Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
スター団・悪組のアジトでサイクロモンを電光石火で撃破したショウは、相棒のグリフォモンの背に跨がり、上空でマップを確認していた。
(次は……ナッペ山の向こう側か。パルデアの大穴周辺はリーグや観測隊の監視が厳しいから、下手に刺激しないように迂回した方が良さそうだな)
「グリフォモン、次はあの雪山の向こう側だ!」
『オッケー、任せて〜!』
グリフォモンに指示を出し、風を切って次の反応地点へと急行する。辿り着いた先は、北3番エリアに位置するスター団・フェアリー組のアジトだった。
幸いにもまだデジモンは実体化を完了させていない。ショウは悪組の時と同様にアジトの上空から広範囲の睡眠魔法を展開し、下っ端たちを無力化すると同時に、空間の亀裂から一体のデジモンが姿を現した。
その姿は、四つ足のオオカミのような獣型デジモンだった。
「ガルルモン……? いや、体色が青ではなく淡い青色だ……グルルモンか!!」
正体を瞬時に見破ったショウは、手早く『領域隔離シールド・フィールド』を展開して空間を切り離すと、グリフォモンへ矢継ぎ早に指示を出した。
「グリフォモン! 【スーパーソニックボイス】で一気に吹き飛ばせ!」
『了解〜っ!』
グリフォモンが嘴を大きく開き、大気を超高周波の破壊音波で切り裂いた!
不意を突かれたグルルモンは回避すら間に合わず、超音波の直撃を受けて激しいデータノイズとともにデジタマへと戻っていった。ショウは速やかにデジタマを回収し、シールドを解除する。
「よし、次だ!」
そのまま息つく暇もなく、再びグリフォモンの背に乗ってパルデアの空へと舞い戻った。
(……待てよ。さっきからスター団のアジトばかりにゲートが現れていないか? だとしたら、次は北2番エリアの格闘組のアジトか……? しかし、ボスたちは一体どうしたんだ……?)
嫌な予感を抱きつつ格闘組のアジト上空へ到達すると、案の定、アジトのすぐ近くにある竹林で異変が起きていた。
なんとそこには格闘組のボス・ビワと、フェアリー組のボス・オルティガの二人が、出現したデジモンと直接対峙していたのだ。
敵は二体。一体は赤い巨体に頭部から背中を白い甲殻で覆われ、青い牙を生やしたアーマー体・【セトモン】。もう一体は鎧を纏った昆虫人間のような姿をしたアーマー体・【シェイドラモン】。
(やばいな……! どちらも好戦的で凶暴なアーマー体だ! スターモービル、はどうした!? ……ッなるほど、アジトの入り口に陣取って、他の下っ端たちが巻き込まれないよう侵入を防いでいるのか……!)
ショウが上空から現状を把握したまさにその瞬間、ビワたちの最後のポケモンが倒され、ボールへと引き戻された。
「急がないと……!」
「くそっ……こんなワケの分からない相手に……!」
「オルティガ君、逃げて!! ここは私が食い止める!!」
手持ちのポケモンをすべて失った絶望的な状況の中、大柄な体躯の少女・ビワが小柄な少年であるオルティガを庇うように立ち塞がった。
しかし――目の前のセトモンとシェイドラモンは、目の前の人間たちを見ようともせず、突如として警戒するように上空を見上げた。
「……え?」
直後、二人の目の前の景色がぐにゃりと歪み、周囲の竹林が遮断された特殊な領域フィールドへと変化した。そして空中から、赤いマフラーを風になびかせた正義のヒーローのような姿の戦士が舞い降りた!
「ジャスティモン!! 【ジャスティスキック】で一気に仕留めろ!!」
『――了解!!』
上空から響き渡ったショウの叫びに応え、赤きヒーロー・ジャスティモンが跳躍!
空中から全エネルギーを右脚に収束させ、急降下のライダーキック態勢で地表の二体へ突き刺さる!
ドガァァァァンッ!!
轟音とともに爆風が竹林を吹き荒れ、凶暴なセトモンとシェイドラモンの巨体が一瞬でデータ粒子へと分解され、二つのデジタマへと姿を変えたのだった。