Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
ネモに夕食をご馳走して帰宅した後、ショウのスマホロトムにハルトから着信が入った。
「……なんで彼女のボタンじゃなくて、俺にかかってくるんだ……?」と疑問に思いつつも通話に出ると、キタカミの里で起きた出来事(ゼイユやスグリとの出会い、お面の話など)を熱弁されたのだった。
「……ということがあったんだよ!」
「ふ〜ん……なるほどな。……で、ボタンやネモたちにはもう連絡したのか?」
「え? うん、みんなにはもう連絡して、ショウが最後だよ!」
「あ、あっ……そうなんだ……」
「そういうことだから、またね〜!」
ブツッと通話が切れた。
「……最後かよ」と、なんとも言えない絶妙なモヤモヤ感を抱えつつ、ショウはそのまま眠りについたのだった。
翌日。ショウは気持ちをきっぱりと切り替え、イーブイを捕まえる前から温めていた計画を実行に移すことにした。
それは――『パルデアのジム巡り』だ。
念のためオモダカトップとクラベル校長へ申請すると、二人からは「ショウさんなら何の問題もありません」とあっさりと許可が下りた。
そうと決まれば、さっそく行動開始した。
まずは一番近いセルクルタウンへ向かうことにした。道中では野生のポケモンや街道沿いのトレーナーたちと積極的にバトルをこなし、捕まえたばかりのヨーギラス、イーブイ、ルガルガンのレベル上げを行った。
セルクルタウンに到着し、セルクルジムの受付でエントリーを済ませると、さっそくジムテスト『オリーブ転がし』が開始された。
……のだが、ここでちょっとしたハプニングが発生する。
ショウは転がすべき巨大なオリーブ球を「思ったよりも軽いな……」と感じて普通に両手で持ち上げてそのまま運ぼうとしてしまい、審判から「 持ち上げて運ぶのは禁止です!!」と焦って注意されてしまった。(※本来は人間が持ち上げられる重量ではないため、周囲で見学していた一般客やトレーナーたちは『アイツ、人間か……!?』と引きまくっていた)。
ともあれルール通り転がしてゴールさせ、無事にクリア。ジムリーダーへの挑戦権を獲得した。
バトルフィールドへ向かうと、パティシエでもあるジムリーダーのカエデが、温和な笑顔を浮かべてすでにスタンバイしていた。
「あら〜、ショウ君ではないですか。本日はどのようなご用件かしら?」
「お久しぶりです、カエデさん。オモダカさんには許可を取ったんですが……俺もバッジを集めようかと思いまして。……あ、流石に『デジモン』は使いませんのでご安心を」
「そうですか〜。そうなると、私も手加減なしで本気でいかないと失礼ですねぇ、残念、うふふ」
朗らかに会話を交わしていた二人だったが、審判の合図とともに一瞬でプロの勝負師としての鋭い雰囲気に切り替わった。
「いってらっしゃい、マメバッタちゃん!」
『マメバッ!』
「頼むぞ、行ってこいヨーギラス!」
『ヨギッ!』
両者が同時にポケモンを送り出し、セルクルジム戦がスタートした!
「まずは……【砂嵐】だ!」
『ヨギッ!』
ヨーギラスが咆哮を上げ、フィールド全体に荒れ狂う砂嵐を発生させる!
砂嵐によっていわタイプの特防が1.5倍に引き上がる。その隙を突いて、カエデのマメバッタが鋭いキックを叩き込んできた!
「マメバッタちゃん、【二度蹴り】!」
『マメバッ! バッ!』
ドカッ、ドカッ!と連続で蹴り込まれる。いわタイプにとって『効果は抜群』の格闘タイプ技だが、ヨーギラス本来の頑丈さもあって、まだまだ十分に余裕がある様子だ。
「よし、もう少しだけ耐えてくれ!【ステルスロック】!」
『ヨギィッ!』
ヨーギラスが無数の鋭い岩の破片を発生させ、相手の控えゾーンへ漂わせて動きを制限する陣形を完成させた。
「あらあら〜。思ったよりも堅実で隙のない攻め方をしてきますねぇ〜」
「自分が有利になる『場』を作り上げてから攻めるのが俺の基本戦術なので。……ヨーギラス、【岩石封じ】!」
お膳立てが整ったところで、ショウは一気に攻撃の指示を出した!
ヨーギラスが頭上に巨大な岩石を生成し、マメバッタへ向けて力任せに投げつける!
『ヨギッ――!!』
『マッ……!?』
ドゴォォォンッ!!
放たれた岩石がマメバッタの急所に直撃し衝撃波とともにマメバッタが崩れ落ちた。
「マメバッタ、戦闘不能! ヨーギラスの勝ち!」
『ヨギィィーーッ!!』
勝ち名乗りを上げた瞬間――ヨーギラスの全身が激しい純白の光に包まれた!
「あらあら〜!」
「……進化か!」
眩い光の中から現れたのは、硬い甲殻に包まれた弾丸のようなフォルム――【サナギラス】だ!
『ギラァッ……!』
「サナギラス……このまま次の相手も行けるか?」
ショウが声をかけると、サナギラスは頼もしくショウの方を振り返り、力強く頷いて見せたのだった。