Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い   作:ガチャガチャクツワムシ

39 / 124
セルクル決着

 マメバッタを打ち倒した勢いのまま、ヨーギラスから強靭なサナギラスへと進化を遂げた相棒。カエデもすぐさま2匹目となる【タマンチュラ】を戦場へ送り出した。

 「それじゃ~、いってらっしゃい‼ タマンチュラちゃん!」

『チュラ! ……ヂュラ!?』

 場に出た瞬間、ショウが先ほど仕掛けておいた【ステルスロック】の鋭い岩の破片がタマンチュラの身体を削り、確実にダメージを与える。

 「このまま行くぞ、サナギラス!」

『ギラ……!』

「砂嵐の効果が切れたな。再度展開するぞ!」

 ショウの指示に応え、サナギラスはすぐさま【砂嵐】を再展開。フィールド全体に激しい砂の嵐が吹き荒れ、いわタイプの特防(D)を引き上げる。

 「タマンチュラちゃん! 【虫のさざめき】‼」

『チュラ~!』

 カエデの素早い指示とともに、タマンチュラは体の一部を激しく擦り合わせ、不快な音波をサナギラスへぶつける。特防が一段階下がったものの、元の耐久力と砂嵐の補正のおかげで実質的なダメージはごく僅かだ。

 「長期戦は不利だ、ここで一気に決めるぞ! 【岩雪崩】‼」

『ギラァ‼』

 サナギラスの咆哮とともに、頭上から無数の巨大な岩石が崩れ落ち、タマンチュラを襲う! 

 直撃を受けたタマンチュラの身体は一瞬にして岩の山の中へと埋もれてしまった。岩の隙間から這い出ようと必死にもがくタマンチュラだったが、限界を迎え、そのまま目を回して崩れ落ちた。

 「タマンチュラ、戦闘不能!」

「よしっ!」

「あらあら~。戻ってね~、タマンチュラちゃん」

 審判の宣言とともに、カエデは苦笑いを浮かべながらタマンチュラをボールへと収めた。

 「この子で最後になりますが、勝負はまだまだこれからですよ~。いってらっしゃい! ヒメグマちゃん!」

『クマッ!』

 続いて現れたのは、可愛らしい姿をしたヒメグマ。

 だが次の瞬間、カエデの目つきが勝負師の鋭さへと変わり、手にしたテラスタルオーブを強くかざした。

 「さぁヒメグマちゃん! サナギを破り、強く大きく育ちましょう~!」

 カエデから放たれたテラスタルエネルギーの球体がヒメグマを包み込む。地表から伸びた結晶がヒメグマを覆い尽くし、カチリと弾けると──全身が煌びやかな光を放ち、頭上にむしタイプを象徴する黄緑色の巨大な蝶の結晶冠を戴いた。

 「むしタイプのテラスタルか……!」

「先ほどまでとは、ひと味もふた味違いますからね~! ヒメグマちゃん! 【連続切り】よ~!」

『クマクマクマァー‼』

『ギィ……!?』

 テラスタルによってタイプ一致となった【連続切り】が、刃のような鋭さでサナギラスの頑丈な体躯を連続で切り裂く! 

 タイプ相性の悪さも相まってかなりの大ダメージを負ったサナギラスだったが、持ち前の根性でぐっと踏みとどまり、なんとか倒れずに耐えきった。

 「くっ……流石にこれ以上はキツいな。戻れ、サナギラス! ……頼むぞ、行ってこいルガルガン‼」

 限界と判断したショウは素早くサナギラスをボールへと引き戻し、入れ替わりで手持ちに加わったばかりの【たそがれのすがたのルガルガン】をフィールドへ送り出した! 

 「あら~、あの子とはまた違う姿の子のようね~! ヒメグマちゃん! もう一度【連続切り】よ~!」

「ええ、新しく仲間に入れたんです! ルガルガン、【アクセルロック】‼」

『ウォン‼』

『クマァ!??』

 むしテラスタルの【連続切り】が繰り出されるよりも一瞬早く、疾風の如き先制技【アクセルロック】が炸裂! 

 電光石火の突進を受けたヒメグマは、反撃の間もなくフィールドの端まで一気に吹き飛ばされた。

 「止めだ! もう一度【アクセルロック】‼」

『ウォン‼』

 間髪入れずに放たれた追撃の【アクセルロック】が、体勢を崩したヒメグマの胴体へクリーンヒット! 

 それが決定打となり、ヒメグマの全身を覆っていたテラスタル結晶が甲高い音を立てて砕け散る。頭上の蝶の冠も光の粒となって消え去り、ヒメグマは目を回してその場に倒れ伏したのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。