Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
謎の蜘蛛型デジモンを打ち倒した後、ショウは念のためにラジエルモンをリアライズさせ、周囲一帯へ聖なる浄化の光を広げさせた。残留データを綺麗に消去し、二次被害を未然に防ぐためだ。
「ねぇショウ、さっきのデジモンって一体何だったの?」
「俺にも詳しくは分からん。似たような姿のデジモンでギュウキモンというのがいるんだが……あれは牛のような猛々しい上半身がついているんだよ」
ショウが手首のデジヴァイスを操作し、ホログラム画面にギュウキモンの姿を表示してネモに見せると、彼女はふむふむと深く頷いた。
「ほんとだ! 下半身の蜘蛛っぽい部分はそっくりだけど、上が全然違うね」
「ネモ、悪いがこの不可解な件を至急調べたいんだ。約束のバトルはまた今度にしてくれ」
「うん、しょうがないね! 落ち着いたら、絶対にわたしとバトルしようね!」
ネモは物分かり良く笑顔で返すと、そのままアカデミーの方へと戻っていった。
ネモと別れた後、ショウは一人で再度現場周辺を徹底的に探索し、敵の残留データや痕跡がないかを細かく調査した。しかし、手掛かりになるようなものは何一つ見つからなかった。
「何も残っていないか……。だが念のため、ネモや学園の周囲の護衛を仲間のデジモンたちに頼んでおくか」
万が一の事態があってからでは遅い。ショウはすぐにクラベル校長へ状況を報告して許可を取り付けると、信頼できるデジモンたちへ学園周辺の極秘警戒を指示したのだった。
そして翌日。
ショウは気持ちを切り替え、ジム巡りの続きを行うことにした。
目的地のボウルタウンへと向かいながら、道中で野生のポケモンたちとバトルを重ね、手持ちの追加とレベル上げを図った。ボウルタウンに到着するとすぐにボウルジムへ向かい、受付でエントリーを完了させた。
ジムテストである『キマワリ集め』も、ショウの圧倒的な探索力と手際の良さであっという間にクリア。受付に報告を済ませ、さっそく中央のバトルフィールドへ足を踏み入れた。
フィールドでジムリーダーであるコルサを待っていると――ゲームのように風車の上からの飛び降りダイブ……ではなく、彼はごく普通に自らの足でトコトコと歩いて姿を現した。
(あ、そこはダイブしないんだ……)
ショウがほんの少し残念そうな表情を浮かべていると、コルサはショウの視線に気づいたようにふっと不敵な笑みを漏らした。
「フッ、どうやらハルトから聞いていたのだろう? すまんな、あのパフォーマンスは……まだ医者から固く止められていてな」
あまりにも現実的な理由を打ち明けられ、ショウは「あ、はい……お大事にしてください」と納得するしかなかった。
ショウとコルサはそれぞれの指揮位置につき、手にしたボールを同時に構えた。
「ゆけ! ミニーブ!」
『ニーブッ!』
「頼むぞ、行ってこいオドシシ!」
『ブモォッ!』
「――試合開始!!」
審判の力強い宣言とともに、試合の火蓋が切って落とされた!
「オドシシ!【高速移動】しながら【バリアーラッシュ】だ!!」
『ブモォォッ!!』
「何ッ!?」
『ニーブッ!??』
オドシシが風を切るようなスピードで激しく加速! 頭部の優美な角からサイコパワーによる透明な障壁を展開し、突進の勢いのままミニーブへと正面から力任せに激突した!
「いまの技は一体……!?」
「この技は……かつてシンオウ地方が『ヒスイ地方』と呼ばれていた大昔の時代に、オドシシが自力で習得していた秘伝の技ですよ。……とある特殊な訓練法で、うちのオドシシにも再現させることができたんです」
「失われた古代の技か……! アヴァンギャルド!! もっとその技の輝きを見せてくれ!!」
「いいですよ! オドシシ、もう一度【バリアーラッシュ】だ!」
『ブモォォッ!!』
オドシシは再び角に強固な障壁を展開し、一瞬で距離を詰めて突進する!
「ミニーブ!! 回避して【体当たり】だ!」
『ミニッ!』
ミニーブは間一髪で【バリアーラッシュ】の突進をかわし、オドシシの側面へ鋭い【体当たり】を叩き込んだ! ……が、オドシシはビクともせず、痛がった素振りすら見せない。
「実は……【バリアーラッシュ】は相手に攻撃を叩き込むと同時に、自身の『防御』を段階的に引き上げる効果があるんですよ」
攻撃がほとんど通っていないことに疑問を浮かべるコルサに対し、ショウは不敵に微笑みながら技の性能を明かした。
「なるほど……攻撃と防御の一体! なんと面白い!! ならばミニーブ、【葉っぱカッター】だ!」
「オドシシ! 耐えて決めろ、【バリアーラッシュ】!!」
飛来する鋭い【葉っぱカッター】の嵐を障壁で受け止めながら、オドシシはそのままミニーブを正面からダイレクトにはね飛ばした!
衝撃で吹き飛ばされたミニーブは、フィールドに激突するとそのまま目を回して倒れ伏した。
「ミニーブ、戦闘不能! オドシシの勝ち!」
まずは手厚い戦術で見事に先制の1勝を奪い取ったのだった。