Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
ハルトたち4人は、深部へと進みながら順調にフトゥーAIが待つ各観測ユニットのロックを解除していった。
途中で明かされた『パラドックスポケモン』の正体やタイムマシンの真実について、彼らは困惑と驚きを交えながら真剣に話し合い、深部へと足を進めていく。
ショウは気配を完全に殺して上空や岩かげからその様子を見守りつつ、近寄ってくる野生のポケモンたちを片手間で張り倒し、気絶させて安全を確保していた。
(……しかし、大穴に入ってからデジモンが全く現れないな。……もしかして、最も歪みの強い最深部・タイムマシンの近くに直接引き寄せられているのか……?)
ショウが思考を巡らせていたその時、手首のデジヴァイスが鋭い警戒アラームを鳴らした。
画面に表示された激しいエネルギー反応の地点へと急行すると――そこには、3体の成熟期デジモンが群がっていた。
(あれは……ティラノモンに、モノクロモン……それにエアドラモンか!)
1体は赤き皮膚と大きな背鰭を持つ二足歩行の恐竜型・【ティラノモン】。
もう1体は黒い甲殻と巨大な一本角を持つ四足歩行の鎧竜型・【モノクロモン】。
そして最後の1体は、青い巨躯と蛇のようなしなやかな身体、破れた皮膜の翼を持つ幻獣型・【エアドラモン】。
これら3体のリュウ型デジモンたちは、結晶に覆われた大穴特有の巨木に群がり、その表面に輝く『テラスタル結晶』をガリガリと破壊して貪り食っていたのだ。
だが、そこへ自分たちの縄張りを荒らされたと感じたのか、古代と未来のパラドックスポケモンたち――ハバタクカミ、チヲハウハネ、トドロクツキ、テツノドクガ、テツノブジン、テツノカイナの群れが一斉に襲いかかった!
しかし、3体のデジモンはポケモンの攻撃を意に介さず、ひたすらテラスタル結晶を喰らい続ける。……と、その時。
結晶を限界まで取り込んだ3体の身体が、眩い純白の『進化の光』に包まれた!
(なっ……!? あれは進化の光か! テラスタル結晶の高密度なエネルギーを吸収して、進化の糧にしやがったのか!?)
ショウが息を呑んで見守る中、光が弾けて新たな3体の巨躯が現れた。
ティラノモンは強靭な3本の角を持つ角竜型・【トリケラモン】へ。
モノクロモンは姿こそそのままに、全身の甲殻が真っ赤に染まった完全体・【ヴァーミリモン】へ。
エアドラモンは上半身が機械化され、両腕が鋼鉄の爪となったサイボーグ型・【メガドラモン】へと超進化を果たしたのだ!
その圧倒的な気配に危険を察したのか、群がっていたパラドックスポケモンたちは一目散に逃げ出していった。
完全体へと至った3体は、全身から溢れ出す圧倒的なパワーを確かめるように、咆哮を上げて周囲の結晶洞窟を破壊し始めた。
ハルトたちの進行ルートへ被害が及ぶのを防ぐため、ショウは即座に『領域隔離シールド・フィールド』を展開!空間を遮断すると同時に、デジヴァイスを掲げた。
「頼むぞ、ライズグレイモン!」
リアライズしたのは、上半身が強固なサイボーグパーツで強化され、左腕に巨大なリボルバー拳銃を装着したジオグレイモン系の完全体――【ライズグレイモン】だ!
『――オッシャーッ! 任せときな!!』
出現と同時に背部のスラスターを爆発させたライズグレイモンは、超高速で3体の懐へ肉薄! 左腕の巨大なリボルバーを鈍器のように叩きつける必殺の格闘打撃技を放った!
『――【ソリッドストライク】ッッ!!』
ドギャァァァンッ!!
「「「グォォッ!?」」」
不意を突かれた打撃で体勢を崩した3体だったが、すぐさま体制を立て直し、進化した己の威力を示すべく同時に必殺技を放ってきた!
ヴァーミリモンが口から超高熱の火口弾を打ち出す【ヴォルケーノストライクS】!
メガドラモンが両腕のメガアームから有機体ミサイルを乱射する【ジェノサイドアタック】!
トリケラモンが巨大な角を突き出して突進する【トライホーンアタック】!
3つの絶大な火球とミサイル、突進が迫る中、ショウは静かに、そして鋭く命じた。
「決めろ!!【トライデントリボルバー】!!」
『――おうッッ!!』
ライズグレイモンが左腕の巨大リボルバーのシリンダーを高速回転させる!
限界までチャージされたエネルギー弾が、クロムデジゾイド製の銃身から3連装で放たれた!
ズドォォォォンッ!!
放たれた大口径のプラズマ弾丸が、突進してきたトリケラモンの巨体を真っ向から撃ち抜き、その背後で構えていたヴァーミリモンとメガドラモンの必殺技をまとめて消し飛ばして直撃!
大穴の底に響き渡る大爆発とともに、3体の完全体デジモンは幾重ものデータノイズとなって砕け散り、静かに3つのデジタマへと姿を変えたのだった。