス集めは今から行く場所を合わせて残り2つで、スターダスト作戦は残り3つなんだ!」
あの宝探しの開始日に別れてからのハルトの快進撃を聞き、原作のストーリーラインが崩れていないことにショウは胸を撫でおろした。
ついでにハルトの手持ちポケモンを見せてもらうと、アチゲータ、ハクリュー(親戚から貰ったタマゴを孵化させたらしい)、シキジカ、カラミンゴ、フローゼルという顔ぶれだった。暫定のパーティだそうだが、タイプバランスも良く非常に大切に育てられているのが伝わってくる。道中でお世話になっているミライドンも紹介され、ショウの手触りの良さに感心した。
「今度はショウの手持ちも見せてよ!」
「おう、いいぞ。じゃあ……」
ショウがデジヴァイスを取り出そうとしたその時――ハルトのスマホロトムが賑やかなアラーム音を鳴らした。
「あわわっ、ゴメン! ペパー先輩との待ち合わせ時間に間に合わなくなるから、もう行かなくちゃ!」
「待った。……なぁハルト、よければ俺もついて行っていいか?」
「えっ!? ショウが手伝ってくれるならすごく安心だし、もちろん良いよ!」
ハルトの許可をもらい、二人は急いでロースト砂漠の待ち合わせ場所へと向かった。
到着後、駆けつけてきたペパーへハルトがショウの同行について説明すると、ペパーはあっさりとサムズアップしてみせた。
「なんだ、生徒会長に余裕で勝ったっていう強強ちゃんか! そいつが手伝ってくれるなら、今回のスパイス獲得もラクショーちゃんだな!」
ペパーのOKも出たところで、二人は砂漠を覆う砂嵐の中へ足を踏み入れた。主を探して砂丘を越えると――地響きとともに、鋼鉄の巨躯を持つ怪物が姿を現した。ドンファンに似ているが、全身が不気味な機械の装甲で覆われている。
『ウィ・ルドン・ファーーーッ!!』
「あれだな……!」
「そうだね! ……でも、本当にあのポケモン、普通のポケモンなのかな……?」
金属生命体のような異質の存在感にハルトが首をかしげていると、ハルトのスマホロトムが自動で起動し、スピーカーから聞き覚えのある落ち着いた声が響いた。
『ハロー、ハルト。こちらフトゥーだ。……目の前にいるのは【テツノワダチ】。本来はパルデアの大穴(エリアゼロ)深部に生息する未知の存在だ。くれぐれも注意して対応してくれたまえ』
一方的に通信が切れ、二人は苦笑いを浮かべ合った。だが、目の前の『主』はすでにこちらを敵と見なし、赤く光る眼光で睨みつけてきている。
「見たところ、鋼タイプは確実だな。ドンファンと似ているから、地面との複合タイプか……? なら、コイツなら相性は悪くないはずだ!」
「行って、カラミンゴ!」
『クワーーッ!』
ハルトが飛翔するカラミンゴを繰り出し、ショウもまたポケットからボールを取り出し、手持ちを繰り出した。