Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

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詳細説明2

 ショウの口から明かされた「歪み」の真相に、会議室を埋め尽くす全員が息を呑んだ。だが、ショウは彼らの驚愕を気にも留めず、静かに説明を続けた。

 「しかし本来、その時空の歪みというのはすぐに収まるはずのものでした。ですが、タイミングの悪いことに……デジタルワールドでは『世界の最適化』の最中だったのです。最上位クラスのデジモンたちの膨大なデータエネルギーが世界全体に充満しており、その莫大なエネルギーがパルデアの歪みに干渉・増幅され、次元の穴──つまり『ゲート』となってこちらの世界へ大量に流れ込んでしまった……と、ホストコンピューターホメオスタシスとイグドラシルは判断したそうです」

 「……すみません、ショウさん。その『ホメオスタシス』と『イグドラシル』とは……?」

 カエデが困惑混じりに手を挙げて質問した。

 「ホストコンピューターとは言われてますが、一言で言えば、デジタルワールドそのものを管理・維持する高次元概念……わかりやすく例えるなら『神』と呼ばれる存在です」

「か、神様……! では、その『最適化』というのは一体どのような……?」

「これは自分がいたデジタルワールドとはまた別のデジタルワールドで起きた過去の悲劇なのですが……デジモンの個体数が増えすぎてその世界の容量を超えてしまい、デジタルワールド自体が崩壊しかけたことがありました。その際、その世界のイグドラシルは特定の種のデジモンたちだけを新世界のデジタルワールドへ移し、それ以外のデジモンを強力なウィルスプログラムで一括削除するという極端な解決策を実行したのです。今回の自分たちの世界の『最適化』は、そうした悲劇を二度と起こさないよう、デジタルワールド自体のデータ容量を拡張・安定化させるためのシステムアップデート作業だったんです」

 それを聞いたフリッジジムのライムが、呆れ混じりに肩をすくめた。

 「へっ……随分と極端で過激な神様だねぇ」

「人間には理解しがたい、徹底した論理と効率だけで動く思考をしてますからね……」

 ショウは苦笑いを浮かべつつ答え、一度言葉を区切ると真剣な眼差しで全員を見回した。

 「──話が少し逸れましたので戻します。デジタルワールド側としては、このポケモンの世界に対して一切の不利益や侵略の意図はありません。歪みの原因さえ根本から解決し被害が収まる事ができれば、協力は惜しまないと伝えてきています」

 ショウは調査報告と質疑応答を終え、礼をして自分の席へと戻った。

 入れ替わりで、トップのオモダカが静かに立ち上がった。

 「リーグ側としましても、報告を受けたのちにパルデア全域の調査を進めてまいりました。ですが……地上および既知のエリアでは、歪みの発生源となるような異常現象や施設は見つかりませんでした」

 オモダカは一瞬の間を置き、深々と頷いて言葉を繋いだ。

 「そこで……やはり原因の最有力候補として『パルデアの大穴』内部の本格調査を行うべきだと考えております」

 オモダカの言葉に、ジムリーダーたち全員が納得の表情を浮かべた。

 これまでパルデア全土を探索してきたが原因は一向に特定できず、ショウが各地でデジモンを処理・隔離した後の空間にも一切の痕跡は残っていなかった。未だ手付かずで、異質なエネルギーが渦巻く未知の領域──残されているのは『パルデアの大穴』以外にあり得ないのだ。

 「ですがトップ、フトゥー博士からは何の連絡も来ていませんよね……?」

「それに、ショウ君のデジヴァイスの広域レーダーにも、大穴からの直接的な反応は捉えられていないのでしょう?」

 アオキやリップから当然の疑問が投げかけられたが、ショウがすぐにフォローを入れた。

 「それは、大穴全体を覆う観測遮断バリアや特殊な磁場が張られているためだと思います。外側からではエネルギー反応が打ち消されて検知しにくいのでしょう」

「……なるほど。もし可能であれば、自分が直接エリアゼロ内部の調査へ赴きたいのですが、許可していただけますか?」

 ショウが正式に提案すると、オモダカは手元に顎を添えて少し思索に耽った。やがて考えがまとまったのか、毅然とした顔を上げた。

 「ショウさんの実力と適性であれば、何ら問題ありません。……ただ、会議の報告を受ける直前のことです。フトゥー博士から連絡があり、『研究の緊急事態のため、ご子息に頼み事をした』として、大穴への特別通行許可が数名分申請され、すでに受理されております」

 「なっ……何ですと!? 子供たちをそんな危険な場所へ踏み込ませるなど……! すぐに中止するよう通達せねば!!」

 ハッサクが感情を露わにして安全面を危惧し立ち上がったが、ショウは慌ててそれを制した。

(ここでハルトたちのエリアゼロ突入を止めてしまったら、タイムマシンを安全に停止させる正規の手順が失われてしまう……!)

 「ハッサク先生、待ってください。彼らが居ない行けない何かあるんだと思うので、デジモンがいる場合は、自分が対応します」

 ショウが毅然とした態度で熱弁を振るうと、ハッサクも深々と息を吐き出して席に着き、全員がショウの隠密護衛案に納得を示した。

 こうしてパルデアの運命を決める首脳会議は終了し、物語はいよいよ最終決戦の地──【エリアゼロ】へと動き出すのだった。

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