Re.ポケットモンスターSV~電子生命体との出会い 作:ガチャガチャクツワムシ
メガデンリュウとノーマルテラスタルのムクホークによる、意地と誇りをかけた激闘が幕を開けた。
「デンリュウ、【10万ボルト】だ!」
『リュウッ!!』
メガデンリュウの豊かな宝珠から放たれた強力な黄金の電撃が、一気に間合いを詰めてムクホークへと直撃する!
「先に仕掛けられてしまいましたが……社会人の底力、お見せしましょう。ムクホーク、【空元気】!」
『ホォ──ッ!!』
電撃を浴びせられながらも、ムクホークは痛みを気にする素振りすら見せず、すさまじい気迫でそのまま猛突進してきた。
ドォンッ! とメガデンリュウに激突し、数センチほど後退させる。だが、メガデンリュウもまだ十分に余力を残している。一方のムクホークは、痛烈な反撃を終えると不敵ににやりと笑い、その全身からピリピリと静電気が走り始めた。
「……っ、まじか。麻痺を引かれたか」
『リュウ……っ』
状態異常(麻痺)を負ったことで【空元気】の威力がさらに跳ね上がる最悪の状況に、ショウとメガデンリュウは思わず苦い顔を浮かべる。
対するアオキとムクホークの陣営は、
「どうやら、今日のこちらには幸運の女神が味方してくれているようですね。ムクホーク、もう一度【空元気】」
『ムクッ……ホォ──ッ!!』
さらに威力が底上げされた【空元気】で、ムクホークが再び凄まじい勢いで突進してくる!
「なら、デンリュウ、【コットンガード】だ!」
『リュウッ!!』
メガデンリュウは背中に生えた豊満な毛を瞬時に全身へと巡らせ、まるでメリープのようにモコモコの姿へと変化して物理防御を限界まで高めた!
直後、ムクホークの猛烈なタックルが直撃するも、全身を覆う弾力のある綿毛の鎧が衝撃を大幅に吸収し、ダメージを最小限に抑え込んだ。
「よく耐えた! お返しだ、【龍の波動】!!」
『リュウ──ッ!!』
ゼロ距離に近い至近距離だったため回避される暇もなく、放たれた高密度の龍の波動がムクホークの胴体を真正面から撃ち抜いた!
お互いに凄まじい技の応酬を重ねた結果、両者ともに限界近くまでダメージを蓄積させ、肩で大きく息を荒げている。
「……どちらも、次が最後の一撃になりそうですね」
アオキの静かな呟きに、ショウは無言で力強く頷き返す。そして、二人は同時に最後を飾る技の司令を下した!
「ムクホーク、【空元気】!!」
『ムクホッ……ホォッ!?』
「デンリュウ、【雷】!!」
『リュウ──ーッ!!』
メガデンリュウの咆哮とともに、天を裂くような巨大な落雷がチャンプル食堂の天井を突き破る勢いでムクホークへ直撃──しようとしたその瞬間、今度はショウ側に幸運の女神が微笑んだ!
先ほどムクホークが放った静電気の蓄積か、あるいは極限の疲労か……麻痺の痺れが全身を走り、突進しようとしたムクホークの動きがピタリとフリーズしたのだ。
その完全な隙を逃さず、暴風の如き電撃の奔流がムクホークを呑み込み、テラスタルの結晶冠を粉々に打ち砕いて地面へと叩き伏せた!
「ムクホーク、戦闘不能! よって、勝者・挑戦者ショウ!!」
審判の絶叫のような宣言とともに、激闘の結末が告げられた。
静まり返った店内に一瞬の沈黙が訪れた後、観客たちから割れんばかりの大歓声と拍手が巻き起こった!
メガシンカが解け、元の姿に戻ったデンリュウをボールへと戻すと、アオキが穏やかな足取りで近づいてきた。
「見事な戦いでした。お見それいたしました」
「こちらこそ、ありがとうございます! 実はこの試合からメガシンカを実戦投入したんですが……それでも最後まではっきりと追い詰められてしまいましたよ」
お互いの健闘をたたえ合い、しっかりと力強い握手を交わした。
その後、バトルで程よく消耗して小腹が空いたアオキの提案で、なんとチャンプル食堂の裏メニューをご馳走してもらえることになった。
(それにしても、アオキの手持ちポケモンたちは全員が大食漢で、信じられないほどの勢いで次々と平らげていくのだった……!)
ショウも、今回のジム戦で大活躍してくれた3匹(エーフィ、リングマ、メガデンリュウ)をボールから出してやると、目の前に置かれた大皿の料理を嬉しそうにパクパクと食べ始めた。
なぜかエーフィは、隣にどっしりと座っているオヤブン・リングマの大きな足の上をふかふかのクッション代わりに丸まって、そこから料理をパクついていた。リングマ本人も最初は少し困惑していたものの、嫌がる様子もなくそのまま食べさせてやっている。(※ショウはその微笑ましい光景をしっかりスマホロトムの写真におさめた)。
美味しい料理でお腹を満たし、アオキから正式にジムバッジを受け取ったショウは、残りのジム挑戦に向けて一度アカデミーへと戻ることにしたのだった