Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
イワンコのゲットに無事成功したショウは、手持ちのバランスを整えるため、次のポケモンを探すことにした。
「次はどうするの、ショウ? もう次の狙いは決まってるの?」
「そうだな……取り敢えず、次は水上戦や移動にも対応できるみずタイプが1匹欲しいかな」
「なら、オージャの湖まで行ってみようよ!」
行き先が決まると、二人は空飛ぶタクシーでチャンプルタウンへ向かい、そこからは徒歩でオージャの湖を目指すことになった。……が、山道や斜面を急ぎ足で突き進んだため、途中でネモが猛烈に息切れを起こしていた。
「さて、着いたはいいが……流石に捕まえたばかりのイーブイとイワンコじゃ、このあたりの野生と戦わせるのはキツいな……」
「そ……そうだね……っ」ゼー、ゼー。
「……一旦、休憩にするか?」
「うん……ありがと……っ」ハァ、ハァ。
ネモの呼吸が整うまで木陰で休憩挟むことにし、ショウはその間にポケモン図鑑でイワンコのステータス詳細を確認した。
(……特性はしっかり『マイペース』のオスの個体。性格は……『のんき』か。ま、性格補正は後でミントを使えばどうとでもなるな)
「ふぅ……それで、具体的にどういうみずタイプが欲しいの?」
ステータス画面を覗き込んでいると、呼吸が落ち着いたネモが目を輝かせて尋ねてきた。
「できれば……ギャラドスかヘイラッシャ、あとはヤドランあたりかな」
「おぉ〜! 湖の中でもトップクラスに強くてでっかい奴ばかり狙ってるね!」
「ただなぁ……ここは高レベルのポケモンだらけだから、運良く捕まえられたとしてもバッジのない俺の言うことをちゃんと聞いてくれるかが問題なんだよな……」
「でも、ショウの実力なら絶対大丈夫だと思うよ?」
「そう言ってもらえるとありがたいけどな。……よし、取り敢えずやってみるか。……ん、そういえばネモ。二人以上で乗れるような、水上を移動できる大型のポケモンって今持ってるか?」
「……ッ!? あ……みんな、ポケジョブのお手伝いに出しちゃってる……!」
「……まじか。じゃあ、オージャの湖での捕獲はまた今度にするか……」
「うぅ……ごめんね、ショウ……っ」
ショウ自身はもちろん水上移動できるポケモンを持っていないためネモに頼ろうとしたのだが、ネモも適した手持ちをポケジョブに派遣していて手元にいなかったのだ。
なんとも言えない不完全燃焼の空気が漂う中、ショウが周辺を見回すと、近くの岩肌に光り輝く『テラスタルの洞窟』が目に入った。
「……取り敢えず、あの洞窟に入ってみないか?」
「そうしよう!」
予定を変更し、テラレイドバトルに挑戦することにした二人。
洞窟の外から中の結晶を覗き込むと、どうやら内部に潜んでいるのは【ヨーギラス】のようだったため、そのまま突入を決意した。
この世界のテラレイドは、ネットやスマホロトムを通じて近隣のトレーナーへ参加募集をかけ、巣穴に溜まっているテラスタル結晶や秘伝のスパイスなどの貴重な品を報酬として山分けする仕組みになっている。すぐに応募してきた2人のトレーナーが合流し、4人でのレイド戦がスタートした。
バトルの流れは手慣れたもので、トップレベルの実力を持つネモが陣頭指揮を執ってくれたおかげで、大きな苦戦をすることもなくスムーズにダメージを稼ぎ、無事にテラスタルヨーギラスを捕獲することができた。バトル終了後、巣穴に残された報酬のアイテムを全員で均等に分配し、レイド戦は無事に終了した。
洞窟の外へ出ると、空はちょうど綺麗な橙色に染まり、夕暮れ時を迎えようとしていた。
「よし……ちょうどいい時間だ。イワンコを進化させるぞ」
ショウはボールからイワンコを呼び出すと、先ほどのレイド報酬で手に入れた『けいけんアメ』を買い与えた。
アメを美味しそうに食べたイワンコの身体が、夕日に応えるかのように眩い純白の光を放ち始める!
光が収まると、そこには夕焼けの光を浴びて橙色に輝く、威風堂々とした【黄昏の姿のルガルガン】が立っていた。
「よーし、成功だ! かっこいいぞ、ルガルガン!」
『ウォンッ!』
無事にルガルガンへの進化を見届けたショウは、今日一日捕獲やレイドに付き合って手伝ってくれたお礼として、ネモに夕飯をご馳走するためチャンプルタウンへと戻ることにした。
チャンプルタウンの有名な食堂へ向かう道中――向かいから歩いてきたペパーとバッタリ鉢合わせした。
「おっ、ショウにネモじゃないか! 二人揃ってこんな時間に何して……へぇ〜? 夕方のチャンプルタウンで二人きりで『お食事デート』かい? ヒューヒュー、ハルトがいない間に仲が良いこって!」
「デートじゃないぞ」
「そうそう」
ニヤニヤと意地悪そうな笑みを浮かべてからかってくるペパーに対し、ショウとネモの否定の声が響き渡るのだった。